リチャード三世 (シェイクスピア)
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『リチャード三世』(リチャードさんせい King Richard III)は、イギリスの劇作家ウィリアム・シェイクスピア作の史劇。正式なタイトルは『リチャード三世の悲劇』(The Tragedy of King Richard the Third)。初演は1591年。
タイトルロールのリチャード三世は狡猾、残忍、豪胆な詭弁家であり、シェイクスピア作品の中ではハムレットと並んで演じ甲斐のある役とされている。
怪異な容貌と鬱屈した野心のため嫌われ、恐れられつつも巧みに人を惹きつける男の一生を描いている。彼の野望の犠牲となり親を失った子、夫を亡くした妻、子供に先立たれた親の嘆きから、不幸の底にある者でさえ他人の不幸がわからない密やかなエゴイズムが劇中に映し出されていく。
目次 |
主な登場人物 [編集]
- グロスター公リチャード(のちにリチャード三世) ヨーク家の一員
- アン エドワード王太子の未亡人
- エリザベス イングランド王妃、エドワードの妻
- クラレンス公 リチャードの次兄
- エドワード イングランド王、リチャードの長兄
- バッキンガム公 リチャードの腹心
- リッチモンド伯 ランカスター家の一員、のちのヘンリー7世
あらすじ [編集]
薔薇戦争の最中にある15世紀イングランド。ヨーク家のエドワード四世は病の床にあった。
王の弟であるグロスター公リチャードは、生まれながらの身体的障害をもバネにし、王位をものにしようと企む。巧みな話術と策略で政敵を次々と亡き者にし、その女性たちを籠絡して見事王位に就くリチャード。
だがその栄光もつかの間、ランカスター家のリッチモンド伯ヘンリー・テューダー(後のヘンリー七世)が兵を挙げたのを契機に次第に味方は離れていき、ついにはボズワースの戦いで討たれる。
構成 [編集]
第一幕 [編集]
- 第一場 - ロンドン、街路
- 第二場 - ロンドン、別の街路
- 第三場 - ロンドン、王宮
- 第四場 - ロンドン塔内
第二幕 [編集]
- 第一場 - ロンドン、王宮
- 第二場 - 王宮の一室
- 第三場 - ロンドン、街路
- 第四場 - ロンドン、宮殿
第三幕 [編集]
- 第一場 - ロンドン、街路
- 第二場 - ヘイスティングズ卿の邸の前
- 第三場 - ポンフレット城
- 第四場 - ロンドン塔
- 第五場 - ロンドン塔の城壁
- 第六場 - ロンドン、街路
- 第七場 - ベイナード城
第四幕 [編集]
- 第一場 - ロンドン塔の前
- 第二場 - ロンドン、宮殿
- 第三場 - 前場に同じ
- 第四場 - ロンドン、宮殿の前
- 第五場 - スタンリー卿の邸
第五幕 [編集]
- 第一場 - ソールズベリー、広場
- 第二場 - タムワース近くの陣営
- 第三場 - ボズワースの平原
- 第四場 - 戦場の他の場所
- 第五場 - 戦場の別の場所
後日談 [編集]
- 本作によって、リチャード三世は醜い極悪人、というイメージが後世に伝えられたと言われているが、シェイクスピアが描いたように実際のリチャード三世がせむしであったかどうかは長い間の争点だった。しかし、2012年に見つかったリチャード三世の遺骨に脊柱後湾症(脊椎側湾症の一種)の痕跡が見られたことから、シェイクスピアの記述があながち誇張ではなかったことが証明される形になった[1]。
映画化作品 [編集]
- リチャード三世(1912年)- en:André Calmettes監督。[:en:Frederick Warde]]主演。
- リチャード三世(1955年) - ローレンス・オリヴィエ監督・主演。
- リチャード三世(1995年) - イアン・マッケラン監督・主演。1930年代の英国を舞台にしている。
- リチャードを探して(1996年) - アル・パチーノ監督・主演のドキュメンタリー。
関連作品 [編集]
書籍 [編集]
- 小谷野敦『リチャード三世は悪人か』 (NTT出版ライブラリーレゾナント、2007年)
映像作品 [編集]
- ドキュメンタリー「あなたの知らない世界史」シリーズ 第8回 「エドワード5世 蒸発の謎」(原題: Royal Murder)(ナショナルジオグラフィックチャンネル)
脚注 [編集]
関連項目 [編集]
- 時計じかけのオレンジ - 主人公は同情の余地のない悪人であるにもかかわらず、その主人公の被害にあった被害者たちも善人とは言いがたい点が本作と通じるイギリス的な皮肉を表現している
- 時の娘
- 暴走機関車 - 終わりに「リチャード三世」の一節が流れる。
外部リンク [編集]
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