ヤーコン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

?ヤーコン

ヤーコンの貯蔵根
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asteridae
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
: メナモミ属 Smallanthus
: ヤーコン S. sonchifolius
学名
Smallanthus sonchifolius
英名
yacon, yakon

ヤーコン(yacon)は南米アンデス山脈地方原産のキク科の多年生草本。学名は Smallanthus sonchifolius ( Poepp. ) H.Rob. ( syn. Polymnia sonchifolia )。アンデス山脈一帯では、伝統的に先住民によって、よく知られたナス科ジャガイモのほか、カタバミ科など様々な科にまたがった状の根菜類が栽培化されてきたが、ヤーコンもそういった根菜類のひとつである。

成長すると草丈は1.5-2mにもなり、ヒマワリに似た黄色い花を咲かせる。塊根型の貯蔵根となりサツマイモのように肥大するが、栄養生殖器官としては機能しておらず、これだけ植えても芽(不定芽)は出ない。同じキク科のダリアと同様、塊根を生じる地下茎の芽(鱗片葉の腋芽)とセットになって、これに発芽時の栄養分を供給する働きを持つ。ただし、ダリアと異なり地下茎の芽は塊茎状に発達し、これ単独でも発芽して成長することができる。

塊根は貯蔵栄養素としてデンプンではなくフラクトオリゴ糖を大量に蓄積しており、生で食べるとかすかにポリフェノールに起因する渋みを感じるものの、甘くしゃきしゃきした、ナシの果実に近い食感を持つ。そのため生食もされるが、炒める、煮るなどの加熱調理もされる。甘みはフラクトオリゴ糖の一部の分解で生じた低分子の糖に起因するため、収穫後1-2ヶ月の保存によって甘みが生じる。また、葉を煎じて一種のハーブティーとしても利用される。

日本に最初に導入されたのは、1970年代に南米から朝鮮民主主義人民共和国を経由したものであったが、定着しなかった。その後、1985年ニュージーランドで栽培されていたものが1万株輸入され、現在日本で栽培されているものはこれから増殖されたものである。最近、この苗の原種はペルーから無断で持ち出されたものであるとして、各所にペルー政府から警告書が届いている。

食用としての伝統は日本では浅いため、食材そのものとしてよりも、豊富に含まれるフラクトオリゴ糖の整腸作用や作用メカニズム不明の血糖値抑制効果などの健康に対する効果が注目され、一種の機能性食品として受容されている傾向が強い。日本での栽培普及の過程も、茨城大学農学部の月橋輝男らの研究グループの、機能性食品としての研究活動と深く結びついている。いくつかの地方では、農村の地域おこしのための特産品として商品化の努力が行われて、茨城大学農学部の所在地である茨城県阿見町では、平成11年より「あみだいち(ヤーコンマドレーヌ)」、「あみそだち(ヤーコンブッセ)」、「ヤーコン健康まんじゅう」「ヤーコンリーフサブレ」、「ヤーコンパウンドケーキ」、「ヤーコンかき揚げそば」「ヤーコンかき揚げ丼」などが販売されているほか、北海道置戸町では発泡酒「ヤーコンドラフト」の製品化に成功し、販売中である。また大阪府豊能町でもヤーコンの特産計画が進められている。つくば市では、お湯で戻して使う乾燥ヤーコンや水出しヤーコン茶などの製品化に成功し、販売中である。

[編集] 外部リンク