ヤマハ・テネレ700

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Ténéré700(テネレ700)は、ヤマハ発動機が製造販売するオートバイ大型自動二輪車)である。

概要[編集]

先代の「XT660Z テネレ」が2015年に生産終了となった後、2018年のEICMA(ミラノショー)で発表されたニューモデル。

欧州では2019年から販売開始となり、日本市場では2020年モデルのABS搭載モデル「Ténéré700 ABS」が導入されている。

ミドルクラスのアドベンチャーツアラーという位置づけとなり、オフロード走行に必要となる耐久性や整備性の高さ+ツーリング時に重要となる荷物積載時の高い適応力を兼ね揃えてるモデルとなる。

先代のXT600Zは単気筒エンジンを搭載していたが、「テネレ700」からはMT-07と共通の並列2気筒エンジンを搭載している。

また車名のテネレはパリ-ダカール・ラリーの難所であるテネレ砂漠に由来する。

モデル一覧[編集]

DM09J(2020年-2021年)[編集]

Ténéré700 ABS (DM09J)
2020-2021
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
メーカー 日本の旗ヤマハ発動機
車体型式 認定形式:DM09J
通称形式:BAU
エンジン M415E型 688 cm3 4ストローク
水冷DOHC4バルブ直列2気筒
内径×行程 / 圧縮比 80.0 mm × 68.5 mm / 11.5:1
最高出力 53kW 72PS/ 9,000rpm
最大トルク 67N・m 6.8kgf・m/6,500rpm
車両重量 205 kg
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BAU型

エンジン自体は基本的にMT-07と同じものになるが、吸排気系およびFIセッティングが変更されており出力特性も若干変更されており(MT-07と比較し出力:-1PS/トルク:-0.1kg)エンジン形式も「M410E」ではなく「M415E」となっており、他にもMT-07からの変更点としてはラジエターファン&グリルなども専用設計のものが装備されている。

フレームに関してはオフロード走行を考慮し、専用のスチール製フレームを搭載。リアフレームもフレームと一体設計とし、トップケースなどのアクセサリーを装着しやすい設計になっている。[1]

サスペンションに関してはフロントにはφ43mmリーディングアクスルタイプの倒立式フロントフォークを装備。ストロークは210mmとなり、伸び・圧減衰調整機能に加えて圧抜きスクリューをフォークトップに配置。インナーチューブは樹脂製のカバーで保護されている。[2]リアに関してはプリロード、圧減衰、伸減衰の全てが調整可能なフルアジャスタブルのリンク式専用リヤモノショックとなりストロークは200㎜。

ブレーキはフロントにダブルディスクでφ282mmの軽量ウェーブタイプをフローティングマウント。キャリパーはブレンボ製2ポッドのピンスライド式を採用。リヤブレーキはφ245mmディスク+1ポッドキャリパー。キャリパーは前後ともにブレンボ製となる。

前21/後18インチ径スポークホイールを採用。タイヤについてはピレリ製のスコーピオンラリーSTRを装着。

ヘッドライトの光源はプロジェクタータイプの4灯LEDヘッドライトを採用。LEDの4灯ヘッドライトは上段がロービーム、下段がハイビームで、左右独立式の光軸調整ノブがついている。

メーターはマルチファンクションの縦長フル液晶メーター。太陽光下でも情報を読み取りやすいモノクロ液晶で、瞬間燃費やアベレージ燃費なども表示。ABSのカットボタンもついており、メーターの上にはGPSなどを装着できるステーが配置されている。[3]

オフロード走行を考慮し、標準モデルのシート高は875mmと高いが、シート高を下げたモデルも用意されている。


Ténéré700 ABS Low
日本専用モデルとなり、「Ténéré700 ABS」をベースに、1)スタンダードからシート高を約20mm下げるローシートと、2)シート高を約18mm下げるローダウンリンクキットを装備した車両となる。値段については「Ténéré700 ABS」と据え置き。[4]

DM13J(2022年-)[編集]

Ténéré700 ABS (DM13J)
2022-
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
メーカー 日本の旗ヤマハ発動機
車体型式 認定形式:DM13J
エンジン M424E型 688 cm3 4ストローク
水冷DOHC4バルブ直列2気筒
内径×行程 / 圧縮比 80.0 mm × 68.5 mm / 11.5:1
最高出力 54kW 73PS/ 9,000rpm
最大トルク 69N・m 6.9kgf・m/6,500rpm
車両重量 205 kg
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平成32年(令和2年)排出ガス規制に適合。国内認定型式が、2020年モデルの「DM09J」から「DM13J」に変更。エンジンも先代同様、MT-07のものをそのまま流用しているのではなく、出力特性が変更された「M424E」型となっている。(MT-07/XSR700は「M419E」型)

外観上は殆ど変更がないが、よく見るとエキゾーストマニホールド&アンダーガードの形状が変更となっており、マニホールド周辺にガードが追加されている。

Ténéré700 ABS Low 先代に引き続き、ローダウンキットを装備したモデルも継続販売。

出典[編集]

関連車種[編集]

外部リンク[編集]