ストリートギャング

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ストリートギャング(street gang)は、市街地などの路地などで活動するギャング組織の末端組織で、銃器が入手し易いアメリカ合衆国では、構成員が度々銃乱射事件を起こすなど、大きな社会問題と化している。

概要[編集]

これらの集団は、1970年代のアメリカにてすでにその原型が見られたが、特に1980年代以降には自動小銃サブマシンガン等で武装する集団が多く見られ、乱射事件を起こしやすいなどの問題行動が見られる。 アメリカやオーストラリア、欧州各国、メキシコ、ブラジルでは20代、30代のメンバーが中心で、40代や50代の構成員が中心となるグループも珍しくない。

構成員3万人からなる全米最大のクリップス(Crips)は青、全米に構成員2万人からなるラテンキングス(Latin Kings)は黄、構成員9,000人からなるブラッズ(Bloods)は赤、といったように、一部のストリートギャングはシンボルカラーを身につけている。ラテンキングスは非常に凶悪なことで知られ、かつてマクドナルドにたむろし、入店禁止処分にされたメンバーが報復のため自動小銃を乱射し店長を殺害。事件を重く見たロサンゼルス市警察が専従捜査・取締班CRASH(Community Resources Against Street Hoodlums、地域街頭暴力への対抗方策)を設置する事態に発展した。(CRASHは騒動の沈静化に伴い廃止されている)この事件は映画『カラーズ 天使の消えた街』で取り上げられた。

アクション映画コンピュータゲーム等ではしばしばやられ役のチンピラをストリートギャングと表現する場合もあるが、実際には人数が少ない分だけ武装に力を注ぐ傾向が強く銃器に頼りやすい、結果的により凶悪な事件を起こしやすいなど、都市部の治安悪化要因のひとつに挙げられる。

また、若年層が中心である為高校生位の年代の少年も多いとされるが、度々凶悪な事件を巻き起こす事から、他の少年犯罪のようにモラトリアムの範疇には見なされず、成人した犯罪者と同様に扱われ、警官隊と銃撃戦の末に射殺されるケースも多いとされ、それらの集団が扱う商品には麻薬、銃器、売春といった違法なものから、パーティー券や各種チケットのダフ行為まで多岐に渡り、また、違法な商品の仕入先にはマフィア等の大手組織が挙げられている。

これらはプロジェクツと呼ばれる低所得者向け公営団地や放棄され廃墟になったビルの一室を根城として活動し、数名から十数名程度の弱小グループから、下位組織を含めると総勢数万名に及ぶ大規模な団体まで様々で、それぞれのグループに特徴的なファッション・ルールがあるとされる。初期のストリートギャングはレザージャケットやデニムジャケット(どちらも袖無しのものを身につけることがある)などを身に着けていたが、重武装化が進んでからはチームごとに色を揃えたスポーツウェアやネルシャツ、バンダナといった後のヒップホップに影響されるファッションが主流となっていく。

特に若者文化に影響力は大きく、ヒップホップラップなどは彼らストリートギャングやその出身者(ギャング)が主な牽引役となっている。そのため、教育者や保護者には、これを「ギャングスタイル」だとして嫌う傾向も存在する。

人種差別や移民との関係[編集]

ストリートギャングはアフリカ系ヒスパニック系など、特定の人種あるいは民族のメンバーのみで構成されていることが多い。この背景には、アメリカでは必ずしも末端では人種差別が払拭されてはおらず、また、比較的近年になって移民してきた人々は確固たる社会基盤を持たない事から経済的に貧しいことが多く、これら社会基盤に乏しく貧しい家の子供達が、特定の肌の色を持つ者同士で集まって、小集団を結成し、活動するケースがあったことが原因であると思われる。このようにして結成された、有色の肌を持つ特定人種のみにて構成されたギャングを、しばしば有色人種を指し差別的意味合いを持つ「カラード」を付けカラード・ギャングと呼称した時代もある(→クリップスおよびブラッズを参照)アフリカ系メンバーからなるクリップスやブラッズ、チカーノと呼ばれるメキシコ系メンバーからなるエイティーンス・ストリート・ギャングスレーニョスエルサルバドル移民を中心としたラテン系メンバーからなるマラ・サルバトルチャアルメニア系メンバーからなるアルメニアン・パワーアジア系メンバーからなるボーン・トゥ・キルなどがこれにあたる。一方、白人メンバーのみで構成されたナチ・ローライダーズパブリック・エネミー・No.1などもあり、これらの組織では白人至上主義を掲げている。

日本での類似現象[編集]

日本にも、このスタイルだけが伝播し、暴走族への憧れの低下や、上下関係の煩わしさなどもあり、未成年者等によるチーマーやバイカーやカラーギャングと呼ばれる小集団を発生させている。チーマーやバイカーは1980年代半ば以降より(特に渋谷上野周辺で)活動が見られたが、1990年代半ばよりカラーギャングがその活動を活発化させ、社会問題となっている。

また、このような不良グループのOBが21世紀になって以降、『愚連隊』に近いグループを作って営利犯罪を行うケースも増えている。取り締まりによって弱体化する暴力団に代わり、芸能界やクラブ経営などに携わり、勢力を増大させていくのではという意見もある。

関連する作品等[編集]

映画[編集]

テレビドラマ[編集]

コンピュータゲーム[編集]

漫画[編集]

関連項目[編集]