クマのプーさん
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クマのプーさん(英: Winnie-the-Pooh)は、1926年に発表されたミルンの童話、及びその童話の主人公であるクマのぬいぐるみであるテディベアの名前である。童話の挿絵は、E・H・シェパードによって描かれた。
また、本作を原作としたディズニー社のアニメーション作品が存在する。ディズニー版のタイトルは英: Winnie the Pooh(邦題『くまのプーさん』)。
主人公はしばしば、プーさん、プーとも呼ばれる。本記事においては、原作の童話を指す場合は「クマのプーさん」、ディズニー版を指す場合は「くまのプーさん」、キャラクターを指す場合は「プーさん」で統一する。
『クマのプーさん』は世界中に翻訳されており、作者の本国であるイギリスのみならず、多くの読者に愛され、親しまれている。
目次 |
[編集] 歴史
クマのプーさん(くまのプーさん)の歴史は、原作の発表から翻訳を経て世界各地に広まった段階と、ディズニー社によるアニメーション化以降の段階に大別される。
[編集] 名前の由来
- Winnie-the-Poohとは、ミルンの息子である、クリストファー・ロビン・ミルン(クリストファー)が持っていたテディベアの名前であるWinnipegと、ミルン親子が休日に見た白鳥の名前Poohから、ミルンがヒントを受けて名付けたものである。『クマのプーさん』に登場する、プーさん以外のキャラクターも、クリストファーが所有していた種類のテディベアがモデルとなっている(一部例外あり)。これらのテディベアは、ニューヨーク公共図書館1階Children's Center at 42nd Street内に展示されている。(ただし、ルーのテディベアは、クリストファーが紛失したため展示されていない。)また、クリストファー自身も、登場キャラクターであるクリストファー・ロビンのモデルとなっている。
- Winnipegの名前は、ミルン親子がロンドン動物園で見かけたアメリカグマ(the Royal Winnipeg Rifles(カナダの町ウィニペグの名を冠するロイヤル・ウィニペグ・ライフルズ カナダ軍の連隊)のマスコットとしてイギリスにやってきていた クマのウィニー)から、クリストファー・ロビンが名付けたものである。
- クマのプーさんの舞台である100エーカーの森は、ミルンの故郷であるイギリスのイースト・サセックス州にある、500エーカーほどの森林であるアッシュダウンフォレストをモデルにしており、作中にも同じ名称がいくつか登場している。
[編集] 出版物
- 1926年に1作目『クマのプーさん』、1928年に続編の『プー横丁に建った家』が発表された。これらの話のほか、プーさんを題材としたいくつかの童話があり、その挿絵はすべてE・H・シェパードによって描かれた。
- 日本では、石井桃子の訳により1940年(昭和15年)に岩波書店から出版された。また、1957年(昭和32年)、岩波少年文庫より訳を改めて出版された。
- ミルンの没後(1956年)、『クマのプーさん』に関する権利は、イギリスの紳士クラブ、ウェストミンスター・スクール、王立文学基金、ミルンの家族に分割されて相続された。
- 『クマのプーさん』の著作権はベルヌ条約に基づき、カナダやニュージーランドではミルンの没年から50年後の2006年に失効した。ただし、日本は戦時加算のため2016年5月末まで、イギリス本国を始めEU域内やオーストラリアでは2026年まで有効である。また、E・H・シェパードの挿絵に関する著作権は2026年〜2046年(国・地域により異なる)まで有効である。
- Methuen社版の『クマのプーさん』の単行本の売上は1996年末までに2000万部を超える。この売上にはDutton社版や英語以外の翻訳版の売上は含まれていない[1]。全世界での単行本売上は2001年時点で7000万部を超える[2]。
- 2009年10月5日に『100エーカーの森に帰る』が出版される予定。
[編集] 商品化権の変遷とディズニー社との関係
- キャラクターライセンス事業の先駆者である、ステファン・スレシンジャーは、スレシンジャー個人と彼の会社であるスティーブン・スレシンジャー社(後の米国著作権管理会社であるスレシンジャー社)の権利として、演劇・朗読・楽曲・アニメ・グッズ製作及び広告に関するクマのプーさんの商品化権を、1930年に取得した。この権利は大きい利益を生み出すこともなく[要出典]、1953年にスレシンジャーが亡くなった後には、商品化権はスレシンジャーの妻である、シャーレイ・スレシンジャーに相続された。
- シャーレイは、スレシンジャーの没後も『クマのプーさん』の商品製作を続けたが、1961年、ディズニー社がスレシンジャー社に権利料を支払うことを条件に、ディズニー社に演劇などの権利使用を認めた。また同年、ミルンの妻であるダフニ・ミルンも、アニメ化を含む権利使用をディズニー社に認めた。
- ディズニー社の作品は、初期には原作を元にしたストーリーであったが、後にディズニーオリジナルのストーリーが使われるようになった。ゴーファー(「プーさんとはちみつ」〜)、ケシー(「新くまのプーさん」〜)、ランピー(「はじめまして、ランピー」〜)などのオリジナルキャラクターも登場する。絵も本のイラストに近いものから現代的なものへと変わっていった。
- 1977年『くまのプーさん』(The Many Adventures of Winnie the Pooh)が劇場公開された。ゴーファー(Gopher)が初めて登場するこの映画は1966年から1974年の間に制作されていた3作品からなる。1983年に4番目の短編映画「プーさんとイーヨーの一日」が公開。その後、新くまのプーさんや、ザ・ブック・オブ・プーなどの、テレビシリーズも制作。
- 2000年にティガーが主人公の『ティガー・ムービー プーさんの贈りもの』(The Tigger Movie)、2003年にピグレットが主人公の『くまのプーさん 完全保存版II ピグレット・ムービー』(Piglet's Big Movie)が公開。
- 2005年12月、ディズニー社は「くまのプーさん」の新作テレビアニメを全世界のディズニー・チャンネルで2007年に放映すると発表した(プーさんといっしょ)。同シリーズでは新たなメインキャラクターとして、ダービーという6歳の少女が登場している。
- 1998年にはアメリカでのプーさんのキャラクター商品の売上がミッキーマウスを上回り、ディズニーキャラクターで1位となった。
- 2005年度のディズニー社の「くまのプーさん」関連商品の小売市場は年間60億ドルで、ディズニー社ではミッキーマウスに次いで第2位である[3]。
- キャラクター・データバンクの調査による日本におけるキャラクター商品の販売額において「くまのプーさん」は2002年から2005年まで4年連続1位を獲得した。日本ではプーさんのキャラクター商品は、子供だけではなく女子高生や大人世代にも人気があり、「癒し系キャラクター」と呼ばれることもある。
[編集] 使用権をめぐる訴訟
- 「くまのプーさん」の映像や、ぬいぐるみなどの商品はディズニー社に莫大な利益をもたらした(未就学児童向け商品及びビデオソフトの売上が絶大である)。このため、ディズニー社は自作の商品に加え、オリジナル童話のシェパードの挿絵により近い「クラシック・プー」を商品化した。
- スレシンジャー社は、ディズニー社が同社と1983年に結んだ契約に違反し、「くまのプーさん」にかかる売上を偽って報告し、加えて、商品収入にかかる一部の権利料を払っていなかったとして、1991年にディズニー社に対して訴訟を起こした。この契約によれば、「くまのプーさん」にかかる売上のうち、98%がディズニー社の収入、残り2%がスレシンジャー社の収入となっていた。ディズニー社は2億ドル以上の商品化権に対する権利料を払うべきなのに、金額を実際より低く見せかけて6600万ドルしか払っていないというのが同社の主張であった。この訴訟において、ディズニー社は莫大な書類を破棄し、証拠隠滅を図ったと認定されたが、一方でスレシンジャー社も調査会社を使って、ディズニー社のゴミの中から証拠を不正に入手していたことが明らかになったため、2004年5月、ロサンゼルス上級裁はスレシンジャー社の訴えを棄却し、最終的にディズニー社が勝利した。
- 一方、ディズニー社は、ミルンの娘であるクレア・ミルンの名義により、アメリカにおけるスレシンジャー社の「クマのプーさん」に関する一切の権利を、将来にわたって破棄することを裁判所に訴えた。これは、原作者一族に権利を戻した上で、ディズニー社がミルン家と独占契約し、「くまのプーさん」関連のビジネスを自由に展開しようとして行ったものである。しかし、連邦地方裁判所はスレシンジャー社の権利を認め、さらに2006年6月26日、米国最高裁判所は原告の訴えを棄却したため、原告の敗訴が確定した。
- シェパードの孫もディズニー社の後押しを受けて、スレシンジャー社から著作権を取戻すべく1991年に提訴したが、連邦地裁は2007年2月、原告の訴えを退け“権利はスレシンジャー社にあり”の判断を下した。
[編集] 登場人物
ディズニー版のキャラクターについては、くまのプーさんキャラクター一覧を参照。
[編集] クリストファーのテディベアがモデルのもの(クリストファー自身も含む)
- プー(Winnie the Pooh)
- 主人公のテディベア。蜂蜜が好物。詩や歌を作ったりする。今考えていたことをすぐに忘れてしまう。
- ディズニーアニメの「くまのプーさん」ではプーの家の表札にサンダース(Thunders)とかいてあるがこれはナレーター曰く、かってに自分で名乗って表札をつくったものであり、まわりのみんなはその名でプーのことを呼ぶことは決してない。
- クリストファー・ロビン(Christopher Robin)
- 森の動物たちから頼りにされている、5歳ぐらいの男の子。
- ピグレット(コブタ)(別名:ヘンリー・プーテル)(Piglet, Henry Pootail)
- プーの親友の子ブタ。とても気が弱い。ドングリを食べている。ディズニー版での口癖は「どどど、どうしよう」。
- 家の前にある立て札から祖父の名前を「侵入者ウィル(trespasser will)」と思い込んでいるが、ウィルは人名ではなく未来系の助動詞であり、実際は「侵入者はいずれ―(続きが欠けている be prosecutedと繋がり、“侵入者は訴追される”となるのが普通(つまりただの「入るな」というメッセージ))」というただの文章である。
- モデルのテディベアはクリストファーの隣人からのプレゼント。
- イーヨー(Eeyore)
- 陰気なロバ。アザミが主食。しっぽをすぐに無くしてしまうのと、木の枝の家がすぐに壊れてしまうのが悩み。ある意味、いちばんの常識人。とても想像力に長けるという面もある。
- モデルのぬいぐるみはクリストファーのクリスマスプレゼント。
- カンガ(Kanga)
- カンガルー。ルーの母親。ルーから片時も目を離さない。
- ルー(Roo)
- カンガルー。カンガの子供。ティガーと仲良くなる。
- ティガー(トラー)(Tigger)
- 陽気でお調子者のトラ。カンガルーの家に住むようになる。思い込みが激しく繊細な一面も持つ。ジャンプが大好きだが高所恐怖症という弱点がある。はちみつが大嫌い。
カンガ、ルー、ティガーのモデルのぬいぐるみは、「クマのプーさん」の物語を書く際に必要になったためA.A.ミルンが購入したものである。
[編集] アッシュダウンフォレストに実在した動物がモデルのもの(ぬいぐるみは存在しない)
- ラビット(ウサギ)(Rabbit)
- ちょっと神経質なウサギ。畑で作物を作るのが日課。ティガーにいつも跳ねとばされている。
- オウル(フクロウ)(Owl)
- 物知りなフクロウ。難しい言葉を幾つも知っており、クリストファー・ロビン以外では唯一文字が書ける。お喋りで話がとても長い。
[編集] トリビア
[編集] プーさんの誕生日
プーさんの誕生日は、公式設定では1921年8月21日とされているが、他にも諸説ある。
- 1921年8月21日
- クリストファー・ロビン・ミルンが、1歳の誕生日である1921年8月21日に、プーさんのモデルとなったぬいぐるみを贈られたことを根拠とする。このことは、作中、クリストファー・ロビンの発言にも現れている。
- 1926年10月14日
- 1926年10月14日に、『クマのプーさん』が最初にイギリスで出版されたことを根拠とする。
- 東京ディズニーランドでは、2006年に原作デビュー80周年記念として、各種グッズが販売された。また、造幣局でも、2006年10月14日に、80周年記念の貨幣セット(「くまのプーさんとなかまたち 夢と冒険の80年 2006貨幣セット」)を発売した。
- 1966年2月4日
- 1966年2月4日に、ディズニーアニメ『くまのプーさん プーさんとはちみつ』(Winnie the Pooh and the Honey Tree)が劇場公開されたことを根拠とする。ただし、ディズニー社ではプーさんの誕生日は特に設定していない(元々ディズニー社のキャラクターではないため)。
[編集] その他
- プーさんの絵のモデルにもなったといわれる、本のイラストを描いたE・H・シェパードの息子が持っていたテディベア「グロウラー」は、飼い犬に壊されてしまい、現存していない。また、「ルー」のテディベアは、野犬に持ち去られてしまい、これも現存していない。[4]
- 美智子皇后の愛読書である。
- 又、ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズ(Brian Jones)の愛読書でもあった。ブライアンは晩年、A・A・ミルンの元邸宅に住み、1969年庭のプールで死去している。
- 2006年4月11日、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームに名前を刻んだ。
- 1966年にデビューしたイタリアのロックバンド「プー」(Pooh)の名前の由来になっている。
- 日本の中川いさみによる4コマ漫画作品『クマのプー太郎』とはいっさい関係はない。
- ソ連版のアニメもある。ロシア語ではВинни-Пух(ヴィニー・プーフ)というタイトルで、現在まで広くロシア語圏で視聴されている。プーさんは茶色である。プーさんの声優はSF映画不思議惑星キン・ザ・ザの宇宙人役などで著名なソ連を代表するコメディ俳優のエフゲニー・レオーノフが担当している。
- ポーランドでは「くまのプハテック(Kubuś Puchatek)」と呼ばれて第二次世界大戦の前から親しまれ、首都ワルシャワの中心街には「くまのプハテック通り(Ulica Kubusia Puchatka)」がある。
[編集] ディズニー版長編作品
- くまのプーさん 完全保存版(1977年)
- くまのプーさん クリストファー・ロビンを探せ!(1997年)
- ティガー・ムービー プーさんの贈りもの(2000年)
- くまのプーさん みんなのクリスマス(2002年)
- くまのプーさん 完全保存版II ピグレット・ムービー(2003年)
- くまのプーさん ルーの楽しい春の日(2004年)
- くまのプーさん・ザ・ムービー はじめまして!ランピー(2005年)
- くまのプーさん ランピーとぶるぶるおばけ(2005年)
[編集] 日本でのTV放映作品
- 新くまのプーさん
[編集] 脚注
- ^ Winnie the Pooh - History of Pooh
- ^ Disney Video and DVD Insider
- ^ 産経新聞 ENAK CinemaClip くまのプーさん 殿堂入り(インターネット・アーカイブのキャッシュ)
- ^ 日本語版童話のあとがきより。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- ディズニーストア公式サイト「キャラクターブック」 - くまのプーさん紹介サイト
- 新くまのプーさん - TOKYO MX内アニメ公式HP
- 英国政府観光庁 - 世界中のファンが集まるショップ
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