だましゑ歌麿

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だましゑ歌麿
著者 高橋克彦
発行日 1999年4月30日
発行元 文藝春秋
ジャンル 時代小説推理小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判上製本
ページ数 528
次作 おこう紅絵暦
コード ISBN 9784163184807
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だましゑ歌麿』(だましえうたまろ)は、高橋克彦による日本時代推理小説、及びそれを原作とした2009年9月12日放映のテレビドラマ

週刊文春』(文藝春秋)にて、1998年(平成10年)11月13日号から1999年(平成11年)11月19日号まで連載されていた。

本作の脇役だった人物たちを主人公に据えたスピンオフ作品で、後に「だましゑシリーズ」と呼ばれるようになる続編的扱いの作品がある(#関連項目参照)。

オール讀物』(文藝春秋)2011年11月号に掲載された続編「さやゑ歌麿」のテレビドラマ化も決定した。

書誌情報

目次

[編集] あらすじ

寛政2年(1790年8月20日の夜、江戸が大嵐による高波に襲われ、当代の人気絵師・喜多川歌麿の妻・おりよが惨殺される。

調査を始めた南町奉行所同心仙波は、現場で髑髏の根付が付いた印籠を見つけ、犯人はそこそこ身分の高い人物であろうと推測するが、証拠が残っているはずの歌麿の家は早々と取り壊され、上からも調査をやめろと釘を刺される。しかし諦めきれない仙波は密かに調べを続ける。そして、世間体を慮って妻の死を“病死”と届け出、栃木の田舎で静養していた歌麿も、妻の仇を取らんと水面下で動いていた。

そんな中、呉服屋、小間物問屋、菓子屋と続けて押し込み強盗が入り、駆け付けた火附盗賊改が蔵を検分し、数々の贅沢品が見つかる。いつもならお目こぼしもあり得る町奉行所も、火附盗賊改に先に駆けつけられては温情も出せない。禁令前に購入したものであるにも関わらず、見つかった贅沢品は残らず押収され、見せしめに燃やされるなど、奉行所の行いは傷口に塩を塗り込むような悪行と非難を浴びる。

事件の裏に見え隠れするのは、倹約を強要する時の老中松平定信、定信に取り入ろうとしていると評判の火附盗賊改の頭・長谷川平蔵、奉行は既に定信に取り込まれており信用できない。真相に気付いた仙波はとんでもない方法を画策する。


注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。


[編集] 登場人物

[編集] 町奉行

仙波一之進
南町奉行所同心。36、7歳。どんな時でも黒足袋に草履を履いている。
松平定信の緊縮政策に忠実に従っているに過ぎないが、「千に一つの目こぼしがない」と恐れられ、名前と掛けて「千一」というあだ名で呼ばれる。おりよ殺害事件に関わっていく内に、改革の本質に疑問を持ち、それに従って厳しく取り締まりをする自分にも嫌気が差すようになる。
菊弥
仙波が使っている小物。24歳。
安井才蔵
仙波の同輩。仙波にいろいろ借りがある。呑気な性格。義兄(妻の兄)は北町奉行に務めている。
佐野平太郎
南町奉行所与力。仙波の上役。おりよの事件はもう調べるなと仙波に釘を刺す。その後も何かと仙波の動きを阻止するような指示を出す。
池田長恵
南町奉行。
初鹿野信興
北町奉行。頑迷で融通の利かない人物。老中が改革を断行する前から奉行を務めている。

[編集] 市井の人々

喜多川歌麿
狂歌本や一枚絵を描く絵師。世間の評判も高まりつつあるが、生真面目さが絵にも現れ、艶っぽさに欠けていた。旅先の江ノ島大水の報を聞く。
世間体と愛妻のおりよを慮って、奉行所に病死と届け出てしまった。妻を亡くして以来、すっかり絵を描けなくなってしまうが、栃木の田舎で休養した後、吉原遊女の日常を描く作品を次々と発表し、画風をがらりと変えた。
おりよ
歌麿の妻。大水の晩に何者かに襲われ亡くなる。出自をあまり話さなかったが、歌麿と出会った時に秋田藩の屋敷で腰元奉公をしていたことから、そこそこ名のある人物の妾腹であると仙波は推測する。
平沢常富
秋田藩留守居役。「朋誠堂喜三二」の名で洒落本を、「手柄岡持」の名で狂歌を手がけ、歌麿と親しい。
笹屋五兵衛
もぐさを商っている。昔から歌麿が懇意にしている。商人にしては目つきが鋭く、貫禄もある。
おこう
柳橋芸者。23,4歳。切れ長の目が艶っぽい。仙波に惚れる。
蔦屋重三郎
江戸一番の版元。歌麿より3,4歳年上。禁令の裏を掻くような京伝の作品を出版し、身代半減の過料を受ける。
仙波左門
仙波の父親。隠居老人。「奉行所は民を守るためのもの、同心の主は将軍や老中でなく民である」との考えを仙波に託し、己を貫けと助言する。槍の名手。
お光
仙波の屋敷に手伝いに通う女。禁令で代々の形見さえも押収されやしないかと怯えと怒りを感じている。
春朗
勝川派を破門された絵師。32歳。蔦屋に、いずれ歌麿に並ぶと見込まれている。風景画を得意とするが、名を広めるために美人画に挑む。後の北斎

[編集] 火附盗賊改

長谷川平蔵
火附盗賊改(無宿人や火附け、盗賊の取締りが役目)。御先手組頭も兼ねている。盗賊捕縛の容赦ないやり口から、「鬼」と恐れられている。老中に取り入ろうとしていると評判。
中山格之助
火附盗賊改、召取同心。気弱な性格。
脇田治五平
火附盗賊改の同心。同心の中では最年長。長谷川の信頼も篤いらしい。寄場の監視(閑職)を任されている。槍の名手で、左門が槍を始めたのは、過去に脇田に負けたことがきっかけ。
前田・大塚
火附盗賊改同心。3件の押し込みの調査を担当する。

[編集] その他

松平定信
老中白河藩主。逼迫する財政状況を回復させんと、自ら麦飯・一汁一菜を守り通し、倹約ぶりを示している。
倉橋格
駿河松平公に仕える江戸詰めの用人。恋川春町の名で黄表紙を多く手掛けた。病で長患いの末に亡くなったとされているが、前日に定信から呼び出しを受けており、その後には蔦屋とも対面しており、おそらく定信から自害を促されたと推測される。
通用亭徳成
栃木で小間物を扱っている釜屋という店の跡継ぎ。狂歌をたしなんでおり、江戸へ商いに来る度に、歌麿が関わる連に顔を出している。本も数冊出している。歌麿より11歳年下で、身内同然の存在。

[編集] 関連項目

関連作品

  • 『おこう紅絵暦』 - 仙波の妻となったおこうが、足腰は弱いが知恵はある舅の左門と事件を解決する。
  • 『春朗合わせ鏡』 - 若き絵師・春朗が絵師ならではの観点で事件を解決する。
  • 『蘭陽きらら舞』 - 絵師・春朗が役者・蘭陽と事件に臨む。

[編集] テレビドラマ

テレビ朝日系列にて2009年9月12日に放送された。視聴率は15.2%(関東地区)。主演は水谷豊で、17年ぶりの時代劇出演となる。

原作の主人公は同心・仙波一之進だが、水谷が演じるのは喜多川歌麿役である。北町奉行・初鹿野信興は登場せず、長谷川平蔵がその役を兼ねるため、結末は原作と多少異なる。

[編集] キャスト




[編集] スタッフ

[編集] 外部リンク

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