「ベンゾジアゼピン依存症」の版間の差分

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===離脱の生理学===
===離脱の生理学===
離脱症状は、慢性的なベンゾジアゼピン使用者に起こる通常の反応であり、副作用と薬物耐性の結果である。薬物の投与量が減少すると症状が現れるのが典型的である。[[GABA]]は二番目に最も共通な中枢神経の伝達物質である(最も共通なのは[[グルタミン]]<ref>http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi-rendertype=abstract&artid=40853</ref><ref>http://www.nature.com/ejcn/journal/v62/n4/abs/1602866a.html</ref><ref>Herlenius E, Langercrantz H (2004). Development of neurotransmitter systems during critical periods. Exp Neurol 190, 8-21. http://dx.doi.org/10.1016/j.expneurol.2004.03.027</ref>))。それは最も圧倒的に豊富に存在する抑制性神経伝達物質であり、4分の1から3分の1のシナプスはGABAを使用している。<ref>http://thebrain.mcgill.ca/flash/a/a_01/a_01_m/a_01_m_ana/a_01_m_ana.html</ref> ベンゾジアゼピンの使用は、脳と身体機能に対して直接的・間接的に大きな影響を持っている。<ref name="ashman"/>
離脱症状は、慢性的なベンゾジアゼピン使用者に起こる通常の反応であり、副作用と薬物耐性の結果である。薬物の投与量が減少すると症状が現れるのが典型的である。[[GABA]]は二番目に最も共通な中枢神経の伝達物質である(最も共通なのは[[グルタミン]]<ref>http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi-rendertype=abstract&artid=40853</ref><ref>{{cite journal|last1=Humphries|first1=P|last2=Pretorius|first2=E|last3=Naudé|first3=H|title=Direct and indirect cellular effects of aspartame on the brain|journal=European Journal of Clinical Nutrition|volume=62|issue=4|year=2007|pages=451-462|issn=0954-3007|doi=10.1038/sj.ejcn.1602866}}</ref><ref> {{cite journal|last1=Herlenius|first1=Eric|last2=Lagercrantz|first2=Hugo|title=Development of neurotransmitter systems during critical periods|journal=Experimental Neurology|volume=190|year=2004|pages=8–21|issn=00144886|doi=10.1016/j.expneurol.2004.03.027}}</ref>))。それは最も圧倒的に豊富に存在する抑制性神経伝達物質であり、4分の1から3分の1のシナプスはGABAを使用している。<ref>http://thebrain.mcgill.ca/flash/a/a_01/a_01_m/a_01_m_ana/a_01_m_ana.html</ref> ベンゾジアゼピンの使用は、脳と身体機能に対して直接的・間接的に大きな影響を持っている。<ref name="ashman"/>


ベンゾジアゼピンは[[ノルエピネフリン]](ノルアドレナリン)・[[セロトニン]]・[[アセチルコリン]]・[[ドーパミン]]を減少させる。これらの神経伝達物質は通常の記憶・気分・筋肉緊張と協調・感情反応・内分泌・心拍数・血圧コントロールに必要である。慢性的なベンゾジアゼピン使用により、耐性がそれらの大部分に対して形成され、そのためベンゾジアゼピンの断薬によりGABA阻害活動が無くなるため神経伝達物質がオーバードライブする。離脱症状はその結果として起こり、中枢神経システムが適応するまで持続する。<ref name="ashman"/>
ベンゾジアゼピンは[[ノルエピネフリン]](ノルアドレナリン)・[[セロトニン]]・[[アセチルコリン]]・[[ドーパミン]]を減少させる。これらの神経伝達物質は通常の記憶・気分・筋肉緊張と協調・感情反応・内分泌・心拍数・血圧コントロールに必要である。慢性的なベンゾジアゼピン使用により、耐性がそれらの大部分に対して形成され、そのためベンゾジアゼピンの断薬によりGABA阻害活動が無くなるため神経伝達物質がオーバードライブする。離脱症状はその結果として起こり、中枢神経システムが適応するまで持続する。<ref name="ashman"/>
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ベンゾジアゼピンの長期間服用は身体的・精神的な健康問題を引き起こし、そのため多くの長期服用者には断薬が勧められる。
ベンゾジアゼピンの長期間服用は身体的・精神的な健康問題を引き起こし、そのため多くの長期服用者には断薬が勧められる。
離脱症候群は、短期間の軽度症候群と、長引く深刻な症候群に渡る。離脱症候群は数年間にわたり、もともと服薬した症状よりも長引く。
離脱症候群は、短期間の軽度症候群と、長引く深刻な症候群に渡る。離脱症候群は数年間にわたり、もともと服薬した症状よりも長引く。
多くの患者はベンゾジアゼピンが効かないことが分かっていながら、離脱症候群のためにベンゾジアゼピンが中断できずにいる<ref name="ashman"/>
多くの患者はベンゾジアゼピンが効かないことが分かっていながら、離脱症候群のためにベンゾジアゼピンが中断できずにいる<ref name="ashman">{{cite web |author= Professor Heather Ashton |year=2002 |url=http://benzo.org.uk/manual/index.htm |accessdate=2012-06-20 |title=Benzodiazepines: How They Work and How to Withdraw}}</ref>


離脱症状はゆっくりとした減薬であっても深刻なことがあるが、ゆっくりとした減薬で減らすことができる。そのため、削減率は患者それぞれの体質によってカスタマイズすることが推奨される。離脱に要する期間は、数ヶ月から一年以上とさまざまである。これは服用期間・投与量・ライフスタイル・健康状態・社会と環境のストレス要素による。<ref name="ashman"/>
離脱症状はゆっくりとした減薬であっても深刻なことがあるが、ゆっくりとした減薬で減らすことができる。そのため、削減率は患者それぞれの体質によってカスタマイズすることが推奨される。離脱に要する期間は、数ヶ月から一年以上とさまざまである。これは服用期間・投与量・ライフスタイル・健康状態・社会と環境のストレス要素による。<ref name="ashman"/>
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===英国国民保健サービス===
===英国国民保健サービス===
英国[[国民保健サービス]]では、ベンゾジアゼピンの処方と離脱ガイドラインで以下の診断基準を提示している<ref>{{Harvnb|NHS|2006|Ref=NHSGRAMPIAN}}</ref>
英国[[国民保健サービス]]では、ベンゾジアゼピンの処方と離脱ガイドラインで以下の診断基準を提示している{{Sfn|NHS Grampian|2006|pp=4-5}}


;処方量依存
;処方量依存
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ベンゾジアゼピンに対しての更なる訓練が推奨される。<ref>{{cite journal |author=Dieye AM, Sy AN, Sy GY, et al. |title=[Prescription of benzodiazepines by general practitioners in the private sector of Dakar: survey on knowledge and attitudes] |language=French |journal=Therapie |volume=62 |issue=2 |pages=163-8 |year=2007 |pmid=17582318 |doi=10.2515/therapie:2007018 |url=http://publications.edpsciences.org/10.2515/therapie:2007018}}</ref>
ベンゾジアゼピンに対しての更なる訓練が推奨される。<ref>{{cite journal |author=Dieye AM, Sy AN, Sy GY, et al. |title=[Prescription of benzodiazepines by general practitioners in the private sector of Dakar: survey on knowledge and attitudes] |language=French |journal=Therapie |volume=62 |issue=2 |pages=163-8 |year=2007 |pmid=17582318 |doi=10.2515/therapie:2007018 |url=http://publications.edpsciences.org/10.2515/therapie:2007018}}</ref>
深刻な中毒の懸念があるため、各国の政府は緊急にベンゾジアゼピン中毒性とベンゾジアゼピンの適切処方についての、訓練を通じて知識を高めることが推奨される。<ref>{{cite journal |author=Dieye AM, Sylla M, Ndiaye A, Ndiaye M, Sy GY, Faye B |title=Benzodiazepines prescription in Dakar: a study about prescribing habits and knowledge in general practitioners, neurologists and psychiatrists |journal=Fundam Clin Pharmacol |volume=20 |issue=3 |pages=235-8 |year=2006 |month=June |pmid=16671957 |doi=10.1111/j.1472-8206.2006.00400.x |url=http://www3.interscience.wiley.com/journal/118553133/abstract}}</ref>
深刻な中毒の懸念があるため、各国の政府は緊急にベンゾジアゼピン中毒性とベンゾジアゼピンの適切処方についての、訓練を通じて知識を高めることが推奨される。<ref>{{cite journal |author=Dieye AM, Sylla M, Ndiaye A, Ndiaye M, Sy GY, Faye B |title=Benzodiazepines prescription in Dakar: a study about prescribing habits and knowledge in general practitioners, neurologists and psychiatrists |journal=Fundam Clin Pharmacol |volume=20 |issue=3 |pages=235-8 |year=2006 |month=June |pmid=16671957 |doi=10.1111/j.1472-8206.2006.00400.x |url=http://www3.interscience.wiley.com/journal/118553133/abstract}}</ref>

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ある研究では、薬物乱用歴のある51人のベトナム帰還兵について6年間の調査を行った。うち11人は主に[[覚醒剤]]乱用、26人は主に鎮静薬乱用、14人はベンゾジアゼピン乱用であり、精神症状はそれらの薬物乱用に起因するものであった。
6年後、[[オピオイド]]乱用者の精神症状の改善は僅かであり、覚醒剤乱用者の5人は精神病を発症しており、8人のベンゾジアゼピン乱用者はうつ病を発症していた。
そのことから、長期間のベンゾジアゼピン乱用と依存はメンタルヘルスに悪影響を及ぼし、とりわけうつ病発症の大きなリスクであると思われる<ref>{{cite journal |doi=10.1056/NEJM197912133012403 |author=Woody GE |coauthors=Mc Lellan AT O'Brien CP |title=Development of psychiatric illness in drug abusers. Possible role of drug preference |journal=The New England journal of medicine. |volume=301 |issue=24 |pages=1310–4 |year=1979 |pmid=41182}}</ref>。
ベンゾジアゼピンは[[経鼻投与]]によって乱用されることがある<ref>{{cite journal |author=Sheehan MF, Sheehan DV, Torres A, Coppola A, Francis E |title=Snorting benzodiazepines |journal=Am J Drug Alcohol Abuse |volume=17 |issue=4 |pages=457–68 |year=1991 |pmid=1684083 |doi=10.3109/00952999109001605}}</ref>。

高齢者では、アルコールとベンゾジアゼピンが最も多く乱用される物質であり、若年患者よりも[[ベンゾジアゼピン離脱症候群]]・[[せん妄]]に陥りやすい<ref>{{cite journal |author=Wetterling T, Backhaus J, Junghanns K |title=[Addiction in the elderly - an underestimated diagnosis in clinical practice?] |language=German |journal=Nervenarzt |volume=73 |issue=9 |pages=861–6 |year=2002 |month=September |pmid=12215877 |doi=10.1007/s00115-002-1359-3}}</ref>。


== 患った著名人 ==
== 患った著名人 ==
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== 出典 ==
== 出典 ==
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==参考文献==
==参考文献==
* {{cite report |url=http://www.nta.nhs.uk/publications/documents/clinical_guidelines_2007.pdf |title=Drug misuse and dependence - UK guidelines on clinical management |author=NHS National Treatment Agency for Substance Misuse |authorlink=国民保健サービス |date= |month= |year=2007 |publisher=Department of Health |location=United Kingdom |page= |pages= |format=PDF|ref=NHSNTA2007}}
* {{cite report |url=http://www.nta.nhs.uk/publications/documents/clinical_guidelines_2007.pdf |title=Drug misuse and dependence - UK guidelines on clinical management |author=NHS National Treatment Agency for Substance Misuse |authorlink=国民保健サービス |date= |month= |year=2007 |publisher=Department of Health |location=United Kingdom |page= |pages= |format=PDF|ref=NHSNTA2007}}
* {{Cite report |author=Davidson B et al; [[NHS]] Grampian |date=2006 |title=Guidance for prescribing and withdrawal of benzodiazepines and hypnotics in general practice |url=http://www.nhsgrampian.org/grampianfoi/files/Benzodiazepine_guidance_Octoberv6_2.pdf |publisher=[[英国国民医薬品集]]|ref=NHSGRAMPIAN}}
* {{Cite report |author=Davidson B et al; [[NHS]] Grampian |date=2006 |title=Guidance for prescribing and withdrawal of benzodiazepines and hypnotics in general practice |url=http://www.nhsgrampian.org/grampianfoi/files/Benzodiazepine_guidance_Octoberv6_2.pdf |publisher=[[英国国民医薬品集]] |archiveurl=http://www.benzo.org.uk/amisc/bzgrampian.pdf |archivedate=2012-06-20 |ref={{Harvid|NHS Grampian|2006}} }}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2012年6月20日 (水) 08:15時点における版

ベンゾジアゼピン依存症
概要
診療科 精神医学
分類および外部参照情報
ICD-10 F13.2
ICD-9-CM 304.1
DiseasesDB 29548
MedlinePlus 003578
eMedicine Bztox/813255

ベンゾジアゼピン依存症(-いぞんしょう,Benzodiazepine dependence)とは、人がベンゾジアゼピン系薬物に依存している状態。依存は精神的依存身体的依存・その両方に渡る。身体的依存は耐性と離脱症状を引き起こし、これらはベンゾジアゼピン離脱症候群とされる。[1][2]

処方薬依存がベンゾジアゼピン依存の最大グループである。たいていこれらの人々は、投与量がエスカレートしたり乱用の状態にはない。しかし一部のグループは、高用量を投与されて薬物乱用の状態にある。これについて、どの程度多くの人々が薬物乱用状態下に置かれて虐げられているかは正確な資料はない。

抗けいれん薬・催眠薬・筋弛緩剤を投与すると、数日または数週間以内に耐性が出現する。 ベンゾジアゼピンは4ヵ月後も不安を取り除くというエビデンスはほとんどない。[3]長期のベンゾジアゼピン投与が必要になるのは特定の臨床状況のみである。[4]

ベンゾジアゼピンの乱用と依存は2002年から問題となっており、米国の治療エピソードデータ集(Treatment Episode Data Set, TEDS)にて米国の物質乱用治療施設で毎年の患者傾向を取りまとめたものによると、"primary tranquilizer"(一次精神安定剤、ベンゾジアゼピンなども含まれる)によるものが1992年から2002年の間に79%増加した。 米国薬物乱用警告ネットワーク(en:Drug Abuse Warning Network)とTEDSの統計によりこれらの鎮静薬・睡眠導入薬の乱用が明確に上昇していることが示されている[5]

ベンゾジアゼピンの処方数は、主に依存性の懸念から減少している。短期的にはベンゾジアゼピンは急性不安や不眠のための最も効果的な薬である。長期的な使用では、他の治療、薬理学と精神療法の両方を用いることが更に効果的である。それは他の治療方法のほうが長期的には効果的であり、薬理学的にベンゾジアゼピン耐性が形成されるためである。[6][7]

定義

ベンゾジアゼピン依存症は、ベンゾジアゼピン系薬物の反復使用によってもたらされる。それは身体的依存精神的依存の両方に渡り、減薬・断薬などで血中濃度が下がることによって離脱症状を引き起こす。[8]

徴候と症状

ベンゾジアゼピン依存の徴候・症状は、薬なしでは対処することができない気持ち、薬物の減薬や中断の試みの失敗、薬の効果に対しての耐性形成、断薬時の離脱症候群の出現がある。 離脱症候群には、不安・抑うつ・パーソナリティ消失・非現実感・睡眠障害・触覚や痛みに対しての敏感さ・震え・けいれん・筋肉痛・頭痛などがある。[9] ベンゾジアゼピン依存と離脱は、自殺や自傷行為などに関連し、特に若年層に顕著である。英国保健省の薬物乱用ガイドラインでは、依存者や離脱者について患者の気分障害を注視することを推奨している。[10]

ベンゾジアゼピン依存は4週間以上の処方に対して最もよく見られる合併症であり、それは身体的依存や離脱症候が最も共通した問題である。ときおり薬物探索行動もみられる。離脱症状は、不安・知覚障害・すべての感覚の歪み・不快・、まれに精神病・てんかん発作などがある。[11]

原因

ベンゾジアゼピンの筋肉弛緩・抗痙攣・睡眠誘導効果に対しては耐性が形成され、断薬時にベンゾジアゼピン離脱症候群が発生する。人々は離脱症状を抑制するため長期間に渡り服薬し続けるので、そのためベンゾジアゼピン系"は本来意図したより長く服用を続けてしまう。一部の人々は非常に高用量を摂取し、そのために多くの時間を割いており、これはDSM-IVの薬物乱用と依存性の診断基準を満たす。 別のグループの人々は治療用に低-中程度のベンゾジアゼピンを服用しており乱用ではないが、しかし耐性と依存性が形成されている。[12] 不眠のためにベンゾジアゼピンを服用しているかなりの数の人が、服用量をエスカレートさせており、時折治療用処方のレベルを超えている。

ベンゾジアゼピンの抗不安作用に対する耐性はラットで明らかに実証されている。ヒトではベンゾジアゼピンの連続投与について四ヶ月を超えて抗不安効果が持続するというエビデンスはほとんどない。ベンゾジアゼピンの長期使用が不安を悪化させ、投与量のエスカレートにつながるというエビデンスがあり、ある研究では患者の25%が投与量をエスカレートさせている。 ある著者はベンゾジアゼピンは長期的に有効であると考えているが、しかしながらそれはリバウンド不安と離脱効果を避けている可能性が高い。 ベンゾジアゼピンの抗けいれん薬と筋弛緩作用に対する耐性は、ほとんどの患者で数週間以内に発生する。[3]

リスクファクター

ベンゾジアゼピン依存の危険因子には、4週間以上の長期使用・高用量の使用は・強力な短時間作用型の薬物・依存の性格・薬物乱用のための性癖などがある。[11] 短時間作用型ベンゾジアゼピンは離脱効果の反復を導き、それは個々の依存性を強化する。[9] 身体的依存は、アルプラゾラム (Xanax)などの高力価ベンゾジアゼピンは、低力価クロルジアゼポキシド(Librium)に比べてより急速に形成される。[7]

症状は、高用量・高力価・短半減期のベンゾジアゼピン使用では重度である。 他の催眠鎮静剤バルビツール酸アルコールなどはクロス耐性があり、ベンゾジアゼピン依存リスクを増大させる。[13]

痛みのためのオピオイド使用治療のようにベンゾジアゼピンを処方していた場合、ほとんど薬物乱用にはつながらない。[14]

メカニズム

ベンゾジアゼピンの耐性形成は、睡眠誘導効果については急速に起こり、抗不安作用については数カ月間かかる。抗けいれん作用と筋弛緩効果についてはたいていは数週間かかる。

クロス耐性

ベンゾジアゼピンは、そのGABA-Aレセプター強化作用について様々な鎮静剤とメカニズムを共通している。クロス耐性とは、ある薬が別の薬の離脱の影響を軽減する事を意味する。それはある薬の耐性が別の似た作用を持つ薬物の耐性を共にするということである。このことから、ベンゾジアゼピンはよくアルコール依存患者を解毒するために用いられ、それはせん妄などの重度のアルコール離脱症候群を治療するために用いられている。 しかしながら、ベンゾジアゼピンは急性期のアルコール解毒には非常に有効であるが、アルコールへの欲求を増加させることにより、アルコール依存症の正の強化子として作用する。低量のベンゾジアゼピンは大幅にアルコール依存者の消費量を増加させることが分かった。[15] アルコール依存者のベンゾジアゼピンは急に離脱してはいけない、非常にゆっくりとした離脱である必要がある。急すぎる離脱は深刻な不安やパニックをまねき、それはアルコール依存の再発リスクであることが知られている。[16]

アルコールとのクロス耐性は、ベンゾジアゼピン・バルビツール酸・非ベンゾジアゼピン薬・コルチコステロイドに存在する。それは全てGABA-A受容体のClイオンチャネルの機能を調整することで、GABA-Aを増強する作用がある。[17][18][19][20][21]

離脱の生理学

離脱症状は、慢性的なベンゾジアゼピン使用者に起こる通常の反応であり、副作用と薬物耐性の結果である。薬物の投与量が減少すると症状が現れるのが典型的である。GABAは二番目に最も共通な中枢神経の伝達物質である(最も共通なのはグルタミン[22][23][24]))。それは最も圧倒的に豊富に存在する抑制性神経伝達物質であり、4分の1から3分の1のシナプスはGABAを使用している。[25] ベンゾジアゼピンの使用は、脳と身体機能に対して直接的・間接的に大きな影響を持っている。[26]

ベンゾジアゼピンはノルエピネフリン(ノルアドレナリン)・セロトニンアセチルコリンドーパミンを減少させる。これらの神経伝達物質は通常の記憶・気分・筋肉緊張と協調・感情反応・内分泌・心拍数・血圧コントロールに必要である。慢性的なベンゾジアゼピン使用により、耐性がそれらの大部分に対して形成され、そのためベンゾジアゼピンの断薬によりGABA阻害活動が無くなるため神経伝達物質がオーバードライブする。離脱症状はその結果として起こり、中枢神経システムが適応するまで持続する。[26]

離脱

ベンゾジアゼピンの長期間服用は身体的・精神的な健康問題を引き起こし、そのため多くの長期服用者には断薬が勧められる。 離脱症候群は、短期間の軽度症候群と、長引く深刻な症候群に渡る。離脱症候群は数年間にわたり、もともと服薬した症状よりも長引く。 多くの患者はベンゾジアゼピンが効かないことが分かっていながら、離脱症候群のためにベンゾジアゼピンが中断できずにいる[26]

離脱症状はゆっくりとした減薬であっても深刻なことがあるが、ゆっくりとした減薬で減らすことができる。そのため、削減率は患者それぞれの体質によってカスタマイズすることが推奨される。離脱に要する期間は、数ヶ月から一年以上とさまざまである。これは服用期間・投与量・ライフスタイル・健康状態・社会と環境のストレス要素による。[26]

多くの場合、ジアゼパムがその長い半減期と力価の小ささのために推奨される。 ゾルピデム・ザレプロン・ゾピクロンなどの非ベンゾジアゼピン(z-drug)は、ベンゾジアゼピンの代替として使用すべきではない。それらは同様の作用メカニズムを持ち、同様の依存性をもたらす。 ベンゾジアゼピンの耐性と依存性の薬理学的メカニズムは、 脳内レセプターサイトの内部化(削除)と脳内の遺伝子転写コードの変化による。[26]

ベンゾジアゼピン長期使用の離脱時に、緊急治療を要するうつ病と感情鈍化が深刻化し、時たまに自殺衝動が起こることがある。多量投与者ほどこの傾向が高いというエビデンスがある。減薬・断薬時にこのような事態を招くケースがある。 離脱症状は、ベンゾジアゼピン断薬後かなりの期間持続することがある。 共通する離脱症候には、不安・うつ・不眠・消化器不良などの身体症状・神経学的・筋骨格系への影響。 ゆっくりとした減薬であっても長期離脱状態が起こることがある。 このような長期離脱症候群は、神経適応が定常化したことによるものだと信じられている。 [7]

英国 医薬品再評価委員会

英国医薬品再評価委員会(The Committee on the Review of Medicines)は、ベンゾジアゼピンの耐性薬物依存離脱症候群・その他副作用についての重篤な懸念のため、再評価を実施した。委員会にてベンゾジアゼピンは抗うつ薬鎮痛薬としての適性がないことが分かり、そのためうつ病緊張型頭痛月経困難症などに不適用と結論付けた。またベンゾジアゼピンは精神病の治療にベネフィットがないとした。また委員会は子供の不眠や不安の治療にはベンゾジアゼピンが禁忌であると推奨している。[27]

委員会は、米国医学研究所・ホワイトハウス薬物政策室・米国国立薬物乱用研究所と、ベンゾジアゼピン睡眠薬の長期使用は耐性形成のため治療上有益であることを示すエビデンスがほとんどないことについて、見解を一致している。 ベンゾジアゼピンは、連続使用すると3-14日以内に睡眠促進の効力を失う傾向がある。委員会は不安の治療にベンゾジアゼピンを連続使用すると、耐性が形成されるため、4カ月後には不安の治療に有効性を保持するエビデンスは殆ど無いことが分かった。[27]

委員会はベンゾジアゼピンの定期的な使用は、治療効果についての耐性と依存性の形成を引き起こすことが判明した。 不安恐怖・振るえ・不眠・吐き気・嘔吐などのベンゾジアゼピン離脱症候群が断薬時に形成される。

離脱症状は、短時間作用型ベンゾジアゼピンの断薬時には24時間以内、長時間作用型ベンゾジアゼピンの断薬時には3-10日後に発症する傾向がある。治療用投与の場合は離脱症状は2週間までしか起こらないが、しかし多量を習慣的に投与された場合は2週間以上続くことがある。離脱症状は元の症状に似ているように見える。[27]

委員会は、すべてのベンゾジアゼピン治療は徐々に断薬し、またベンゾジアゼピン治療は慎重に選ばれた患者でのみ使用し、治療は短期的な使用に限定すべきと推奨している。 アルコールは中枢神経の抑制効果を増強するために禁止すべきであると、レビューでは記載している。

ベンゾジアゼピンの中枢神経抑制効果は、運転や機械操作を危険に晒す。この副作用は高齢者に顕著である。多量の単一投与・少量の継続投与は、低血圧・おしゃぶりの悪化・新生児の低体温・胎児の心臓に凹凸を引き起こす。委員会はベンゾジアゼピンを授乳時には禁止すべきだと推奨している[27]

委員会はベンゾジアゼピン断薬は徐々にすべきであると推奨している。 高用量からの突然の断薬は混乱・中毒性精神病・痙攣・せん妄に似た状態を引き押す。 低用量からの急激な断薬はうつ病・緊張・リバウンド不眠症・イライラ・発汗・下痢を引き起こす可能性がある[27]

診断

ベンゾジアゼピン依存の診断には、ICD-10では以下の基準を少なくとも3つ満たしており、それが少なくとも1ヶ月以上続いているか、12ヶ月の内に繰り返していることを要求している。[28][29]

調査では、ベンゾジアゼピン依存の診断を受けた人の約40%が自分では依存に気づいておらず、11%は依存ではないと信じていた。

英国国民保健サービス

英国国民保健サービスでは、ベンゾジアゼピンの処方と離脱ガイドラインで以下の診断基準を提示している[30]

処方量依存
少量を1ヶ月から年単位で服用
高用量依存;
ジアゼパム換算にて30mg以上
レクレーション高用量依存
ジアゼパム換算にて一回100mg以上を毎日

治療と予防

ベンゾジアゼピンは依存のポテンシャルがある薬物である。精神依存と精神依存は、数週間での使用でも形成させるが、年である人もいる。ベンゾジアゼピンからの離脱を望む患者は殆どアドバイスやサポートを得られていないことが多い。[31]

ベンゾジアゼピンは通常は短期使用に限って処方され、長期使用についての適用は乏しい。[32] しかしながらいくつかの医師はそれに同意せず、4週間を超えての長期使用の適用があると信じているが、しかしその主張を裏付けるデータは乏しい。[6] その主張を裏付ける医学文献は僅かである。[33]

休薬日や休薬期間が、依存リスクを減らすというエビデンスは存在しない。動物実験では、そういった試みで依存を回避できないというエビデンスが存在する。短期間の使用でもinterdose離脱症候群のリスクがあり、それはKindlingリスクを増加させる。Kindlingについては臨床的意義があり、それはより半減期の短い薬物やintermitant使用を加速させる。それは更にinterdose離脱とリバウンド効果を引き起こす。[12]

患者への手紙送付

患者に対し、ベンゾジアゼピンの長期間使用の副作用についての警告と減薬を推奨する手紙を送ることが、成功しやすく費用対効果も良いベンゾジアゼピン削減方法であることがGP医療で判明している。 手紙を送付してから1年で、ベンゾジアゼピンの処方が17%減少し、患者の5%が完全にベンゾジアゼピンを断薬した[34][35]オランダでの研究では、ベンゾジアゼピン依存の患者に対して手紙を送ることが高い成功率であった。オランダの研究結果では11.3%の患者が1年以内に完全にベンゾジアゼピンを断薬したと報告されている[36]

薬剤師の介入プログラム

ある研究では、薬剤師が高齢者介護施設にて学習セッションを提供し、鎮静薬のレビューを用いて確認とフィードバックサイクルを提供したことで、ベンゾジアゼピン抗精神病薬の両方について大幅に投与量を削減することができたという報告がある[37]

認知行動慮法

法的な対応

英国では、ベンゾジアゼピン離脱症候群の管理について、英国医学会議(en:General Medical Council)が医師への過失を問う提議を行っている。 例えば、睡眠薬の突然な中断、抗不安薬の急激な減薬、置換療法(ジアゼパム等価など)への移行の失敗、重度の離脱症候を軽減するために増薬することの失敗、離脱症候群のリスクについての患者への説明の怠りなど、これらの医師の過失について会議では査察を行っている。[38]

疫学

調査では、身体的依存者と離脱症候群をもつ治療用投与者について、違った数の結論が出された。 治療用量での長期ベンゾジアゼピン処方患者の20-100%について、身体的依存の状況であり、離脱症状を経験すると思われる。[39]

ベンゾジアゼピンは少量であっても依存性を持ち、3カ月の使用で23%が依存症になる。 ベンゾジアゼピン依存症は公衆衛生上の問題だとみなされている。 ベンゾジアゼピン処方は、その約68.5%がローカルな健康センターからのものであり、精神科と一般病院が10%ずつである。 一般開業医の調査では、ベンゾジアゼピン処方が開始された理由は、患者の要求というよりも、患者が直面する苦しみへの共感と、他の治療方法の欠如であった。しかしながら、長期の使用は患者側の主張によるものであった。それは身体依存や依存が形成されたためだと思われる。[40][41][42]

女性は男性よりおよそ二倍のベンゾジアゼピン処方であった。それは男性は一般的にアルコールにてストレスを解消し、女性は処方薬を用いるためであると思われている。男性医師による女性の偏った認識も、女性への処方率増加の要因があると思われる。。しかし、女性の不安の特徴は男性と女性の間で広いギャップがあることについては考慮されていない。[43]

歴史

かつて1970年代までは、身体的依存は大量投与の人々のみに起こり、少量や通常投与では起こらないとされて、1980年代初頭まで検証されることはなかった。[44][45] しかし低用量依存性が動物実験およびヒトでの研究で明確に示され、[46][47]ベンゾジアゼピンの副作用として認知された。重篤な離脱症候群がベンゾジアゼピンを徐々に減量した後も発生すると分かった。[48][49] 推定では低用量ベンゾジアゼピン服用者の30-45%が依存しているため、依存を避けるため低用量でも最大で7-14日間の処方に限ることが推奨されている。[50]

乱用と依存

ベンゾジアゼピンは乱用薬物の最大のカテゴリの1つである。そのため医療用途のスケジュールIV規制に分類されている。[51]

ベンゾジアゼピンは深刻な依存問題を起こす。 セネガルの医師の調査では、一般的に多くの医師がベンゾジアゼピンについての訓練と知識が貧しいと感じている。 ダカールでの調査では、医師の5分の1がベンゾジアゼピンの短期使用ガイドラインを無視し、4分の3が訓練と知識が乏しいとされると分かった。 ベンゾジアゼピンに対しての更なる訓練が推奨される。[52] 深刻な中毒の懸念があるため、各国の政府は緊急にベンゾジアゼピン中毒性とベンゾジアゼピンの適切処方についての、訓練を通じて知識を高めることが推奨される。[53]

ある研究では、薬物乱用歴のある51人のベトナム帰還兵について6年間の調査を行った。うち11人は主に覚醒剤乱用、26人は主に鎮静薬乱用、14人はベンゾジアゼピン乱用であり、精神症状はそれらの薬物乱用に起因するものであった。 6年後、オピオイド乱用者の精神症状の改善は僅かであり、覚醒剤乱用者の5人は精神病を発症しており、8人のベンゾジアゼピン乱用者はうつ病を発症していた。 そのことから、長期間のベンゾジアゼピン乱用と依存はメンタルヘルスに悪影響を及ぼし、とりわけうつ病発症の大きなリスクであると思われる[54]。 ベンゾジアゼピンは経鼻投与によって乱用されることがある[55]

高齢者では、アルコールとベンゾジアゼピンが最も多く乱用される物質であり、若年患者よりもベンゾジアゼピン離脱症候群せん妄に陥りやすい[56]

患った著名人

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参考文献

関連項目

外部リンク