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== スタッフ ==
== スタッフ ==
* 監督・原案・脚本・武術指導・アクション監督・主題歌:[[ジャッキー・チェン]]
* 監督・主演・製作・原案・脚本・武術指導・アクション監督・主題歌:[[ジャッキー・チェン]]
* 脚本:[[エドワード・タン]]
* 脚本:[[エドワード・タン]]
* 製作:[[レナード・ホー]]
* 製作:[[レナード・ホー]]

2021年12月10日 (金) 14:02時点における版

プロジェクトA
タイトル表記
繁体字 A計劃
簡体字 A计划
拼音 A Jìhuà
英題 Project A
各種情報
監督 ジャッキー・チェン
脚本 ジャッキー・チェン
エドワード・タン
製作 レナード・K・C・ホー
製作総指揮 レイモンド・チョウ
出演者 ジャッキー・チェン
サモ・ハン・キンポー
ユン・ピョウ
音楽 マイケル・ライ
主題歌 ジャッキー・チェン
「東方的威風」
撮影 チャン・ユイジョウ
公開 香港の旗 1983年12月22日
日本の旗 1984年2月25日
上映時間 106分(インターナショナル版)
105分(日本公開版)[1]
製作国 香港の旗 イギリス領香港
言語 広東語
興行収入 19,323,824香港ドル[1] 香港の旗
次作 プロジェクトA2 史上最大の標的
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プロジェクトA』(: A計劃: Project A)は、1983年香港で公開された映画。主演、監督、武術指導、脚本をジャッキー・チェンが務めている。

概要

1900年代イギリス植民地下の香港を舞台に、水上警察と陸上警察が反目しながらも、最後には協力して海賊を倒すアクション映画。高い時計台から落下するシーンに代表される身体を張ったアクションのほか、コメディーシーンも数多く描かれている。

日本では本作のテーマソング「東方的威風」がテレビ番組のBGMで数多く使われるなど知名度が高く、日本におけるジャッキー・チェンの代表作的存在となっている。

『A計劃(えーけいかく)』は元々撮影時の仮タイトルである。仮タイトルは盗作やパクリが日常茶飯事(撮影中にパクり、パクった元より先に公開するということも行われた)だった香港映画界で、内容の見当をつけられないようにするため良く使われた手法だったが、『A計劃』は言葉の響きがいいことから、そのまま本編のタイトルに使われた。

2010年、『ダブル・ミッション』公開時に公式サイトにて行われたジャッキー作品のランキングを決める「A-1グランプリ」では1位を獲得している[2]

ストーリー

20世紀初頭のイギリス植民統治下の香港。海賊が横行し、海を我が物顔で荒らしまわっていた。これを取り締まるはずのドラゴン(ジャッキー・チェン)たち水上警察[※ 1]は、いつもヘマをして海賊に逃げられてばかり。さらにジャガー隊長(ユン・ピョウ)率いる陸上警察と酒場で大乱闘事件を起こし、保有戦力の船艇が海賊に爆破されてしまうに至り、遂に水上警察は、陸上警察へ吸収統合されてしまう。

その頃、海賊退治のため派遣されてきたイギリス海軍提督までも海賊たちに捕まり、乗組員が人質になる。香港総督は身代金を支払い穏便に済まそうとしたが、ドラゴンの説得を受けて旧水上警察部隊の再編成と指揮を一任。お互いの正義を愛する心を知って和解したドラゴンとジャガー、さらにドラゴンとは旧知の仲で、密かに海賊の財宝を狙うコソ泥フェイ(サモ・ハン・キンポー)も加わった精鋭メンバーは、乗組員の救出と海賊の全員逮捕を目的とした「A計画」(プロジェクトA)を発動させる。

キャスト

役名 俳優 日本語吹替
テレビ朝日 WOWOW
ドラゴン ジャッキー・チェン 石丸博也
フェイ サモ・ハン・キンポー 水島裕
ジャガー ユン・ピョウ 野島昭生 古谷徹
サン ディック・ウェイ中国語版 石田弦太郎 大塚明夫
パール イザベラ・ウォン中国語版 戸田恵子
海上警察司令官 ラウ・ハクスン中国語版 上田敏也 樋浦勉
チー総監 クワン・ホイサン中国語版 及川ヒロオ 千葉繁
ひょうきん タイ・ポー中国語版 三ツ矢雄二
大口 マース中国語版 村山明 飛田展男
チョウ ウォン・ウェイ中国語版 千田光男 中村秀利
リー リー・ホイサン中国語版 田中康郎 岩崎ひろし
総督 役者名不明 大平透 銀河万丈
クラブの店員 ジョン・チャン
チョウ ウォン・ウェイ
ワン・ファト
クワン・ユイムン
リー・ホイサン
支配人 アルバート・ロー中国語版
ウー・マー
チャン ハン・イーサン中国語版
ユン・キンチョウ
陸上警察隊員 ポール・ウォン
ユー・タウワン
トン・インチャン
海上警察隊員 ベニー・ライ
マン・キーワン
酒場の給仕 トー・シウミン
  • 両バージョンともにパラマウント版Blu-rayに収録

スタッフ

日本語版スタッフ

テレビ朝日 WOWOW
演出 春日正伸 岩見純一
翻訳 平田勝茂
調整 遠西勝三 新井保雄
効果 南部満治
大橋勝次
リレーション
選曲 河合直
録音 常川総一
解説 淀川長治
『プロジェクトV』メンバー 崎本いづみ
宮尾裕保
古田彰
鷹梁恵一
與古田寛之
製作 ニュージャパンフィルム HALF H・P STUDIO
初回放送 1987年1月4日
日曜洋画劇場[※ 2]
ノーカット
2011年10月2日
『WOWOW大開局祭』[3]
ノーカット
再放送 1987年12月26日
ゴールデン洋画劇場
  • テレビ朝日版:正月1作目としてノーカット版放送後、再放送は2時間枠にカットされ、フジテレビで頻繁にリピートされた。ユニバーサルより発売のデジタル・リマスター版DVD、パラマウントより2010年に発売された廉価版DVDには再放送2時間枠カット版が収録された。2012年発売の「日本語吹替収録版DVD」と「デジタル・リマスター版Blu-ray」と2014年発売の「エクストリーム・エディション(Blu-ray)」には初回放送ノーカット版が収録された。しかし、Blu-rayではエンディングのNG集冒頭の石丸のセリフはカットされているが日本語吹替収録版DVDでは収録されている。そのため、エンディング冒頭のセリフまで収録されている完全版が収録されているのは「日本語吹替収録版DVD」しかない。
  • WOWOW版:2014年発売の「エクストリーム・エディション(Blu-ray)」に収録。

受賞

日本公開版

日本公開時には「ジャッキー・チェン10周年記念超大作」(初主演作品『タイガー・プロジェクト』の1973年から数えて10年)として宣伝され、劇場公開時のキャッチコピーにも使用された[5]

また、エンディングのNGシーンが異なっており、自転車チェイスシーンのBGMが日本独自のものに差し替えされている。なお、オープニングのクレジットシーンは、赤字のバージョンと白字のバージョンがある。

作品解説

本作は、1981年11月の『ドラゴンロード』撮影直後から製作準備が始まり、1982年夏から撮影が開始されたとみられる。

映画のプロットはカーク・ダグラスの映画『ヴァイキング』がカンヌ映画祭で上映された際、本人から説明があった。

時計台落下シーン

ジャッキー・チェンが手本としたハロルド・ロイドによる『要心無用』での危険なスタント

ジャッキー映画、アクションを語る上で特筆すべきスタントが、本作の「時計台落下シーン」である。基本的にスタントマンを使わないジャッキーにとっても、高さ20メートル近い時計台の針にぶら下がり、垂直落下してシェードを突き破り地面に叩きつけられるこのアクションは命懸けであった。ジャッキー本人によると、撮影を決心するまで1週間悩んだという。なお、このシーンは喜劇王ハロルド・ロイドの代表作『要心無用』における有名な時計台のシーンからヒントを得ている[※ 3]

撮影には6日間を要し、地面落下は合計3テイク実行された。全3回の落下映像はいずれも本作内で見ることができる。本編映像に採用されたのは2回分で、落下の仕方などに違いがみられる。残る1回は落下位置がずれてシェードが破れず、これはエンドクレジットでのNG集で採用された。頭から地面に落ちたこのカットは衝撃的で有名なものとなり、実際にジャッキーは1回目の落下で頸椎損傷の大怪我を負っている[6]。なおジャッキーの大怪我後、本編用のアングルを追加撮影する必要が生じたため、大口役のマース英語版が1テイクだけスタントした[7]

削除されたシーン

本作で削除されたシーンは

  • 道場での稽古(ジャガーが体術の授業でドラゴンらをしごくシーン)。
  • 大口が銃殺されたと思ってしんみりとするドラゴン達の前に、結局は生きていた大口が現れ、一同が幽霊だと勘違いするシーン。
  • 軍用ライフルを強奪した後のドラゴンとフェイが身を隠した宿屋のシーンでカットされたストック・フッテージ

などが存在する。これらはスチル写真や一部がエンディングのNG集に使用されただけであり、「オミット分のフィルムは処分されて現存しない」という風評も立ち、半ば幻の場面となっていたが、2004年に再発売されたDVDに映像特典として収録された。また2007年に発売されたフランス版DVDには、ジャッキーやユン・ピョウ、サモ・ハンらの映画公開時の宣伝映像が収録されており、その中でまた新たな削除シーンを見ることができる。

初期バージョン

元々、本作は「陸上編」と「海上編」の二部構成で、3〜4時間にも及ぶ超大作となる予定だった。しかし、ラウ・ハクスンの死去[※ 4]や台風によるセットの崩壊によって変更になった。タイトルは元々「パイレーツ・パトロール」を意味するタイトルだったが、結局は盗作を恐れたスタッフが撮影中に「A計劃」と呼ばれていた仮タイトルを正式なタイトルとした。『バトルクリーク・ブロー』の監督であるロバート・クローズは、『バトルクリーク・ブロー』の他に二つの脚本をジャッキーのために用意していた。1本は後にジェームス・グリッケンハウスが監督を務めた『プロテクター』と、『Blood Island』という名の海賊映画である。

DVD

メガ・スター・ビデオ・ディストリビューション版(香港)

  • 番号:PIBF-91104
  • 時間:101分
  • サイズ: 4:3シネマスコープ
  • 音声
    • 広東語 Dolby Digital 5.1ch
    • 北京語 Dolby Digital 5.1ch
  • リージョンコード:ALL
  • 片面1層
  • 輸入・発売元:パイオニアLDC

ユニバーサル デジタル・リマスター版

  • 番号:UASD-23806
  • 時間:約105分
  • サイズ:16:9LBシネマスコープ(スクイーズ)
  • 字幕
    • 日本語字幕
    • 日本語吹替補助字幕
  • 音声
    • 広東語 Dolby Digital 5.1ch
    • 広東語 5.1ch dts
    • 日本語吹替 2.0ch モノラル(カット版。欠落部分は広東語モノラル収録)
  • リージョンコード:2
  • 片面2層
  • 映像特典

Blu-ray

パラマウント版

  • 番号:PBW300014
  • 時間:105分
  • サイズ:16:9LBシネマスコープ(1080i Hi-Def)
  • 字幕
    • 日本語字幕
    • 日本語吹替補助字幕
  • 音声
    • 広東語 5.1ch DTS-HD Master Audio
    • 日本語吹替 2.0ch モノラル (ノーカット版)
  • リージョンコード:A
  • 2層
  • 特典映像
    • オリジナル予告編、ニュートレイラー
    • フォトギャラリー
    • 編集版NG集
    • 未公開フッテージ (北京語音声)
    • 日本語公開復刻版本編 (広東語音声/日本語吹替)
    • 日本公開版予告篇
    • グッズ・フォトギャラリー

主題歌

ジャッキーが歌う本作の主題歌「東方的威風」(邦題は「PROJECT A」。作詞:ジェームズ・ウォン、作曲:マイケル・ライ英語版[8])は国際公開版のエンディングテーマとして使用されたもので、本作のテーマ曲に歌詞を付けたものだが、香港公開版には収録されていない。日本では、ビクター音楽産業株式会社(当時)から発売されたLDとVHS、そして近年ユニバーサルから発売されたリマスター版DVDおよびブルーレイの日本語吹き替え音声で聴くことができる。

パソコンゲーム

パチンコ

2007年藤商事よりパチンコ機「CRプロジェクトA」が発売された。劇中の映像が使用されており、ジャッキーの声は石丸博也の新録音である。

その他

  • 本作のタイトルをパロディ化した、フェアリーダスト制作の劇場用アニメ映画『プロジェクトA子』の、発売時のビデオパッケージはリバーシブルで、裏面は中国語を配した香港映画風のパッケージになっていた。
  • アニメ『銀魂』109話にジャッキー・チェンをモデルにした「龍隊長(ドラゴンたいちょう)」(声の担当も石丸博也)というキャラクターが登場し、さらに、サモ・ハン・キンポーをモデルにしたキャラクター(こちらも声の担当は水島裕)や、当作品のパロディシーンが登場する(時計台からの落下、自転車での逃走時にサドルが取れるなど)。
  • またアニメ『クレヨンしんちゃん』のスペシャル回「トレジャーハンターみさえ」においても、ドラゴン、フェイ、ジャガーを模したパロディキャラが登場している(声は石丸博也、水島裕、関俊彦。なお、3人は国際警察の一員という設定である)。時計台からの落下などが再現されたほか、エンディングでは当作品の主題歌にのせてNG集風の映像が流された。
  • 1990年代にはフジテレビのコント番組『ウッチャンナンチャンの誰かがやらねば』で、レギュラーメンバーの内村光良入江雅人出川哲朗らがキャラクターを演じた「プロジェクトU」というパロディコントが作られた。酒場での喧嘩シーンや時計台からの落下シーン、自転車から走行中に降りるシーンなどを、実際にそっくりなセットを組んで出演者がアクションを行い忠実に再現させている。内村はジャッキー映画をパロディした作品を他局でも制作しており、ジャッキーは「兄弟だ」と評し、後に内村プロデュースにゲスト出演している[※ 5]

注釈

  1. ^ 吹き替えでは沿岸警備隊。一部字幕では海上警察となっている。
  2. ^ DVDでは再放送短縮版収録で一部のシーンが字幕表示だったが、Blu-rayでは初回放送時のノーカット版が収録されている
  3. ^ ジャッキーはバスター・キートンの大ファンであることを公言しているように、1920年代頃のスラップスティック・コメディに大いに影響を受けており、自身の作品の中で数多くのオマージュを捧げている。
  4. ^ そのためか、続編「プロジェクトA2」での海上警察司令官はチー総監役だったクワン・ホイサンに変更され、チー総監に相当する警察局長役にトン・ピョウが加わった。
  5. ^ なお、その回のアシスタントはジャッキーの大ファンである中川翔子であった。

出典

  1. ^ a b デアゴスティーニ創刊号(2014年)目次頁
  2. ^ 観客が選んだ「ジャッキー映画ランキング」が決定!”. ぴあ映画生活 (2010年6月21日). 2020年10月30日閲覧。
  3. ^ WOWOW公式サイト
  4. ^ 第4屆香港電影金像獎得獎名單”. 香港電影金像獎. 2020年10月30日閲覧。
  5. ^ プロジェクトA” (PDF). 映画チラシサイト. 2020年10月30日閲覧。
  6. ^ 「作品解説」『ジャッキー・チェンDVDコレクション創刊号』〈デアゴスティーニシリーズ〉、2-3頁。 
  7. ^ 香港パワー!ジャッキー旋風 世界を駆け巡る”. アナザーストーリーズ. NHK (2019年8月6日). 2019年8月6日閲覧。 “スタントマン出身の俳優で、40年来の親友、マース。ジャッキー・スタントチーム成家班の筆頭格で、『プロジェクトA』の名脇役。あの伝説の時計台落下シーンの秘密を明かす。『実は本編のシーンはボク(マース)がスタントしたんだ、前日は眠れなかったね。スタントマンは影の存在、普通は言わないよ、でも35年も経ったからいいよね。』”
  8. ^ JASRAC

外部リンク