龍拳

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  • 龍拳
  • 竜拳
龍拳
龍拳
Dragon Fist
監督 ロー・ウェイ
脚本 王中平
製作 ロー・ウェイ
製作総指揮 許華麗
出演者 ジャッキー・チェン
ノラ・ミャオ
撮影 チェン・ユンシュー
配給 東映
公開 香港の旗 1979年4月21日
日本の旗 1982年2月20日
上映時間 90分
製作国 香港の旗 イギリス領香港
言語 広東語
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龍拳』(原題:龍拳、英題:Dragon Fist)は、1979年に公開された、ジャッキー・チェン主演のカンフー映画。日本公開は1982年

概要[編集]

ジャッキー・チェンがロー・ウェイの個人プロダクション時代に製作した作品の1本で、武侠映画の要素も加えたシリアスな展開の主演作である。

師匠の仇討に燃えてようやく辿り着いた仇敵が、深い改心をもって善人になっていたことから始まる、新たな悲劇を描いた異色の物語。ジャッキー映画の定番である修行シーンは全くなく、『龍拳』という題名ながらその龍拳の特性を殆ど描いておらず、むしろ仇討を巡る葛藤に焦点を合わせたドラマにしている。

この作品とその前に撮られた『拳精』は、香港で配給してくれる会社が見つからずお蔵入りとなっていた。その後、ジャッキーが『スネーキーモンキー 蛇拳』で成功した後になってからようやく公開された。75分版と90分版が存在し、日本で公開されたものは90分版である。

ストーリー[編集]

中国武術界の名誉である“武林至尊”を会得した師匠サンタイは祝賀会を催す。だがサンタイの旧知チュンは逆恨みし、祝賀会に乗り込みサンタイを殺してしまう。

弟子のタンは復讐のため龍拳をマスターし、サンタイの未亡人、娘のムーランと共にチュンへ乗り込む。やがてようやく探し出したチュンだったが、実はサンタイを襲ったことを知ったチュンの妻が、夫の破廉恥を恥じて自殺したことをきっかけに、自らの行為を恥じて禊ぎに自らの片足を切り落とし、善人となっていた。チュンの心情を察した未亡人はチュンを許す。

だが悪名高い土地のボス、ウェイはタンの腕を見込んで彼を騙し悪事を働かせる。やがてウェイはチュンの道場乗っ取りを企み、心中ではまだチュンを許し切れていないタンを巧みに甘言で操り、乗っ取りの片棒を担がせようとした。

やがて卑劣な罠に気付いたタンはチュン側に戻るが、ウェイは未亡人とムーランを人質に取り、タンにチュンを倒すように強要する。

キャスト[編集]

師であり養父であるサンタイをチュンに殺され復讐に燃える若者。3年後「龍拳」を習得し、チュンの居る百忍道場に出向く。非常に純朴で善良な人物ゆえに彼の精神の葛藤が、この物語のテーマである。
サンタイの娘でホーエンとは兄妹同然に育った。武術の心得はない。仇打ちに同行しチュンの元に遣って来たが母(サンタイ未亡人)が病魔に侵されてしまう。
チュンの門下で高弟子。サンタイ殺害にも立ち会っていた。
昔の父を知らずに育った、気丈だが心優しい女性。自らも武道の心得がある。ホーエン達の復讐を甘んじて受けようとする父に苦悩する。幼い弟のスイージを殺したのが、密かに慕っていたホーエンだと聞き想い悩む。
かつては傍若無人の猛威を奮った拳法家であったが、サンタイを手にかけたことにより妻は自殺(妻は昔、サンタイと恋仲であった)。その直後に懺悔の為に自ら片足を断ち、拳法家としての道を捨てた。現在は師範として門下生を善の道へと導いてる。
唐山武館の師匠。
チュンの二番弟子。
2人の弟と手下と共に殺し、強盗などを働いていた極悪人。チェン率いる百忍道場が邪魔でホーエンを利用してぶつけようとする。
ウェイの手下。
ウェイ家の若親分。
ウェイの弟。白い鉢巻きをしている。本作の準ラストボス。
ウェイの手下。村人を殺害した。

日本語吹替[編集]

役名 俳優 日本語版1 日本語版2 日本語版3
タン・ホーエン ジャッキー・チェン 石丸博也 山野井仁
ムーラン ノラ・ミャオ 安藤ありさ 不明 不明
ファンカン ジェームス・ティエン 野田圭一 不明 古田信幸
チュンの娘 イム・ウンジュ 弥永和子 塚田恵美子 不明
チュン ヤム・サイクン 納谷悟朗 北村弘一 石波義人
サンタイ シュー・シャ 嶋俊介 伊井篤史 不明
サンタイ夫人 オーヤン・シャーフェイ 寺島信子 小原乃梨子 不明
ナンシン イーグル・ハン 井上和彦 不明 堀川仁
ウェイ コー・チャン 渡部猛 笹岡繁蔵 不明
ロウサン ワン・カンユー 仲木隆司 たてかべ和也 相沢まさき
シンウェイ シュー・ユエン 中原茂 不明 不明
ニ哥 シュー・ファ 目黒光祐 不明 不明
マオ チェ・ジェホ 幹本雄之 不明 古田信幸
医者 リャン・シャオシュ 杉田俊也 不明 相沢まさき

スタッフ[編集]

  • 監督・製作:ロー・ウェイ
  • 製作総指揮:許麗華
  • 脚本:王中平
  • 撮影:チェン・ユンシュー
  • 武術指導:ジャッキー・チェン
  • 日本オリジナル主題歌「Dragon Fist」唄.小清水ミツル/「ドゥ・オア・ダイ」唄.MFB
両方とも、作詞:Dwight Waldron (ドワイト・ウォルドロン) [1] 作曲:林哲司

日本公開版[編集]

オリジナルのオープニングは、タンの師匠サンタイが武芸大会で優勝するまでの試合をバックにタイトルが表示されるものだったが、日本公開に際してはオープニングがクライマックスの格闘戦をバックにした仕様のものが使われた。

さらに配給元の東映が、日本オリジナルの主題歌「Dragon Fist」をオープニングテーマやクライマックスの戦いのBGMに、他挿入歌「ドゥ・オア・ダイ」及びオリジナルBGMを使用した。1984年1月7日テレビ初放映(フジテレビゴールデン洋画劇場」)の際にもこのバージョンで放送されている。ただし、一部BGMが劇場公開版とは異なる。

東映の権利が終了した後は東映が手を加えたバージョンは公開されることはなくなり、入手可能なソフトは長らくオリジナル版を元にしてきたが、2012年に発売された国内版ブルーレイソフトは東映版を映像特典として収録、30余年を経てドラゴンフィストの流れる東映版が初ソフト化された。

2014年12月発売の国内版ブルーレイソフトでは、日本公開版フィルムを全編テレシネ収録しており、日本公開から32年を経て完全な日本公開版がソフト化された。

脚注[編集]

  1. ^ 本業は広告業界でのクリエイティブディレクター・グラフィックデザイナー。1980年代より林哲司の作品で英語詞を担当している。

外部リンク[編集]