ボンバーマンGB3

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ボンバーマンGB3
Bomberman GB3
ジャンル アクション
対応機種 ゲームボーイ (GB)
開発元 エーアイ
発売元 ハドソン
プロデューサー 井上佳典
ディレクター ビル・リッチ
デザイナー 窪田英之
プログラマー 荒居弘之
阿部幸絵
音楽 福田裕彦
美術 水野祥司
吉見直人
佐藤梢
シリーズ ボンバーマンシリーズ
人数 1人
メディア 2メガビットロムカセット
発売日 日本 199612201996年12月20日
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
デバイス スーパーゲームボーイ対応
その他 型式:DMG-AB3J-JPN
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ボンバーマンGB3』(ボンバーマンジービースリー)は、1996年12月20日に日本のハドソンから発売されたゲームボーイアクションゲーム

概要[編集]

同社による『ボンバーマンシリーズ』のゲームボーイ用ソフト第4作目[注 1]。主人公のボンバーマンを操作し、デビルボンバーを倒して惑星「オワン」を救出する事を目的としている。本作は日本国内でのみで発売され、缶入りパッケージとなっていた[1]

プロデューサーはPCエンジンSUPER CD-ROM²用ソフト『百物語〜ほんとにあった怖い話〜』(1995年)を手掛けた井上佳典、ディレクターは後にNINTENDO64用ソフト『デュアルヒーローズ』(1997年)を手掛けたビル・リッチが担当している他、音楽は前作、前々作に引き続き福田裕彦が担当している。キャラクターデザインはシリーズ作品を多く手掛けてきた水野祥司と吉見直人に加え、スーパーファミコン用ソフト『ドレミファンタジー ミロンのドキドキ大冒険』(1996年)より美術設定チームに参加[注 2]した、佐藤梢が担当している。

2000年にはニンテンドウパワーの書き換え用ソフトとして発売され、2012年にはニンテンドー3DSバーチャルコンソール対応ソフトとして配信された。

ゲーム内容[編集]

ストーリーモード[編集]

惑星は地上、地下、暗黒の3つのエリアから成り、地上、地下エリアにはそれぞれ3つの、暗黒エリアには1つのステージがある。1ステージは6ラウンドで構成。 各ラウンドごとにラウンドミッション(クリア条件)が異なる。

またこれまでの平面のボンバーマンシリーズにはなかった「高低差」の概念があり、上から下へ飛び降りられるようになっている[1]。また爆発によって倒木や雪崩が発生するギミックが存在する[1]

ボンバーカプセル[編集]

ボス戦で獲得できる。獲得するとボムキックやモトボンバーなどさまざまなアイテムと交換できる。 なお今作はモトボンバーが4種類あり、それぞれ性能が異なる。

アイテム[編集]

通常アイテム

ステージ中で登場するアイテム。

  • ボムアップ
    • 置ける爆弾の数が増える(最大4)。
  • ファイヤーアップ
    • 火力が一マス分伸びるようになる(最大4)。
  • 1UP(ワンアップ)
    • 残り数が一つ増える。
  • タイマー
    • 一定時間、制限時間と敵の動きが止まる。
  • ドクロ
    • ボンバーマンの移動速度が一定時間変化する。
  • クリスタル
    • ボンバーボール[注 3]のエネルギー源。一定数集めると、ベルパネルが現れる。
  • ベルパネル
    • 取ると次のステージ(ボスステージ)でボンバーボール[注 3]が現れ、ボスにダメージを与えたりアイテムを落としたりする。
特殊アイテム

ボス撃破後の「アイテム交換所」でのみ手に入れられるアイテム。

  • ボムキック
    • 必要カプセル数1。爆弾に体当たりすると蹴って転がすことができる。Bボタンで停止も可能。
  • ダッシュ
    • 必要カプセル数1。Bボタンを押しながら移動するとより速く移動できる。
  • ラインボム
    • 必要カプセル数1。爆弾を設置してからAボタンを押すと、爆弾を置けるだけ一列に並べることができる。
  • フルパワー
    • 必要カプセル数7。爆弾の数と火力が常に6の状態でプレイできるようになる。
  • モトボンバー
    • 先述の通り4種類あり、それぞれ性能が異なる。なお、規定ダメージ数を受けるとモトボンバーは「修理」の状態となり、次のラウンドまで乗れなくなってしまう。
      • モトボンバー1号
        • 必要カプセル数1。ダメージを一回分防ぐ。
      • モトボンバー2号
        • 必要カプセル数2。ハードブロックを一つ飛び越えることができる(前2作の「モトボンバー」と異なり、着地時に少し硬直がある)。また、ダメージを一回分防ぐ。
      • モトボンバー3号
        • 必要カプセル数2。Bボタンを押しながらソフトブロックにぶつかるとそれを破壊できる。また、ダメージを一回分防ぐ。
      • モトボンバー4号
        • 必要カプセル数3。Bボタンを押しながら移動すると「ダッシュ」より速く移動できる。また、ダメージを二回分防ぐ。

チャレンジモード[編集]

1人プレイ用。専用ステージで行われるスコアアタック。

設定した時間内[注 4]に「敵を倒す」「アイテムを取る」などの条件で獲得した得点に応じて段位が認定される。ステージの最後にいるデビルボンバーを倒すか、ゲームオーバーになると得点が精算され、結果に応じた段位が表示される。

制限時間が少なくなるとステージ左側からプレッシャーブロックが出現する。

タイプ[編集]

ゲーム開始前にボンバーマンのタイプを選択する。ボンバーマンはタイプごとに持っているアイテムが異なる。

公式にはタイプ名は命名されていないが、ここでは便宜上、番号でタイプを分別する。

  • タイプ1
    • キック、ダッシュ、ラインボム
  • タイプ2
    • モトボンバー3号、ダッシュ
  • タイプ3
    • モトボンバー4号

スコアとレベル[編集]

得点に応じてレベル(段位)が決定される。

認定基準
はらはら2分 はらはら5分 どきどき2分 どきどき5分
ぷろぼん 9000点以上 18000点以上 14000点以上 25000点以上
なみぼん 4000点以上 8000点以上 7000点以上 8000点以上
みそばん 1500点以上 3000点以上 3000点以上 3500点以上
ぺけぼん 1500点未満 3000点未満 3000点未満 3500点未満

(出典:[2]

ステージ構成[編集]

はらはらステージ(ハラハラステージ)
あちこちにモグラが穴から出現する「もぐらトラップ」が配置されている。中には火をはくものもいる。
どきどきステージ(ドキドキステージ)
ワープゾーンやジャンプ台が配置されているステージ。

設定[編集]

ストーリーモードには以下のストーリーおよびステージ構成が存在する。

ストーリー[編集]

ボンバー星雲第11惑星「オワン」に危機が迫っていた。地殻変動により、封印されていたデビルボンバーが復活し、手下と共に惑星全土を征服せんと暴れ回り出した。頼りのボンバーマンも技エネルギーの源「ボンバーカプセル」をデビルボンバーの奇襲によりすべて奪われ、手酷い傷を負わされてしまった。ボンバーマンは最後の力を振り絞り、一人デビルボンバーに闘いを挑んだ。

ステージ構成[編集]

最初に攻略するステージは地上エリアの3つの中から選択する。地上エリアの全ステージを攻略すると地下エリアへ進むことができ、地下エリアの3ステージを攻略すると暗黒エリアへ進むことができる。

地上エリア[編集]

  • モリモリステージ - 森林の中。木を倒して川に橋をかけたりする。
  • バキバキステージ - 機械の多い工場。電気を使ったトラップがある。
  • ユキユキステージ - 雪山の上。ラウンドによっては爆弾を使いすぎると雪崩が起きる。

地下エリア[編集]

  • アチアチステージ - 火山地帯。火山や地面に空いた穴から火山弾が降ってくることがあり、当たると1ミスとなる。
  • ブクブクステージ - 湖の中。急流に流される強制スクロール面が多い。
  • ザラザラステージ - 砂漠の遺跡。爆風を当てると(モトボンバー乗車時でも)一発アウトとなる「どくろボム」など厄介なトラップが多い。

暗黒エリア[編集]

  • デビルステージ - 最終ステージだけあってミッションも難易度が高い。

キャラクター[編集]

ボンバーマン
本作の主人公。爆弾を武器に日夜、宇宙の平和を守るため戦い続ける我らがヒーロー。本作ではボンバー星雲第11惑星「オワン」の防衛隊長として[注 5]、惑星の平和を取り戻すため、自らの汚名返上をかけて打倒デビルボンバーに挑む。
キューティーボンバー
ボンバー星雲で唯一の女性科学者という才色兼備な女の子。モトボンバー1号から4号の開発者であり、それらの整備も担当している。使用できるモトボンバーがあるときは「モトボンバーセレクト画面」に登場する。
デビルボンバー
強さゆえの身勝手な行動から、生みの親であり、ボンバーマンの宿敵でもある悪の天才科学者「プロフェッサー・バグラー」の怒りに触れ、「オワン」の地下の奥深くに封印されていた。今回の復活を機に、悪の帝王として君臨しようと画策する。
ハニー
ガンマンの格好をした女の子。本作ではステージクリアー後に入れる「アイテム交換所」に登場する。
小鉄
侍。所持しているすべてのモトボンバーを修理に出している時に「モトボンバーセレクト画面」に登場する。

移植版[編集]

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 備考 出典
1 ボンバーマンGB3 日本 200003012000年3月1日
ゲームボーイ エーアイ ハドソン フラッシュロムカセット
ニンテンドウパワー
-
2 ボンバーマンGB3 日本 201207112012年7月11日
ニンテンドー3DS エーアイ コナミ ダウンロード
バーチャルコンソール
- [3][4]

スタッフ[編集]

  • プロデューサー:井上佳典
  • ディレクター:ビル・リッチ
  • プログラム:ゴッドあらい(荒居弘之)、阿部幸絵、たかぱー
  • デザイン:浦部勝彦、かとうこうじ、渡部佐知子
  • キャラクター・デザイン:水野祥司、吉見直人、佐藤梢
  • ゲーム・デザイン:窪田英之
  • スーパーバイザー:大久保則雄
  • サウンド・プロデューサー:三井啓介
  • 音楽:福田裕彦
  • サウンド・オペレーター:小原ハジメ
  • アドバイザー:藤原茂樹、込山勉、鶴岡典子
  • 品質管理:阿諏訪理子
  • プロモーション:うちだゆりこ
  • マニュアル:三谷晴基
  • スペシャル・サンクス:電気未来社、吉田哲馬、えちおぴ(エチオピアン太郎)、じん ばねばね!(赤羽仁)、佐藤勝俊、かどいなおゆき、中野康弘

評価[編集]

評価
レビュー結果
媒体結果
ファミ通23/40点 (GB)[5]
ファミリーコンピュータMagazine22.9/30点 (GB)[6]

ゲーム誌『ファミ通』の「クロスレビュー」合計23点(満40点)[5]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り、22.9点(満30点)となっている[6]

項目 キャラクタ 音楽 お買得度 操作性 熱中度 オリジナリティ 総合
得点 3.9 3.8 3.7 3.7 3.8 3.9 22.9

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ボンバーマンコレクション』(1996年)を除く。
  2. ^ 『ドレミファンタジー』のスタッフロールに佐藤の名前は無いが、『ドレミファンタジー』の公式ガイドブックの制作スタッフ欄にハドソンから提供されたイラストの制作者の一人として名前が掲載されている。スタッフロールに名前がクレジットされたのは本作が初。
  3. ^ a b ボス戦開始前にボンバーマンをアシストしてくれる助っ人メカ。
  4. ^ 「2ふん・しょうぶ(2分間)」「5ふん・しょうぶ(5分間)」の2つ。
  5. ^ これは取扱説明書によるものだが、エンディングにはデビルボンバーを倒し、オワンに平和をもたらした功績によって防衛隊の隊長に任命される旨の描写がなされている。

出典[編集]

  1. ^ a b c 前田尋之 2018, p. 117- 「Chapter 2 ゲームボーイソフトソフトオールカタログ 1996年」より
  2. ^ 取扱説明書14ページ。
  3. ^ KONAMI、『ボンバーマンGB3』を3DS向けに配信 ― 高低差のあるマップが新登場”. iNSIDE. イード (2012年7月4日). 2021年1月30日閲覧。
  4. ^ 木原卓 (2012年7月11日). “週刊ダウンロードソフトウェアカタログ 2012年7月第3週分”. GAME Watch. インプレス. 2021年1月30日閲覧。
  5. ^ a b ボンバーマンGB3 まとめ [ゲームボーイ]”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2021年1月30日閲覧。
  6. ^ a b 超絶 大技林 1998, p. 529.

参考文献[編集]

  • 「超絶 大技林 '98年春版」『PlayStation Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、529頁、ASIN B00J16900U 
  • 前田尋之『G-MOOK154 ゲームボーイパーフェクトカタログ』ジーウォーク、2018年11月29日、117頁。ISBN 9784862978226 

外部リンク[編集]