カルスト号
カルスト号(カルストごう)は、近鉄バスと防長交通が共同運行する夜行高速バス。1日1往復運行。
当項目では臨時便として大阪 - 徳山間に運行された「のんた号」についても述べる。
概要
[編集]近畿地方(京都府京都市・大阪府大阪市・兵庫県神戸市)と、広島県広島市・大竹市および山口県東部・北部の各地(岩国市・周南市・防府市・山口市・美祢市・萩市)を結ぶ。それまで関西方面への直通交通機関のなかった萩地域とのアクセスを念頭に置きつつも、防長交通の主要エリアである周南・防府・山口のエリアとのアクセスも考慮したルート設定となっている。
愛称はカルスト台地で知られる秋吉台から(萩と山口の間で近傍を通過する)。
運行会社
[編集]運行開始当初は両社便とも2名乗務(ツーマン運行)で途中のSA・PAで交替乗務だったが、現在は両社担当便とも乗務員は全区間ワンマン運行とし、途中のSAで2時間程度乗務員の仮眠休憩をとり、熊毛ICで待機していた別の乗務員と交代する[1]。
沿革
[編集]- 1990年(平成2年)8月2日 - 大阪あべの橋 - 徳山・山口・萩間で「カルスト号」運行開始[2]。当初は中国道鹿野IC・秋芳洞(萩行のみ)経由であった。
- 1992年(平成4年) - 山陽道岩国IC - 熊毛IC間開通に伴い山陽道経由に変更、岩国駅前停車開始。
- 1995年(平成7年) - 阪神・淡路大震災に伴い山陽新幹線が不通になったことを受け、近畿と山口県内との直通交通機関の確保を目的として、大阪 - 徳山間に昼行・夜行の臨時高速バスを設定。なお、夜行便は同年夏より2年間「のんた号」として運行(いずれも防長交通による単独運行)。「のんた」は山口弁(周防方言)で「~ですよね」を表す助詞。
- 2006年(平成18年)12月20日 - 大竹IC入口・玖珂IC・熊毛ICに停留所を増設。
- 2007年(平成19年)8月10日 - 三宮バスターミナル経由に変更。前日発をもってユニバーサル・スタジオ・ジャパン (USJ) への乗り入れ終了。
- 2011年(平成23年)3月17日 - 京都駅八条口まで延伸、これに伴う大阪地区各停留所(あべの橋駅・なんば・大阪駅の3停留所)の停車順序を変更[3]。防長交通としては「SANYO EXPRESS・まいこ号」を廃止して以来、約3年ぶりの京都への乗り入れとなる。これに伴い、近鉄バスの担当営業所が八尾営業所から京都営業所に変更。
- 2018年(平成30年)4月27日 - 京都行のみUSJへの乗り入れ再開、大阪あべの橋(あべのハルカス)への停車終了[4]。
- 2019年(令和元年)6月21日 - 運賃改定[5]。
- 2020年(令和2年)
- 2022年(令和4年)
- 2024年(令和6年)4月1日 - ダイヤ改正により運行経路、出発時刻、運賃を改正[13]。
- 山口市内の経路を変更し、新たに「山口宮野」「山口西京橋」停留所に停車開始。「山口米屋町」における乗降扱いを廃止。
- 長門市までの延伸運行を取りやめ萩発着に戻る。これにより、センザキッチン・長門市駅・長門市役所への乗降扱いを終了。
運行経路・停車停留所
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太字は停車停留所(《 》内は京都行きのみ停車)。三宮 - 広域公園前駅間を挟まない利用不可。
京都駅八条口 - 京都南IC - (名神高速道路) - 豊中IC - (阪神高速道路) - 大阪駅前(地下鉄東梅田)〈SMBC日興証券前〉 - 《ユニバーサル・スタジオ・ジャパン》 - (阪神高速道路・ハーバーハイウェイ) - 新港ランプ - 摩耶出入口 - (阪神高速3号神戸線) - 生田川出入口 - 三宮駅〈ミント神戸〉 - 布引 - (新神戸トンネル有料道路) - 箕谷出入口 - (阪神高速7号北神戸線・神戸淡路鳴門自動車道・山陽自動車道・広島岩国道路) - 広島(広域公園前駅) - 大竹IC入口 - (国道2号) - 岩国駅前 - (国道2号) - 岩国IC - (山陽自動車道) - 玖珂IC - 熊毛IC - 徳山東IC - (国道2号) - 徳山駅前 - (国道2号) - 徳山西IC - (山陽自動車道) - 防府東IC - 国道2号 - 防府駅前 - (国道262号) - 山口宮野 - 山口西京橋 - 山口湯田温泉 - (国道435号・国道490号) - 大田中央 - (山口県道32号萩秋芳線萩道路・国道262号) - 萩バスセンター
- 京都行は「三宮駅→USJ→大阪駅前→京都駅八条口」の順に停車する。
- 広島県内の一部と山口県東部の各都市に細かく停車することから、山口市内 - 大阪駅前間の所要時間は約9時間となる(かつて同じく山口県内と大阪を結んでいた「ふくふく大阪号」(サンデン交通)は山陽道を直行するため、同区間を約8時間で走行していた)。
- 京都行は山陽道小谷SAで、萩行は阪神高速白川PAで、それぞれ15分間の乗客開放休憩がある(他にもう1箇所のSA・PAにも停車するが、車両点検・乗務員仮眠のための停車であり乗客は車外へは出られない)。
車両
[編集]- 日野・セレガ ハイデッカー(近鉄・防長共に)
車内設備
[編集]- 3列独立シート(28人乗り)
- トイレ
- フットレスト・レッグレスト
- 毛布・スリッパ ※ただし、毛布に関しては新型コロナウイルス感染拡散防止の観点から現在貸出を休止中、スリッパは使い捨てスリッパを設置(持ち帰り可)。
- 電源コンセント(近鉄担当便及び防長担当便の一部車両)
- 車両都合時や2号車以降の続行車については上記のタイプとは若干異なる。特に多客時期等においてはトイレが無い4列シートの車両が使用される場合がある。
乗車券
[編集]座席は予約指定制。1ヶ月前から近鉄ステーションサービスの各営業所、近鉄百貨店あべの店(旅行館)、近鉄なんば駅西口(OCATビル2階)、近鉄高速バスセンター、近鉄バス各営業所、防長交通各営業所で発売。また、コンビニエンスストアの情報端末やインターネット「発車オ~ライネット」(工房)でも取り扱う。
関連項目
[編集]- ふくふく大阪号:かつて大阪・神戸 - 山口・宇部・小野田・下関間を運行していた夜行高速バス(サンデン交通)。大阪・神戸 - 山口間で競合していた。
- ブルーライナー:福岡・山口 - 神戸・梅田・京都間を運行していた夜行高速バス。つくしの観光バス撤退後森山観光バスにより運行再開されたが、同社破産により再度運行停止となった。
- サン・アンド・ムーン:福岡・下関・宇部・小野田 - 神戸・大阪・京都間を運行する夜行高速バス(大新東)。
脚注
[編集]- ^ カルスト号 - 防長交通公式サイト内
- ^ “来月2日から運行 大阪-萩など2線 夜行高速バス”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1990年7月20日)
- ^ 「徳山・山口・萩」行き高速バスが3/17から京都からもご乗車になれます!あわせて運行時刻を変更いたします[リンク切れ] 近鉄バス:トピックス&お知らせ(2011年2月14日)
- ^ “【2018年4月27日~】高速バス京都・大阪~徳山・山口線の「京都駅八条口」出発時刻が20:55発から20:20発に、「萩バスセンター」の出発時刻が19:30発から18:40発に時刻変更いたします。また、山口出発便が「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」に乗り入れいたします。なお、4月27日夜出発便以降は「あべのハルカス(天王寺駅)」には停車いたしません。”. 近鉄バス (2018年3月27日). 2019年6月29日閲覧。
- ^ “6月21日より カルスト号の運賃を改定いたします”. 防長交通 (2019年5月21日). 2019年6月29日閲覧。
- ^ “4月8日更新 高速バスの運休について”. 近鉄バス (2020年4月8日). 2020年4月15日閲覧。
- ^ “神戸、大阪、京都行き高速バスは運休いたします”. 防長交通 (2020年4月6日). 2020年4月15日閲覧。
- ^ a b “7月27日夜出発便より 萩~神戸、大阪、京都線は運休いたします”. 防長交通株式会社. 2020年11月26日閲覧。
- ^ 夜行高速バス長門~神戸、大阪、京都線の運行を開始しました 2022-05-06(防長交通)
- ^ カルスト号(山口特急線)の京都、大阪、神戸~長門 間の運行を開始いたしました。 2022-05-07(近鉄バス)
- ^ 夜間高速バス「カルスト号」運行開始記念キャンペーンについて ~関西方面への利用促進キャンペーンと関西方面からのおもてなしキャンペーンを実施~ 2022-04-21(長門市)
- ^ 上り便、下り便共に1号車のみが停車。萩行で2号車以降の続行便が出た場合は、該当車両は大阪地区へは不停車となる。
- ^ “4月1日出発便より 夜行高速バス長門~神戸・大阪・京都線の運行経路及び時刻を変更いたします”. 防長交通 (2024年2月29日). 2024年4月1日閲覧。