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NSP (バンド)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
NSP
N.S.P
別名 ニュー・サディスティック・ピンク
出身地 日本の旗 日本岩手県
ジャンル フォークソング
ニューミュージック
活動期間 1972年 - 1987年
2002年 -
レーベル キャニオン・レコード/AARD-VARK
日本クラウン
ヤマハミュージックコミュニケーションズ
事務所 ヤマハ音楽振興会
NSPオフィス
メンバー 天野滋(ヴォーカル・ギター)
中村貴之(ヴォーカル・ギター)
平賀和人(ヴォーカル・ベース)

NSP(エヌエスピー)は、岩手県出身の3人組のフォーク・グループ。一関工業高等専門学校の同級生であった3人が在学中の1972年に結成した。

アマチュア時代はニュー・サディスティック・ピンク (New Sadistic Pink) として、当初はロックを中心に活動していた。フォークの曲調とバンド名が合わないため、メジャーデビューする際にNSP (N.S.P.) とした。デビュー7周年のイベントで行われた「NSPの新解釈ゲーム」では「ネコ・サル・ペンギン」が優勝し、のちにNon Stop Progression、Natural Spirit Paradise、Nasa Shopping Plazaなどがキャッチコピーに使われる。

経歴

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1972年に、サディスティック・ピンクの天野と平賀が、それまで別のバンドで活動していた中村と組んで、ニュー・サディスティック・ピンクを結成する。オーディオマニアの同級生らが、高専祭の「喫茶NSP」のライブを録音してポプコンの応募にも使用されたデモテープを、NHK盛岡放送局FMリクエストアワーに持込むと、放送されて11週間連続1位となる。

高専在学中の1973年に第5回ヤマハポピュラーソングコンテストに応募して、楽曲「あせ」でニッポン放送賞を受賞し、6月に「さようなら」でデビューする。1974年に高専卒業を機に上京する。天野滋は、NSPがプロになったきっかけは「高専在学中に、仲間と組んで学園祭なんかで演奏していたら、レコード会社から『ただでレコードが作れるぞ』という話がきたから」と述べている[1]1974年に「夕暮れ時はさびしそう」がオリコン11位の大ヒットに、同年のアルバム『NSP III ひとやすみ』はオリコン4位のヒットを記録。その後も、1976年「赤い糸の伝説」がヒットし、叙情派フォークを代表するグループとなる。

1980年代に入りメンバーそれぞれが作曲、プロデュースなどソロ活動が多くなり、1985年には中村貴之が脱退する。澤近泰輔深浦昭彦を加えて活動するも1987年に平賀和人の脱退を機に、活動を停止する。のちに天野滋はソロで活動を開始する。平賀はNSPの所属レコード会社であったポニーキャニオンディレクターとして入社し、平松愛理GO-BANG'S瀬戸朝香Melodyなどの作品を担当した。

2002年にオリジナルメンバーで再結成し、1月26日に日本青年館大ホールで復活後初コンサートを催す。チケットは1時間で完売した。[要出典]

2005年2月に19年ぶりの新曲シングル「水のせいだったんです」、アルバム『Radio Days』を発売したが、7月1日午後7時8分にリーダーの天野滋が療養中の病院で脳内出血のために他界する。天野は大腸癌で闘病中も、全国ツアーや諸活動を続けた。

2008年6月に中村貴之はソロ活動を開始し、ミニ・アルバムを発売した。

2019年3月20日から「夕暮れ時はさびしそう」が東北新幹線一ノ関駅で発車メロディーに使用されている。

「N.S.Pメモリアルスポット」

2019年7月1日に「夕暮れ時はさびしそう」の舞台となった磐井川堤防に「N.S.Pメモリアルスポット」[2]が設置された。

平賀と細坪基佳によるユニット「スリーハンサムズ」としても活動していた中村は、2021年11月27日に肺がんで他界[3][4][5]する。

2022年11月に一関市市勢功労者表彰(教育文化功労)[6]を受ける。

メンバー

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名前 生年月日 出身地 担当
天野 滋
(あまの しげる)
1953年5月5日 - (2005-07-01) 2005年7月1日(52歳没) 岩手県一関市 ボーカル
ギター
中村 貴之
(なかむら たかゆき)
1953年6月12日 - (2021-11-27) 2021年11月27日(68歳没) 岩手県宮古市
平賀 和人
(ひらが かずと)
(1954-01-06) 1954年1月6日(70歳) 岩手県花巻市 ボーカル
ベース
サポートメンバー
名前 生年月日 出身地 担当
深浦 昭彦
(ふかうら あきひこ)
(1959-05-13) 1959年5月13日(65歳) 熊本県 キーボード
シンセサイザー
澤近 泰輔
(さわちか たいすけ)
(1958-06-21) 1958年6月21日(66歳) 大阪府大阪市

ディスコグラフィー

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シングル

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発売日 タイトル 収録曲 作詞 作曲 編曲 最高位
1st 1973年6月25日 さようなら さようなら 天野滋 天野滋 N.S.P. 46位
新青春 及川有正
補作詞:天野滋
2nd 1973年10月10日 あせ あせ 天野滋 -
ちょうちょ
3rd 1974年3月10日 ひとりだちのすすめ ひとりだちのすすめ -
君と歩いてみたくて 中村貴之 穂口雄右
4th 1974年7月10日 夕暮れ時はさびしそう 夕暮れ時はさびしそう 天野滋 福井崚 11位
コンクリートの壁にはさまれて N.S.P.
5th 1974年12月10日 雨は似合わない 雨は似合わない N.S.P.・福井崚 35位
なんて空だろう N.S.P.
6th 1975年6月10日 お休みの風景 お休みの風景 N.S.P.・福井崚 64位
シャンテの街 N.S.P.
7th 1975年11月25日 ゆうやけ ゆうやけ 67位
きみは地下鉄日比谷線
8th 1976年4月25日 赤い糸の伝説 赤い糸の伝説 福井崚 34位
みつからないように
9th 1976年8月10日 線香花火 線香花火 萩田光雄 84位
あの娘をひとりじめ N.S.P.
10th 1977年2月10日 弥生つめたい風 弥生つめたい風 船山基紀 51位
ペンペン草 福井崚
11th 1977年6月10日 あなたこっちを振り向いて あなたこっちを振り向いて 瀬尾一三 82位
白い椅子の陰
12th 1977年9月25日 北北東の風 北北東の風 61位
星も見えない
13th 1978年3月25日 八十八夜 八十八夜 福井崚 37位
恋は水色涙色
14th 1978年10月21日 冬の花火はおもいで花火 冬の花火はおもいで花火 63位
男と女の余白 中村貴之・天野滋
15th 1979年3月21日 面影橋 面影橋 天野滋 木森敏之・福井崚 61位
思い出はドラマさ 石川鷹彦
16th 1979年6月21日 青い涙の味がする 青い涙の味がする N.S.P.・木森敏之
もえる白昼夢 福井崚
17th 1979年12月5日 愛のナイフ 愛のナイフ 細坪基佳
補作曲:天野滋
瀬尾一三 94位
大きな街まで 天野滋 N.S.P.
18th 1980年4月21日 見上げれば雲か 見上げれば雲か N.S.P.・淡海悟郎
凍りついた言葉
19th 1980年11月5日 雪のララバイ 雪のララバイ -
僕にとって君にとって
20th 1981年4月5日 Rain Rain 梅垣達志 -
チケット握り締めて
21st 1981年9月21日 潮騒のホテル 潮騒のホテル 瀬尾一三 -
ぼくのそばで
22nd 1982年2月21日 星も月も草も街も 星も月も草も街も -
銀河
23rd 1982年5月21日 めぐり逢いはすべてを越えて めぐり逢いはすべてを越えて -
木枯らしがやさしい夜
24th 1982年11月21日 遠野物語 遠野物語 N.S.P.・飛澤宏元 -
ひかり輝く空 瀬尾一三
25th 1983年3月21日 はじまりは朝 はじまりは朝 N.S.P. -
名前のない猫
26th 1984年2月5日 愛のロジック -論理- 愛のロジック -論理- N.S.P.
弦作曲:青木望
-
魚になって 瀬尾一三
27th 1985年4月5日 FLY TO THE MOON FLY TO THE MOON N.S.P. -
僕たちの失敗 N.S.P.・飛澤宏元
28th 1986年7月21日 シェイキンLADY シェイキンLADY 天野音彦 天野音彦 N.S.P. -
空を掴む 平賀和人
29th 2005年2月2日 水のせいだったんです 水のせいだったんです 天野滋 円山天使 125位
BIRTHDAY 天野滋

アルバム

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オリジナル・アルバム

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リリース日 タイトル 最高位 備考
1st 1974年3月25日 NSP II 40位
2nd 1974年9月25日 NSP III ひとやすみ 4位 NSP最大のセールスを記録
3rd 1975年2月25日 おいろなおし 11位
4th 1975年8月10日 2年目の扉 14位
5th 1976年5月25日 シャツのほころび 涙のかけら 10位
6th 1977年3月10日 明日によせて 10位
7th 1977年11月25日 黄昏に背を向けて 15位
8th 1978年5月25日 八月の空へ翔べ 10位
9th 1979年5月21日 風の旋律 11位
10th 1980年1月21日 彩雲 9位
11th 1980年11月21日 天中平 〜夕陽を浴びて〜 35位
12th 1981年11月21日 The WIND'S SONG -
13th 1982年6月21日 めぐり逢いはすべてを越えて 63位
14th 1983年5月21日 55位
15th 1984年5月21日 冬の時代 91位
16th 1985年4月21日 水と太陽 -
17th 1986年7月21日 APOCALYPSE - 中村脱退後、新メンバーによるアルバム。
18th 2005年2月2日 Radio days 152位 19年ぶりのオリジナルアルバム

ライブ・アルバム

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リリース日 タイトル 最高位 備考
1st 1973年9月25日 NSP FIRST 33位
2nd 1975年12月21日 僕らはごきげん 31位
3rd 2002年10月9日 NSP復活コンサート!! -
4th 2005年10月22日 天野はごきげん!! Vol.1 - 通販限定
5th 2006年9月1日 天野はごきげん!? ふきげん!? Vol.1 -
6th 2010年8月2日 雨の田園コロシアム・ライブ19800802 -
7th 2013年6月26日 NSPデビュー40周年メモリアル・ドリームライブ 〜70年代をもう一度〜 273位 40周年記念ライブベスト

ベスト・アルバム

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リリース日 タイトル 最高位 備考
1st 1978年11月21日 青春のかけら達 19位
2nd 1982年12月5日 10TH ANNIVERSARY -
3rd 1985年12月15日 THE BEST -
4th 1987年12月5日 プレイバックシリーズ N.S.P. -
5th 1992年11月20日 N.S.P. The Songwriter Renaissance -
6th 1999年3月25日 N.S.P. ベストセレクション -
7th 2000年4月15日 シングルコレクション - 通販限定
8th 2003年4月16日 NSPベストセレクション 1973〜1986 -
9th 2005年3月23日 NSPベストセレクション2 1973〜1986 -
10th 2006年12月21日 ポプコン・マイ・リコメンド N.S.P. -
11th 2010年5月5日 NSP歳時記 〜立夏〜 天野滋 シーズンズ・セレクション -
12th 2010年10月8日 N.S.P スーパー・ベスト -
13th 2011年9月1日 NSP BEST FEELING 1973〜2005 - 平賀和人選曲。
2011年9月1日12月31日までの期間限定販売。
14th 2013年6月15日 NSP summer solstice -
15th 2014年3月10日 NSP Time of Ballad -君は僕のバラード- -
16th 2015年6月15日 NSP Platinum Best BesTouch -

セルフカバー・アルバム

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リリース日 タイトル 最高位 備考
1st 2002年1月23日 p.s. NSP -

CD-BOX

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リリース日 タイトル 最高位 備考
1st 2000年4月15日 N.S.P スペシャル -僕らを変えた季節たち- - 通販限定
2nd 2001年6月25日 ライブはごきげん!! -
3rd 2006年7月1日 パーフェクト・シングルコレクション28 -

タイアップ曲

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楽曲 タイアップ 時期
めぐり逢いはすべてを越えて 東北新幹線やまびこイメージソング 1982年
遠野物語 映画「遠野物語」主題歌

関連項目

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脚注

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  1. ^ 「あのころ フォークル、拓郎、岡林、泉谷、古井戸、赤い鳥… 昭和40年代フォークをふりかえりて」『週刊宝石』1985年8月23、30日号、光文社、92–97頁。 
  2. ^ N.S.Pメモリアルスポット
  3. ^ 「夕暮れ時はさびしそう」がヒット NSP中村貴之さん(宮古市出身)死去/岩手”. IBC岩手放送 (2021年11月29日). 2021年11月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月29日閲覧。
  4. ^ NSP・中村貴之さん死去 平賀和人は「昔話ができる仲間を亡くしてさみしい」”. 報知新聞 (2021年11月29日). 2021年11月29日閲覧。
  5. ^ NSPのメンバー 中村貴之氏が死去”. 産経ニュース (2021年11月30日). 2021年11月30日閲覧。
  6. ^ 広報いちのせきNo.393 2022年10月26日閲覧

外部リンク

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