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I

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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Ii Ii
ラテン文字
Aa Bb Cc Dd    
Ee Ff Gg Hh    
Ii Jj Kk Ll Mm Nn
Oo Pp Qq Rr Ss Tt
Uu Vv Ww Xx Yy Zz
  • 太字で表した字は母音である。

Iは、ラテン文字アルファベット)の9番目の文字。小文字は i であるが、トルコ語アゼルバイジャン語では点のない ı がある。

字形

筆記体
ジュッターリーン体

大文字は、一本の縦棒である。しかし、それではLの小文字や数字の 1 など混同し易い(ホモグリフ)せいもあって、手書き文字(ブロック体)であっても通常はセリフを上下に付けて区別する。

この場合、数字の 1 は飾りを上だけにする、数字の 7 は鉤を付ける、小文字の L は筆記体で ℓ と書く、というように区別する。

筆記体では、本体は下部が左に流れるが、ベースラインを超えない。また、右下から左に弧を描いて文字の頂点までの飾りを付ける。フラクトゥールで、書体によっては(J) と区別が付かない(あるいは、もともと異体字であったIとJの区別を設けていない)。このため、記号としては(J) を抜かすことがある((I) の次の記号に(K) を使う)。また、T の筆記体と紛らわしいが、フラクトゥールでTはのようであり、区別が付く。

小文字は、縦棒の上に(トルコ語とアゼルバイジャン語を除き)点を付ける。縦棒はしばしば下部が右に曲がり、折り返すこともある。筆記体で前の文字から続くときは、下部左から、右上に向かって後で書かれる本体に合流する。フラクトゥール。文字の上部に付けるダイアクリティカルマークが付く場合、普通は点を取った上で付ける。

歴史

ギリシャ文字Ι(イオタ)に由来し、キリル文字І, Јと同系の文字である。IとJの2形があったが、I母音を、J半母音を、区別して表すようになった。両者が区別して使われるようになったのは15世紀以降である。

呼称

  • エス:イー
  • 西:イ
    • スペイン語では Y との区別を強調する場合、「イ・ラティーナ」(i latina)とも言う[1]
  • :アイ /aɪ/
  • :ウ(点なし)、イ(点あり
  • :イガン
  • :アイ /äi/

音素

この文字が表す音素は、/i/ないしその類似音である。

  • ラテン語でしばしばJと同じ発音(/j/)をする。
  • 英語では、大母音推移の結果、短音は/ɪ/, 長音は/aɪ/と発音する。(一部借用語を除いて)語末に現れない。
  • フランス語では、他の母音字の前で半母音/j/)化する。
  • トルコ語、アゼルバイジャン語では唇を丸めず「イ」のようにして「ウ」と発音する音(非円唇後舌狭母音)である。
  • 日本語ローマ字表記では、イ段の母音に使われる。
  • 朝鮮語のローマ字表記では、母音ㅣを示す。また、ㅟ、ㅢもwi,uiとiを含む綴りとなる。
  • 中国語漢語拼音では、介音 /i/ を含む韻母の表記に使われる。ただし、声母(頭子音)が付かない場合は、yになる。「一」「伊」など主母音、尾音無しで介音 /i/ のみの場合、半母音 /j/ が発音されるわけではないが、yi と表記する。そのため i で始まることは無い。
    • また、「四」(si)、「子」(zi)等z,c,s,zh,ch,sh,rに続く場合などは、子音のそのままの舌の構えで出される母音 [z̩] を示す。これはイ段よりもウ段に近い音なので注意を要する。

音声記号としては、[i] は「非円唇前舌狭母音」、小型大文字 [ɪ] は「非円唇前舌広め狭母音」を表す。

Iの意味

商標、作品名等については、I (曖昧さ回避)参照。

数字・数量・単位

分類記号・符号・変数

略称・略表記の一部

  • I - 情報 (Information) - 例:「IT革命」
  • I - 知能 (Intelligence) - 例: IQ=Intelligence Quotient
  • i、 - 案内所 (information)を示す地図記号。
  • I - 鉄道サインシステムにおける路線記号
  • I - 日本の電気業界で、日本アイ・ビー・エムを表す符牒

特殊なI

符号位置

大文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 小文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考
I U+0049 1-3-41 I
I
i U+0069 1-3-73 i
i
半角
U+FF29 1-3-41 I
I
U+FF49 1-3-73 i
i
全角
U+24BE Ⓘ
Ⓘ
U+24D8 1-12-34 ⓘ
ⓘ
丸囲み
🄘 U+1F118 🄘
🄘
U+24A4 ⒤
⒤
括弧付き
𝐈 U+1D408 𝐈
𝐈
𝐢 U+1D422 𝐢
𝐢
太字
𝐼 U+1D43C 𝐼
𝐼
𝑖 U+1D456 𝑖
𝑖
イタリック体
𝑰 U+1D470 𝑰
𝑰
𝒊 U+1D48A 𝒊
𝒊
イタリック体太字
U+2110 ℐ
ℐ
𝒾 U+1D4BE 𝒾
𝒾
筆記体
𝓘 U+1D4D8 𝓘
𝓘
𝓲 U+1D4F2 𝓲
𝓲
筆記体太字
U+2111 ℑ
ℑ
𝔦 U+1D526 𝔦
𝔦
フラクトゥール
𝕀 U+1D540 𝕀
𝕀
𝕚 U+1D55A 𝕚
𝕚
黒板太字
𝕴 U+1D574 𝕴
𝕴
𝖎 U+1D58E 𝖎
𝖎
フラクトゥール太字
𝖨 U+1D5A8 𝖨
𝖨
𝗂 U+1D5C2 𝗂
𝗂
サンセリフ
𝗜 U+1D5DC 𝗜
𝗜
𝗶 U+1D5F6 𝗶
𝗶
サンセリフ太字
𝘐 U+1D610 𝘐
𝘐
𝘪 U+1D62A 𝘪
𝘪
サンセリフイタリック
𝙄 U+1D644 𝙄
𝙄
𝙞 U+1D65E 𝙞
𝙞
サンセリフイタリック太字
𝙸 U+1D678 𝙸
𝙸
𝚒 U+1D692 𝚒
𝚒
等幅フォント
記号 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
ı U+0131 ı
ı
トルコ語で使用される小文字
ɪ U+026A ɪ
ɪ
LATIN LETTER SMALL CAPITAL I
U+1D35 ᴵ
ᴵ
MODIFIER LETTER CAPITAL I
U+2071 ⁱ
ⁱ
SUPERSCRIPT LATIN SMALL LETTER I
U+1D62 ᵢ
ᵢ
LATIN SUBSCRIPT SMALL LETTER I
U+1DA6 ᶦ
ᶦ
MODIFIER LETTER SMALL CAPITAL I
🄸 U+1F138 🄸
🄸
SQUARED LATIN CAPITAL LETTER I
🅘 U+1F158 🅘
🅘
NEGATIVE CIRCLED LATIN CAPITAL LETTER I
🅸 U+1F178 🅸
🅸
NEGATIVE SQUARED LATIN CAPITAL LETTER I

他の表現法

脚注

  1. ^ Un solo nombre para cada letra” (スペイン語). Real Academia Española. 2022年12月31日閲覧。

関連項目