荒野の七人

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荒野の七人
The Magnificent Seven
監督 ジョン・スタージェス
脚本 ウイリアム・ロバーツ
製作 ジョン・スタージェス
製作総指揮 ウォルター・ミリッシュ
ルー・モーハイム
出演者 ユル・ブリンナー
スティーブ・マックイーン
音楽 エルマー・バーンスタイン
撮影 チャールズ・ラング
編集 フェリス・ウェブスター
配給 ユナイテッド・アーティスツ
公開 アメリカ合衆国の旗 1960年10月23日
日本の旗 1961年5月3日
上映時間 128分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
配給収入 2億9640万円[1] 日本の旗
次作 続・荒野の七人
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荒野の七人』(こうやのしちにん、原題: The Magnificent Seven)は、1960年アメリカ合衆国の映画

黒澤明監督の日本映画七人の侍』(1954年)の舞台を西部開拓時代メキシコに移して描いたリメイク映画である。後に第二作『続・荒野の七人』(1966年)、第三作『新・荒野の七人 馬上の決闘』、第四作『荒野の七人・真昼の決闘』(1972年)などの続編が制作された。

ストーリー[編集]

国境を越えたメキシコの寒村イズトラカンは、毎年刈り入れの時期にカルベラ(イーライ・ウォラック)率いる盗賊に作物を奪われ苦しんでいた。そして今年は作物ばかりか1人の村人が殺された。自分たちは耐えられても子どもたちにこの苦しみを与え続けるわけにはいかない。ミゲル(ジョン・アロンゾ)は長老(ウラジミール・ソコロフ)に相談し、盗賊と戦う銃を買うために金を出し合って、国境の向うのテキサスに向かった。

メキシコに近いテキサスの辺境の町では、行き倒れた先住民の死体を誰も葬らないので、見かねた行商人たちが葬式をしてやろうとしていた。しかし町では先住民の埋葬が禁じられており、周囲は敵意むき出しの荒くれ者ばかり、誰も霊柩車の御者を引き受けない。だが1人のガンマンが御者として名乗り出て、やがてもう1人の男が助っ人を買って出た。2人に共感するガンマン達からライフル銃と霊柩車の弁償代を借りた彼らは、通りの窓や屋根からの銃口にすばやい銃さばきで弾を撃ちこみながら霊柩車で街を進み、墓地まで死体を運んだところで数名の住人たちに銃を突きつけられるも、2人はこれも退けて先住民を埋葬し、町は歓声に包まれる。

ミゲルたちは緊迫した状況なのに冷静に対処する2人の男を見て、その勇気にかけて「銃の買い方と撃ち方を教えてくれ」と懇願する。ガンマンのクリス(ユル・ブリンナー)は「銃を買うよりガンマンを雇った方が良い」と言って助っ人を引き受け、彼の人柄に惹かれたもう一人のヴィン(スティーブ・マックイーン)も協力を申し出る。だが1人2人のガンマンでは勝ち目がない。せめて7人のガンマンが必要だった。

村の全財産を持ってきたと言っても、1人わずか20ドルしか報酬はない。2人は町を探し回り、儲け話に目がない旧友ハリー(ブラッド・デクスター)、歴戦の強者である怪力のベルナルド(チャールズ・ブロンソン)、投げナイフの名人ブリット(ジェームズ・コバーン)、凄腕の賞金稼ぎだが今は追われる身のリー(ロバート・ヴォーン)、勝手についてきたガンマン志望の若者チコ(ホルスト・ブッフホルツ)を仲間に加える。

20ドルの報酬で雇われた7人の凄腕ガンマン達は、村人たちとの交流を経て、カルベラ一味を迎え撃つ。一時は勝利したことで村人達は安堵し、チコは村娘ペトラ(ロゼンダ・モンテロス)と惹かれあうが、しかし数度の小競り合いで引き上げるかに見えたカルデラ達が、是が非でも村から食料を奪わねばならないほど追い詰められている事が明らかになる。皆殺しを恐れた村長ヒラリオ(ヨルグ・マルティネス・デ・ホヨス)はカルデラへ降伏しての談合を決意し、カルベラ一味を村に引き入れてしまう。

カルベラによって一時は村から追い払われた7人であったが、村人たちの苦渋の決断を思い、村から盗賊を追い払うため壮絶な戦いに挑む[2]

決戦の後、生き延びたガンマン達に、長老は「農民が勝った。農民は大地と共に永遠に生きていける。あなた達は大地の上を吹きすぎていく風だ。イナゴを吹き飛ばし、去っていく」と声をかける。チコはペトラのもとに駆けていき、農民として生きる事を決意する。クリスは長老の言った通りだと笑って、ヴィンと共に荒野へと去っていった。

スタッフ[編集]

登場人物[編集]

ガンマン[編集]

クリス・アダムズ(ユル・ブリンナー
7人のリーダー格で、『七人の侍』の勘兵衛に相当するキャラクター。
冷静沈着な性格で、盗賊団と戦うための戦術から、他のガンマンや村人達のまとめ役となり、チームワークを乱す者に対しては決して容赦しない厳格さも見せる。黒ずくめの衣装やファニング撃ちなど、それまでの西部劇では悪役が行っていたような衣装や攻撃方法が特徴[2]
当初の構想では、年老いた南北戦争の敗残兵という、より原作の勘兵衛に近い人物設定だった。幾度も合戦に出た勘兵衛と異なり、一ガンマンとしては腕利きだが、戦略的な活躍は少ない。
ヴィン(スティーブ・マックイーン
7人のサブリーダー格で、五郎兵衛七郎次に相当するキャラクター。
厳格で真面目なクリスに比べて軽妙洒脱なところがあり、しばしば冗談を言って場を和ませる。しかし、自分達のようなガンマンがもはや時代遅れである事を自覚しており、手堅い職と安定した生活を望むなど、根はとても真面目な人格者。早撃ちの達人。
七郎次と異なり、クリスとは冒頭の葬儀への助っ人で知り合う。そして五郎兵衛と同様に、彼の人柄に惹かれて同行を申し出る。
最終決戦後まで生き残り、クリスと共に旅立っていった。
チコ(ホルスト・ブッフホルツ
7人の最年少メンバーで、勝四郎菊千代に相当するキャラクター。
クリスのガンマン募集で一度は却下されるが、あきらめずについて行き仲間となる。ひたむきで純粋である反面若さ故感情的になりやすいところがある。実は農民の出で、彼らが真っ先に戦いの犠牲になっている事を身に知っているため、自分が憧れているガンマン、ひいては仲間達にもわだかまりを抱いている。
『七人の侍』の勝四郎と異なり、最後は村に残り、ペトラ達と共に生きる道を選ぶ。
ベルナルド・オライリー(チャールズ・ブロンソン
平八に相当するキャラクター。
メキシコ人アイルランド人混血。それ故に自分の「ベルナルド」という名前を嫌っている。平八と同様に薪割りの下働きをしていたところを、ハリーから聞いたクリスにスカウトされる。
平八と異なり腕利きだが、特に愛想が良い訳ではない。しかし素朴で屈託の無く温かい人柄から、村の子供達に慕われる。
盗賊団の復讐を恐れた村人達によって7人が追われた際、自分達の親を弱虫で卑怯だと非難した子供の尻を叩き、「銃を持って戦うより土地と家族を守るほうがよほど勇気がいる。お前達の親は村と家族を守るために決断したのだから悪口を言ってはいけない」と叱った。
最終決戦では、助けに駆けつけた子供達を注意している際に隙を突かれ落命。最後まで子供想いの心優しき人物であった。最終決戦後、殉職した4人の墓に向かって黙祷する子供達の姿が見られる。
ブリット(ジェームズ・コバーン
久蔵に相当するキャラクターで、7人の中で最もオリジナルの役柄に忠実。
ナイフ投げの達人で、寡黙かつ求道的な孤高の男。セリフは非常に少ないが、含蓄のある言葉や行動でチコから慕われる。
最終決戦では、敗走する敵の銃弾に倒れるが、死の間際までナイフを投げる構えを崩さなかった。
ルパン三世』の次元大介は、彼をモデルにしている(声優も同じ)。
ハリー・ラック(ブラッド・デクスター
相当する役柄の無いオリジナルキャラクター(クリスの旧友という点では、一部だけ七郎次に該当する)。
山師でもあり、「村の護衛に20ドルというのは建て前で、実は物凄い報酬がある」と思い込んでおり、よく村人に鉱山や財宝のありかを尋ねる。7人の中で一番現実的・ドライな性格で、村を追われたときは一旦6人と袂を分かつが、結局最終決戦では彼らの元に駆けつける。しかし落馬の隙をつかれて銃弾を受け、クリスに看取られながら落命、7人最初の犠牲者となる。
今際の際まで報酬を気にかけており、クリスの「実は村には50万ドル相当の金があり、分け前は1人7万ドルだ」という話(クリスの心遣いから出た嘘)を聞いて、「来て良かった」と満足しながら息を引き取った。
リー(ロバート・ヴォーン
相当する役柄の無いオリジナルキャラクター。
凄腕の賞金稼ぎでクールな皮肉屋。標的を仕留めた結果として追われる身となり、潜伏していたところをクリスに声をかけられ同行を決意する。
しかし、銃の腕前の衰えから自信を失い始め、自分が倒した敵の亡霊に怯える日々を送っており、守るべき対象である村人から逆に励まされる事もあった。
最終決戦では、家に捕らわれた村人を救うべく単独で突入し、瞬時に三人の山賊を仕留める活躍を見せるが、その直後に隙をつかれて撃たれ絶命する。しかし彼が解放した村人たちによって形勢が逆転した。

盗賊団[編集]

カルベラ(イーライ・ウォラック
35人の手下を率いる盗賊団の首領。毎年収穫の時期になると、村の食料を強奪していく。意外に律儀なところがあり、一旦村人を人質に取って7人のガンマンを追い出すが、油断したところを7人の奇襲を受けて敗死。村に戻っても何のメリットもないクリス達がなぜ戻ってきたのか、疑問に思ったまま絶命する。

村人、他[編集]

ペトラ(ロゼンダ・モンテロス
志乃に相当するキャラクター。
イズトラカン村の若い娘で、ガンマン達に手篭めにされる事を恐れた父親によって男装させられている(志乃の父・万造に該当するキャラクターは直接登場しない)。やがてチコと惹かれあっていき、村に残ったチコと結ばれた。
演じたロゼンダ・モンテロスは、メキシコロケの監修も兼任している。
ミゲル(ジョン・アロンゾ
利吉に相当するキャラクター。
長老の提案を受け、銃を購入しようとした際にクリスと出会い、村を守るガンマンを探すなど何かと協力する。
演じたアロンゾは、メキシコ人スタッフの通訳も兼任している。
長老(ウラディーミル・ソコロフ
儀作に相当するキャラクター。
村の離れに住み、盗賊団を撃退するために銃を購入する事を勧める。最終決戦後、村を離れるクリスとヴィンを「大地を吹きあげ去っていく風」と評した。
ヒラリオ
インストラカンの村長。ガンマンを信用できず、ミゲル達と対立するが、最終決戦ではガンマン・村人が共闘する姿を見て、自らも戦いに加わった。
ソテロ
インストラカンの村人。カルヴェラに村の手引きをする。

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹き替え
NET Sch 機内上映版
クリス・アダムズ ユル・ブリンナー 小林修 大塚芳忠 麦人
ヴィン スティーブ・マックイーン 内海賢二 山寺宏一
チコ ホルスト・ブッフホルツ 井上真樹夫 浪川大輔 大塚芳忠
ベルナルド・オライリー チャールズ・ブロンソン 大塚周夫 東地宏樹 大塚明夫
ブリット ジェームズ・コバーン 小林清志 小山力也
ハリー・ラック ブラッド・デクスター 森山周一郎 銀河万丈
リー ロバート・ヴォーン 矢島正明 平田広明
カルベラ イーライ・ウォラック 穂積隆信 辻親八
ペトラ ロゼンダ・モンテロス 岡本茉莉 うえだ星子
ミゲル ジョン・アロンゾ 山谷初男 佐々木睦
長老 ウラディーミル・ソコロフ 河村弘二 中博史
ヒラリオ ヨルグ・マルティネス・デ・ホヨス 保科三良 駒谷昌男
ソテロ リコ・アラコス 矢田耕司 ふくまつ進紗
トマス ペペ・ハーン 中台祥浩 藤井啓輔
村人 ナチヴィダト・ヴァシオ 加茂嘉久
男の子 マリオ・ナヴァロ 野沢雅子
ウォレス ロバート・J・ウィルク 中田浩二
ヘンリー ヴァル・エイヴリー 大宮悌二 後藤哲夫
チャムリー ウィット・ビセル 北村弘一
  • NET版:1974年2月2日/2月9日の『土曜映画劇場』にて二回に分けての放送。後にカットされた箇所を同一声優で追加録音したものが、DVD・BDに収録。
その他吹替:飯塚昭三加藤修石井敏郎北山年夫岡部政明緑川稔市川治吉沢久嘉浅井淑子渡部猛中島喜美栄菅谷政子
  • スター・チャンネル版:2013年1月1日に「スター・チャンネル3 新録・完全吹替え版 第1弾」として放送。
その他吹替:中司ゆう花瑚海みどり髙階俊嗣高岡瓶々志賀麻登佳板取政明山本格林和良

オリジナルとの相違点[編集]

オリジナル「七人の侍」と話の流れは共通しているものの、相違点も当然存在する。娯楽性や観客の感情を考慮しての変更のほかに、武士とガンマン(即ち日本とアメリカ)の思想・風潮・制度が大きく異なっている故に設定・展開が変更される部分も見受けられる。

  • オリジナルでは当初から農民に対する善意・義侠心・憐れみを持って(菊千代を除く)7人が村へと集結するものの、本作では7人それぞれに事情と思惑を持ちつつ、あくまで少額の礼金(と食事)を前提として7人が揃って盗賊と戦う。そしてそこから、ストーリーに添ってそれぞれの思惑と人となりが明らかになっていく。
  • オリジナルでは勘兵衛と七郎次以外にはそれぞれ接点がなかったが、本作ではクリスと3人(ハリー、ブリット、リー)とは、それぞれ個別に面識があった。残りの3人(ヴィン、オライリー、チコ)とは、作品中の展開で知り合いになっている。
  • オリジナルでは、7人を恐れたある一人の農民が、自分の娘の髪を切って男の外見にして手を出されないようにと画策したが、本作では村の全ての女性を山中に隠すといった対策に変わっている。
  • なかなか農民全員と7人が馴染まないのは一緒であるが、オリジナルでは農民全員がそれなりに敵に対して必死に戦うのに対し、本作では考えの甘さから敵と通じてしまう農民が少数出現する。
  • オリジナルの野武士集団は、最後まで村を攻略できなかったが、本作の盗賊団は前述の一部の村人の手引きで村へ侵入し、一度は7人を村から追い払っている。
  • オリジナルでは、7人に戦う事を依頼した村人の内の一人利吉の女房が野武士に攫われており、7人がその山塞を先制攻撃して・・・というくだりがあるが、本作では、そのエピソードは一切使われていない。
  • オリジナルでは農民たちが落ち武者狩りをやっていた事が明らかになり、農民たちに幻滅した侍たちへ菊千代が激昂するシーンがある。このシーンは農民たちが決して純朴で哀れな善人ではない(事実、映画冒頭で「落ち武者は殺せても野武士は殺せないのか?」と言うセリフも発されている)事を示すための描写だが、本作ではそういった描写は存在しない。そのかわり前述の村人による裏切りが発生するが、それも「家族や畑を守るための勇気ある決断」として批判されることはない。
  • オリジナルでは戦いの意気を高めるものとして自作の旗が作られるが、本作ではこれに該当する道具はない。
  • オリジナルでは村の長老は野武士の襲撃で死亡するが、本作では殺される事も無く、作品の最後に、生き残ったガンマンと含蓄のある会話をかわし、彼らを送り出している。
  • 7人の内の一人が村の娘と結ばれる展開は一緒であるが、オリジナルでは結婚するという流れにはならない。本作ではその一人は村に残って農民になる(戻る)。
  • 身分制度の存在する時代・社会が舞台のオリジナルにおいては「武士」は身分であるが、本作の舞台での「ガンマン」は身分ではない。ガンマンはいつでも農民になろうとできるし、逆もまた可である。だが、武士はそうはいかない。この違いも、前述の村娘との結末も含めてエンディングの描き方の相違となっている。
  • オリジナルにおける「武士」が野武士も含めて全員(元農民の菊千代、初陣前の勝四郎を除いて)合戦経験を有するプロの兵士であるのに対し、本作における「ガンマン」は銃の技量に長けたならず者にすぎない。よってオリジナルで見られた村を要塞化したり、四方から騎馬で攻め込んだり、あえて村に野武士を招き入れて包囲するといった戦略的な要素は無く、戦闘シーンは双方とも正面からの撃ち合いに終止している。またオリジナルでは菊千代の抜け駆けが厳しく叱責されたのに対し、本作におけるチコの抜け駆けは特に咎められていない。
  • オリジナルの最終決戦が「西部劇の決戦シーンはいつも晴れているから」という理由で豪雨にされたのに対し、本作では西部劇の決戦シーンらしい晴天の下で繰り広げられている。
  • オリジナルでは山塞の攻防で1人、菊千代の失態による不意打ちで1人、最終決戦で2人と徐々に侍が斃れていくのに対して、本作では7人全員で最終決戦に挑み、そこで4人が戦死する。
  • オリジナルではリーダーの勘兵衛の呟きと、戦いで死んだ仲間の侍の墳墓の映像で、暗い雰囲気で終わる。彼らが村に残るなどという選択肢はなく、戦国末期という時代の中で行き場を失っていく侍たちの姿が描かれる。しかし本作では、死んだ仲間の墓を描いた後にガンマンと長老がお互いを讃え、ねぎらい合いながらも、ガンマンが荒野に去っていく。共に暮らすという選択肢もある中、農民にはガンマンへの怯えが心底からはぬぐえず、またガンマンも、変えられない自分の生き方を悟り、お互いに一歩引いた結論を出したという描き方がされている。
  • 「また負け戦だったな」(勘兵衛)「勝ったのは俺達じゃない。農民だ」(クリス)というラストの名ゼリフを通して、両作品は共に力での紛争解決のむなしさと、土に生きる農民のたくましさを賛美している。ただしオリジナルでは勘兵衛が、あっという間に元の日常を謳歌し始めた農民たちを見て呟くのに対し、本作では農民が勝ったというセリフは長老が言った後でもう一度クリスが言う。

主な受賞歴[編集]

アカデミー賞[編集]

ノミネート
アカデミードラマ・コメディ映画音楽賞:エルマー・バーンスタイン

エピソード[編集]

  • ユル・ブリンナーが『七人の侍』に感銘を受け製作したオマージュ色の強い作品のため、大まかなあらすじ・登場人物の設定・台詞などの多くが忠実に再現されている。但し、ロケ地や多数のキャストを使ったメキシコに配慮して(当時のメキシコ政府と何度も交渉した事がDVDのメイキングで明らかにされている)、初めから用心棒を雇うのではなく銃を購入するという村人の自主性を尊重したり、衣装の汚れがみすぼらしく映るのを避けるために敢えて衣装の汚れはなくすなどの工夫・変更点が見られる。
  • 七人の侍の脚本の英語版の買い取り価格はたったの250ドルであった。
  • 当初の構想では、監督をユル・ブリンナー、製作をルー・モーハイム、主演をアンソニー・クインが担当する予定だったが、スタッフ間の対立により現在のスタッフ・キャストに変更された。また、実際にはウォルター・ニューマンとウォルター・バーンスタインも脚本を手がけているが、共同脚本のクレジットを辞退したため、映画・ポスターでは脚本のクレジットはウィリアム・ロバーツ単独になっている。
  • クリスはドッジシティ、ヴィンはトゥームストーンの出身である。二つの町は共にワイアット・アープが活躍した町であり、劇中でウインチェスターM92が使用される事から、両名は少年~青年時代にアープ兄弟を見ている事が暗示されている(『OK牧場の決闘』は1881年で、1892年より以前であるため)
  • 最初に日本公開された時のポスターでは、ユル・ブリンナーが中心だったが、その後スティーブ・マックイーン、チャールズ・ブロンソンが有名になったことから、リバイバル公開のポスターではこの二人が前面に出ている。チャールズ・ブロンソンは映画では髭をはやしていないが、男性化粧品のCMのイメージが強かったため、髭が書き加えられた。
  • 黒澤明はこの映画を見た後、監督のジョン・スタージェスに日本刀を贈った。
  • 第2作『続・荒野の七人』(1966年)では、クリス役のユル・ブリンナー以外はキャストが交代あるいは新規の配役となっている。スティーブ・マックイーンに代わり、『ララミー牧場』のロバート・フラーがヴィン役を演じている。チコ役はジュリアン・マテオスが演じ、メキシコ人である本来の設定通りとなった(初代チコ役のホルスト・ブッフホルツはドイツ人)。カルヴェラ一味を倒し平和が訪れたイストラカンが、再びロルカ率いる山賊一味に襲われ、村人がいずこかへ連れ去られる事件が起きる。ガンマンを辞め村でペトラと暮らしていたチコは、二度と使うまいと封印していた拳銃を再び手にして立ち向かうが、善戦むなしく負傷した上に一味にさらわれてしまう。村を救えるのはクリスしかいないと考えたペトラは、町でクリス、ヴィンと再会し、窮状を訴える。同意したクリスは、町の刑務所から自分の死に場所を追い求めている男フランク、殺し屋として売り出し中に逮捕されたルイスの2人のガンマンを身銭を切って保釈し、スカウトする。更に、知り合いで女好きのコルビー、クリスを慕う村の青年マニュエルに救出されたチコを加えた7人で、ロルカ一味と対決するというストーリー。
  • クリス役は、第3作『新・荒野の七人 馬上の決闘』(1969年)ではジョージ・ケネディに、第4作『荒野の七人・真昼の決闘』(1972年)ではリー・ヴァン・クリーフに交代された。
  • SF映画『ウエストワールド』(1973年)では、ユル・ブリンナーがクリスの扮装そのままで、ガンマンのロボットを演じた。
  • 1998年から2000年にかけて、アメリカでリメイク版TVシリーズが製作され、2シーズン全23話が放送された。キャストや役柄は当然ながら一新されているものの、クリスとヴィンが登場する(名前もそれぞれ改められ、クリス・ララビー、ヴィン・タナーとなる)。南北戦争終結直後のアメリカ南部が舞台となっており、パイロット版(第1話および2話)は、アンダーソン大佐率いる南軍の残党に目を付けられたネイティブアメリカン・セミノール族の村人が、村を守るためにクリス以下7人のガンマンを雇い、南軍残党と対決するというオリジナル映画版を彷彿とさせる話となっており、7人の出会いが描かれる。それ以降は、7人が住み着いた街の治安を守るために活躍する1話完結のドラマとなる。クリス(マイケル・ビーン)、ヴィン(エリック・クローズ)以外の5人のガンマンは、「野戦病院で医学の知識を身につけた黒人のナイフの達人」ネイサン・ジャクソン(リック・ワージー)、「クリスの親友で女好き」のバック・ウィルミントン(デイル・ミドキフ)、「村の子供に好かれるギャンブラー」エズラ・スタンディッシュ(アンソニー・スターク)、「過去の償いのために自分を律する元宣教師」ジョサイア・サンチェス(ロン・パールマン)、「本で読んだ西部に憧れて東部の町からやって来た未熟な若者」J.D.ダン(アンドリュー・カボビット)というように、それぞれオリジナル映画版の7人を彷彿とさせるキャラクターとなっている。また、オリジナルで7人の1人リーを演じたロバート・ヴォーンが、連邦判事オリン・W・トラビス役でゲスト出演している。
  • エルマー・バーンスタインが書き上げたテーマ曲は、その後TV番組において「西部劇」または「アメリカ西部の広大な自然」をイメージさせるBGMとして多用されているため、世界中における知名度が高い。にもかかわらず、オリジナルのサウンドトラック版が初めて市販されたのは映画公開後38年、1998年になってからである(それまで市販されていたサウンドトラック版は、「続・荒野の七人」のみであった)。
  • ユル・ブリンナーは拳銃の扱いに慣れていなかったため、ガンマン的な演技はスティーブ・マックイーンが指導した。
  • 1964年公開のイタリア映画『荒野の用心棒』は、当作の影響も受けているとの評がある[2]

脚注[編集]

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  1. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)181頁
  2. ^ a b c 荒野の七人シネマトピックスオンライン

外部リンク[編集]