マグニフィセント・セブン

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マグニフィセント・セブン
The Magnificent Seven
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主要キャスト(トロント国際映画祭プレミア上映時の会見)
監督 アントワーン・フークア
脚本
原作 黒澤明橋本忍小国英雄
七人の侍
製作
製作総指揮
  • ブルース・バーマン
  • アントワーン・フークア
  • ウォルター・ミリッシュ
  • ベン・ウェイスブレン
出演者
音楽
撮影 マウロ・フィオーレ
編集 ジョン・ルフーア
製作会社
配給
公開 カナダの旗 2016年9月8日 (TIFF)
アメリカ合衆国の旗 2016年9月23日
日本の旗 2017年1月27日
上映時間 133分[1]
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $108,000,000[2]
興行収入 世界の旗 $160,437,812[3]
アメリカ合衆国の旗 $93,432,655[3]
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マグニフィセント・セブン』(The Magnificent Seven)は、アントワーン・フークア監督、ニック・ピゾラット英語版とリチャード・ウェンク脚本による2016年のアメリカ合衆国のウエスタンアクション映画である。1954年の日本映画『七人の侍』を基にした1960年の西部劇映画『荒野の七人』のリメイクであり、デンゼル・ワシントンクリス・プラットイーサン・ホークヴィンセント・ドノフリオイ・ビョンホンマヌエル・ガルシア=ルルフォ英語版マーティン・センズメアー英語版ヘイリー・ベネットピーター・サースガードらが出演する。

「荒野の七人」とは異なり、「七人の侍」を意識した台詞などはあまりない反面、「主人公が元プロの軍人」「村の要塞化」「十字路の中に追い込んで一網打尽にする戦略」など、より「七人の侍」を彷彿とさせる設定や描写が増えている。また「荒野の七人」が白人主体なのに対し、リーダーのサムが黒人なのをはじめ、メキシコ人や東洋系、ネイティブアメリカンなど多人種であり、北軍や南軍に所属していた敵対勢力同士による呉越同舟的なメンバー構成も特徴である。

主要撮影は2015年5月18日よりルイジアナ州バトンルージュで行われた。プレミア上映は2016年9月8日に第41回トロント国際映画祭で行われる。北米では2016年9月23日よりIMAXを含む劇場で封切られる。

あらすじ[編集]

ローズ・クリークの町の住人たちは苦労の末に町を開拓して暮らしていたが、近郊の鉱山から金が採掘できることが判明し、その金鉱を独占するため悪徳実業家のバーソロミュー・ボーグは住民たちを町から追い出そうと教会に放火し、抵抗した住民たちを見せしめに射殺する。夫マシューを殺されたカレンは、テディQと共にボーグを倒すために助っ人を探しに町を出る。

近郊の町に辿り着いた二人は、そこで殺人犯を射殺して賞金を得る委任執行官サム・チザムを見かけ助っ人を依頼する。初めは興味を示さなかったチザムだが、標的がボーグだと知り依頼を引き受ける。彼はギャンブラーのファラデー、南北戦争時の知り合いロビショーと彼の相棒ビリー、手配中の殺人犯バスケス、ネイティブ殺しのジャックを仲間に引き入れローズ・クリークに向かい、途中の山中でネイティブのレッド・ハーベストと出会い、彼も仲間に受け入れて合計7人の用心棒として町に乗り込む。

町に乗り込んだチザムたちは、手始めにボーグの用心棒たちを皆殺しにし、ボーグに買収された保安官を伝令役として挑戦状を送り付ける。カレンとチザムは町の住民たちに協力を呼びかけ、協力を申し出た住民たちに銃の訓練を施す。さらに、ボーグの金鉱からダイナマイトを強奪して町の防御を整え、ボーグたちを迎え撃つ準備を行う。チザムたちを警戒していた住民たちも次第に彼らを慕うようになり、積極的に協力するようになる。一方、保安官からチザムの伝言を聞いたボーグは激怒し、部下たちを引き連れてローズ・クリークに向かう。決戦前夜、南北戦争の悲惨な経験から人を殺せなくなっていたロビショーはチザムに別れを告げ、一人町を出て行く。

翌朝、ローズ・クリークに到着したボーグは部下たちを町に突入させる。チザムたちは町に誘い込み、ボーグの部下たちを圧倒する。そこに逃げたはずのロビショーが助けに現れ、チザムに危機を知らせる。住民たちに手こずるボーグはガトリング砲を持ち出し、町を攻撃する。住民たちの多くが犠牲となり形勢は不利になるが、ファラデーの捨て身の攻撃によってガトリング砲は破壊されるが、ファラデーの他にロビショー、ビリー、ジャックが銃撃戦の中で死んでいった。

部下を全員失ったボーグは戦闘の止んだ町に入り、チザムと一騎討ちとなる。ボーグはチザムに敗れ廃墟となった教会に逃げ込み、彼に許しを乞う。チザムはボーグに対して、かつてボーグの命令で故郷が襲われ母と妹が凌辱されたこと、自分が吊るし首にされたことを告げ、神に許しを乞えと迫る。ボーグは隙を突いてチザムを殺そうとするが、駆け付けたカレンに射殺される。チザムは死んだ仲間たちを丁重に埋葬するように依頼して町を去り、ボーグの暴虐から解放された住民たちはチザムたちに感謝の言葉を伝える。そして7人の戦いは伝説になった。

キャスト[編集]

サム・チザム
演 - デンゼル・ワシントン、日本語吹替 - 大塚明夫[4][5]
カンザス州インディアン準州ら7つの州の委任執行官。賞金稼ぎの傍ら、仇敵を探して情報を集めている。南北戦争では北軍の騎兵隊に所属しており、その経験から大勢の敵と戦うための戦略に長けている。
原典のクリスを髣髴とさせる黒ずくめの衣装に身を包んでおり、かつて南北戦争を戦ったという設定もクリスの初期構想にあったものである。
ジョシュ・ファラデー
演 - クリス・プラット、日本語吹替 - 三上哲[4][5]
流れ者のギャンブラー。博打絡みの借金やトラブルも少なくない。トランプを用いた手品が得意であり、敵の注意をそらして隙を作るのに利用することもある。ピースメーカーを操る二挺拳銃の使い手。
原典のヴィンを髣髴とさせる口達者な人物。
グッドナイト・ロビショー
演 - イーサン・ホーク、日本語吹替 - 宮本充[4][5]
フランス系の賞金稼ぎ。南北戦争では南軍に所属し、戦後北軍兵士にリンチされているところをサムに助けられた過去を持つ非常に饒舌な男。狙撃の達人であり、かつて南北戦争にて23人を狙撃したことから「死の天使」と恐れられた。南北戦争の経験から用心棒たちの戦略および村人の狙撃訓練を担うが、射撃が下手な村人に怒りを露わにした。戦争の経験で心に傷を負っており、銃を撃つ事に強い恐怖を抱いている。ウィンチェスター銃の使い手。
原典のリーとハリー・ラックの要素を持つキャラクター。
ジャック・ホーン
演 - ヴィンセント・ドノフリオ、日本語吹替 - 楠見尚己[4][5]
人里離れた山に住むマウンテン・マン。かつてクロウ族を300人仕留めたといわれており、ガンマンやネイティブ・アメリカンに恐れられた。トラッキングを身につけており、用心棒に加わる際には一行の痕跡を追いかけてきた。ウィンチェスターM1783ライフルを装備するが、劇中ではトマホークとボウイナイフでの接近戦を主としており、聖書の一説を唱えながら敵に挑みかかる。
ビリー・ロックス
演 - イ・ビョンホン、日本語吹替 - 阪口周平[4][5]
東洋系ガンマン。かつては一匹狼のアウトローで、東洋系ゆえに各地で差別的な扱いを受けてきたが、ロビショーに腕を見込まれ意気投合し、コンビを組んで活動する。一応銃も使えるが主な武器はガンベルトに携えた9本のナイフであり、そのナイフ投げは下手な抜き打ちよりも早い。村人にもナイフの使い方を指導するが、あっさり拒否されてしまった。
原典のブリットの要素を持つキャラクターだが、ビリーはナイフでの近接戦闘も披露する。
ちなみに、実際に劇中の時代にはアメリカに東洋系の移民が存在している。
バスケス
演 - マヌエル・ガルシア=ルルフォ英語版、日本語吹替 - 星野貴紀[4][5]
賞金首のメキシコ人。テキサス・レンジャーを殺したかどでサムに追い詰められたところに用心棒の話を持ちかけられる。ファラデーと同じく二挺拳銃の使い手であり、ロープの扱いにも長ける。
レッド・ハーベスト
演 - マーティン・センズメアー英語版、日本語吹替 - 関口雄吾[4][5]
コマンチ族ネイティブ・アメリカン。放浪していたところ、用心棒の一行に遭遇して彼らに合流する。劇中ではほとんど部族の言葉で話しており、英語を喋るのは一度だけである。ローズ・クリークでは偵察をつとめる。拳銃も扱えるが、主に使用するのは弓矢とトマホークである。
エマ・カレン
演 - ヘイリー・ベネット、日本語吹替 - 坂井恭子[4][5]
ローズ・クリークの村人。夫を目の前でボーグに殺され、夫の敵を討ち村を守るべく全財産を投げ出してサムたちを雇い入れる。
自らも銃を取り援護射撃などで戦いに参加する。
原典のミゲルの要素を持つキャラクター, そして 利吉.。
バーソロミュー・ボーグ
演 - ピーター・サースガード、日本語吹替 - 落合弘治[4][5]
ローズ・クリークの土地を狙う資本家。強引なやり方で知られ「略奪男爵」の異名を持つ。金採掘の拠点とすべくローズ・クリークの地上げにかかり、その一手として保安官を買収している。
原典のカルヴェラにあたるキャラクター。
テディQ
演 - ルーク・グライムス、日本語吹替 - 三宅貴洋[5]
エマと同行し、ボーグから村を守るべくガンマンを探す村人。
エマと同じく、原典のミゲルの要素を持つキャラクター。
マシュー・カレン
演 - マット・ボマー、日本語吹替 - 森田了介[5]
エマの夫。ボーグの強引なやり方に立ち向かう勇気を持った人物。
デナリ
演 - ジョナサン・ジョス英語版
ボーグの用心棒を務めるネイティブ・アメリカン。
マッキャン
演 - キャム・ギガンデット
ボーグの部下。彼の右腕的存在。

製作[編集]

2012年にトム・クルーズ主演で企画段階にあることが報じられた。またケビン・コスナーモーガン・フリーマンマット・デイモンが参加する可能性があることも報じられた[6]。2014年12月4日、クリス・プラットの出演交渉中であることが報じられた[7]。2015年2月20日、夫を殺された復讐として7人のバウンティハンターを雇う未亡人役でヘイリー・ベネットが加わった[8]。2015年5月20日、ピーター・サースガードが悪役で加わった[9]。同日、『Deadline』のマイク・フレミングはジェイソン・モモアが『Aquaman』への出演のため本作を降板していたことを報じた[10]。2015年7月11日、『デイリー・ミラー』はヴィニー・ジョーンズが出演することを報じた[11]

音楽[編集]

映画音楽はジェームズ・ホーナーが担当する予定であったが2015年6月22日に彼は亡くなった。しかし2015年7月、フークアはホーナーが彼を驚かせるために音楽を既に作曲済みであることを知った[12]。ホーナーのアレンジャーの1人であるサイモン・フラングレン英語版は共同構成者となり、サウンドトラックはソニー・クラシカルより発売される[13]

撮影[編集]

主要撮影英語版ルイジアナ州バトンルージュ北部で2015年3月18日から8月18日にかけて行われた[14][15][16]。この他にルイジアナ州セント・フランシスビル英語版ザカリー英語版がロケ地となった[15][16]。セント・フランシスビルでの撮影は2015年5月18日から29日のあいだに行われた[17]

公開[編集]

ワールド・プレミアは2016年9月8日に第41回トロント国際映画祭で行われる予定である[18][19]。また9月9日にはヴェネツィア国際映画祭でクロージング・ナイト作品を務める[20]。一般公開は当初は2017年1月13日を予定していたが[21]、2015年8月にソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントは2016年9月23日へと前倒しした[22]

賞歴[編集]

部門 候補 結果 出典
ティーン・チョイス・アワード英語版 Choice Movie Actor: AnTEENcipated クリス・プラット ノミネート [23]

参考文献[編集]

  1. ^ The Magnificent Seven (12A)”. British Board of Film Classification (2016年7月15日). 2016年7月15日閲覧。
  2. ^ Magnificent Seven Budget Info” (2015年1月1日). 2016年8月9日閲覧。
  3. ^ a b The Magnificent Seven (2016)”. IMDb. 2017年1月29日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i “マグニフィセント・セブン 4K ULTRA HD & ブルーレイセット”. ソニー・ピクチャーズ. (2017年3月24日). http://bd-dvd.sonypictures.jp/fr/fr/displayGoodsDetail.do?goodsCode=UHB-81022 2017年3月24日閲覧。 
  5. ^ a b c d e f g h i j k “マグニフィセント・セブン”. ふきカエル大作戦!!. (2017年5月24日). http://www.fukikaeru.com/?p=6816 2017年5月24日閲覧。 
  6. ^ Snieder, Jeff (2012年5月21日). “Tom Cruise attached to MGM's 'Magnificent Seven'”. Variety. 2014年9月18日閲覧。
  7. ^ Ford, Rebecca; Kit, Borys (2014年12月4日). “Chris Pratt in Talks for 'Magnificent Seven'”. The Hollywood Reporter. http://www.hollywoodreporter.com/news/chris-pratt-talks-magnificent-seven-753960 2014年12月7日閲覧。 
  8. ^ Fleming Jr, Mike (2015年2月20日). “Haley Bennett Lands Female Lead In MGM’s ‘The Magnificent Seven’”. Deadline.com. http://deadline.com/2015/02/haley-bennett-the-magnificent-seven-female-lead-mgm-denzel-washington-chris-pratt-1201378144/ 2015年2月21日閲覧。 
  9. ^ Kroll, Justin (2015年5月20日). “Peter Sarsgaard to Play Villain in ‘Magnificent Seven’ Remake (EXCLUSIVE)”. Variety. http://variety.com/2015/film/news/magnificent-seven-remake-peter-sarsgaard-villain-1201496143/ 2015年5月22日閲覧。 
  10. ^ Fleming Jr, Mike (2015年5月20日). “Peter Sarsgaard Signs On To Play Outlaw In ‘The Magnificent Seven’ As Jason Momoa Exits”. Deadline.com. http://deadline.com/2015/05/peter-sarsgaard-jason-momoa-magnificent-seven-1201430488/ 2015年5月22日閲覧。 
  11. ^ BOYLE, SIMON (2015年7月11日). “Vinnie Jones set to star in Magnificent Seven remake with Denzel Washington and Ethan Hawke”. Daily Mirror. http://www.mirror.co.uk/tv/tv-news/vinnie-jones-set-star-magnificent-6050131 2015年7月13日閲覧。 
  12. ^ Hall, Peter (2015年7月20日). “James Horner Secretly Wrote The Magnificent Seven Score Before His Death”. Movies.com. http://www.movies.com/movie-news/james-horner-magnificent-seven-score/18872?wssac=164&wssaffid=news&utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter 2015年7月20日閲覧。 
  13. ^ “Sony Classical to Release James Horner & Simon Franglen's 'The Magnificent Seven' Soundtrack”. (2016年6月21日). http://filmmusicreporter.com/2016/06/21/sony-classical-to-release-james-horners-simon-franglens-the-magnificent-seven-soundtrack/ 2016年6月23日閲覧。 
  14. ^ “On the Set for 5/25/15: Chris Pratt Starts on The Magnificent Seven, Brad Pitt and Christian Bale Wrap 'The Big Short'”. SSN Insider. (2015年5月25日). オリジナル2016年2月10日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160210234310/http://www.ssninsider.com/on-the-set-for-52515-chris-pratt-starts-on-the-magnificent-seven-brad-pitt-and-christian-bale-wrap-the-big-short/ 2015年5月26日閲覧。 
  15. ^ a b “‘Magnificent Seven’ Starring Denzel Washington Open Casting Call”. projectcasting.com. (2015年5月24日). http://www.projectcasting.com/casting-calls-acting-auditions/magnificent-seven/ 2015年5月26日閲覧。 
  16. ^ a b Scott, Mike (2015年5月6日). “Baton Rouge cast of 'Magnificent Seven' remake grows by two”. The Times-Picayune. http://www.nola.com/movies/index.ssf/2015/05/baton_rouge_cast_of_magnificen.html 2015年5月26日閲覧。 
  17. ^ “‘Magnificent Seven’, starring Chris Pratt & Matt Bomer, filming in St. Francisville, LA”. onlocationvacations.com. (2015年5月27日). http://www.onlocationvacations.com/2015/05/27/magnificent-seven-starring-chris-pratt-matt-bomer-filming-in-st-francisville-la/ 2015年5月29日閲覧。 
  18. ^ The Magnificent Seven”. 2016年8月13日閲覧。
  19. ^ Raup, Jordan (2016年7月26日). “TIFF 2016 Line-Up Includes ‘Nocturnal Animals,’ ‘La La Land,’ ‘American Pastoral,’ and More”. 2016年8月13日閲覧。
  20. ^ The Magnificent Seven”. 2016年8月13日閲覧。
  21. ^ Douglas, Edward (2015年3月29日). “Denzel’s Magnificent Seven Grabs MLK Weekend in 2017”. ComingSoon.net (CraveOnline). http://www.comingsoon.net/movies/news/424269-denzels-magnificent-seven-grabs-mlk-weekend-in-2017 2015年3月30日閲覧。 
  22. ^ Kroll, Justin (2015年8月5日). “Sony Dates 16 Films Including Two More ‘Bad Boys’ Sequels, ‘Jumanji’ Remake”. Variety. http://variety.com/2015/film/news/sony-films-bad-boys-jennifer-lawrence-passengers-1201557242/ 2015年9月21日閲覧。 
  23. ^ Vulpo, Mike (2016年5月24日). “Teen Choice Awards 2016 Nominations Announced: See the "First Wave" of Potential Winners”. E!. 2016年5月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年5月25日閲覧。

外部リンク[編集]