統一教会関連の企業と団体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

統一教会関連の企業と団体(とういつきょうかいかんれんのきぎょうとだんたい)では、旧世界基督教統一神霊協会(統一教会、現・世界平和統一家庭連合)と役員・幹部に教団の信者を含むなど一定の関連を有するとされる企業と団体について述べる。統一教会そのものの支部施設は含めない。なお、台湾にある統一企業集団との関連性は一切ない。

概略[編集]

旧統一教会には教祖である文龍明(通称:文鮮明)の意向や計画を達成するための「摂理機関」と呼ばれる多数の関連企業、関連団体が存在する。多くが文鮮明や教会員により設立されたものであるが、オーナーが教会員になったケースや、買収によって傘下に入るケースもある。

一連の組織・企業群は「統一グループ」と呼ばれ、非常に多数、かつ分野が多岐に渡る。1978年の「コリアゲート」事件に絡んで、旧統一教会のアメリカ議会工作を調査していたアメリカ下院国際関係委員会国際機構小委員会、通称フレイザー委員会は報告書の中で「文鮮明が関係している多数の教会、企業、委員会、財団その他の集団は文の中央集権的な指導と統制下にある実質上単一の世界的機関の一部分である」と規定し、「文機関」は韓国政府と親密な関係にあり、政治的影響力強化のためアメリカや日本の要人に対し積極的な工作を行っているとした[1]

2020年4月1日韓鶴子 総裁が世界の幹部らとの電話会議で世界平和統一家庭連合を『天の父母様教団(英語表記:Heavenly Parents Church)』に名称変更することを告知、4日世界本部が各国の支部に文書で通知した[2]。日本では徳野英治会長が関係者に向けた動画で発表した[3]。ところが、5月8日に至って韓鶴子 総裁は名称変更を取りやめ、あらたに『天の父母様聖会(英語表記:Heavenly Parent Holy Community)』なる新組織を作り、世界平和統一家庭連合を含むすべての摂理機関がその傘下に入ることとする発表をした[3]。これにより、例えば世界平和統一家庭連合は彼らの組織としては正確には『天の父母様聖会 世界平和統一家庭連合』と呼称する形としている。

ここでは、旧統一教会と一定の関係を有し、役員・幹部に教団の信者や職員らを含む企業、団体を取り上げる。

関連団体一覧[編集]

産業[編集]

流通・金融[編集]

マスメディア[編集]

薬品・食品[編集]

  • 一和 [5][注釈 2](韓国:高麗人参製品とメッコールが主力商品) <HP>
  • グローバルビューティー(玉置祥子社長)[7] <HP>
  • 株式会社ワールドシーフーズ(冷凍海産物の輸入・卸売)所在地はハッピーワールドと同じ神宮前ハッピービル。

<HP

  • トゥルー・ワールド・フーズ(米国内において、水産物流通業を展開している)[8][9]
  • 株式会社コスモフーズ[10] - ウコンの力とキリンのiMUSEを受注製造している[11]

自動車[編集]

その他[編集]

  • 鋭和BBB
  • 一信ジャパン(旧一信石材)[4][注釈 2](霊感商法の壺や多宝塔などを製造して来た。) <HP>
  • 世一観光(旧名は「世一トラベル」。「ハッピーワールド」の旅行事業部に吸収された。教団関連のツアーも扱う) <HP >
  • 世一旅行社[5][注釈 2](韓国にある旅行代理店。教団関連の航空券、ツアーも取り扱う) <HP>
  • 一成建設
  • 一成総合建設[注釈 2]
  • 一成レジャー産業(株)
  • (株)一興[注釈 2]
  • (株)精進化学
  • 統一航空(株)
  • 一関自動車学校((株)ドライブ・ラボ一関)[注釈 4]
  • 伊万里自動車学校
  • 水沢自動車学校(旧:(財)岩手中央自動車学校会・現:岩手交通安全教育研修センター)[注釈 5]
  • 金成自動車学校(閉校)[注釈 6]
  • 龍平リゾート <HP(朝鮮語)>
  • 美術世界 <HP>
  • 株式会社IJC(旧:株式会社男女美、株式会社さくらコーポレーション[4]
  • 京都プリンスホテル下鴨神社近くにあった。1987年買収、2000年12月閉鎖。西武鉄道グループのプリンスホテルとは無関係で、ザ・プリンス 京都宝ヶ池の前身名称が「京都宝ヶ池プリンスホテル」なのは、こちらが既に存在したため。)
  • 株式会社アラスカ青森市結婚式場「アラスカ会館」経営) <HP>
  • パインリーズ・リゾート
  • 金浦航空団地
  • カール・アームズ(米国の中型セミオートマチック拳銃のメーカー、en:Kahr Arms
  • ニューヨーカー・ホテル(ニューヨーク市マンハッタン8番街のホテル、en:New Yorker Hotel
  • 普通江ホテル - 平壌の特級ホテル。現在は関連がない。
  • 共栄
  • エム・ワン (印鑑・健康食品販売・和歌山市)[12][13][14]
  • サンハート・健美 (印鑑販売・大分市)[15]
  • 天運守護印(印鑑・多宝塔)
  • 有限会社 新世 (印鑑販売・渋谷区) 2009年の新世事件の裁判で統一教会との密接な関係が認定され、関係者に有罪判決[16]
  • 一心天助(魚の移動販売)
  • アングス(東京目黒・立川・池袋にある銃砲店。エアソフトガンも扱う。1976年に統一産業が設立)
  • ガンショップ天龍(名古屋市の銃砲店。エアソフトガンも扱う)
  • 全国被害者支援団体

宗教[編集]

政治[編集]

ジェンダー系の団体[編集]

文化[編集]

教育・学術[編集]

スポーツ[編集]

  • 世界平和武道連合
  • 鮮文平和サッカー財団(ピースカップ[5]を開催)
  • 超宗教平和スポーツフェスティバル(Interreligious Peace Sports Festival、IPSF) <HP>
  • 統一武道
  • 圓和道
  • 城南一和天馬(韓国のプロサッカークラブ。2012年に経営から撤退し、市民クラブ「城南FC」へと改名。)
  • アトレチコ・ソロカーバ(ポルトガル語: Atlético Sorocaba)
  • セネ(ポルトガル語:CENE)
  • 国際友好釣連盟(国際釣友好連盟)[22]

医療[編集]

  • HJマグノリア国際病院(旧清心国際病院)[6] <HP>
  • 医療法人日心会(病院) [5]
  • 一心病院 <HP> 創設者上崎道子が統一教会の信者である。院長の渡辺泰博も同様に統一教会の祝福を受けた信者であり、常勤医師にも信者が多い。ただ医師や職員は一般募集を行っているため職員全員が信者ということではない。病院エントランス部の待合室、及び2階のナースセンター前には統一教会創始者である文鮮明の揮毫が掲げられている。

施設[編集]

  • 天正宮博物館
  • HJグローバルアートセンター
  • HJ天宙天寶修錬苑(旧天宙清平修錬苑)[6] <HP>
  • 済州国際研修院[6] <HP>
  • 千葉中央修練所(千葉市)<HP>
  • 一心特別教育院(浦安市)
  • 作並研修センター(仙台市)
  • 守山研修センター(名古屋市)
  • 宝塚研修センター(宝塚市)
  • ナショナル・ウォンジョン霊園(ワシントン)[6] <HP>
  • 尾瀬霊園[6] <HP>

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 1982年に買収。1998年にウルグアイ政府が株式の51%を取得。2003年時点で統一教会系のセントジョージ社の持ち株は48%であった。同年2月28日、政府は同行の整理を発表した。:共同通信「統一教会系銀行を整理へ ウルグアイ金融危機で」2003-03-02-12:53
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai 「世界文化体育大典(WCSF)」公式ウェブサイトの「創設者紹介」で文鮮明が創設したとされていた。
  3. ^ 2005年2月12日、文鮮明が視察に訪れ、同社を神に捧げるという意味を持つ「奉献式」という宗教的儀式を執り行った。[1]
  4. ^ 教習車や送迎車にペイントされている「ICHINOSEKI」の「O」の部分に統一教会関連企業であるハッピーワールドの社章(会社ロゴ)が模されている。
  5. ^ 一時期、ハッピーワールドや一関自動車学校の役員が学校運営や経営に関与していた。
  6. ^ かつては一関自動車学校の姉妹校であった(設置者(経営者)が同一人物)。
  7. ^ 統一教会では「当法人とは別組織であり、それぞれ設立目的や趣旨、活動などが異なる団体です。」と説明。
  8. ^ 生長の家の信者を称しながらも統一教会系メディアのライターでもある日野智貴が日本SRGM連盟の代表である。連盟は性的少数者当事者団体を称して活動している。なお、連盟は女性スペースを守る会の友好団体の一つであり、共同記者会見を2021年11月に開いている。滝本太郎弁護士が統一教会系メディアのライターと共同記者会見”. やや日刊カルト新聞社. 2023年2月19日閲覧。

出典[編集]

  1. ^ 岸・笹川・児玉と統一教会の繋がりを暴いた「フレーザー委員会」の報告書がウェブに公開される
  2. ^ 統一協会が再び名称変更 「天の父母様教団」へ”. クリスチャントゥデイ. 株式会社クリスチャントゥデイ. 2022年11月29日閲覧。
  3. ^ a b 統一教会が組織再編、全摂理機関と共に新包括組織『天の父母様聖会』の傘下に。政治家対策に影響も<政界宗教汚染~安倍政権と問題教団の歪な共存関係・第28回>”. ハーバー・ビジネス・オンライン. 扶桑社. 2022年11月30日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g 宗教法人「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」及び関連団体への後援等の状況について 静岡市公式サイト 2022年9月7日
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 新宗教研究会 『図解 新宗教ガイド』(九天社 2006年1月31日) ISBN 978-4861670817
  6. ^ 東京地方裁判所平成19年5月29日判決(判例タイムズ1261号215頁)
  7. ^ NYT「米国ですしを大衆化したのは韓国人」…彼は統一教の文鮮明”. 中央日報 (2021年11月8日). 2022年8月3日閲覧。
  8. ^ 小倉健一 (2022年7月31日). “大統領も読む保守紙を発行し、アメリカのSUSHIレストランの8割を供給する「統一教会」”. 現代ビジネス. pp. 2-3. 2022年8月3日閲覧。
  9. ^ 「ウコンの力」「iMUSE」製造で稼ぐ統一教会系企業週刊文春電子版
  10. ^ 旧統一教会への弱腰報道のなぜ──朝日新聞が暴露恐れる“宴席”の内容日刊サイゾー
  11. ^ 〈内部資料入手〉統一教会 コンプライアンス宣言後も年間600億円の献金集め 文春オンライン 2022年8月9日
  12. ^ 高額な印鑑販売で黒田の統一教会ら家宅捜索 わかやま新報 2009年10月21日
  13. ^ 2009/10/21 日本経済新聞 大阪朝刊 社会面 16ページ
  14. ^ 2010/01/19 日本経済新聞 西部夕刊 社会面 20ページ
  15. ^ 霊感商法 初の懲役刑 統一協会の犯罪認定 東京地裁「高度な組織性」”. しんぶん赤旗. 日本共産党中央委員会 (2009年11月11日). 2021年9月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月22日閲覧。
  16. ^ 『思想新聞』1985年4月14日付
  17. ^ 米国政府への“逆失望”発言の首相補佐官に本紙副代表は1月から“失望中””. やや日刊カルト新聞 (2014年2月25日). 2022年7月20日閲覧。
  18. ^ 2023 Viewpoint 日野 智貴(ライター紹介)
  19. ^ 「あの人たちがいなかったら当選していなかったかも…」旧統一教会関連団体の選挙応援 富山政界に浸透する巧妙な手口 | 富山県のニュース|チューリップテレビ (3ページ)”. チューリップテレビ ニュース. 2022年8月28日閲覧。
  20. ^ 統一教会関連団体の理事まで務めた「萩生田政調会長」抜擢にネットで批判殺到! それでもテレビ・新聞が萩生田を追及しない理由 (2022年8月11日) - エキサイトニュース(3/6)”. エキサイトニュース. 2022年8月28日閲覧。
  21. ^ 久保木修己