巫女の予言短篇

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巫女の予言短篇』(みこのよげんたんぺん)は、『詩のエッダ』の『ヒュンドラの歌』の一部の節や、スノッリ・ストゥルルソンの『散文のエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』の一部の章に残されている古ノルド語の詩である。

日本語訳では他に『短い巫女の予言』(みじかいみこのよげん)などがみられる。古ノルド語での題は『Völuspá hin skamma』。英語では『Völuspá the Less』や『Voluspa hin skamma』と訳される。

詩の名は、『ギュルヴィたぶらかし』の中でのみ、その部分をスノッリがここから引用したと示したことで知られている。

[...] ok var sá nefndr Ymir, en hrímþursar kalla hann Aurgelmi, ok eru þaðan komnar ættir hrímþursa, svá sem segir í Völuspá inni skömmu:
7.
Eru völur allar
frá Viðolfi,
vitkar allir
frá Vilmeiði,
en seiðberendr
frá Svarthöfða,
jötnar allir
frá Ymi komnir.[1]
大意:
ユミル霜の巨人アウルゲルミルと呼ぶ。そこから霜の巨人の血統が始まる。「すべての怪物はユミルから生じた」と、『短い巫女の予言』が言うように。

(原文は en:Völuspá hin skamma 2007-06-13 12:24 UTC の版より引用。)


残存している他の節は、『ヒュンドラの歌』第30 - 44節に記載されている。

ベロウズ[2]は、『ヒュンドラの歌』の翻訳にあたって、この『巫女の予言短篇』の残された断章が、「偉大なる『巫女の予言』の、遅い時期にできた一番質の悪い模造品」であったことが明らかになったと述べている。また、その成立が12世紀に遡るとしている。 彼はさらに、『ヒュンドラの歌』のこの体裁は2つの詩を混同して複製した人物の間違いによるという考えを述べ、同時に、この節が詩としてあるいは神話としてのいかなる重大な価値も持たないと考えている。

脚注[編集]

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  1. ^ Gylfaginning Guðni Jónssonの版。
  2. ^ Henry Adams Bellowsアメリカの弁護士、法学者、州議会議員。『詩のエッダ』を面白く読みやすい文章に英訳した。

関連項目[編集]

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