ヘルヘイム

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18世紀のアイスランド語写本『SÁM 66』に描かれた、ヘルモーズがバルドルの奪還のためヘルヘイムに来、ヘルバルドルが彼を迎える場面。

ヘルヘイム古ノルド語: Helheim)は、北欧神話に登場する世界のひとつで、ロキの娘・ヘルが治め、ユグドラシルの地下にあるといわれる死者の国。三層構造の世界の一番下の層である。

時に「ヘル」(『アルヴィースの言葉』第32節[1]など)、「ニヴルヘル英語版」(『ヴァフスルーズニルの言葉』第43節[2]など)とも呼ばれる。

ヘル(ヘルヘイム)は霧の世界であるニヴルヘイムの一部だが、ニブルヘイム全体と同一視されることもある。

注意すべき点は、英語のヘル(地獄)とは違い、北欧神話のヘル(ヘルヘイム)は、あくまでヴァルハラに行か(け)なかった一般的死者(病気や老衰や無抵抗で殺された者=「藁の上の死」という不名誉な死に方をした者)が赴く冥府であり、刑罰がある地獄ではないということである。

ニブルヘイムの中央には、煮えたぎるフウェルゲルミルの泉があり、怪物ニーズホッグがいる。泉からは、スヴォル川、グンスラー川、フィヨルム川、フィンブルスル川、スリーズ川、フリーズ川、シュルグ川、ユルグ川、ヴィーズ川、ギョッル川、が流れ出ている。

このうちギョッル川には、(暗く深い谷から続く先にある)黄金の橋が架かっており、モーズグズという処女の門番が見張りをしている。死者達は皆この橋を渡ってヘル(ヘルヘイム)に赴く。

ヘル(ヘルヘイム)はそこからさらに下って北方にある。そこに女神ヘルの住むエリューズニルという巨大な館がある。館は高い垣根で囲まれており、垣根の入り口には大きな門があり、ガルムという怪物の番犬がいる。この垣根の内側が(狭義の)ヘル(ヘルヘイム)である。

ヘル(ヘルヘイム)のさらに下には、ニヴルヘルという冥界があり、悪い人間が死後に送られるとされる。


脚注[編集]

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  1. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』102頁。
  2. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』48-49頁。

関連項目[編集]

参考文献[編集]