川崎縦貫高速鉄道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

川崎縦貫高速鉄道(かわさきじゅうかんこうそくてつどう)は、1960年代より、運輸省の審議会答申を受け、神奈川県川崎市新百合ヶ丘駅 - 川崎駅間に建設を計画していた鉄道路線川崎市交通局を事業主体とすることが考えられていることから川崎市営地下鉄とも呼ばれる。

2000年の運輸政策審議会答申第18号で、新百合ヶ丘 - 川崎間が2015年度までに開業すべき路線と位置づけられ、新百合ヶ丘駅から元住吉駅を経て将来的には川崎駅(その先、京急大師線との乗り入れ)を目指していた。環境アセスメント調査まで実施していたが、新百合ヶ丘駅 - 武蔵小杉駅間の計画に変更された後、2012年度をもって会計が廃止された。その後も整備計画は進まず、2015年度をもって計画が休止された。

経緯[編集]

川崎市内に地下鉄を整備する構想は1960年代に持ち上がり、運輸省の諮問機関である都市交通審議会は1966年7月、横浜周辺域における都市高速鉄道の整備に関する基本計画を策定した(9号答申)。この答申では川崎市を縦断する地下鉄として大師河原 - 末吉橋 - 元住吉 - 長沢 - 百合ヶ丘間の整備を盛り込んでおり、これが川崎縦貫高速鉄道の原型となっている。

しかし、都市交通審議会9号答申などの改定版として1985年7月に策定された運輸政策審議会答申第7号では、鉄道貨物輸送の衰退で貨物線の輸送力に余力が発生していた当時の状況を踏まえ、貨物線の旅客線化によって建設費の低減を図ることを主要な柱の一つとして位置づけた。これにより、川崎地区においても貨物線の武蔵野南線(鶴見 - 府中本町間)を活用して府中本町 - 新川崎 - 川崎間に旅客線を整備し、あわせて新百合ヶ丘駅から武蔵野南線への接続線を整備するものとした。このため都市交通審議会9号答申で盛り込まれていた大師河原 - 百合ヶ丘間の地下鉄は削除されている。

一方、1987年4月の国鉄分割民営化で発足した東日本旅客鉄道(JR東日本)は、山手貨物線の旅客線化に伴う受け皿として武蔵野南線を重要視していたこと、南武線のすぐ近くを通っていて新規需要の誘発が難しいことなどから武蔵野南線の旅客線化には消極的な態度を取った。このため1980年代末期には川崎縦貫高速鉄道として地下鉄建設構想が再び浮上することになるが、整備区間は新百合ヶ丘 - 川崎間に短縮され、川崎以東は連続立体交差事業により地下化される京急大師線に乗り入れることが考えられた。事業主体は当初第三セクターとされていたが、後に川崎市自身が建設、経営する市営地下鉄として整備する方針に変更し、1996年頃から、川崎市の交通政策計画として整備が研究され、新百合ヶ丘から宮前平、東急東横線に接続する路線として建設していくものとして計画はまとまっていった。

その後、川崎市議会で全会一致によって地下鉄整備方針を決議したことを受け、2000年1月に国土交通省により策定された運輸政策審議会7号答申の改定版となる18号答申で、新百合ヶ丘 - 宮前平 - 元住吉 - 川崎間が「目標年次(2015年度)までに開業することが適当である路線」(A1路線)に指定されると着工に向けての動きが本格化する。川崎市は元住吉を境に新百合ヶ丘側を初期整備区間、川崎側を2期整備区間として段階的に整備することとし、2001年5月に新百合ヶ丘 - 元住吉間の第1種鉄道事業許可を受け、事業が本格的に立ち上がり環境影響調査が実施された。

同年10月の川崎市長選挙では「地下鉄計画は原則推進」と表明した阿部孝夫が、建設推進派で現職の高橋清や建設見直しを主張する対立候補を破って当選した。阿部孝夫市長は学識者と市民で構成された「川崎縦貫高速鉄道線研究会」を設置して事業費の削減を検討させた。研究会は小田急多摩線との相互直通化や車両基地の建設中止などを提言した。当時は、川崎市の財政が一時的に黒字でなくなったこともあり、経済環境の厳しさを説明する前書きが設問の前に付されたアンケートを2003年5月に、沿線地域に限らず全市域の市民1万人を対象に実施した。そのようなアンケートにもかかわらず、沿線地域の結果を見ると長年の悲願だった鉄道開通を望む意見が多数であり、事業の推移が注目されたが、最終的に、同6月に川崎市長は計画を5年間凍結することを決定した。

その後、5年を待たずして川崎市の財政は黒字化したが、2005年に市長は、川崎縦貫高速鉄道の採算性を高めるとの理由でルート変更を指示。国の事業許可を受け補助採択がなされ環境アセスメント調査まで実施されていた新百合ヶ丘駅 - 元住吉駅の事業の廃止を国土交通省に伝える。同年3月に初期整備区間の終点を元住吉駅から武蔵小杉駅に変更、川崎フロンターレの本拠地である等々力陸上競技場をはじめ川崎市の大型公共施設が集中する等々力緑地を経由地に加える方針が決定され、新百合ヶ丘駅 - 武蔵小杉駅ルート(1期線)の新たな計画概要が発表された。この計画では、国の事業許可を得ていた計画よりもさらに短く、22年で利用料金により建設費用を完済でき黒字に転換するという試算が得られ、新百合ヶ丘、宮前平といった経由都市の整備や経済効果に対する期待から、事業の動向が注目された。

ところが、対立する候補に対して地下鉄計画推進を掲げて市長に再選された阿部市長は、2009年12月に有識者で構成される検討委員会を改めて設置。蓄電池や燃料電池を用いた新技術の導入検討も含め、交通システムの比較検討などを行い、2年程度かけてコストの削減策や事業方針をまとめることを指示した[1]

2012年5月28日、川崎市の委託を受けた「新技術による川崎縦貫鉄道整備推進検討委員会」(委員長・大西隆東京大大学院教授)が、様々な条件を前提にした収支検討を含む検討結果の提言書を提出した。

しかし、2013年1月28日、川崎市の阿部孝夫市長は記者会見で、新百合ヶ丘駅から武蔵小杉駅間での計画に対して設けられていた高速鉄道事業会計を2012年度をもって廃止することを明らかにした[2]

年表[編集]

  • 1966年7月15日 都市交通審議会答申第9号にて大師河原 - 百合ヶ丘間の地下鉄整備が盛り込まれる
  • 1982年2月 麻生区宮前区の同年7月設置に先立ち、麻生区役所の最寄り駅新百合ヶ丘と宮前区役所の最寄り駅宮前平に地下鉄を通す計画を川崎市が公表。[3]
  • 1984年 川崎市が9号答申を受けた基礎調査結果を発表。新百合ヶ丘 - 宮前平 - 元住吉 - 新川崎 - 川崎 - 塩浜間の28km。[4][5]
  • 1985年
    • 7月11日 運輸政策審議会答申第7号にて、武蔵野南線の旅客線化と新百合ヶ丘駅から武蔵野南線への接続線の整備が盛り込まれる(大師河原 - 百合ヶ丘間の地下鉄整備は削除)
    • 京急大師線を連続立体交差化し、神奈川東部方面線(川崎 - 新横浜間)と相互直通運転する計画を川崎市が始める。[6]
  • 1986年 新鶴見操車場跡地の小倉跨線橋付近に横須賀線新駅(新川崎地区新駅)を設置する構想を、川崎市が公表。[7]武蔵野南線の新駅も併設する構想だった。
  • 1990年 神奈川東部方面線(川崎 - 新横浜間)を新川崎地区新駅を経由させ、新川崎地区新駅 - 川崎間を先行建設する構想を川崎市が公表。[8][9]
  • 1992年 川崎市が7号答申を受けた基礎調査結果を発表。新百合ヶ丘から武蔵野南線への接続線は「新百合ヶ丘駅 - 梶ヶ谷貨物ターミナル駅」の区間とした。[10]
  • 1993年 川崎市が総合計画「川崎新時代2010 プラン」を発表。市内縦貫方向の交通軸として、多摩川軸とともに「黒川・若葉台 - 新百合ヶ丘 - 宮前平・鷺沼 - 梶ヶ谷 - 元住吉 - 新川崎 - 川崎」の「丘陵軸」を2010年を目標に整備するとした。以後、2005年発表の総合計画「川崎再生フロンティアプラン」によって更新されるまで、この計画が川崎縦貫高速鉄道建設ルートの根拠とされた。
  • 1996年10月1日 川崎市議会議長名で総理大臣等へ意見書提出
  • 1997年3月 川崎市公共交通計画調査委員会が「21世紀における川崎市の鉄道整備のあり方」を提言。武蔵野南線活用のみでなく、全線新線建設も検討すべきとした。[11][12]
  • 1998年12月3日 事業主体を川崎市交通局(公営方式)とすること、「田園都市線との接続駅」を宮前平とすることを、川崎市が市議会で公表。[13][14]
  • 1999年7月5日 小田急多摩線との相互乗り入れについて、小田急電鉄と協議していることを川崎市が市議会で公表。[15][16]
  • 2000年
    • 1月27日 運輸政策審議会答申第18号にて「目標年次(2015年)までに開業することが適当である路線」(A1)に位置づけられる
    • 12月 平成13年度政府予算案に新規採択路線として記載(後に補助対象として採択)
  • 2001年
    • 4月20日 初期整備区間(新百合ヶ丘 - 宮前平 - 元住吉)の第1種鉄道事業許可を申請
    • 5月11日 初期整備区間の第1種鉄道事業許可を取得
  • 2003年
    • 5月1日 川崎市が事業計画の見直し案を公表(小田急多摩線乗り入れ、唐木田車両基地の利用による水沢車両基地の廃止など)
    • 6月16日 川崎市議会にて「着工時期を計画より5年間程度延期する」との市長報告
  • 2005年
    • 1月 川崎市平成16年度再評価実施事業検討委員会報告にて計画の見直しを指摘
    • 2月2日 市民から早期着工を求めた要望書と、署名4万6509名分が市長あてに提出される
    • 2月17日 阿部孝夫市長が事業再評価対応方針案を市議会に提出
    • 3月14日 対応方針案採択(武蔵小杉駅に接続する計画への方針変更)
    • 8月29日 国土交通省鉄道局「平成18年度予算に向けた鉄道関係公共事業の事業評価結果及び概要について」にて、「中止」との評価結果を記載
    • 9月9日 新百合ヶ丘 - 元住吉間の第1種鉄道事業の廃止を届出(当初の廃止予定日は2006年9月30日)
    • 11月4日 廃止予定日の繰り上げを届出
  • 2006年4月1日 新百合ヶ丘 - 元住吉間の第1種鉄道事業廃止
  • 2009年12月24日 「新技術による川崎縦貫鉄道整備推進検討委員会」第1回会合を開催
  • 2012年5月28日 「新技術による川崎縦貫鉄道整備推進検討委員会」が提言書を市に提出
  • 2013年1月28日 高速鉄道事業会計の閉鎖を発表。
  • 2015年7月16日 計画休止を発表。年度内に開かれる交通政策審議会への提案を見送り。

計画の変遷[編集]

ここでは、

  • 1984年に川崎市が運輸政策審議会に提出した案:「1984年川崎市案」
  • 1992年に川崎市が公表した案:「1992年川崎市案」
  • 1998年に川崎市が運輸政策審議会に提出した案:「1998年川崎市案」
  • 2001年の第1種鉄道事業許可時点での計画:「鉄道事業許可計画」
  • 2003年に研究会が提出した見直し案:「2003年川崎市見直し案」
  • 2005年の川崎市事業再評価対応方針で採択された案:「2005年川崎市見直し案」

として解説する。

1984年川崎市案[編集]

1984年に運輸政策審議会に提出した案。都市交通審議会答申第9号に位置づけられた路線をベースに、小田急多摩線と新百合ヶ丘駅の開業(1974年)、横須賀線新川崎駅の開業(1980年)、新百合ヶ丘への麻生区役所の設置と宮前平への宮前区役所の設置(1982年)などの市内の開発状況を反映したもの。塩浜 - 元住吉間を1992年から1996年までに建設、元住吉 - 新百合ヶ丘間を2001年までに建設するとしていた。

同時に、二俣川 - 新横浜 - 川崎 - 羽田空港間の「羽田アクセス」線も、神奈川県、横浜市と共同で運輸政策審議会に提出していた。

  • 路線データ
    • 区間:新百合ヶ丘 - 塩浜
      • 初期整備区間:元住吉 - 塩浜
      • 2期整備区間:新百合ヶ丘 - 元住吉
    • 路線距離:約28km
      • 初期整備区間:約13km
      • 2期整備区間:約15km
    • 複線区間:全線複線
    • 電化区間:全線
  • 設置駅
    • 公表されていたもの:新百合ヶ丘駅、長沢駅、宮前平駅、元住吉駅、新川崎駅、川崎駅、塩浜駅
  • 建設事業費:5370億円[17]

1992年川崎市案[編集]

運輸政策審議会答申第7号に位置づけられた「新百合ヶ丘駅から武蔵野南線への接続線」を「新百合ヶ丘駅 - 田園都市線との接続駅 - 梶ヶ谷貨物ターミナル駅」の区間、「武蔵野南線の旅客線化」を「梶ヶ谷貨物ターミナル駅 - 武蔵小杉駅」の区間とした。武蔵野南線の規格に合わせるため、軌間は1067mm。武蔵小杉駅より東については、新鶴見操車場跡地の小倉跨線橋付近に横須賀線の新駅(新川崎地区新駅)を設置し、武蔵野南線経由で新川崎地区新駅に乗り入れる構想だった。

また、7号答申に位置づけられた羽田アクセス改め神奈川東部方面線のうち、川崎 - 新横浜間を新川崎地区新駅経由とし、新川崎地区新駅 - 川崎間を先行建設する構想と、川崎駅において神奈川東部方面線と京急大師線の相互直通運転を行う構想も公表していた。すなわち、新百合ヶ丘から武蔵野南線への接続線、武蔵野南線の旅客化、新川崎地区新駅、神奈川東部方面線の先行建設区間、京急大師線の連続立体交差化をつなぎ合わせて川崎市内を縦貫する構想であった。

  • 路線データ
    • 区間:新百合ヶ丘 - 武蔵小杉
      • 初期整備区間:新百合ヶ丘 - 田園都市線接続駅
      • 2期整備区間:田園都市線接続駅 - (梶ヶ谷貨物ターミナル駅で武蔵野南線に乗り入れ) - 武蔵小杉
    • 路線距離:約16km
      • 初期整備区間:約8km
      • 2期整備区間:約8km
    • 駅数:未公表。ただし駅間隔1 - 2km。
    • 軌間:1067mm
    • 複線区間:全線複線
    • 電化区間:全線(直流1500V)
    • 集電方式:架空線方式
  • 設置駅
    • 公表されていたもの:新百合ヶ丘駅、梶ヶ谷貨物ターミナル駅、武蔵小杉駅
    • 田園都市線接続駅を設置するが、具体名は未公表。
    • その他に1 - 2km間隔で駅を設置。
  • 建設事業費:約3600億円[18]
    • 初期整備区間:約2400億円[19]
    • 2期整備区間:約1200億円

1998年川崎市案[編集]

1998年12月に運輸政策審議会の小委員会でヒアリングを受け、それに答える形で提出した案。新百合ヶ丘駅で小田急多摩線と相互直通運転を行うことを小田急電鉄と協議していると、1999年7月に川崎市議会で公表している。

また、神奈川東部方面線(川崎 - 新横浜間)を建設し、川崎駅において京急大師線と相互直通運転を行う案も、運輸政策審議会に提出していた。

  • 路線データ
    • 区間:新百合ヶ丘 - 川崎
      • 初期整備区間:新百合ヶ丘 - 宮前平
      • 2期以降の整備区間:宮前平 - 川崎
    • 路線距離:約22km
      • 初期整備区間:約8km
      • 2期以降の整備区間:約14km
    • 駅数:未公表。ただし駅間隔1 - 2km
    • 軌間:1067mm
    • 複線区間:全線複線
    • 電化区間:全線(直流1500V)
    • 集電方式:架空線方式
  • 設置駅
    • 公表されていたもの:新百合ヶ丘駅、宮前平駅、新川崎地区新駅、川崎駅
    • 東横線接続駅を設置するが、具体名は未公表。
    • その他に1 - 2km間隔で駅を設置。
  • 建設事業費:約6600億円
    • 初期整備区間:約2400億円
    • 2期以降の整備区間:約4200億円

鉄道事業許可計画[編集]

将来の2期整備区間の建設とそれに伴う京急大師線との相互直通運転を考慮して、基本的な規格は京急大師線にあわせたものとしている。車両基地設置は宮前区水沢地区へ設置予定。各駅停車列車のほか主要駅のみ停車する急行列車も運転するため、野川駅に待避施設を設けることとしている。

  • 路線データ
    • 区間:新百合ヶ丘 - 川崎
      • 初期整備区間:新百合ヶ丘 - 元住吉
      • 2期整備区間:元住吉 - 川崎
    • 路線距離:約21.6km
      • 初期整備区間:15.4km
      • 2期整備区間:約6.2km
    • 駅数:14駅(起終点駅含む)
    • 軌間:1435mm
    • 複線区間:全線複線
    • 電化区間:全線(直流1500V)
    • 集電方式:架空線方式
  • 建設事業費:約7156億円
    • 初期整備区間:5226億円
    • 2期整備区間:約1930億円

2003年川崎市見直し案[編集]

2001年の鉄道事業許可計画のルートを踏襲しつつ、軌間を1067mm、車両長を20mに変更して小田急多摩線との相互直通運転を行うこととした。これにより新百合ヶ丘駅は小田急の既設駅を使用することとして建設費の低減を狙っている。一方で、2期整備区間では将来的に川崎駅から軌間1435mm、車両長18mの京急大師線との相互直通運転も検討するとしていた。このため、京急大師線との相互直通運転については軌間可変電車の導入や改軌が検討課題として浮上した。車両長については「大師線の連続立体事業は、東部方面線と相互直通をする計画があったので、20m車両でホームを作っており、小田急線と相直になったら大師線も変えなければならないということはない。京急さんの車両は18mだが、ホームは20mで作っている。」[21]としている。待避施設の設置は野川駅から宮前平駅に変更することとした。

なお、水沢地区に設置する計画だった車両基地の建設は中止し、2期整備区間の開業までは乗り入れ先となる小田急多摩線の車両基地(喜多見検車区唐木田出張所)を活用することとした。ただし、唐木田の代わりとなる小田急の代替基地については一切触れられていないほか、小田急側への働きかけの無い一方的な構想であった。

  • 路線データ[22]
    • 区間:新百合ヶ丘 - 川崎
      • 初期整備区間:新百合ヶ丘 - 元住吉
      • 2期整備区間:元住吉 - 川崎
    • 路線距離:約21.8km
      • 初期整備区間:15.6km
      • 2期整備区間:約6.2km
    • 駅数:14駅(起終点駅含む)
    • 軌間:1067mm
    • 複線区間:全線複線
    • 電化区間:全線(直流1500V)
    • 集電方式:架空線方式
  • 設置駅
    • 新百合ヶ丘駅 - 長沢駅 - 医大前駅 - 蔵敷駅 - 犬蔵駅 - 宮前平駅 - 野川駅 - 久末駅 - 井田駅 - 元住吉駅 - (未定) - 新川崎地区新駅 - (未定) - 川崎駅
  • 建設事業費:約6205億円(2004年12月に約5979億円に修正)
    • 初期整備区間:4267億円(2004年12月に4016億円に修正)
    • 2期整備区間:約1938億円(2004年12月に約1963億円に修正)

2005年川崎市見直し案[編集]

規格は2003年見直し案を踏襲するが、より採算性の高い路線とするため久末以東のルートを変更し、初期整備区間を新百合ヶ丘 - 武蔵小杉間、2期整備区間を武蔵小杉 - 川崎間とした。川崎フロンターレの本拠地である等々力陸上競技場、市民ミュージアムとどろきアリーナなど川崎市の大型公共施設が集中する等々力緑地駅を新たに経由地に加え、図書館やマンション、大型商業施設など大規模再開発が進む武蔵小杉駅(再開発の詳細は武蔵小杉参照)へと繋ぎ、南武線、東急東横線東急目黒線に接続するほか、横須賀線(2010年3月に駅開設。2005年当時は計画段階)とも接続する。この案を基本に、2008年度補助採択、2010年度工事着工というスケジュールで国との協議が進められていたが、国の2008年度予算概算要求で新規の事業採択要求路線に取り上げられず、2009年度の事業許可は難しい情勢となった。今後は、都市鉄道等利便増進法を活用し整備主体と営業主体を分離する上下分離方式とすることを検討することも含めて、早期事業化に向け引き続き国との協議に積極的に取り組む、とされている。

2期整備区間のルートについては、2006年7月29日の朝日新聞川崎版によれば、交通に不便な南加瀬地区を通る「加瀬・小倉ルート」、交通結節点機能強化の計画がある再開発中の新川崎地区を通る「新川崎ルート」、南加瀬地区と幸区役所付近を通る「古市場・小向ルート」の3つが検討されている。2003年見直し案に引き続き、軌間を1067mmとしているため、1435mm軌間を採用している京急大師線との相互直通運転については軌間可変電車の導入や改軌が検討課題として存在している。また、JR南武線と並走しているため、2期整備区間案自体を廃止し、軌間が1067mmのJR南武線に乗り入れる計画も浮上している。

なお、小田急の施設を利用する事についての小田急側への働きかけなどは無いままであった。

  • 路線データ[23]
    • 区間:新百合ヶ丘 - 川崎
      • 初期整備区間:新百合ヶ丘 - 武蔵小杉
      • 2期整備区間:武蔵小杉 - 川崎
    • 路線距離:約25.0km
      • 初期整備区間:16.7km
      • 2期整備区間:約8.3km
    • 駅数:15駅(起終点駅含む)
    • 軌間:1067mm
    • 複線区間:全線複線
    • 電化区間:全線(直流1500V)
    • 集電方式:架空線方式
  • 設置駅
    • 新百合ヶ丘駅 - 長沢駅 - 医大前駅 - 蔵敷駅 - 犬蔵駅 - 宮前平駅 - 野川駅 - 久末駅 - 子母口駅 - 等々力緑地駅 - 武蔵小杉駅 - (未定) - (未定) - (未定) - 川崎駅 
  • 建設事業費:約6353億円
    • 初期整備区間:4246億円(2009年5月に4336億円に修正)
    • 2期整備区間:約2107億円

駅一覧[編集]

  • 2005年川崎市見直し案の初期整備区間のみ。停車駅などは川崎縦貫高速鉄道線整備事業ホームページの運行計画 (PDF) に基づく。
  • 全駅神奈川県川崎市に所在
  • 停車駅 … ●:停車、|:通過。各駅停車はすべての駅に停車するため省略。
駅名 駅間キロ 累計キロ 急行 接続路線・備考 所在地
新百合ヶ丘駅 - 0.0 小田急線(小田急多摩線と相互直通運転予定[* 1]
小田急多摩線のホームを利用予定
将来的に横浜市営地下鉄ブルーラインとも相互直通運転予定
麻生区万福寺
長沢駅 2.7 2.7 神奈川県立百合丘高等学校付近に建設予定 多摩区南生田
医大前駅 1.4 4.1 聖マリアンナ医科大学付近に建設予定 宮前区菅生
蔵敷駅 1.0 5.1 蔵敷交差点(蔵敷バス停)付近に設置予定 宮前区菅生
犬蔵駅 1.6 6.7 犬蔵交差点(東名川崎IC)付近に設置予定 宮前区犬蔵
宮前平駅 1.6 8.3 東急田園都市線
待避可能ホームを設置予定
東急田園都市線宮前平駅地下に設置予定
宮前区宮前平
野川駅 1.6 9.9 宮前区休日急患診療所付近に設置予定 宮前区野川
久末駅 2.1 12.0 野川交差点(市バス 野川バス停)付近に設置予定 高津区野川
子母口駅 1.3 13.3 江川橋跡付近に設置予定 高津区子母口
等々力緑地駅 1.9 15.2 会館とどろき付近に設置予定 中原区宮内
武蔵小杉駅 1.5 16.7 東急東横線・東急目黒線・JR南武線・JR横須賀線・JR湘南新宿ライン
JR線・東急線武蔵小杉駅地下に設置予定
中原区新丸子東
  1. ^ 完成後は現在新宿方にある留置線付近から小田急線に合流、多摩線と共同でホームを使用し、相互直通運転をする計画となっている。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 「早期事業化目指し検討加速 川崎市の縦貫高速鉄道 委員会設置、コスト削減策など」 『建設工業新聞』 2010年1月8日付、11面。
  2. ^ 川崎市、高速鉄道事業会計を閉鎖へ/神奈川 - 神奈川新聞、2013年1月28日。
  3. ^ 川崎市の地下鉄計画、一部ル−トを変更、分区の拠点(宮前平・新百合ケ丘)を通す。 - 神奈川新聞、1982年2月27日。
  4. ^ 川崎市議会議事録、平成 9年 第4回定例会-10月07日-06号
  5. ^ 川崎市が地下鉄計画、市域を縦貫、一体化図る、28キロを10年間で - 神奈川新聞、1984年12月2日。
  6. ^ 「昭和 60 年、神奈川東部方面線との相互直通運転を、平成 12 年からは川崎縦貫高速鉄道線との相互直通運転を計画。」連続立体交差事業 京浜急行大師線 平成24年度 再評価実施事業調書
  7. ^ 新鶴見操車場跡地利用計画、先端産業を集積、2鉄道、新駅建設、基本構想まとまる、64年着工目指す - 神奈川新聞、1986年9月13日
  8. ^ 羽田アクセス地下鉄、二俣川〜大倉山、新鶴見〜川崎、分割開業で一致、県と横浜、川崎市 - 神奈川新聞、1990年8月1日。
  9. ^ ルート調整難航、羽田アクセス鉄道構想、川崎は新鶴見経由を主張、県と横浜は最短をと難色 - 読売新聞、1990年8月3日。
  10. ^ 新百合ヶ丘―田園都市線の区間、建設工事先行の方針、川崎市、縦貫高速鉄道で - 日本経済新聞、1992年12月2日。
  11. ^ 「平成7年度から平成8年度にかけて,次期運輸政策審議会に向けた川崎市の将来の鉄道網のあり方について,財団法人運輸経済研究センターに調査を委託したところでございます。その中で,学識経験者や国等の関係者で構成する川崎市公共交通計画調査委員会を設置し,平成9年3月に「 21世紀における川崎市の鉄道整備のあり方」として提言をいただきました。」川崎市議会議事録、平成14年 決算審査特別委員会(企業会計)-09月24日-05号
  12. ^ 「この縦貫鉄道は,次期運輸政策審議会の答申では,武蔵野南線を活用するのではなく,全線を新線で整備することもあり得るとの考えが,川崎市公共交通計画調査委員会から示されております」川崎市議会議事録、平成10年 第3回定例会-10月09日-08号
  13. ^ 川崎市議会議事録、平成10年 第4回定例会-12月03日-02号
  14. ^ 川崎縦貫高速鉄道計画 市交通局を事業主体に 高橋市長が具体的方針 実現へ弾みも - 神奈川新聞、1998年12月4日。
  15. ^ 川崎市議会議事録、平成11年 第3回定例会-07月05日-05号
  16. ^ 川崎市の地下鉄計画 起点の新百合ヶ丘駅 多摩線乗り入れも視野 市会本会議で表明 利便性第一に 接続や構造 小田急と協議 - 神奈川新聞、1999年7月6日。
  17. ^ 川崎市議会議事録、平成 9年 第4回定例会-10月07日-06号
  18. ^ 川崎市議会議事録、平成 6年 第1回定例会-03月09日-04号
  19. ^ 川崎市議会議事録、平成 8年 予算審査特別委員会-03月13日-02号
  20. ^ 川崎縦貫高速鉄道線研究会検討結果報告書 - 川崎縦貫高速鉄道線研究会学識者部会、平成14年11月
  21. ^ 川崎縦貫高速鉄道線研究会第4回学識者部会会議録、平成14年8月16日
  22. ^ 川崎縦貫高速鉄道計画(見直し結果) - 川崎市、平成15年4月
  23. ^ 川崎縦貫高速鉄道線整備事業に関する事業再評価対応方針案について - 平成17年2月

関連項目[編集]

外部リンク[編集]