大和堆

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日本海の海底地形。中央部分にある浅い部分が大和堆。

大和堆(やまとたい)とは、日本海中央部に位置する浅い部分(海底山脈)である。最も浅い部分で水深236mであり、日本海有数の好漁場となっている。

概要[編集]

大和堆の中央部は北東から南西方向に深さ2000mに及ぶ渓谷によって分割されており、日本に近い側を大和堆、反対側を北大和堆と呼ぶ。大和堆は日本の排他的経済水域(EEZ)に当てはまる[1]が、北大和堆はそうではない。大和海嶺の一部であり、北は日本海盆、南は大和海盆に接している。

大和堆は、1924年に水産講習所(現在の東京海洋大学)の調査船「天鴎丸」によって発見された[2]。1926年、日本海軍水路部測量艦大和」が精密測量を行い、大和堆と命名した[2]。この発見まで、日本海は一様に深い海と考えられていた。

ユーラシア大陸東縁に沿って直線的な形でくっついていた古日本列島が、新第三紀に入って大陸から分離される際、日本海の拡大のために発生した海嶺の跡である。現在は活動していない。

漁場[編集]

大和堆は、甘エビスルメイカなどの漁業資源の宝庫であり、外国船が不法操業を行う海域である[3]。2017年は、北朝鮮が漁獲戦闘の名の下で漁業活動を奨励した[4]ことから、大和堆にも木造小型漁船が殺到した。そのため海上保安庁巡視船放水砲で排除する事態となった。2018年には大和堆への侵入を防ぐため、北朝鮮寄りのEEZ境界線付近で阻止活動を行った[5]

一方、北朝鮮の漁船は外洋に出るには不十分な船体と装備のため遭難が相次ぎ、天候不順が続いた2017年11月には、多数の漁船が沈没したとみられる[6]。全てが大和堆付近からのものとは限らないが、2017年1月から12月21日まで日本の日本海沿岸に到達した漂着船の件数は96件となっている(海上保安庁調べ)[7]

毎年、スルメイカの漁期は6月から翌年1月まで続くが、2017年シーズンは北朝鮮漁船が流し網で乱獲したこともあり不漁となった。このため石川県漁協所属のイカ釣り船は、1カ月繰り上げて漁を終えている[8]

脚注・出典[編集]

  1. ^ 北朝鮮漁船による違法操業が相次いでおり、海上保安庁巡視船による放水などで排除・取り締まりを行っている。“海保、北朝鮮の違法船に「海水の大雨」大和堆1カ月で平穏に”産経新聞』朝刊2017年9月1日。
  2. ^ a b 大和海嶺とは”. 第九管区海上保安本部 海洋情報部. 2012年8月28日閲覧。
  3. ^ 好漁場ピンチ、水揚げ大幅ダウン・北朝鮮漁船急増、甘エビ前年比76%福井新聞オンライン(2017年8月28日)2017年12月22日閲覧
  4. ^ 漂着船を多発させる北朝鮮の「漁獲戦闘」 President(2017年12月15日)2017年12月22日閲覧
  5. ^ 「北違法漁船 海保、取り締まり映像 大和堆周辺」『産経新聞』朝刊2018年6月2日(2018年6月6日閲覧)
  6. ^ 「北の100隻沈没のはず」…飛翔体目撃の漁師 読売新聞(2017年11月30日)2017年12月22日閲覧
  7. ^ <環境省>漂着北朝鮮船、処理は全額国費負担へ 毎日新聞(2017年12月22日)2017年12月22日閲覧
  8. ^ イカ漁、1か月早く終了…北の違法乱獲で漁獲減 読売新聞(2017年12月26日)2017年12月27日閲覧