水路部 (日本海軍)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
大日本帝国海軍
大日本帝国海軍旗
官衙
海軍省
軍令部
艦政本部
航空本部
外局等一覧
地方組織
鎮守府
警備府
要港部
艦隊
連合艦隊
北東方面艦隊
中部太平洋方面艦隊
南東方面艦隊
南西方面艦隊
第十方面艦隊
支那方面艦隊
海上護衛総司令部
海軍総隊
他作戦部隊
海軍航空隊
海軍陸戦隊
主要機関
学校一覧
歴史・伝統
日本海軍の歴史
日本海軍の軍服
その他
階級一覧
艦艇一覧
兵装一覧
 表示ノート編集履歴 

水路部(すいろぶ)は、旧日本海軍の組織の一つで、海軍省外局海図製作・海洋測量海象気象天体観測を所掌した。現在、その業務は海上保安庁海洋情報部が担当している。

沿革[編集]

明治2年(1869年)7月、兵部省の兵部大丞・川村純義は、柳楢悦伊藤雋吉を兵部省御用掛とし水路事業を進めるよう命じた。明治3年(1870年)5月、両名は「第一丁卯艦」によりイギリス軍艦「シルビア号」(HMS Sylvia、750トン、150馬力)と協同測量を行った。

明治4年(1871年)7月、兵部省に海軍部が設置され、同年9月8日、海軍部に「水路局」が設けられた(兵部省海軍部内条例)。その所管事業は、水路測量、浮桶(浮標)、瀬印(立標)、灯明台(灯台)に関するものであった。

明治5年(1872年)2月28日、海軍省が設置され「海軍省水路局」となった。同年10月13日、海軍卿直轄の「水路寮」となり海軍省の外局となる。

1876年(明治9年)9月1日、再び「海軍水路局」と改称し、庶務、測量、製図、計算の四課が設置された。

1886年(明治19年)4月26日、名称を「海軍水路部」と改称し、1888年(明治21年)6月26日、「水路部条例」が定められ、名称を「水路部」と改め海軍参謀本部長に隷属となった。1897年(明治30年)4月12日、再び海軍省の機関に復帰した。

1920年(大正9年)「水路部令」(大正9年10月1日勅令第444号)が制定され、水路部の所掌事項が次のように定められた。

  • 水路の測量
  • 兵要海象の観測
  • 水路図誌、航空図誌の調整準備、保管・供給
  • 航海、航空保安に関する事項

1945年(昭和20年)の終戦により海軍省は解体し、同年11月29日に水路部は運輸省に移管され、「運輸省水路部」となった。

年譜[編集]

  • 明治2年(1869年)7月 - 柳楢悦、伊藤雋吉が水路事業担当の兵部省御用掛となる。
  • 明治3年(1870年)5月 - 「第一丁卯艦」、英艦「シルビア号」による協同測量開始。
  • 明治4年(1871年)10月21日 - 兵部省海軍部に「水路局」設置。
  • 明治5年(1872年)4月5日 - 「海軍省水路局」と改称。
    • 11月13日 - 「水路寮」と改称。
  • 1876年(明治9年)9月1日 - 「海軍水路局」と改称。
  • 1888年(明治21年)6月26日 - 「水路部」と改称し海軍参謀本部長の隷属となる。
  • 1897年(明治30年)4月12日 - 海軍大臣の隷属となる。
  • 1910年(明治43年)12月17日 - 庁舎を東京市京橋区築地4丁目1番地に移転し事務を開始[1]
  • 1923年(大正12年)9月1日夜 - 関東大震災により、築地庁舎全焼、創立以来の資料を失う。
  • 1945年(昭和20年)11月29日 - 運輸省に移管され「運輸省水路部」となる。

歴代部長[編集]

水路権頭[編集]

  • 柳楢悦 大佐:明治5年10月22日(1872年11月22日) - 1876年8月31日

水路局長[編集]

  • 柳楢悦 大佐:1876年8月31日 - 1886年1月29日

水路部長[編集]

  • 柳楢悦 少将:1886年1月29日 - 1888年4月18日
  • (兼・心得)肝付兼行 大佐:1888年4月19日 - 1888年6月27日
  • 肝付兼行 大佐:1888年6月27日 -
  • 横尾道昱 大佐:1892年12月23日 -
  • 肝付兼行 大佐:1894年6月27日 - 1905年11月2日
  • 松本和 少将:1905年11月2日 -
  • 坂本一 大佐:1906年11月22日 - 1908年8月28日
  • 中尾雄 少将:1908年8月28日 - 1911年12月1日
  • 伊藤乙次郎 少将:1911年12月1日 - 1912年4月20日
  • 川島令次郎 少将:1912年4月20日 - 1913年12月1日
  • 江口麟六 少将:1913年12月1日 -
  • 上村経吉 少将:1914年12月17日 - 1915年12月13日
  • 釜屋六郎 少将:1915年12月13日 - 1916年12月1日
  • 布目満造 少将:1916年12月1日 -
  • (心得)犬塚助次郎 大佐:1920年10月1日 -
  • 犬塚助次郎 少将:1920年12月1日 -
  • 内田虎三郎 少将:1923年6月1日 -
  • 植村信男 少将:1924年12月1日 - 1925年12月1日
  • 米村末喜 少将:1925年12月1日 -
  • 植村茂夫 少将:1930年12月1日 -
  • 小野弥一 少将:1932年12月1日 -
  • 太田垣富三郎 少将:1935年11月15日 -
  • 小池四郎 少将:1937年12月1日 -
  • 小林仁 少将:1941年6月2日 -
  • 副島大助 中将:1941年11月20日 -
  • 阿部嘉輔 中将:1943年6月21日 -
  • 木村進 中将:1945年5月1日 - 11月29日

脚注[編集]

  1. ^ 『官報』第8249号、明治43年12月19日。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

辞書項目

  • 小池猪一編著『図説総覧海軍史事典』国書刊行会、1985年
  • 秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年

図書

  • 『日本水路史 1871~1971』海上保安庁水路部、1971年
  • 海軍歴史保存会編『日本海軍史』第6巻、発売:第一法規出版、1995年

論文

  • 小林瑞穂「日本海軍水路部による国際水路会議参加と国際水路局への加盟--1919年~1940年を中心に」文学研究論集 (明治大学大学院文学研究科) 24、2005年
  • 小林瑞穂「海軍水路部による『水路要報』創刊とその役割--水路部と民間航海者の関係構築」駿大史学130、2007年3月
  • 小林瑞穂「海軍水路部における創設者・柳楢悦の顕彰--1930年柳楢悦胸像除幕式を中心に」海事史研究64、2007年
  • 菊地進一「幕末から明治初年にかけての日本近海英国海図--日本水路部創設前の海図史」海洋情報部研究報告43、2007年3月
  • 小林瑞穂「海軍水路部関係経費にみる図誌供給能力問題--1919年~1921年海軍一般会計を中心に」文学研究論集 (明治大学大学院文学研究科) 30、2008年

外部リンク[編集]

海上保安庁海洋情報部