堤未果
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父は放送ジャーナリストのばばこういち、母は詩人の堤江実[1]。弟はアニメーションアーティストの堤大介、夫は参議院議員の川田龍平。
米国の大学院で国際関係論を学び、ニューヨークの証券会社勤務時に、9・11同時多発テロ事件を間近に見る。以後、ジャーナリストに。著書に『ルポ 貧困大国アメリカ』(2008年)、『政府は必ず嘘をつく』(2012年)など。
来歴[編集]
ジャーナリストばばこういちの長女として東京都で生まれる。学校法人和光学園を卒業後、アメリカ合衆国に留学、ニューヨーク州立大学国際関係論学科卒業、ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士課程修了。国際連合(UNIFEM)、アムネスティ・インターナショナルニューヨーク支局員を経て、アメリカ野村證券に勤務中、2001年のアメリカ同時多発テロ事件を隣のビルの20階にあるオフィスで遭遇。[2]。事件を目撃したことで、自らの目でアメリカという国を見ようと志しジャーナリストとなる[3]。
2006年『報道が教えてくれない アメリカ弱者革命』を上梓、日本ジャーナリスト会議黒田清新人賞を受賞[4]、以後、米国 - 東京間を行き来して執筆、講演活動を行う。2008年、薬害HIV訴訟の元原告で参議院議員の川田龍平と結婚[5][6]、『ルポ 貧困大国アメリカ』(岩波新書)シリーズが80万部を超えるベストセラーになった。米国が作った「経済的徴兵制」という仕組みと、戦争の民営化についての分析が多くのメディアで絶賛された[7]。同書は第56回日本エッセイスト・クラブ賞と、中央公論新社が主催し出版各社の新書編集長と主要書店の店員が選ぶ「新書大賞2009」の二つを受賞し[8]、
「社会の真実の見つけ方(岩波ジュニア新書)」とともに、「岩波書店100周年〜私が選ぶ一冊」読者選出で2冊ともベスト10にランク入りする。
多数の著書は韓国・台湾・中国・香港などでも、翻訳出版、コミック版が刊行されている。
J-WAVEラジオ「Jam the World」、ラジオミックス京都「堤未果の社会の真実の見つけ方スペシャル」などでパーソナリティを務める。
講談社の雑誌『クーリエ・ジャポン』2010年3月号のメイン特集「オバマ大統領就任から1年 『貧困大国』の真実」で責任編集を務め、自著の2作『貧困大国アメリカI』『貧困大国アメリカII』に引き続き、オバマ後の米国外交、経済、教育、医療、刑務所ビジネスなどを詳細に分析している[9][10]。 2013年には、世界を飲みこむ米国発の政治と企業の癒着主義「コーポラティズム」をテーマに書いた「㈱貧困大国アメリカ」(岩波新書)を発表。
その後「政府は必ず嘘をつく」「政府はもう嘘をつけない」(角川新書)シリーズで、国際情勢の表と裏、金融、メディアの世界事情などを分析。
日本と世界の核事情を描いた「核大国ニッポン」(小学館)米国の言論統制についての「アメリカから自由が消える」(扶桑社)、規制緩和により日本の資産が外国に売却されるさまを詳細に暴いた「日本が売られる」、デジタル化の光と闇を描いた「デジタルファシズム」など著書多数。
2016年の米国大統領選挙では、共和党のドナルド・トランプの当選を予測。現在は、米国の政治、経済、医療、教育、報道、核問題、自治体行政、食糧、エネルギー、農政、デジタルテクノロジーなど、徹底した現場取材と公文書に基づいた調査報道を続ける他、講演・テレビ、ラジオ、新聞、雑誌など国内外で幅広く活動している。
人物[編集]
矢部宏治は、彼女のことを「日本で一番尊敬するジャーナリスト。日本のナオミ・クライン。言わば、たった一人で『日本社会の崩壊を食い止めるシンクタンク』をやっているような人だ。」と発言している[11]。
著書[編集]
単著[編集]
- 「空飛ぶチキン 私のポジティブ留学宣言」 (1994/9/1,創現社出版,ISBN 4882450569)
- 「グラウンドゼロがくれた希望」(2004/6/1,ポプラ社,ISBN 4591081419,2009/6/27,扶桑社文庫,ISBN 978-4594059842)[12][13]
- 「報道が教えてくれないアメリカ弱者革命 なぜあの国にまだ希望があるのか」(2006/4/28,海鳴社,ISBN 4875252307)[14]
- 日本ジャーナリスト会議黒田清新人賞受賞
- 「ルポ貧困大国アメリカ」(2008/1/22,岩波新書,ISBN 978-4004311126)[15]
- 2008年日本エッセイスト・クラブ賞受賞、2009年新書大賞受賞
- 「コミック 貧困大国アメリカ」(松枝尚嗣 [画] PHP研究所 2010年1月)
- 「アメリカは変われるか?立ち上がる市民たち!」(2009/4/1,大月書店,ISBN 978-4272408023)[16]
- 「はじめての留学 不安はすべて乗り越えられる!」(2009/8/20,PHP研究所)[17]
- 「ルポ貧困大国アメリカ II」(2010/1/20,岩波新書,ISBN 978-4004312253)[18]
- 「アメリカから<自由>が消える」(2010/3/31,扶桑社新書,ISBN 978-4594061647)[19]
- 「もうひとつの核なき世界」(2010/11/29,小学館文庫,ISBN 978-4093881104,2014/8/5,小学館文庫,ISBN 978-4094060737)[20]
- 「社会の真実の見つけかた」(2011/2/18,岩波ジュニア新書,ISBN 978-4005006731)[21]
- 「政府は必ず嘘をつく」(2012/2/10,角川SSC新書,ISBN 978-4047315709)[22]
- 「(株)貧困大国アメリカ」(2013/6/27,岩波新書),ISBN 978-4004314301)[23]
- 「沈みゆく大国アメリカ」(2014/11,集英社新書,ISBN 978-4087207637)[24]
- 「沈みゆく大国アメリカ2<逃げ切れ!日本の医療>」(2015/5/15,集英社新書,ISBN 978-4087207859)[25]
- 「政府は必ず嘘をつく増補版」(2016/4/9,角川新書)[26]
- 「政府はもう嘘をつけない」(2016/7/10,角川新書)[27]
- 「増補版アメリカから<自由>が消える」(2017/7/3,扶桑社新書)[28]
- 「核大国ニッポン」(2017/8/1,小学館新書)[29]
- 「日本が売られる」(2018/10/4,幻冬舎新書)[30]
- 「株式会社アメリカの日本解体計画」(2021/1/1,経営科学出版)[31]
- 「デジタル・ファシズム: 日本の資産と主権が消える」(2021/8/31,NHK出版新書)[32]
- 「ルポ食が壊れる」(2022/12/16,文藝春秋社)[33]
- 「堤未果のショックドクトリン政府のやりたい放題から身を守る方法」(2023/5/31,幻冬舎新書)[34]
共著[編集]
- 2009年『正社員が没落する 「貧困スパイラル」を止めろ!』(湯浅誠との共著)(角川書店)
- 2009年『格差社会という不幸(神保・宮台マル激トークオンデマンドⅦ)』(神保哲生、宮台真司、山田昌弘、鎌田慧、本田由紀、小林由美との共著)(春秋社)
- 2012年「人は何故過ちを繰り返すのか?」佐治晴夫との共著(清流出版)
- 2014年「岩波書店百周年記念:知の現在と未来」(岩波新書)広井良典、柄谷行人、管啓次郎、高橋源一郎、長谷川一、金子勝、國分功一郎、丸川哲史と共著
- 2015年「日本の大問題~10年後を考える─「本と新聞の大学」講義録』(集英社新書)一色清,姜尚中,佐藤優、宮台真司、上昌弘、大澤真幸、上野千鶴子と共著
- 2016年4月「18才の民主主義」(岩波新書)
- 「別冊NHK100分de名著メディアと私たち」(2018/10/30,NHK出版)[35]
- 2019年7月「支配の構造 国家とメディアー「世論」はいかに操られるか」(SB新書)中島岳志,大澤真幸,高橋源一郎と共著
- 2021年6月「自由の危機」(集英社新書)
監修[編集]
- 「暴走するマネー資本主義」(監訳)(2022/7/1,経営科学出版)
- 「巨大帝国アメリカの崩壊」(監訳)(2022/8/10,経営科学出版)
テレビ・ラジオ番組出演(一部)[編集]
「 ニュースの深層」、「デモクラシーナウ!」解説者(朝日ニュースター) 水曜ノンフィクションスペシャル(TBSテレビ) 視点・論点「貧困大国の未来」(NHK教育)[36] 視点・論点「貧困と戦争」(NHK教育) 福祉ネットワーク「子供の貧困」(NHK教育) きょうの世界(NHK BS1) ON THE WAY ジャーナル(JFN) 佐藤しのぶ 出逢いのハーモニー(テレビ神奈川) Power Morning(J-WAVE) BS20周年ベストセレクション「マンホールチルドレン」(NHK BS) 学問のススメ(JFN) 菅原明子のエッジトーク(ラジオ日本) 池上彰の「編集長お時間です」 視点・論点「核なき世界の主人公とは」(NHK教育テレビジョン) 「Power Morning」(J-WAVE) 「課外授業 ようこそ先輩」(NHK総合 「Power Morning」(J-Wave)「TBS:神保哲生のニュース探究ラジオDIG」J-WAVE[Talking about our future] 「BS11 報道原人」、2011年10月~ 2015年3月 J-WAVE 「Jam the WORLD」水曜日 パーソナリティ 「2012年アメリカ大統領選挙の行方」(NHK BS1) 「NEWSアンサー」(テレビ東京) 「ロンブー淳のNEWS CLUB](文化放送) 「姜尚中の悩みの海を漕ぎ渡れ」(JFN) 愛知テレビ「トコトン1スタ!」 NHK 教育テレビ「ハートネット~米国格差社会~」 テレビ朝日「報ステSUNDAY」TBS ニュースバード「株式会社する世界」 J-WAVE PrimeFactor 「オバマ訪日を迎えて」 NHK クローズアップ現代「独立する富裕層~分断されるアメリカ社会~」 文化放送 吉田照美 飛べ!サルバドール BSフジプライムニュー 「報道ライブ21 INsideOUT」 朝日放送「正義のミカタ」 テレビ朝日「報道ステーション」 テレビ朝日「朝まで生テレビ!」テレビ朝日「橋下羽鳥の新番組」読売テレビ「そこまで言って委員会NP」 フジテレビ「ホンマでっか!?TV」「バイキング」 NHK「100分deメディア論」NHK「学問のススメ」NHK 【マイ朝ラジオ】レギュラー、東京MXテレビ【モーニングクロス】「堤未果の月刊アンダーワールド」他、多数。
関連項目[編集]
脚注[編集]
- ^ “堤大介 インタビュー (2/4)”. NEW PEOPLE Inc.. 2015年7月4日閲覧。
- ^ 堤未果「9.11後のアメリカを弱者の立場から伝える」(『ふぇみん』2007年2月15日号「ごめんください」抜粋)
- ^ 「ルポ貧困大国アメリカ」著者 堤未果さん[1](asahi.com マイタウン大阪、2008年6月4日: 「01年9月11日、同時多発テロに遭遇して自分の目でアメリカという国を見ようとジャーナリストになりました」)
- ^ 同書は韓国でも出版され話題になる。「日本ジャーナリスト会議 黒田清・JCJ新人賞」贈賞式スピーチ(日本ジャーナリスト会議 (JCJ) 賞2006年10月6日付け。堤未果のスピーチは8番目)
- ^ 「プロポーズは川田議員から ジャーナリストの堤さんとの結婚を発表」(JANJAN。執筆: 黒井孝明。2008年3月5日)
- ^ 「川田龍平氏の結婚は日本全体を明るくする朗報(JANJAN。執筆: 佐藤弘弥。2008年3月7日)」
- ^ 「編集部お薦めの5冊!ベストセラー新書」(日経メディカル オンライン。2008年8月6日)
- ^ 「新書大賞」贈賞式 堤未果さん「活字は日本人の武器」[2](MSN産経ニュース、2009.3.31 08:04)
- ^ 次号予告です「クーリエ・ジャポンの現場から」2010年1月29日
- ^ クーリエジャポン、JFN, クロワッサン、NHKBS、王様のブランチ 他「堤未果のブログ」2010年2月15日
- ^ 13:39 - 2018年10月16日のツイート矢部宏治本人のTwitter
- ^ “グラウンドゼロがくれた希望”. ポプラ社. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “グラウンドゼロがくれた希望”. 扶桑社. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “報道が教えてくれないアメリカ弱者革命”. 海鳴社. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “ルポ貧困大国アメリカ”. 岩波書店. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “アメリカは変われるか?2”. 大月書店. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “はじめての留学不安はすべて乗り越えられる!”. PHP研究所. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “ルポ貧困大国アメリカII”. 岩波書店. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “アメリカから〈自由〉が消える”. 扶桑社. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “もうひとつの核なき世界”. 小学館. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “社会の真実の見つけかた”. 岩波書店. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “政府は必ず嘘をつく”. KADOKAWA. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “(株)貧困大国アメリカ”. 岩波書店. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “沈みゆく大国アメリカ”. 集英社. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “沈みゆく大国アメリカ2”. 集英社. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “政府は必ず嘘をつく増補版”. KADOKAWA. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “政府はもう嘘をつけない”. KADOKAWA. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “増補版アメリカから<自由>が消える”. 扶桑社. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “核大国ニッポン”. 小学館. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “日本が売られる”. 幻冬舎. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “株式会社アメリカの日本解体計画”. 経営科学出版. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “デジタル・ファシズム: 日本の資産と主権が消える”. NHK. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “文春新書ルポ食が壊れる”. 文藝春秋社. 2022年5月13日閲覧。
- ^ “堤未果のショックドクトリン政府のやりたい放題から身を守る方法”. 幻冬舎. 2023年5月31日閲覧。
- ^ “別冊NHK100分de名著メディアと私たち”. NHK出版. 2023年5月31日閲覧。
- ^ 解説委員室ブログ
外部リンク[編集]
- 堤未果オフィシャルウェブサイト
- 堤未果のブログ - ウェイバックマシン(2019年11月1日アーカイブ分)
- 堤未果 @TsutsumiMika (@TsutsumiMika) - Twitter
- 堤未果の月刊アンダーワールドhttps://in.38news.jp/ttuw_bun0_trailer_1980
- 堤未果 - IMDb(英語)
- Spotlight on the States (The Japan Times, Sunday, April 4, 2010, 3 pages)