勝負服 (競馬)

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色とりどりな勝負服
サンタアニタパーク競馬場にて

競馬における勝負服(しょうぶふく、racing silks)とはレースに出走するに騎乗する騎手が着用する服のことである。

日本の競馬における勝負服[編集]

中央競馬[編集]

騎乗馬へ向かう横山典弘藤田菜七子。二人の勝負服は同一である

中央競馬JRA)では馬主ごとに服色が定められている。騎手一人が一日に騎乗するレースは最大12レースだが、そのために騎乗馬によって勝負服が毎回異なることがある。同一レースに同じ馬主の所有馬が出走する場合、同じ勝負服の騎手が複数騎乗することもある。

服色の登録は馬主が行い、勝負服そのものは競走馬を預託している調教師が所有および管理を行うが、一部の騎手の中には、騎乗回数が多い馬主の勝負服を騎手自身で所有・管理しているケースもある。

勝負服の登録[編集]

勝負服の登録は馬主登録と同時に行うか、所有馬が初めて出走する直前にJRAに登録する。使用できる色と柄、さらに柄についてはその寸法の最小限が日本中央競馬会競馬施行規程で定められている[注釈 1]。それらをまとめると次のようになる(ただし、色名・柄名の表記は施行規程のものとは一部異なる)[1]

使用できる色
「白・黒・赤・青・黄・緑・桃・水色・紫・薄紫・鼠・海老茶・茶」の13色から選択する。胴と袖それぞれの地色と柄色に異なる色を1色ずつ選べるので、一つの服色に最大4色まで使用できる。
柄の使用
柄の使用は必須ではないので、柄を使用せず無地にすることもできる。また、胴の柄と袖の柄は独立に選択でき[注釈 2]、胴・袖で同一柄でもよいし、別々の柄にしても構わない。ただし、胴・袖それぞれに使用できる柄は1種類のみである。
胴のみに使用できる柄の種類
「帯・山形帯・襷・十字襷」
帯と山形帯については最近ではほとんど使用されていない。
胴または袖に使用できる柄の種類
「一本輪・二本輪・三本輪・山形一本輪・山形二本輪・山形三本輪・菱山形・縦縞・格子・元禄・ダイヤモンド・うろこ・井桁絣・玉霰・星散・蛇目散・銭形散」
胴および袖に使用できる柄の種類
「一文字・山形一文字」
胴と袖の両方に同色の一本輪や山形一本輪を使用するのと、実質的には、同じになる。それゆえ、胴と袖の両方に同色の一本輪や山形一本輪を使用したときの特殊な呼び名だと見なすこともできる。
特殊な柄
「鋸歯形」
胸から肩にかけて(つまり胴と袖の上部に)使われる柄であり、上の「胴および袖に使用できる柄」の一種と見ることができる。ただ「一文字・山形一文字」とは異なり、袖の柄に「一本輪・二本輪・三本輪」のいずれかを併用することができる(胴部分には他の柄は使えない)。
袖の色と同じ色を柄色に用いると、胴部分にのみ鋸歯形を指定しているかのように見える。
服色の表現
文字で表現する場合、概ね次のような項目がこの順番で表記される[2]。なお、以下では説明の便宜上箇条書きにしてあるが、本来(実際)は各項目をコンマや読点や中黒で区切って1行で記すものである。
  • 胴の地色。
  • 胴部分にのみ使用される柄または柄色があれば、それを色・柄種類の順で。
  • 袖地色が胴地色と異なるときや、胴地色と同じだが胴の柄が上記の「胴または袖に使用できる柄」で袖が無地のときは袖地色。さらに袖部分にのみ使用される柄または柄色があれば、それを色・柄種類の順で。
  • 胴と袖の両方に同じ柄(一文字・山形一文字・鋸歯形を含め)と柄色が使用されているときは、それを色・柄種類の順で。
袖部分を表現する際には、たとえば「赤袖」(袖に柄のない無地の場合)や「赤袖青一本輪」(袖地色が胴地色と異なり袖柄がある場合)、「袖青一本輪」(袖地色が胴地色と同じで袖柄ある場合)のように、「袖」で明示する[注釈 3]
例)[注釈 4]
「黄・黒山形二本輪・白袖赤一本輪」
(前掲の画像で横山典弘・藤田菜七子両騎手が着用しているライオンレースホースの勝負服)
「緑・白二本輪・白袖赤一本輪」
地方競馬の画像で戸崎圭太騎手が着用しているキャロットファームの勝負服)
「黒・青袖・黄鋸歯形」
ディープインパクトなどの馬主・金子真人ホールディングスの勝負服)
「海老茶・白玉霰」
(ローレルレーシングの勝負服。胴と袖の地色が同じで胴・袖の両方に同色の玉霰柄がある)
「青・白玉霰・青袖」
(「タイセイ」の冠名で知られる田中成奉の勝負服。胴と袖の地色が同じで玉霰柄が胴にはあるが袖にはない。玉霰は「胴または袖に使用できる柄」なので、袖が無地のときは胴地色と同色でも袖の地色を明示する)
「紫・桃襷」
(「カシノ」の冠名で知られる柏木務の勝負服。襷は「胴のみに使用できる柄」なので、胴と袖の地色が同じなら袖地色の明示は不要)

勝負服の変更[編集]

服色変更の申請があれば何度でも変更が可能である。過去には変更した翌週に元に戻した事例(前田幸治やノースヒルズ)もある。

勝負服の抹消[編集]

馬主登録が抹消されると勝負服の登録についても抹消される。抹消された勝負服は抹消日から60日間は使用できないが、抹消馬主の相続人であれば同じ勝負服を使用することができる。

特殊な勝負服[編集]

貸し服で騎乗する安藤勝己
勝負服が未登録のまま馬が出走した場合
JRAより勝負服が貸し出される(1競走1頭につき使用料500円を徴収)。貸し出される勝負服は、胴・袖の地色が白で、枠番の色(1枠は水色)の斜縞が入る。同枠の2頭がともに未登録の場合は馬番の大きい方は胴・袖の地色が白ではなく、1・2枠では薄紫、3 - 8枠では黒となる。
勝負服を用意できなかった場合
JRAより勝負服が貸し出される(1競走1頭につき使用料500円を徴収)。貸し出される勝負服は、胴・袖の地色が白で、枠番の色(1枠は水色)の斜縞が入る。同枠の2頭がともに未登録の場合は馬番の大きい方の胴・袖の地色が白ではなく薄紫となる。
この場合、調教師の不注意とみなされ、制裁として過怠金(1万円)が課せられる。競馬開催中に発覚した場合は、文字放送において告知を行う。
「交流服」で騎乗する戸部尚実
中央競馬馬主登録を受けていない馬主の競走馬が出走した場合
JRAより勝負服が貸し出される(1競走1頭につき使用料500円を徴収)。貸し出される勝負服は「交流服」と呼ばれる専用の貸服で、胴の色が白で枠番の色(1枠は水色)の四ツ割が入り、袖の色が白で枠番の色(1枠は水色)の一本輪が入る。同枠の2頭がともに未登録の場合は馬番の大きい方は白ではなく薄紫となる。
枠番の色が導入される以前の貸し出し用勝負服は、黒胴・白袖に桃色1本輪の服色で、胴の右胸と背中に白文字で馬番が縫い付けられたものを使用していた。
国際競走(ジャパンカップなど)に日本国外調教馬が出走した場合
日本では登録が認められていない装飾の勝負服を着用して出走することができるが、帽子はJRAおよびNARで指定されている枠の色の物を着用する。

帽子[編集]

1957年までは騎手の帽子は勝負服の色に合わせた色を使用していた。概ね、勝負服に使われている色と同じ色の単色帽であるが、勝負服のデザインによっては単色ではなく勝負服のデザインに合わせた帽を使用する例もある。1957年からは勝負服の色とは無関係に枠番ごとに定められた色の帽子をかぶることになっている[3]

染め分け帽[編集]
染め分け帽

同じ枠に同馬主の馬が入った場合は、2頭の帽子の色も勝負服も同じになる。それでは見分けがつきにくいため、馬番の大きい馬に騎乗する騎手が「染め分け帽」と呼ばれる2色4つ分けの帽子を着用する[注釈 5]。また17頭か18頭立てのレースでは7枠および8枠に3頭入る枠が生じるが、3頭全て同じ馬主の馬である場合は、その枠の2頭目の騎手が4つ分けの染め分け帽を、3頭目の騎手が8つ分けの染め分け帽を着用する。ただ8つ分け染め分け帽は滅多に見られず、2013年8月10日の第2回新潟競馬5日目第11競走で8枠制になってから初めて使用されている[4][5]

非常に多数の競走馬を所有する馬主[注釈 6]に染め分け帽は多く見られる。

勝負服の製作[編集]

制作メーカーは福島県福島市にある合資会社河野テーラー[6]などがある。

レプリカ勝負服[編集]

中央競馬ピーアール・センター(1993年以降のG1レース)やホース・ライフ社の通販サイトで勝負服のレプリカを販売している。また、勝負服柄をモチーフとしたTシャツやブルゾンなどのグッズもある。

地方競馬[編集]

JRA騎手が地方場で地方所属馬に騎乗する際は「貸し勝負服」で騎乗する。写真は兵庫(園田)で「専用貸し服」として定着している、ピンク色の貸し勝負服を着用する武豊
地方騎手がJRA所属馬に騎乗する際は地方・中央を問わず馬主服(JRAに登録のない馬主の競走馬での中央参戦時は「交流服」)で騎乗する。写真は大井所属時の2011年、安田記念リアルインパクトで制した戸崎圭太(キャロットファームの勝負服)
木村健(現:調教師)が着用する橙色の勝負服は、JRAでは使用できない服色である

地方競馬NAR)ではホッカイドウ競馬の一部のケースを除き、騎手ごとに勝負服が定められている。これは騎手服と呼ばれるシステムで、所属競馬場やあるいは同じ地区の競馬場の他の騎手と同じものにならないように、騎手が色や柄を登録することになる。

デザインが騎手ごとのものであるため、基本的には騎手本人が色柄を選択する。他地区の有力騎手や中央競馬や海外の有力馬にあやかってその勝負服と同じデザインを登録している騎手や、一門で共通の柄を用いていたり、師匠である調教師が騎手時代に用いていた勝負服のデザインを弟子である騎手が受け継ぐなどということも見られる。

その他、中央競馬と地方競馬の勝負服で異なる点として、中央競馬では使えない色や柄が地方競馬では使えることもある。例えば、橙色は中央競馬で勝負服の色には使用できない(一部を除く)が、地方競馬では使用できる。また、愛知県競馬所属の木之前葵は「胴青・赤一本輪白ハート散らし、袖赤・白一本輪」と胴部分に中央競馬では使用できない「一本輪の中にハートマーク」を入れた独特の勝負服を使用している。

中央競馬の騎手が地方競馬場に指定交流戦のために遠征し、その遠征馬の他に一般戦などで地元所属の馬に騎乗する場合については、基本的には枠順に合わせた色の勝負服がJRA所属騎手用とし用意される。ただし、兵庫県競馬(園田姫路)では、元兵庫所属のJRA騎手である岩田康誠が地元所属馬に騎乗する場合、馬券を購入する地元の競馬ファンの混乱防止の観点から、地方競馬時代に使用していた服色の勝負服を着用している[注釈 7]。また、他の元地方所属だったJRA騎手を中心に、兵庫での騎乗時の貸し服がほぼ固定されている騎手もいる(小牧太の緑、内田博幸岩田望来の青、武豊のピンク。小牧・内田は地方所属時代の勝負服、岩田望は父の康誠の勝負服をいずれもイメージした配色が選ばれている。小牧が地方時代の服色を使用できなかったことは、移籍後に実弟の小牧毅が自身の勝負服を同一の服色に変更したことが要因としてあげられる)。

同様に南関東地方競馬でも、2008年3月より騎手の取り扱いについて変更を行い、中央競馬に移籍した元南関東地区所属の騎手について、中央所属馬および馬主服を使用する(後述)南関東所属馬に騎乗する時以外は地方競馬当時の服色での騎乗が可能となった。これは大井競馬場のトップジョッキーであった内田が中央競馬に移籍したことに伴って行われた変更である。

JRA所属騎手がオリジナルの勝負服で騎乗することができる数少ないレースのひとつがヤングジョッキーズシリーズである。このシリーズでは、地方競馬場で行われるラウンドにてJRA騎手が出走する際、各自がデザインした勝負服で騎乗する。また川崎競馬場では、2011年から「一定の基準」を満たしたJRA所属騎手については、各自がデザインした勝負服の着用を認めることとした[7]

逆に指定交流戦などで中央競馬の所属馬に地方競馬所属の騎手が騎乗する場合は、JRA騎手同様、馬主が中央競馬で使用している勝負服を着用する。

地方競馬に短期免許で外国人騎手や外国に活動の本拠地を持つ日本人騎手が騎乗する場合についても、基本的には専用の服飾が用意される。また、かつて大井競馬場がアメリカサンタアニタ競馬場との交流の一環として騎手招待レースを実施していたころには、星条旗などをモチーフとした本来ならば日本の規定にない特殊なデザインの勝負服を用意し、その服をその当日の招待騎手専用のものとして使用していた。

なお、日本競馬の通算最多勝記録の保持者である佐々木竹見元騎手の使用していた「赤・黄山形一文字」の服色は、佐々木の功績を記念して永久保存に指定されており、新たに服色として使用することができない(ただし、現在使用している騎手はそのまま使用できる)。また南関東公営競馬では2019年に引退した石崎隆之が使用していた「胴桃・右緑襷・袖緑」も永久保存とされている。

愛知県競馬(名古屋公営中京)や兵庫県競馬(園田、姫路)では、かつては騎手勝負服ではなく、競輪オートレースなどのような枠順ごとの勝負服が用いられていた。

地方競馬の馬主服[編集]

ホッカイドウ競馬では、他場に先駆けて2006年度から以下の競走に限り、馬主からの申請による服色(馬主服)の着用を認めている[8]

  • 2歳戦(認定競走以外の未勝利戦を除く)
  • 3歳以上のオープン競走
  • 交流重賞競走及び重賞競走

馬主服の申請は任意であり、指定されていない出走馬に関わる服色は従来通りの騎手服を着用。また、この馬主服はホッカイドウ競馬独自のもので、JRAに馬主登録している馬主でもJRA登録のものとは異なる服色を使用することがある。一例では「コパノ」の冠名で知られる小林祥晃(Dr.コパ)の服色は、JRA登録では「黄、赤一本輪、黄袖」だが、ホッカイドウ競馬では「黄、赤ディスク、黄袖」(ホッカイドウ競馬の「北海道競馬騎手服等取扱要領」準拠の表記では「黄、赤玉霰(黄袖)」)を使用している。

2017年10月から南関東公営競馬のダートグレード競走、南関東重賞競走、2歳新馬競走にて南関東4場に競走馬を預託し、かつJRAの馬主登録を受けている馬主に対してJRAに登録された服色の使用が認められることになった。また、2018年5月からは兵庫県競馬(園田、姫路)のダートグレード競走、地方交流重賞競走、兵庫県重賞競走、JRA指定交流競走、2歳新馬競走及びJRA認定競走でも、JRAの馬主登録を受けている馬主所有の地方競馬所属馬(園田・西脇への預託の有無は問わないため、兵庫に所有馬のない他場の競走馬でも着用が認められる)に対してJRAに登録された服色の使用が認められることになった[9]。2022年現在で先述のホッカイドウ、南関東、兵庫県のほか各地区でも重賞競走や新馬戦、JRA認定競走など一部の競走において、馬主服の使用が認められている。

交流競走[編集]

自身の勝負服を着用する大山真吾
八木良司の勝負服を着用する大山真吾

地方競馬に所属する騎手が中央競馬で騎乗する場合、地方競馬で自分が着用している勝負服を中央競馬のレースで着用することはできない。その場合、地方馬の馬主が中央競馬の馬主登録をしていれば登録した勝負服を着用し、登録がなければ規定によって定められたデザインの勝負服が貸し出される。逆に中央競馬に所属する馬が地方競馬のレースに出走する際には、中央競馬で登録している馬主の勝負服が用いられるのが一般的で、中央競馬所属馬に地方競馬の騎手が騎乗する場合は、通常と異なる勝負服で騎乗する姿が見られる。

明治時代の勝負服[編集]

馬主服勝負服)の例[10]

明治時代には全国で統一されたルールは無く競馬場ごとにさまざまであるが、横浜競馬場上野不忍池競馬などでは現代と変わらない勝負服が用いられている。この当時は勝負服とは言わず馬主服と呼ばれている[10]

日本以外の国の競馬における勝負服[編集]

日本の中央競馬と同じく、馬主ごとに勝負服[注釈 8]が定められている。デザインについては日本より自由度が高く、日本で認められていない色や柄、装飾などが用いることができる。また、文字の挿入を認めている国もある。

ベージュ・ダークブルー・ダークグリーン・エメラルドグリーン・ライトグリーン・ガーネット・オレンジ・白・黒・赤・青・黄・緑・桃・水色・紫・薄紫・鼠・海老・茶 ほか
無地(plain)・エポレッツ(epaulets 肩章)・ストライプあるいはパネル(stripe/panel 縦一本)・ブレイシズ(braces 縦二本)・ストライプス(stripes 縦縞)・ホローボックス(hollow box 方形枠線・矩形枠線)・フープ(hoop 一本輪)・フープス(hoops 複数輪)・シェブロン(chevron V字一本)・シェブロンズ(chevrons 逆V字三本)・シェブロンフープ(chevron hoop 山形一本輪)・シェブロンフープス(chevron hoops 山形複数輪)・シームス(seams 縫目)・サッシュ(sash 襷)・クロスベルツあるいはクロスサッシズ(cross belts/cross sashes 十字襷)・クロスオブロレーヌ(Cross of Lorraine ロレーヌ十字)・チェック(check 元禄)・ディアボロ(diabolo 輪鼓)・ディスク(disc 円盤)・サークル(circle 円形枠線)・クォータード(quartered 四ツ割)・ハーヴズあるいはハーヴド(halves/halved 二ツ割(胴左半分・袖下部))・スター(star 一つ星)・スターズ(stars 星散)・ダイヤモンド(diamond ダイヤモンド一つ)・ダイヤモンズ(diamonds ダイヤモンド散)・トリプルダイヤモンド(triple diamond 菱山形)・スポッツ(spots 玉霰)・ラージスポッツ(large spots 水玉襷)・トライアングル(inverted triangle 逆三角形)ほか

上記の柄の他に馬主独自の意匠が認められる場合もある(主にアメリカ競馬)。

  • アラン・ポールソン(シアトリカルなど) - 赤と青で図案化された「AP」が前面及び背面に大きく描かれている。
  • チャールズ・ハワード(シービスケット) - 逆三角形の白枠内に、白の「H」が描かれている。
  • ストロナース・ステーブル(ゴーストザッパーなど) - 橙色のディスクの中に、白い「A」と赤い「矢」が描かれている。

日本では基本的に枠の色が使われる帽子も、日本以外では勝負服の一部としてさまざまな色や柄が用いられる。たとえば有限会社社台レースホース(勝負服の登録は「黄・黒縦縞・袖青一本輪」)は日本以外で出走する際には「黄、黒縦縞」の帽子を使用する。

赤・白ディスク・赤ML・袖白二本輪
白・緑星・袖緑ディアブロ
黒・赤マルタ十字・赤袖
日本で着用された海外競馬の勝負服(柄の名称はレーシングプログラムより抜粋)

著名な勝負服の例[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ この規程では「柄」ではなく「標示」とされている。
  2. ^ 無地の選択を含めて。
  3. ^ これは主に中央競馬で使われている流儀で、地方競馬での表現では胴部分に関しても「胴」で明示することがある。
  4. ^ ここでの服色と馬主との対応は2019年10月時点のものである。
  5. ^ 例:2枠であれば交互4つに分かれた帽子を着用。1枠であれば白と水色に色が分かれた帽子を着用。
  6. ^ 近年は有限会社サンデーレーシング・有限会社社台レースホース(ともに社台グループ)、株式会社サラブレッドクラブ・ラフィアンなど。
  7. ^ ただし、JRAに移籍した直後に行なわれた第43回六甲盃では青色ベースの貸し服を着用しており(マイネルサイプレス:2着)、その後に現在のようになった。
  8. ^ 英語ではsilksあるいはcolours/colors。

出典[編集]

  1. ^ 服色(競馬用語辞典)
  2. ^ JRA-VANが提供する服色データに基づく。
  3. ^ 府中と東京競馬場1995、カラー扉ⅱ頁。
  4. ^ 【24】複雑な枠順”. スポーツニッポン新聞社 (2008年3月28日). 2013年10月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年8月10日閲覧。
  5. ^ 1991年以前は1枠から6枠までも8つ分けの染め分け帽が用意されていたが、1991年秋以降は馬番号普通二連勝複式勝馬投票法(馬番連勝複式)の導入により、これまでコース幅やスタート位置などでの制約はあったものの、施行規定上は制限のなかった最大出走頭数に上限が設けられ、最大で18頭となったこと、及び単枠指定制度がなくなった関係で事実上廃止された。
  6. ^ 佐藤夏樹 (2011年8月6日). “シェア全国トップ級 勝負服の老舗が苦境 福島競馬中止で”. 河北新報. 2011年8月10日閲覧。[リンク切れ]
  7. ^ JRA福永祐一騎手が川崎競馬オリジナル勝負服で佐々木竹見カップに出場!”. 川崎競馬ニュース. 神奈川県川崎競馬組合 (2011年1月18日). 2011年1月22日閲覧。
  8. ^ 馬主服について - ホッカイドウ競馬、2014年11月13日閲覧
  9. ^ 園田・姫路競馬における馬主服の導入について 園田・姫路競馬ホームページ 2018年4月12日閲覧
  10. ^ a b 日本中央競馬会1967、50 - 54頁。

参考文献[編集]

  • JRA競馬博物館『府中と東京競馬場』、財団法人馬事文化財団、1995年。 
  • 日本中央競馬会『日本の競馬史』第2巻、日本中央競馬会、1967年。 

外部リンク[編集]