ラジオわろうてい

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ラジオわろうてい
ジャンル お笑い番組
放送方式 生放送(ゲストコーナーは録音)
放送期間 2013年10月6日 - 2017年3月26日
放送時間 毎週日曜 5:00 - 5:25(25分)
放送局 朝日放送ラジオ[1]
パーソナリティ 三代澤康司
北村真平
大野聡美
(いずれも朝日放送テレビアナウンサー
プロデューサー 戸谷公一
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ラジオわろうていは、朝日放送ラジオ[1]2013年10月6日から2017年3月26日まで毎週日曜日の5:00 - 5:25に放送された寄席ライブラリー番組である。

概要[編集]

ABCラジオ[1]では、2005年から7年半にわたって、桂米朝冠番組米朝よもやま噺』を放送。「文学・演芸関連の音声アーカイブ」として高い評価を博してきたが、米朝の年齢が80代の後半に達したことから、体調面の問題を踏まえて2013年9月29日の放送分で終了した。

当番組では、自身も落語を演じるなど演芸に造詣の深い三代澤康司北村真平(いずれも朝日放送テレビアナウンサー)を案内役に、上方落語漫才浪曲講談から往年の名人芸をアーカイブ音源で紹介する。三代澤・北村とも過去にABCラジオで演芸番組の案内役を務めた経験を持つが、当番組ではベテランの三代澤が「席亭」として、上方演芸にまつわる基礎知識やエピソードを「下足番(席亭見習い)」役の北村に教えるスタイルを取っている。

原則として、2週間周期で落語・漫才を交互に放送し、その合間に浪曲・講談・色物芸の特集を組むことがある。番組構成としては、冒頭の解説が約5-6分→その週の演題となる作品の再生が約15分→終わりの解説が約4-5分である。漫才の場合は大抵15分程度なので1回完結であるが、落語の場合は1回の高座が30分程度であるため、1作品を前後編の2回に分けることが基本である。ただし、例外として、2015年3月に死去した桂米朝の初盆となった2015年7月26日-8月16日にかけて放送された「東の旅」は口演が1時間以上の長編大作であったため、例外として4回シリーズとした。

なお、全編が事前収録だった『米朝よもやま噺』とは異なり、当番組では三代澤・北村によるトークパートのみ生放送であった。

番組タイトルの「わろうてい」は、かつて桂米朝が司会を務めたABCテレビの寄席番組シリーズ『和朗亭』と同様に、大阪弁で「笑って下さい」を意味する「笑ろてんか」から取られている。番組メールアドレスも「warau@abc1008.com」になっている。ただし、番組自体には『和朗亭』シリーズと直接の関連がない。

なお、この番組の企画には、「米朝よもやま噺」も企画・プロデュース、並びに進行役を担当していた市川寿憲(初回生放送直前の2013年10月3日没)が携わっていた。

2016年4月3日放送分からは、三代澤の後輩アナウンサー・大野聡美が、「お茶子」としてレギュラー出演。また、番組を2部構成とし、前半はスタジオにゲスト(基本的に前後編2週連続[2]で、このパートは事前収録)を迎えてのトークパートを復活させており、上方芸能の幅広い分野からゲストを招き、そのゲストの芸にまつわる様々なエピソードや、実演、ゲストの素顔に迫るトークを展開している。後半は週替わりで、大野の持ちコーナー「お茶子見習い日記」[3]と、三代澤の持ちコーナー「上方芸能ひとくち辞典」[4]を交互に放送した。

2017年3月26日の放送をもって終了、新たに『ラジオ演芸もん』をスタートさせる。

出演者[編集]

  • 三代澤康司(席亭)
  • 北村真平(下足番)
※2014年6月29日から7月20日までの放送では、三代澤が病気の療養で休演したため、北村が単独で「代理席亭」を担当。2016年3月27日放送分を最後に、「年季明け」という名目で当番組を離れた。
  • 大野聡美(お茶子)
※2016年4月3日から出演。

放送時間[編集]

  • 毎週日曜 5:00 - 5:25(25分)

放送記録[編集]

第1期[編集]

  • 2013年
  • 2014年
  • 2015年
    • 1月4日 - 東洋朝日丸・日出丸「やぐら太鼓」(1978年11月21日、東西お笑い劇場)[5]
    • 1月11日 - 桂朝丸(現2代目ざこば)「宿屋仇」(1975年3月25日、第56回上方落語をきく会)※前半部分
    • 1月18日 - 桂朝丸(現2代目ざこば)「宿屋仇」(1975年3月25日、第56回上方落語をきく会)※後半部分
    • 1月25日 - 3代目笑福亭仁鶴「初天神」(1971年1月31日、第42回上方落語をきく会)
    • 2月1日 - 横山ホットブラザーズ(1984年8月30日、中座)
    • 2月8日 - 桂音也「新代書」(1974年10月31日、道頓堀角座)
    • 2月15日 - 3代目桂文我「死ぬなら今」(1972年10月14日、パルコスタジオ)
    • 2月22日 - 桜山梅夫・桜津多子「音曲萬歳」(1976年10月15日、トップホットシアター)
    • 3月1日 - 若井ぼん・はやと「私の趣味」(1976年5月10日、道頓堀角座)
    • 3月8日 - 6代目笑福亭松鶴「鴻池の犬」(1971年3月31日、道頓堀角座)※前半部分
    • 3月15日 - 6代目笑福亭松鶴「鴻池の犬」(1971年3月31日、道頓堀角座)※後半部分
    • 3月22日 - 3代目桂米朝「京の茶漬」(1967年9月25日、道頓堀角座)
    • 3月29日 - 初代京山幸枝若「雷電と八角」
    • 4月5日 - 2代目春野百合子「高田の馬場」
    • 4月12日 - 中田ダイマル・ラケット「新憲法」(1969年5月13日、神戸国際会館)
    • 4月19日 - 2代目桂枝雀「天神山」(1974年5月31日、道頓堀角座)※前半部分
    • 4月26日 - 2代目桂枝雀「天神山」(1974年5月31日、道頓堀角座)※後半部分
    • 5月3日 - 3代目桂春團治「野崎詣り」(1985年4月23日、国立文楽劇場)
    • 5月10日 - 人生幸朗・生恵幸子「ゲームと歌とぼやき人生」(1980年2月12日、あべのアポロホール)
    • 5月17日 - 2代目広沢菊春「落語浪曲・崇徳院」※前半部分
    • 5月24日 - 広沢瓢右衛門「雪月花三人娘・布引の段」
    • 5月31日 - 5代目古今亭志ん生「ふたなり」(1959年11月2日、第14回上方落語をきく会)※前半部分
    • 6月7日 - 5代目古今亭志ん生「ふたなり」(1959年11月2日、第14回上方落語をきく会)※後半部分
    • 6月14日 - 今いくよ・くるよ「春なのに」(1983年2月10日、あべのアポロホール)
    • 6月21日 - 宮川左近ショー「馬場の忠太郎」(1974年5月30日、神戸国際会館)
    • 6月28日 - 桂吉朝「くっしゃみ講釈」(1999年6月3日、ワッハホール)※前半部分
    • 7月5日 - 桂吉朝「くっしゃみ講釈」(1999年6月3日、ワッハホール)※後半部分
    • 7月12日 - 荒川キヨシ・小唄志津子「音曲萬歳 大津絵・数え唄~阪神電車は恋の道」(1982年11月9日、道頓堀角座)
    • 7月19日 - かしまし娘「無法松の一生」(1979年11月7日、道頓堀角座)
    • 7月26日 - 3代目桂米朝「東の旅」(1973年6月12日、第50回上方落語をきく会)※その1
    • 8月2日 - 3代目桂米朝「東の旅」(1973年6月12日、第50回上方落語をきく会)※その2
    • 8月9日 - 3代目桂米朝「東の旅」(1973年6月12日、第50回上方落語をきく会)※その3
    • 8月16日 - 3代目桂米朝「東の旅」(1973年6月12日、第50回上方落語をきく会)※その4
    • 8月23日 - 花紀京・岡八郎「秋たけなわ」(1980年10月6日、あべのアポロホール)
    • 8月30日 - 桜川末子・松鶴家千代八「音曲萬歳・数え唄~昭和の御世」(1973年9月27日、道頓堀角座)
    • 9月6日 - 2代目旭堂南陵「津田直助」(1962年5月26日、第22回上方落語をきく会)※前半部分
    • 9月13日 - 2代目旭堂南陵「津田直助」(1962年5月26日、第22回上方落語をきく会)※後半部分
    • 9月20日 - 秋田Aスケ・Bスケ「僕の希望」(1961年12月20日録音)
    • 9月27日 - ミュージカルぼーいず「コーラスでいこう」(1972年6月9日、道頓堀角座)
    • 10月4日 - 2代目桂春蝶「三枚起請」(1969年4月6日、第41回上方落語をきく会「しごきの会」)※前半部分
    • 10月11日 - 2代目桂春蝶「三枚起請」(1969年4月6日、第41回上方落語をきく会「しごきの会」)※後半部分
    • 10月18日 - 6代目笑福亭松喬「網舟」(2013年1月26日、第111回ABC上方落語をきく会)※前半部分
    • 10月25日 - 6代目笑福亭松喬「網舟」(2013年1月26日、第111回ABC上方落語をきく会)※後半部分
    • 11月1日 - 人生幸朗・生恵幸子「人生ぼやき講座 '72」(1972年4月5日、なんば花月)
    • 11月8日 - 人生幸朗・生恵幸子「人生ぼやき講座 '81」(1981年10月27日、西宮市民会館)
    • 11月15日 - 4代目桂文團治「帯久」(1956年5月1日、第3回ABC上方落語をきく会 高麗橋三越劇場)※前半部分
    • 11月22日 - 4代目桂文團治「帯久」(1956年5月1日、第3回ABC上方落語をきく会 高麗橋三越劇場)※後半部分
    • 11月29日 - 3代目桂米朝「開帳雪隠」(1974年3月4日、パルコ10円寄席)
    • 12月6日 - 3代目桂春團治「お玉牛」(1985年1月24日、第77回上方落語をきく会)
    • 12月13日 - 宮川左近ショー「お笑い忠臣蔵」(1983年11月8日、道頓堀角座)
    • 12月20日 - 夢路いとし・喜味こいし「もしもし鈴木さん」(1973年11月19日、神戸国際会館)
    • 12月27日 - 4代目林家小染「ふぐ鍋」(1975年12月1日、第58回上方落語をきく会)
  • 2016年
    • 1月3日 - かしまし娘「ベルサイユの薔薇」(1976年1月7日、道頓堀角座)
    • 1月10日 - 5代目桂文枝「立ち切れ」(2000年12月26日、大阪千日前ワッハ上方演芸ホール)※前半部分[6]
    • 1月17日 - 5代目桂文枝「立ち切れ」(2000年12月26日、大阪千日前ワッハ上方演芸ホール)※後半部分[6]
    • 1月24日 - 3代目桂春團治「親子茶屋」(1989年)※前半部分
    • 1月31日 - 3代目桂春團治「親子茶屋」(1989年)※後半部分
    • 2月7日 - 2代目桂春團治「祝い熨斗」(1951年12月18日「春團治十三夜」第六夜。朝日会館ホール)※前半部分[8]
    • 2月14日 - 2代目桂春團治「祝い熨斗」(1951年12月18日「春團治十三夜」第六夜。朝日会館ホール)※後半部分[8]
    • 2月21日 - トリオ・ザ・ミミック「ものまね百恵の結婚式」(1980年1月8日、あべのアポロホール)
    • 2月28日 - 内海カッパ今宮エビス「ニセモノ時代」(1979年12月21日、あべのアポロホール)
    • 3月6日 - 3代目笑福亭仁鶴「道具屋」(1973年)
    • 3月13日 - 3代目笑福亭仁鶴「黄金の大黒」(1973年)
    • 3月20日 - 5代目桂文枝「天王寺詣り」(1997年9月5日、第96回上方落語をきく会)※前半部分
    • 3月27日 - 5代目桂文枝「天王寺詣り」(1997年9月5日、第96回上方落語をきく会)※後半部分

第2期のゲスト[編集]

コーナー[編集]

(番組後半・隔週)

  • 大野聡美のお茶子見習い日記
    • 2016年4月3日よりスタート
  • 上方芸能ひとくち事典
    • 2016年4月10日よりスタート。

スタッフ[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c 放送当時は、2018年の認定放送持株会社移行前の旧法人である朝日放送株式会社
  2. ^ ただし、乾浩明のように話が盛り上がって、前後編では間に合わず、4週連続の長編となった場合もある
  3. ^ 大野が上方演芸の定席を訪ねて感じたことを述べる
  4. ^ 上方演芸にまつわるキーワードを取り上げ、それに関する豆知識を三代澤が解説する
  5. ^ a b c d e f g CDブック『栄光の上方漫才』収録
  6. ^ a b c d e f CDブック『栄光の上方落語』収録
  7. ^ a b c d e f g h YEAH♪♪~ YOSHIMOTO COVER & BEST~収録
  8. ^ a b ビクター落語 上方篇 二代目 桂春團治ライブ十番

出典[編集]

ABCラジオ 日曜日5時台(2013年10月 - 2017年3月)
前番組 番組名 次番組
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