小佐田定雄

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小佐田 定雄(おさだ さだお、1952年2月26日 - )は、日本の演芸研究家、演芸作家、落語作家、狂言作家。関西演芸作家協会会員。本名、中平定雄[1]大阪府大阪市生まれ[2]1974年関西学院大学法学部卒業。妻は、弟子のくまざわあかね(2004年~)[3]。ドイツ人の孫あり。

来歴[編集]

中学生の頃に、桂米朝SF作家小松左京が出演する番組「題名のない番組」(ラジオ大阪)を聴いて落語に興味を持つ。関西学院大学法学部では古典芸能研究部に没頭。

卒業後、火災保険会社のサラリーマンをしながら落語会通いをする。1977年桂枝雀に宛てて新作落語幽霊の辻」を郵送したことで認められ、落語作家デビュー[2]。しばらくはサラリーマンと作家を兼業していたが、1987年から専業の落語作家となった[4]。以後上方の新作や滅びた古典落語などの復活、改作や江戸落語の上方化などを手掛ける[2]。現在は狂言などの研究や大学での講師としても活躍している。

1988年上方お笑い大賞秋田実賞。1990年、第7回咲くやこの花賞(文芸その他部門)受賞[2]1995年に第1回大阪舞台芸術賞奨励賞受賞[2]2021年第42回松尾芸能賞優秀賞。

2006年大銀座落語祭2006にて「小佐田定雄の世界 新作落語」のつくり方というイベントを開催。自身作の落語の公開と、桂小春團治との対談を行った。

2016年8月、東京・歌舞伎座で上演された新作歌舞伎廓噺山名屋浦里』の脚本を手掛けている。この物語の原案は笑福亭鶴瓶新作落語『山名屋浦里』で、その噺のもとは、ブラタモリタモリ吉原を訪れた際に聞いた話を「落語にできないか」と鶴瓶にもちかけたものである。原作はくまざわあかね[5]

主な作品[編集]

主な落語以外の舞台脚本[編集]

歌舞伎[編集]

文楽[編集]

番組[編集]

構成
出演
※司会。落語家、およびその作品の舞台や作品背景の解説

コラム・他[編集]

著書[編集]

単著[編集]

  • 「茶漬えんま 桂枝雀新作落語集」(コア企画出版 1989
  • 「上方落語米朝一門おさだまり噺」(弘文出版 1991)
  • 「噺の肴 らくご副食本」(弘文出版 1996)
  • 「よむらくご 新こてん落語集」(弘文出版 1997)
  • 「落語大阪弁講座」(平凡社 2002)
  • 「桂米朝噺の世界」向陽書房 2002)
  • 「5分で落語のよみきかせ 大人も読んで楽しい!子供も聞いて楽しい!」(PHP研究所 2005
  • 「5分で落語のよみきかせ ふしぎなお話の巻」(PHP研究所 2005)
  • 「5分で落語のよみきかせ とんだ珍騒動の巻」(PHP研究所 2006 
  • 『読み聞かせ子どもにウケる「落語小ばなし」』PHP研究所 2009
  • 『大笑い!東海道は日本晴れ!! 巻の3』くもん出版 2009
  • 『上方落語のネタ帳 1分でわかる噺のあらすじ笑事典』PHP研究所 2011
  • 『枝雀らくごの舞台裏』2013 ちくま新書
  • 『米朝らくごの舞台裏』2015 ちくま新書
  • 『上方らくごの舞台裏』2018 ちくま新書
  • 『新作らくごの舞台裏』2020 ちくま新書

共書[編集]

弟子[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.536
  2. ^ a b c d e 小佐田 定雄”. www.chikumashobo.co.jp. 筑摩書房. 2022年10月31日閲覧。
  3. ^ 小佐田定雄 著、大友浩 編『東京かわら版 平成16年4月号 上方おさだまり通信 ぼる百五十七 北京だより』東京かわら版、2004年3月28日、30頁。 
  4. ^ 落語作家の小佐田定雄 創作秘話を1冊に:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2022年10月31日閲覧。
  5. ^ 鶴瓶、新作落語が歌舞伎化「めちゃくちゃうれしい」 発案者のタモリに感謝”. oricon news (2016年7月8日). 2019年9月25日閲覧。
  6. ^ 北村 京子 (きたむら きょうこ)”. MEMBER PROFILE. オフィス自由本舗. 2023年10月7日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]