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桂福團治

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

桂 福團治(かつら ふくだんじ)は上方落語名跡。当代は四代目。笑福亭福團治とは無関係である別の名跡。


四代目 かつら 福團治ふくだんじ
四代目 桂(かつら) 福團治(ふくだんじ)
大阪成田山豆まきにて
(2013年2月3日)
本名 黒川くろかわ とおる
生年月日 (1940-10-26) 1940年10月26日(84歳)
出生地 日本の旗 日本三重県四日市市
師匠 三代目桂春團治
弟子 桂福楽
桂丸福
桂福六
桂七福
桂福矢
桂福丸
桂福点
桂福龍
桂福留
名跡 1. 桂一春
(1960年 - 1966年)
2. 四代目桂小春
(1966年 - 1973年)
3. 四代目桂福團治
(1973年 - )
出囃子 梅は咲いたか
活動期間 1960年 -
活動内容 上方落語
配偶者 翠みち代
家族 桂福若(長男)
所属 松竹芸能
公式サイト 桂福團治
備考
関西演芸協会第10代会長
上方落語協会理事(? - 2018年)
上方落語協会相談役(2018年 - )
日本手話落語会会長

四代目 桂 福團治(かつら ふくだんじ、1940年10月26日 - )は、三重県四日市市出身の落語家。本名:黒川 亮。所属事務所松竹芸能関西演芸協会第10代会長、上方落語協会相談役、日本手話落語会会長。

妻は声帯模写吉本興業所属の翠みち代で、みち代の姪は女優泉ピン子である。

持ちネタは幅広いが、特に『蜆売り』『藪入り』『ねずみ穴』などの人情物(人情噺)を得意にしている。かつては「ペケペン落語」を売り出すなど新作落語路線であった。

来歴

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1960年3代目桂春団治に入門。一春(かずはる)と名乗る。1964年三越劇場で初高座を踏む。

1966年、5代目桂小春と改名。その後、演芸ブームの中、「ペケペン落語」(人形浄瑠璃三味線の合いの手(を真似た声色)をクッションとした小咄集)で売り出す。月亭可朝(当時吉本興業所属)に対抗したい松竹芸能からの依頼で開始し、大いに好評を得る。

1973年10月に4代目福團治を襲名した。2代目桂枝雀5代目笑福亭枝鶴とのトリプル襲名で、披露興行を道頓堀角座でおこなった。この襲名を機に「ペケペン落語」は封印した。

1975年ATG製作の映画『鬼の詩』(原作・藤本義一)に主演。公開から間もなく声帯ポリープが発覚し、一時期声が出なくなったことが、手話落語を始めるきっかけになった。

1996年、日本で初めて視覚障害者の弟子をとる(桂福点)。福点の「点」は、点字の「点」と10番目の弟子であるという「ten」を意味するという。

2009年に、「法善寺寄席」「あびこ観音寄席」をいずれも関西演芸協会主催で開催した。また同年から「手話落語発表寄席」を毎年開催する。長年の活動により、手話落語専門の弟子が40名ほどいるという。

2011年豊臣秀吉お伽衆である曽呂利新左衛門にちなんだ「曽呂利噺」を継承・復活させる目的で「曽呂利寄席」を開く。

2017年、落語家としての活動に3年間密着したドキュメンタリー映画『人情噺の福団治』(伊藤有紀監督)が公開された。

2019年の笑福亭松之助他界後は、上方落語協会に所属する落語家の中では最古参となっている[注釈 1]

人物

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花菱は、桂春団治一門の定紋である。

横山やすしと同期である。阪神・淡路大震災の復興イベントでは、掛け合いではあるが晩年のやすしと漫才を演じた。福団治が師匠の春団治から破門された際、「やっさん(横山やすし)が土下座して師匠に謝ってくれた」と福団治は語っている。また、やすしは福団治から『鋳掛屋』を習い、テレビ番組(ABCテレビ『'87創作落語大全集』)で、かくし芸として演じた。


親子の絆づくりを目的とした「親子で聴く人情噺」を、「出前落語会」として各地で口演している。

受賞歴

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主な出演番組

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映画

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著書

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  • 『手話小噺集』1984年
  • 『上方落語はどこへゆく』海風社、1989年
  • 『寿限無―誰でもできる楽しい手話落語「ジュゲム」』探究社、2004年
  • 『ありがとう、わが師春団治 -福団治覚え書き-』たる出版、2017年

レコード・CD・DVD

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  • 『ペケペン節ねずみの告白』(1970年、桂小春時代)
  • 『上方艶笑落語集(7)』(CD、1996年) ※『疝気の虫』を収録。
  • 『手話で楽しむニッポンの民話 桂福團治ココロの芸』(DVD)
  • 『手は歌う ~Let's sing along with Hands~ 「手話シュワ和、なにわ味めぐり、大空の星のように」』(CD)
  • 『手話落語30周年記念DVD 手は口ほどに物を言い』(DVD、2009年)
  • 『繁昌亭らいぶシリーズ 11 桂福團治』(CD・DVD、2009年

弟子

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離脱

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  • 桂福若 - 福團治長男。2020年に弟子の桂若奴とともに上方落語協会を退会。

脚注

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注釈

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  1. ^ 年齢では、1学年上に笑福亭円笑がいる。また、上方落語協会に正式に入会していない上方落語家としては、桂文吾(6代目、1935年生まれ、1951年入門)がいる。

出典

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参考文献

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  • 笑福亭仁鶴・桂南光・桂文珍・桂ざこば・桂福團治・笑福亭鶴瓶 著、小佐田定雄 編『青春の上方落語』NHK出版〈NHK出版新書〉、2013年12月。 

関連項目

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外部リンク

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