メタルギア

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メタルギア
ジャンル ステルスゲーム
対応機種 MSX2FCMS-DOSコモドール64携帯電話i-revo (Windows) 、Wiiバーチャルコンソール
発売元 コナミ
シリーズ メタルギアシリーズ
人数 1人
メディア [MSX2][FC]ロムカセット
[MS-DOS][コモドール64]フロッピーディスク
[携帯電話][i-revo][Wii]ダウンロード
発売日 MSX2:
日本の旗 1987年7月13日
欧州連合の旗 1987年9月
FC:
日本の旗 1987年12月22日
アメリカ合衆国の旗 1988年6月
欧州連合の旗 1989年3月
MS-DOS・コモドール64:
アメリカ合衆国の旗 1990年6月
欧州連合の旗 1990年6月
携帯電話:
日本の旗 2004年8月18日
Wii VC
日本の旗 2009年12月8日
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
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メタルギアのロゴ

メタルギア』 (METAL GEAR、略称: MG) は、1987年7月13日MSX2用に発売されたステルスゲーム小島秀夫の監督デビュー作である。

概要[編集]

メタルギアシリーズの第1作。製作当時のアクションゲーム全般の傾向としては「装備や能力に物を言わせて、正面突破で敵を殲滅しながらゲームを進める」というものであったが、それらとは異なり、不必要な戦闘を回避し敵から隠れながら進むのがテーマ。ソリッド・スネークFOXHOUND隊員としての初陣となった事件「アウターヘブン蜂起」を描く。

当初の企画では“バンバン敵を撃ちまくって進む”的なゲームを目指すものだったが、そもそもMSX2はゲーム機としての性能があまり高いものではなく、スプライト機能ひとつをとっても画面上に敵弾を多数表示できる性能ではないため、多数の処理を高速でこなさなくてはならないアクションゲームの開発はできなかった。しかしミリタリーアクションを作れと命じられていた監督の小島秀夫が、「戦闘シーンを作ることが困難なら、戦闘シーンを回避すること自体をゲームにすればいい」という逆転の発想をしたことで、「敵からひたすら逃げ回る」構想を経て「敵から隠れつつ進む」という画期的なシステムが誕生することになった。

2005年発売のPlayStation 2用ソフト『サブシスタンス』、2007年の『メタルギアソリッド3 20周年廉価版』の付録として、また2011年にPS3Xbox 360、2012年にPlayStation Vitaで発売された『HD エディション』に、MSX2版を元にした復刻版が収録されている。また、2004年発売のニンテンドーゲームキューブ用ソフト『ザ・ツインスネークス』の限定版(日本発売分のみ)にはファミコン移植版が添付されている。

また、MSX版はi-revo(Windowsパソコン用)やWiiバーチャルコンソールで配信されている。

2008年、「ステルス要素を完全に取り入れた最初のビデオゲーム」として、ギネス世界記録「GAMER'S EDITION 2008」に認定された[1]

ストーリー[編集]

アウターヘブン蜂起
1995年。南アフリカ奥地、ガルツバーグの北200キロ。1980年代後半に、英雄かつ狂人とうたわれた一人の傭兵によって武装要塞国家OUTER HEAVEN(アウターヘブン)が作られた。彼は世界中の優秀な傭兵を集め、戦争を糧とし、兵士や軍備を世界の紛争地域へと「輸出」を開始する。危険すぎる戦闘国家の出現。大国はこの存在を否定できず、暗黙裡に認めてきた。
あるときNATO(北大西洋条約機構)は、世界の軍事史を塗り変えてしまう程の恐るべき殺戮兵器がOUTER HEAVENで開発されているという情報を各諸国の協力を得て入手する。米国軍上層部はこの謎の兵器の情報を収集すべく、ハイテク特殊部隊「FOXHOUND」の出動を要請。コードネーム:グレイ・フォックスをOUTER HEAVENへと潜入させて、その兵器の破壊・妨害活動を命じた。しかし数日後、彼は「メタルギア…」という不可解な無線連絡を残して消息を絶ってしまう。
事態を重く見た米軍はFOXHOUNDに再び出動を命令、総司令官のBIGBOSSは新人隊員のソリッド・スネークを指名し彼にすべてを託した。そしてソリッド・スネークはBIGBOSSの指揮のもと無線機だけを片手にOUTER HEAVENに単独潜入する。
「こちらBIGBOSS……。OPERATION INTRUDE N313。敵要塞、アウターヘブンに潜入。最終兵器メタルギアを破壊せよ。」
耳元で司令官BIGBOSSの声が響くと同時に特殊部隊FOXHOUNDの威信をかけた最も危険な潜入ミッションが開始された。

システム[編集]

軍事要塞ビルに潜入し、アイテムを収集しながらビル内を進み、破壊目標であるメタルギアを目指す。マップ移動は1画面ごとの切り替え式。アイテムや無線通信による仲間からの情報を活用しながらゲームを進める。ライフが無くなるとゲームオーバー。

主人公はアイテムをほとんど何も持たない状態でスタートし、アイテムや銃器などの武器も現地調達である。さらに、敵兵や監視カメラの視界に入ったり、発砲してその音を聞かれたりすると敵に発見され、その画面内にいる敵兵が襲い掛かかる上、場合によっては画面外から敵兵が次々と出現する。そのため、敵兵に見つからずに潜入し、戦闘を避けて進むことが重要な要素となる。

敵兵は銃器で倒す以外にも、死角から敵兵に接近して殴打でも倒すことができ、特に銃器を入手するまでの序盤は、殴打が唯一の敵兵を倒す手段になる。また、殴打で倒すと敵兵がレーションや銃弾などのアイテムを落とすことがある(MSX版のみ)。敵兵の視界範囲は、敵兵が向いている方向の真正面のみであり、移動アルゴリズムも画面ごとに一定。

本作のみのシステムとしてランクシステムが存在する。マップのどこかにいる捕虜と接触することにより階級が徐々に上昇していき、これに伴ってライフや所持銃弾の最大値が上昇していく。逆に捕虜を殺害すると低下する。最大レベルでないとジェニファーとの通信が行えず、ロケットランチャー、コンパスが入手できないほか、メタルギア破壊に必要な数の爆薬を持てない。最大レベルへの到達がクリアの必須条件である。

MSX版の標準のセーブ機能は、カセットテープへのセーブのみである。『コナミの新10倍カートリッジ』を併用すれば、フロッピーディスクへのセーブ(どこでもセーブ機能)が可能になる。ファミコン版はパスワード方式。

主なキャラクター[編集]

ソリッド・スネーク
本作品の主人公。優れた身体能力・頭脳を持つ新人「FOXHOUND」隊員。行方不明となったグレイ・フォックスの探索とメタルギアの正体をつかむことを目的に単身、アウターヘブンに潜入する。
グレイ・フォックス
「FOXHOUND」隊員のうち最も優秀な者のみに与えられる称号「FOX」を持つ男。スネークより先に「アウターヘブン」へ潜入、メタルギアの情報をつかんだ後、敵の捕虜となる。後に潜入してきたスネークにより助けられ、メタルギアの情報を伝える。
ビッグ・ボス
「FOXHOUND」総司令官。無線によりスネークのサポートを行う。「アウターヘブン」を調査するためフォックスを、その後スネークを派遣する。しかし、最後には「アウターヘブン」の統率者が彼自身であった事が判明、スネークを送り込んだのも情報攪乱が目的であった。しかし、新米兵であるソリッド・スネークが活躍する事は予期しておらず、「アウターヘブン」の崩壊を許してしまう。
ペトロヴィッチ博士 (復刻版は、ドラゴ・ペトロヴィッチ・マッドナー)
東側の天才科学者。娘のエレンとアメリカへの亡命途中に「アウターヘブン」に捕まる。以後、娘を人質に取られ兵器開発を強いられる。TX‐11(サイバロイド)、TX‐55(メタルギア)の開発者。現在のロボット工学、パワード・ギア技術の基礎を築き「ロボット工学の父」と謳われる。
エレン・ペトロヴィッチ(復刻版は、エレン・マッドナー)
ペトロヴィッチ博士の娘。元ボリショイバレエ団の花形スター。父親のペトロヴィッチと共に「アウターヘブン」に幽閉される。
シュナイダー
元建築設計技師、レジスタンスのリーダー。「アウターヘブン」の設計スタッフに参加させられていたが妻子を殺された事から地下活動に入る。鋭い洞察力と統率力でレジスタンス活動を展開する。主にアイテムの在り処を教えてくれる。要塞の内部構造に詳しい。終盤でアウターヘブンの統率者の正体を知ったため殺害されたと思われたが、後に意外な形でスネークと対面する。
ジェニファー
レジスタンス。「アウターヘブン」に捕らわれた兄を救うため、自らメディカル・スタッフのひとりとして潜入。物理的にサポートしてくれる。プライドが高いため、階級が最大の状態でなければ通信に出ない。
ダイアン
レジスタンス。元ポジティブ・パンク・バンド「THIN WALL」のボーカリスト。女の魅力を活かした諜報活動を行う。「アウターヘブン」の傭兵たちについて詳しい。主にボスキャラについての情報を教えてくれる。終盤でスネークを想っていた事を匂わせる発言をする。ダイアンが応対できない時はスティーブというキャラクターが出てくるが、情報は何もくれない。
シュート・ガンナー(復刻版は、ショット・メーカー)
スペツナズ。ライアット・ガンの名手。秘密の独房の番人をしている。
マシンガン・キッド
マシンガンの使い手。元SAS(スペシャル・エアー・サービス)の隊員。
アーノルド (復刻版は、ブラッディ・ブラッド)
「アウターヘブン」が開発したTX‐11型、サイバロイド。無敵の体を持つと言われるが、ロケットランチャーで倒す事が可能。
ファイヤー・トルーパー
GSG-9(グレンツ・シェッツ・グルッペ9)の隊員。火炎放射器を小銃のように扱う。
カワード・ダック(復刻版は、ダーティ・ダック)
元過激テロ・グループ「エッグ・プラント」のリーダー。ブーメランを武器とする。ジェニファーの兄と捕虜2人を盾にスネークと戦う。

アイテム[編集]

武器[編集]

ハンドガンベレッタM92F
一般の歩兵であれば1発で倒せる。サイレンサーを入手すれば銃声が鳴らなくなる。
サブ・マシンガンイングラムMAC-11
キーを押し続けることにより連射されるが、弾道がばらつく。ハンドガンと同様の弾薬を用いる。サイレンサー装備可能。
グレネード・ランチャーM79
放物線を描いて飛ぶ擲弾を発射する。ハインドD、ブルタンクの破壊に必要。
プラスチック爆弾
セットしてからタイマーで起爆される高性能爆弾。クリアに不可欠。
地雷
地面にセットし、踏むと爆発する。スネークが設置する地雷は自分で踏んでも爆発しない。タンクの破壊に必要。
リモコンミサイル
発射後に遠隔操作可能なミサイル。操作中は移動できない。
ロケット・ランチャーRPG-7V)
強力なロケット弾を発射可能になる。ある程度照準でコントロール可能。
サイレンサー(復刻版は、サプレッサー
ハンドガン、サブマシンガン使用時の発砲音を消すアイテム。入手すれば自動装備となる。

装備品[編集]

タバコ
最初に所持している。装備しても効果は無いが、ある時だけ使い道がある。
ダンボール
上から被ることで敵に発見されづらくなる。ビッグ・ボスに無線すると「引越しでもするのか?」と言われる。
レーション
簡易食料。使用するとLIFEが完全回復する。
カード1〜8
扉を開けるためのカードキー。扉ごとに合うカードを装備する必要あり。
双眼鏡
プレイヤーの現在位置を中心に上下左右の周辺マップを見ることが出来る。
ガスマスク
ガスが充満した部屋で、ダメージを受けなくなる。
発信器
ストーリー途中で独房に閉じ込められる際に、装備に紛れてる発信器。持ったままだとと敵に発見されたままになり潜入モードへ戻ることができない。
ボムブラストスーツ
爆弾処理用の対爆風装備。ビル1屋上に出るために必要。
落下傘
ビル1屋上から中庭に降下できる。
敵ユニフォーム
敵兵の目を欺く。ビル2入口の警備をやり過ごすために必要。
毒消し
砂漠にいるサソリの毒を中和するために使用する。
コンパス
砂漠で使用する。ビル3へたどり着くために必要。
フラッシュライト
真っ暗な地下道を明るくする。
アンテナ
妨害電波を無効にする。
赤外線ゴーグル
赤外線センサーを可視化する。
地雷探知機
画面上に仕掛けられた地雷の位置を表示する。
酸素ボンベ
深い水中での酸欠を防ぎ、ダメージを受けないようになる。
ボディ・アーマー
敵弾からのダメージを半減する。
無限バンダナ
復刻版で追加されたアイテム。クリア後に追加。全ての武器の弾数を無限にする。武器の弾数が0だと無限にならない。

ファミコン(FC)版[編集]

1987年12月22日発売。FC(海外はNES)への移植は、FC専業チームによって開発され、小島は全く関与していない。潜入方法・敵の配置・マップがほとんどMSX版と異なり、タイトルにもなっている肝心のメタルギアは名前だけで、実際には登場しない(代わりに、メタルギアとアウターヘブンを管理するスーパーコンピュータと対峙することになる)。特に敵の配置は、マップが切り替わった瞬間必ず見つかってしまうという致命的なミスが数箇所にわたって発生しており、批判が強い。

敵兵に見つかったときの「!!」がなくなったほか、監視カメラに死角がある、フライングアーミーが飛行しないなど、粗が目立つ。

小島は、TGSの『MGS』発売前トークショーで「あれはやらないで下さい」と話し、ラジオでは「僕が携っていないFC版『メタルギア』は糞ですよ、糞」と発言している。

北米向けに、NES版だけのオリジナルの続編『Snake's Revenge』が制作される。開発は日本で行われたが、こちらも小島は全く関与していない。その後に小島が書いた企画書をもとに、『メタルギア2 ソリッドスネーク』が制作される。

『ザ・ツインスネークス』のGC同梱版に特典として、ファミコン版を完全移植したGC用ディスクとして復刻されている。なお、復刻版は単体発売はなく非売品となっている。

余談[編集]

  • 本作は様々な映画から影響を受けていることで知られている。第一に挙げられるのがジョン・カーペンター監督の『ニューヨーク1997』で、スネークという主人公名を拝借したほか、主人公が単身テロリストの本拠へ潜入するという舞台設定など多くの類似があり、本作を訴えるようカーペンターに勧める者もあったが、カーペンターは小島と良好な交友関係があったため訴訟は見送られた。他にも、パッケージのスネークの立ち姿が『ターミネーター』のカイル・リースに似ている、初期のビッグボスの顔がショーン・コネリーそのものである、などが挙げられる[2][3]
  • 企画当初の仮題は「INTRUDER」で、社内の企画コードは「N313」。これがそのままメタルギアのオペレーション名になった[4][5]

脚注[編集]

  1. ^ konami.jp - 「METAL GEAR」、「METAL GEAR SOLID 2 SONS OF LIBERTY」が、ギネス世界記録に認定。
  2. ^ 映画「ニューヨーク1997」の監督、似た設定を持つ『メタルギア』の小島監督を訴えなかった理由語る。「彼はいいやつだったから」”. AUTOMATON (2015年10月28日). 2015年11月4日閲覧。
  3. ^ 『METAL GEAR SOLID』訴訟の可能性もあった ― ジョン・カーペンター監督が語る”. インサイド (2015年10月28日). 2015年11月4日閲覧。
  4. ^ Kojima_Hideoのツイート (27997421585825792)
  5. ^ メタルギアソリッドV ファントムペイン』では、そのオマージュとしてエンディングで「OPERATION INTRUDE N313」と書かれたカセットテープとMSX2本体が登場する。

外部リンク[編集]