ビッグ・ボス

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ビッグ・ボスBIG BOSS1935年 - 2014年、ファントムは1932年 - 1995年)は、コナミコナミデジタルエンタテインメント)のアクションゲーム、メタルギアシリーズに登場する架空の人物。

人物[編集]

かつてはFOXHOUND総司令官であり、国境なき軍隊 (Militaires Sans Frontières)、ダイヤモンド・ドッグズ、および独立武装要塞国家であるアウターヘブンとザンジバーランドの首領。

本名はジョン。ファミリーネームは不明。ザ・ボス及びゼロ少佐からは愛称として「ジャック」と呼ばれている。『メタルギアソリッド3』ではパラメディックに「ジョン・ドゥ」と名乗るが、アメリカでは身元不明の男性死体を指してジョン・ドゥと呼ぶ習慣があり、作中で本当のファミリーネームは明かされなかった。

身長180cm[1]、体重89kg。母語である英語のほか、ヴァーチャスミッション・スネークイーター作戦でロシア語、ピースウォーカー事件でフランス語を使いこなしている。ロシア語に関してはソコロフに「完璧なロシア語」だと評価された。FOXの隊員だった頃のコードネームはネイキッド・スネーク。段ボール箱に隠れる魅力を感じており、シギントとの通信で熱く語った。葉巻き煙草(シガー)を愛しており、任務中も決して手放さない。吸血鬼を苦手としており、話題が出ると吸血鬼が登場する悪夢に苦しむ。彼のクローンとしてソリダス・スネークソリッド・スネークリキッド・スネークが誕生した。

ベトナムに於いてLRRP(長距離偵察作戦)に参加し、SOG(スペシャル・オペレーションズ・グループ)、グリーンベレーワイルド・ギースで活躍、70回以上のミッションを務めた。その後、世界各国を回って様々な組織の活動や紛争で活躍し、"20世紀史上最強の兵士"と噂される伝説的存在になる。

80年代に様々な地域紛争、民族紛争に参加し、一時期はジャーナリズムによる批判の的にもなった。その後は戦線を退き、軍事教育を講じるようになる。90年に入り、ハイテク非正規特殊部隊FOXHOUNDの初代作戦総司令官として任命され、国内に呼び戻される。同時に傭兵派遣会社アウターヘブンを南アフリカ奥地で武装要塞国家として変貌させ、アウターヘブン蜂起を引き起こす。しかし、自ら派遣したFOXHOUNDの新人隊員ソリッド・スネークの想定外の活躍によって阻止される。アウターヘブン蜂起の際に死亡したと思われていたが、中東に逃れて軍事国家ザンジバーランドを築き、世界が深刻なエネルギー危機を迎えるで石油精製藻類OILIXを開発したキオ・マルフ博士を拉致し、世界に対して軍事的、経済的優位を確保しようとザンジバーランド騒乱を引き起こす。しかし、FOXHOUNDによって再び送り込まれたソリッド・スネークの手により計画は頓挫し、自身は全身を焼き尽くされる。

キャスト[編集]

声優(日本語版) 声優(英語版) モーションアクター
メタルギアソリッド3 大塚明夫 David Hayter 吉田瑞穂
メタルギアソリッド ポータブル・オプス -
メタルギアソリッド ピースウォーカー 田中美央
メタルギアソリッド4 大塚周夫 Richard Doyle 大塚明夫
メタルギアソリッドV 大塚明夫 キーファー・サザーランド

来歴・関わった事件[編集]

ヴァーチャスミッション・スネークイーター作戦[編集]

1964年8月24日・同年8月30日。FOXHOUNDの前身であるFOX部隊に所属するCIA工作員。ソ連領内で極秘任務中、師であり伝説の兵士である「ザ・ボス」を殺害してボスの座を受け継ぎ、ザ・ボスを超える者として「ビッグ・ボス」の称号を得た。

ネイキッド・スネークNaked Snake)のコードネームを持つ。「スネーク」は当時の作戦指揮官ゼロ少佐によってつけられたもので、裸を意味する「ネイキッド」は、痕跡を残さないため、所持品をほぼ持たない状態で潜入に取り掛かったことに由来する。

作戦中に捕虜となった際、EVA(のちのビッグ・ママ)をかばうためオセロット少佐に体当たりし、暴発した彼の拳銃によって右目を失っている[2]

サンヒエロニモ半島事件[編集]

1970年11月2日[3]。スネークイーター作戦が終了した後はビッグ・ボスの称号を捨てFOX部隊も除隊していた。しかし、ジーン率いるFOX部隊から「賢者の遺産」の在処の行方を知る人物とされ、コロンビアのサンヒエロニモ半島へ拉致される。監禁された牢屋の相部屋にはグリーンベレー隊員のロイ・キャンベルが監禁されており、彼の仕組んだダクトから脱獄した。脱獄後は医療係のパラメディックと武器装備担当だったシギントと通信し、ゼロ少佐がCIAに捕らえられたことや、この事件の首謀者がビッグ・ボスだとされている事を知る。身の潔白を証明するため、キャンベルと共に事件を解決するために行動する。

FOX部隊の指揮官だったジーンのアーミーズ・ヘブン計画に影響され、彼から受け継いだ資金と人脈は国境なき軍隊の資産となる。

ピースウォーカー事件[編集]

1974年11月4日。ザ・ボスの死から10年後、ゼロと懐を分かったビッグボスは、コロンビアの戦場で出会ったミラーと国境なき軍隊(MSF)を組織して傭兵として活動していた。

ある日、コスタリカからガルベスという平和大学の教授とパスという生徒の少女が国境なき軍隊のもとを訪れる。彼らは、軍を持たないコスタリカに展開を始めた謎の武装勢力の鎮圧を依頼した。引き受けたビッグボスは国境なき軍隊を率いてコスタリカに向かう。

ガルベスの支援によりカリブ海洋上に巨大プラント(マザーベース)を築き、国境なき軍隊の規模を拡大させた。

「ボス」と呼ばれることを嫌い、仲間には「スネーク」と呼ぶよう指示していたが、ピースウォーカーの破壊を経てザ・ボスとは違う道を歩むことを決意し、自らビッグ・ボスを名乗るようになった。

また、今作でビッグ・ボスの出生年が1935年であり、フランス語を使いこなせることが判明した。さらにNORADサンタクロースを追跡しているという話を真に受け、サンタクロースは実在すると信じていた。また、浜辺で遭遇した「トレニャー」(『モンスターハンターポータブル 2nd』の登場キャラクター)の言葉を理解し自らもネコ語を喋った。

ドラマCD「平和とカズヒラのブルース」では、ミラーとの出会いのエピソードが描かれている。出会う前までは傭兵としてコロンビア政府軍を指揮していたが、ミラーが率いる反政府軍との戦闘後に契約が切れ、保護したミラーに「スネークが勝ったら仲間になる」という条件で勝負を持ちかけられている。

マザーベース壊滅・カリブの大虐殺[編集]

1975年3月16日。消息不明のパスがキューバの米軍キャンプに囚われて拷問を受けていることを知る。同時期、マザーベースはIAEA(国際原子力機関)から核査察を申し込まれており、査察受け入れの準備に追われていた。パスの救出を後回したためチコはパスを見捨てたと思い、単身でキューバへと向かってしまう。その後、チコから救援要請の無線が届き、救出するためにキューバへ向かう。

チコとパスの救出に成功、パスの体内に仕掛けられた爆弾の摘出も完了し、マザーベースへの帰還を急ぐ彼が見たのは、何者かに襲撃され崩壊していくマザーベースと、銃弾に倒れてゆく仲間達の姿だった。まさに地獄と化したマザーベースを前にして、彼にできたのは数少ない生き残りと共に抵抗していたミラーを救い撤退する事だけだった。自身の家と未来を喪い、やり場のない怒りに捕らわれていた彼等の前で、パスが自身の体にもうひとつの爆弾があると言いヘリを飛び降りる。その瞬間、パスの体内の爆弾が爆発、その衝撃により敵ヘリコプターとの衝突に巻き込まれ、彼の意識は9年間闇の中へと閉ざされる事となった。

作中でのこの出来事を示す言葉は特に存在しないが、年表では「マザーベース壊滅」と表記されている他、「THE PHANTOM PAIN」でのマザーベーススタッフはこの一連の出来事を「カリブの大虐殺」と呼んでいる。

二人のビッグ・ボス[編集]

ビッグ・ボスのファントム[編集]

覚醒[編集]

1984年2月26日。キプロスの病院で9年間の昏睡から覚醒する。

一週間後の3月11日、謎の部隊によって病院が襲撃される。まだ体が思うように動かせなかったが、イシュメールと名乗る謎の男に導かれ病院を脱出する。

本名は不明だが、主治医からは「エイハブ」と名乗るよう指示された他、パニッシュド "ヴェノム" スネークPunished "Venom" Snake)のコードネームを持つ。かつてパスの体内爆弾の爆発からボスを守った衛生兵であり、ビッグ・ボスからMSF隊員の中で最も優秀だと評され、元々あった素質と与えられた知識によって本物に次ぐ能力を持つと予想されていた。

アウターヘブン蜂起[編集]

1990年代へ入ると離脱したはずの米軍に突如として舞い戻り、かつて自らが結成した特殊工作部隊FOXHOUNDの総司令官に就任した。 この際、教官としてマクドネル・ミラーを、副司令官としてロイ・キャンベルを迎えているほか、「グレイ・フォックス」のコードネームでフランク・イェーガーを、そして主人公であるソリッド・スネークを部隊に加えている。

1995年、南アフリカに出現した独立武装国家アウターヘブンを調査するためグレイ・フォックス、そして新人隊員であるソリッド・スネークを送り込む。

作中では主人公ソリッド・スネークの上官として無線で登場。「こちらBIG BOSS…」と始め、要件だけを話してすぐに「…OVER」と終了する。新たなアイテムを発見した場所で通信するとそのアイテムの使い方を説明するが、普段はこちらから呼びかけても応答が無い。その後のメタルギアシリーズにみられるようなジョークや雑学混じりの無線はほとんどない(殆どの武器に関しては「使い方は分かっているな?」で終わる)が、敵のユニフォームといった特定アイテムを発見した部屋で通信を行うと、「セーラー服か?」といった天然ボケのような返答をする場合もある。

しかし、作戦が進むとそのサポートがおかしくなり始め、最後にはアウターヘブンの統率者が彼自身であったことが判明する。新人であるスネークを送りこんだのは情報攪乱のためであったが、スネークの活躍を予想できずアウターヘブンの崩壊を許してしまった。最終局面で「お前はやりすぎた、やりすぎたのだ!」と叫んで戦いを挑み、その末にスネークに敗れ死亡する。エンディング後に「私は死なん…いつか、決着をつけよう。いつの日か…また会おう!」という言葉を残す。

『メタルギアソリッドV』のエピローグによると、本物のビッグ・ボスはFOXHOUND総司令官の立場でファントムのビッグボスにアウターヘブンの設立を指示しており、アウターヘブンで死亡したのはファントムであった。

ビッグ・ボス本人[編集]

覚醒[編集]
  • 『メタルギアソリッドV ファントムペイン』(2015年発売)

1984年。9年間の昏睡から目覚めた後、オセロットから影武者計画の存在を知らされる。9年前に爆発からビッグ・ボスを庇い、同じく9年間昏睡していたメディックをもう一人の新たなビッグ・ボスとして仕立て上げた。

強心剤がなかなか効かず体が思うように動かなかったヴェノムを導くが、彼の前では顔に包帯を巻いた姿しか見せず、自らを「イシュメール」と名乗っていた。エイハブとともに脱出に成功した後、オセロットに彼の身柄を引き渡し、オセロットの用意したバイクで走り去っていった。

ザンジバーランド騒乱[編集]

1990年代後半、中東に独立武装要塞ザンジバーランドを築き、アウターヘブンにいた優秀な兵士達を何人か救出し、再び仲間に引き込んでいた。OILIXを開発したキオ・マルフ博士を拉致し、世界に対して軍事的、経済的に優位に立とうとした。

1999年12月24日[4]新体制となったFOXHOUNDによって再び送り込まれたソリッド・スネークの手により計画は頓挫。メタルギアとの戦いで傷つき装備も失ったスネークの前に出現し、マシンガンを乱射して追撃するが、ライターとスプレーを組み合わせて即席の火炎放射器を作り上げたスネークに敗北し、ついに命を絶たれる。「どちらが勝っても、我々の闘いは終わらない。敗者は戦場から解放されるが、勝者は戦場に残る。そして生き残った者は死ぬまで、戦士として人生を全うするのだ」という言葉を遺しており、スネークの心に深く刻まれている。

また、ザンジバーランドの基地内には子供達が何人か遊んでまわっている区画があり、ビッグ・ボスが連れてきてくれたと話す子供がいる。この子供達のほとんどは戦災孤児とみられる。中には少年兵を志願する子供もいるらしいが、なぜビッグ・ボスが彼らを基地内に連れてきたのかは不明。

ガンズ・オブ・ザ・パトリオット事件[編集]

2014年。すでに死亡したと思われていたが、ビッグ・ボスの英雄性を愛国者達の象徴に据えようとするゼロ本人の遺志によって回収後、ナノマシンで人工的な脳死状態にさせられ、その身体は生きたまま保存されていた。ビッグママを名乗って活動していたEVA率いるレジスタンスが遺体を保管していたが、最後には炎の中に投じられ、リキッド・オセロットによってとどめを刺される事となった。

しかし、この時の遺体はソリダス・スネークの遺体と摩り替えたダミーであり[5]、本物のビッグ・ボスの遺体は愛国者達の管理下に置かれていることが判明した。EVAによって救出された後は、オセロットやナオミ・ハンターの手によって身体の欠損がリキッドやソリダスの遺体の一部で補われ五体満足となり、作品終盤でJ.D.が破壊されたことにより昏睡状態から解放された。

ビッグ・ボスの墓前で命を絶とうとしていたソリッド・スネークの前に突如現れ、「愛国者達」や事件の真相を語る。この時にソリッド・スネークの体内に投入されていた(シャドー・モセスで投入された初期型ではなくドレビンによって投入された新型)FOXDIEに感染し、余命幾ばくもない身となる。

ここで明らかとなった今までのビッグ・ボスの行動の真の目的は、地球規模にまで拡大した「愛国者達」の勢力に対して軍事的・経済的に優位に立つことで世界の均衡を保つことであった。アウターヘブン蜂起やザンジバーランド騒乱も、全ては愛国者達の拡大を阻止すべく行った行動であったとしている。

かつての師匠であるザ・ボスをやむ無くとはいえ、手にかけた事を最後まで悔やんでいた。ゼロを絶命させる際にも、かつて良き関係だった頃の彼の姿を懐かしんでいた。

同じく植物人間状態となりながらも生きていたゼロの生命維持装置を停止した後、「戦うことをやめ、蛇(スネーク)としてではなく人間(デイビッド)として生きろ」と告げ、ザ・ボスの墓石に寄りかかって葉巻を口にした後静かに息を引き取った。79歳没。

モデル[編集]

顔はクリストファー・ウォーケンで体格は ジャン=クロード・ヴァン・ダムである。

メタルギアソリッド3はアメリカ映画ディア・ハンターがモデルとなっており、クリストファー・ウォーケンも出演している。[要出典]

恐るべき子供達計画 (Les Enfants Terribles)[編集]

1972年に愛国者達によって遂行された計画。最強の兵士を人為的に作り出す計画と言われていたが、その真意は、「愛国者達」の偶像として、ビッグ・ボスを再誕させる事だった。後にそのやり方に反発して、ビッグ・ボスは愛国者達と袂を分かつ事になる。

同計画は、アナログクローン技術とスーパーベイビー法を用いてビッグ・ボスのクローン人間を8人作製し、うち6人を意図的に間引きして、残った2人の能力を増大させるというもので、2人は代理母であるEVA(ビッグ・ママ)の身に宿され誕生した。これがソリッド・リキッド両名である。

後に、別のクローン技術で、ソリダスが生み出されるが、彼は同計画とは別件で誕生したビッグ・ボスのクローンである。

ソリッドとリキッドの二人は胎児になる以前の段階での意図的な操作により、優性遺伝子を一方にだけ集約することでその能力をさらに増大させている。リキッドは「俺は劣性遺伝子のみを受け継がされた絞りカスだ」といった趣旨の発言をしており、それが彼のシャドー・モセス島事件に至る動機へと繋がっている。しかし現実に優性遺伝子を受け継いだ個体はリキッドの方であり、彼はFOXDIEにより命を絶たれるまでその事実を知らないままだった。この他に、彼らクローンが他の勢力に利用されないように、2人は生殖能力を初めから除かれており、寿命も短く設定されている。ソリダスは、リボルバー・オセロットから「最も安定した個体」と評された他、『メタルギアソリッド4』ではビッグ・ボス自らが完全なるコピーと述べている。SOPシステムの掌握においてもビッグ・ボスの代わりにソリダスの遺伝子コードが用いられ、認証をパスしている。

現実の科学における遺伝子の優性・劣性は、異なる対立遺伝子がもつ遺伝形質が子において発現するか否かを指した表現であり、個体の能力に関わるものではない。また、本シリーズにおけるこの設定はデザイナーベビーに近い。

ビッグシェル占拠事件の際に、オセロットがソリッド・スネークに対して急速に老化が進んでいる事を指摘し「50代のビッグ・ボスの体細胞を使った」と発言しているが、ピースウォーカー事件の時点ではリキッド・ソリッドは2歳の誕生日を迎えており、その時点でビッグ・ボスは39歳であるという矛盾が発生している(小説版『メタルギアソリッド4』を読むと、これはソリダスの事を指していると思われるが、それでも矛盾は残る)。ただ、二人のスネークには寿命を短くする遺伝子操作がされている為、老化進行自体はあらかじめ計画の範囲内とみられる。

脚注[編集]

  1. ^ メタルギアソリッドでは、192cm。
  2. ^ これより以前にザ・ボスのナイフで抉られそうになるも、EVAによって阻止されている。
  3. ^ ゲーム開始時の日付。
  4. ^ 説明書に記載されている。
  5. ^ ソリダスはビッグ・ボスの純粋なクローンであり、遺伝情報も一致することから誰にも疑いようはなかった。

関連項目[編集]