トゥモロー・ネバー・ノウズ

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トゥモロー・ネバー・ノウズ
ビートルズ楽曲
収録アルバム リボルバー
リリース 1966年8月5日
録音 アビー・ロード・スタジオ
1966年4月6日4月7日4月22日
ジャンル サイケデリック・ロック
時間 2分57秒
レーベル パーロフォン
作詞者 レノン=マッカートニー
プロデュース ジョージ・マーティン
リボルバー 収録曲
A面
  1. タックスマン
  2. エリナー・リグビー
  3. アイム・オンリー・スリーピング
  4. ラヴ・ユー・トゥ
  5. ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア
  6. イエロー・サブマリン
  7. シー・セッド・シー・セッド
B面
  1. グッド・デイ・サンシャイン
  2. アンド・ユア・バード・キャン・シング
  3. フォー・ノー・ワン
  4. ドクター・ロバート
  5. アイ・ウォント・トゥ・テル・ユー
  6. ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ
  7. トゥモロー・ネヴァー・ノウズ

トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」 (Tomorrow Never Knows) はビートルズの楽曲である。

解説[編集]

本作は、1966年にリリースされたイギリス盤公式オリジナル・アルバムリボルバー』に収録された、ビートルズ初のサイケデリック・ロック曲。ジョン・レノンがCコードだけで作った。アルバムの最終トラックとして収録されたが、セッションでは最初に録音された。

曲の出だしでテープ式のループ(繰返し音)が鳴り、それに合わせてミニマルなドラムやベース・ギター等の演奏が始まる。曲全体で使われたループは全部で16種類と云われ、あらかじめビートルズのメンバーがギターの音をサンプリングして、その音をスタジオ内で加工したものである。後のヒップホップやクラブ系の音楽ジャンルでのバック・トラック制作の基本であるサンプリングとループの作成の試みを、ポピュラー音楽界でいち早く実験して成功させた曲といえる。録音テープをつなぐのはジョン・レノンが現代音楽の手法を持ち込んだもの。

タイトルは、「ア・ハード・デイズ・ナイト」と同様に、リンゴ・スターが何気なく呟いた一言から取られた[1]。なお、当初のタイトルは"Mark I"(マルコによる福音書1)であった。

この曲は、「ダライ・ラマが山の頂上から説法しているような感じで」とジョンが指示したため、「レイン」で始めた逆回転録音をさらに進化させたような作品で、故にサイケデリックな作風に仕上がっている。逆回転による鳥の鳴き声のような音が特徴的(実際にはギターを早回しにした音)。また、この曲はモーリス・ラヴェルの「ボレロ」同様に、一つのコード(C major)で貫かれている(ただし、途中はB♭が混ざって1小節分数コードになる)。

この1コードについて、ジョンは晩年のインタビュー[2]の中で、当初思い描いていたイメージは、数千人ものラマ教僧侶によるお経(経典)の大合唱を意図していたためであるとも語っている。なお、ジョンが自分の声を山頂で歌う僧侶のようにしたかったために、ボーカルをハモンドオルガン用のレズリースピーカーを使ってドップラー効果を出して再現した[1]。ジョージのインド音楽への傾倒により、この曲ではイントロから全編にわたってタンブーラ(インドの弦楽器)が演奏されドローン(インド音楽特有の完全五度持続低音)が表現されている[1]

歌詞は、ティモシー・リアリーチベットの『死者の書』を基にして書いた『The Psychedelic Experience: A Manual Based on the Tibetan Book of the Dead』(現在では『チベットの死者の書―サイケデリック・バージョン』(八幡書店)として入手可能)に触発されたもの。

この曲に関して、英国ステレオLP、モノLP、米国ステレオLP、モノLP、さらに英国1stプレス・モノLP共にミックスが違う。

ビートルズのプロデューサーだったジョージ・マーティン等が手掛けたリミックス的なアルバム「ラヴ」(2006年発表)には、「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」のドラムの上に「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」のヴォーカルを乗せたキックス・ヴァージョンが収録されている。

脚注[編集]

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  1. ^ a b c ジョージ・マーティン『メイキング・オブ・サージェント・ペパー』 水木まり訳、キネマ旬報社、1996年、121-126ページ
  2. ^ 『ジョンレノンPLAYBOYインタビュー』株式会社集英社 1981年3月10日発行第1刷発行

外部リンク[編集]