夜明けの口笛吹き

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夜明けの口笛吹き
ピンク・フロイドスタジオ・アルバム
リリース
録音 1967年2月21日-5月21日
ジャンル サイケデリック・ロック
実験音楽
スペース・ロック
時間
レーベル イギリスの旗コロムビア
EMI(再発盤)
アメリカ合衆国の旗キャピトル(初版はタワー・レコード)
プロデュース ノーマン・スミス
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 6位(英国・オフィシャルチャート)
  • 131位(米国・ビルボードチャート
  • ピンク・フロイド アルバム 年表
    夜明けの口笛吹き
    (1967年)
    神秘
    (1968年)
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    夜明けの口笛吹き』(よあけのくちぶえふき、原題:The Piper at the Gates of Dawn)は、1967年に発表されたピンク・フロイドのデビュー・アルバム。サウンド的にはプログレッシブ・ロックというより、完全にサイケデリック・ロックである。発売時の邦題は「サイケデリックの新鋭」というタイトルであった。

    タイトルは、ケネス・グレアムの児童文学作品『たのしい川べ』の第7章の題名から拝借したものである。そこに登場しているのはギリシア神話の神・パーンで、「口笛吹き」ではなく「パンパイプ吹き」として描かれている。

    アルバム収録曲の11曲中8曲をシド・バレットが作った。そのため、後の傑作『狂気』(1973年)や『ザ・ウォール』(1979年)のような音楽性とは大きく異なる。このアルバムのレコーディング時、既にシドは過度のドラッグ(LSD)摂取により、正常な状態ではなかったが、バンドはシドを中心として何とか制作を乗り切った。デビュー作としては上々の全英6位を記録した。

    童話をもとにした幻想的・抽象的な歌詞と、トリップ感の漂うサウンドが見事に合致している。「天の支配」「マチルダ・マザー」のように独自の世界観を描いた佳作が並ぶ。また、シドの才能はコンポーサーとしてだけではなく、ボーカリストギタリストとしても実力を発揮している。「星空のドライブ」は、ライブでは30分以上に渡って延々と演奏が繰り広げられたという。

    同アルバム製作中、ピンク・フロイドのレコーディングの様子を窺いに来て、バンドの演奏を耳にしたポール・マッカートニーが、「彼らにはノックアウトされた」と語ったという逸話がある。

    それでも、アンダーグランド時代から交友のあったピート・タウンゼントは、「ライブでの本来の力が発揮されていない」と、コンパクトにまとめようとしたプロデューサー側の制作方針を批判している。

    2007年、ステレオ版とモノラル版の双方を同梱し、「アーノルド・レーン」「シー・エミリー・プレイ」など同時期のアルバム未収録曲や未発表音源を収録したディスクも収めた40周年記念盤(3枚組)が発売された。

    ローリング・ストーン』誌が選んだ「オールタイム・グレイテスト・アルバム500」と「オールタイム・ベスト・デビュー・アルバム100」に於いて、それぞれ253位[1]と47位[2]にランクイン。

    収録曲[編集]

    サイド1

    1. 「天の支配」 - "Astronomy Domine"
    2. 「ルーシファー・サム」 - "Lucifer Sam"
    3. 「マチルダ・マザー」 - "Matilda Mother"
    4. 「フレイミング」 - "Flaming"
    5. 「パウ・R・トック・H」 - "Pow R. Toc H."(バレット、ウォーターズ、ライト、メイスン)
    6. 「神経衰弱」 - "Take Up Thy Stethoscope And Walk"(ウォーターズ)

    サイド2

    1. 「星空のドライブ」 - "Interstellar Overdrive"(バレット、ウォーターズ、ライト、メイスン)
    2. 「地の精」 - "The Gnome"
    3. 「第24章」 - "Chapter 24"
    4. 「黒と緑のかかし」 - "Scarecrow"
    5. 「バイク」 - "Bike"

    パーソネル[編集]

    ピンク・フロイド[3]

    • シド・バレット (Syd Barrett) - エレクトリックギター (1–7、9–11)、アコースティックギター (4、5、8、10)、パーカッション (4)、ボーカル
    • ロジャー・ウォーターズ (Roger Waters) - ベース、スライド・ホイッスル (4)、パーカッション (4)、ゴング (9)、ボーカル
    • リチャード・ライト (Richard Wright) - オルガン (1–7、9–10)、ピアノ (2、5、11)、タック・ピアノ (4、11)、ハモンドオルガン (3、4)、ハーモニウム (9、11)、チェレスタ (8、11)、チェロ (9、10)、ロウリー・オルガン (4)、ヴィブラフォン (8)、ホーナー・ピアネット (9)、ヴァイオリン (11)、パーカッション (4)、ボーカル
    • ニック・メイスン (Nick Mason) - ドラム (1–7、11)、パーカッション (2、4、5、8–11)

    脚注[編集]

    [脚注の使い方]
    1. ^ The 500 Greatest Albums of All Time” (英語). Rolling Stone (2020年9月22日). 2021年12月28日閲覧。
    2. ^ The 100 Best Debut Albums of All Time: 'Piper at the Gates of Dawn' | Rolling Stone
    3. ^ The Piper at the Gates of Dawn. Pink Floyd. EMI. 1967. SCX6157. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年9月12日閲覧

    外部リンク[編集]