神秘 (ピンク・フロイドの曲)

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神秘
ピンク・フロイド楽曲
収録アルバム神秘 (アルバム)
リリース1968年6月29日
規格レコード
録音1968年
ジャンルプログレッシブ・ロック
時間11分57秒
レーベルEMI Columbia
作曲者ロジャー・ウォーターズ
リチャード・ライト
ニック・メイスン
デヴィッド・ギルモア
プロデュースノーマン・スミス
神秘 (アルバム)収録順
コーポラル・クレッグ
(4)
神秘 シーソー
(6)

神秘」(しんぴ、英語: A saucerful of secrets)は、イギリスロックグループであるピンク・フロイドが1968年に発表した楽曲。同名アルバム『神秘』に収録。約12分にわたるインストゥルメンタルナンバーである。

概要[編集]

ピンク・フロイドは結成当初はシド・バレットのワンマンバンドであったがバレットが薬物中毒及び精神病で奇行が目立ち、ついにはバンドを脱退するにいたる。残されたメンバーはバレット抜きのバンドの方向性を模索していた。その過程で出来上がった曲がこの曲は12分近いインストゥルメンタルナンバー「神秘」だった。ファースト・アルバムに引き続いてノーマン・スミスがプロデュースを担当した。

デヴィッド・ギルモアは、この曲のテーマは戦争であると述べている[1]。この曲はバンドのメンバー全員の名前がクレジットされているが、実質的な作者は当時バンドに加入したばかりのギルモアで、曲の構成をロジャー・ウォーターズニック・メイスンが手掛けた[1]。建築科出身のウォーターズとメイスンは、建築の設計図のような図面を描いて曲の盛り上がりを構成していったという[2][1]

1969年発売の『ウマグマ』では、「パート別」に以下のようなタイトルが記載されていた[2]。ただし再発版ではカットされている。

  1. "Something Else"
  2. "Syncopated Pandemonium"
  3. "Storm Signal"
  4. "Celestial Voices"

1968年6月のライブでは主要なレパートリーとなり、最長で20分強に渡る長尺演奏が繰り広げられ、1972年9月まで演奏され続けた。1969年発表のライブアルバム『ウマグマ』、1972年発表の映画『ピンク・フロイド・ライヴ・アット・ポンペイ』でライブバージョンを聴くことができる。

出典[編集]

  1. ^ a b c ニコラス・シャフナー著 今井幹晴訳『ピンク・フロイド 神秘』宝島社、1991年、pp.125
  2. ^ a b アンディ・マベット著 山崎智之訳『ピンク・フロイド全曲解説』シンコーミュージック、1995年、pp.33-34