セブパシフィック航空
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設立 | 1996年 | |||
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ハブ空港 |
ニノイ・アキノ国際空港 マクタン・セブ国際空港 | |||
焦点空港 |
ダバオ国際空港 クラーク国際空港 | |||
航空連合 | バリューアライアンス | |||
子会社 | Cebgo (100%) | |||
保有機材数 | 29機 | |||
就航地 | 53都市 | |||
親会社 |
Cebu Air Inc. JG Summit Holdings, Inc. | |||
本拠地 | フィリピン・メトロ・マニラ パサイ市 | |||
外部リンク | http://www.cebupacificair.com/web-jp/ |
セブパシフィック航空 (セブパシフィックこうくう、英: Cebu Pacific Air) は、フィリピンのセブ島、マニラを拠点とする格安航空会社である。
目次
概要[編集]
セブ航空はジョン・ゴコンウェイ(John Gokongwei)率いるJGサミット・ホールディングスが所有し、フィリピン政府の規制緩和を受けて国内線市場に参入した会社である。2011年現在、フィリピンにおいてフィリピン航空を抜く最大の航空会社で、Gokongwei家によって経営される「JGサミットホールディングス」の子会社である。Gokongwei家はフィリピンに拠点を置く中国系フィリピン人の富豪である。
セブパシフィック航空を運営しているセブ航空株式会社(Cebu Air, Inc.)は1988年8月26日に設立され、1991年にセブ航空に運航を認める法案が議会で承認された。1996年3月8日に第一便が運航された。1998年2月の事故(後述)の後、しばらく政府の指示により運航を休止したが、翌月には運航を再開させた。
当初はメトロ・マニラ、メトロ・セブ、ダバオの間を結び、一日の便数は24だったが、2001年末にはフィリピン国内の18か所に一日80便を運航させる企業へと成長した。2000年代には国際線参入の認可を得て東南アジアや北東アジアに就航した。最初の国際線は2001年11月22日に就航した香港便であった。
その後の拡大により、フィリピン国内線のほか、インドネシアやマレーシア、シンガポールなど東南アジア諸国のみならず、台湾や韓国など北東アジアの主要都市を中心に50都市に乗り入れている。2008年11月20日には大阪の関西国際空港に乗り入れ、日本に初就航した。
2014年からは名古屋の中部国際空港へも乗り入れ、セブパシフィック航空は、日本三大都市圏全てに直行路線を持つ事となった。
一方、EUからは、フィリピンの航空当局の「安全確認の体制に問題がある」として、他の全てのフィリピンの航空会社とともに2010年3月30日からのEU域内への乗り入れ禁止措置が加えられており、2014年4月頃まで同社は航路開設の目処が立っていなかった[1]。しかし、4月9日付でアメリカ連邦航空局は国際民間航空機関(ICAO)の安全基準を満たすという理由により、フィリピンの安全基準をカテゴリー2からカテゴリー1に引き上げた他[2]、EUは4月10日付で航空会社安全リストを更新し、フィリピン航空に続いてセブパシフィック航空もEU域内へ乗り入れ禁止リストから解除された[3]。
2014年1月8日に、シンガポールの「タイガーエア」と戦略的提携を実施すると発表。両社の路線網について、インターライン提携によって、相互に予約・販売、乗継が可能となり、ネットワークを拡大することで、利便性が高まることとなった。またタイガーエアが、フィリピンの「タイガーエア・フィリピン」の株式40%を当社に譲渡し、タイガーエア・フィリピンを100%子会社化した。なお、タイガーエア・フィリピンは引き続き「タイガー・エア」ブランドを使用し当面は運航を継続していたが、2015年にCebgoへとブランド名を変更した[4]。
2015年8月15日、マニラのニノイ・アキノ国際空港で利用するターミナルの変更が予定されている[5]。
2016年3月1日、同社20周年を記念し、客室乗務員の新しい制服を発表。新しい制服は2016年3月27日の2016年夏スケジュールにあわせて着用。
保有機材[編集]
- エアバスA320 : 36機
- エアバスA321 : 1機
- エアバスA330-300 : 8機
- ATR 72 : 17機
サービス[編集]
同社は典型的な格安航空会社のポリシーを発表していて、機材や整備、予約システムなどのハード面にお金はかけて、無料の飲食、無料預入手荷物、紙チケット、マイレージプログラムなどは実施しないでその分、航空券価格「LiteFARE」として反映させるとしている。[8]
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機内食やアルコール類は有料だが、メニューの入れ替えが早く、便によっては搭載していないメニューもある。機内誌「Smile」があり、機内販売のカタログを兼ねている。USドル、フィリピンペソで支払ができるがお釣りは基本的にフィリピンペソ建てしかない。手荷物の重量確認は厳しく、機内持ち込みは7kgまで無料だが少しでも超過すると超過料金が発生するため、空港カウンターでの詰め替え作業も多くチェックインに時間がかかることも多い。使用機材の多くがエアバスA320やATR72などの最新鋭機であるが、座席の間隔は広くなく、個人用モニターなどの設備はない。しかし、A319の一部ではイヤホンを持ち込むと音楽などが聞ける機種もある。国際線では、その国の言葉での放送(録音)はあるが、乗務員との会話は基本的に英語となっている。また、便によっては「show me game(〜を見せてください)」と客室乗務員が言ったとき、それを一番早く見せた人が商品を受け取ることができるようなゲーム性のあるサービスを実施している。[9]
2010年10月、レディー・ガガの『ジャスト・ダンス』に合わせ、ダンスをしながら離陸前の安全ガイダンスを試験的に実施し、大きな評判を得た[10]。
就航路線[編集]
国内線[編集]
- ルソン島
- マニラ (ニノイ・アキノ国際空港 ターミナル3) : メインハブ
- ブスアンガ (Busuanga Airport)
- カワヤン (Cauayan Airport)
- クラーク(クラーク国際空港)
- ラワグ (ラオアグ国際空港)
- レガスピ (レガスピ空港)
- ナガ (Naga Airport)
- プエルト・プリンセサ (プエルト・プリンセサ国際空港)
- サンホセ (サンホセ空港)
- トゥゲガラオ (Tuguegarao Airport)
- ヴィラク (Virac Airport)
- ビサヤ諸島
- セブ (マクタン・セブ国際空港) : ハブ
- バコロド (バコロド=シライ国際空港)
- カティクラン/ボラカイ (ゴドフレド・P・ラモス空港)
- ドゥマゲテ (Sibulan Airport)
- イロイロ (イロイロ国際空港)
- カリボ (カリボ国際空港)
- ロハス (Roxas Airport)
- タクロバン (タクロバン空港)
- タグビララン (タグビララン空港)
- マスバテ [11]
- ミンダナオ島
- ダバオ (ダバオ国際空港) : ハブ
- ブトゥアン (バンカシ空港)
- カガヤン・デ・オロ (Lumbia Airport)
- コタバト (Awang Airport)
- ディポログ (Dipolog Airport)
- ジェネラル・サントス (ジェネラル・サントス国際空港)
- オザミス (Labo Airport)
- パガディアン (Pagadian Airport)
- シャルガオ (Sayak Airport)
- スリガオ (Surigao Airport)
- タウイタウイ (Sanga-Sanga Airport)
- サンボアンガ (サンボアンガ国際空港)
国際線[編集]
東アジア[編集]
東南アジア[編集]
インドネシア
- ジャカルタ、デンパサール
シンガポール
- シンガポール
タイ
- バンコク/スワンナプーム、プーケット [12][13]
マレーシア
- クアラルンプール、コタキナバル
ベトナム
- ハノイ、ホーチミンシティ
ブルネイ
- バンダルスリブガワン
オセアニア[編集]
中東[編集]
事故・トラブルなど[編集]
- 1998年2月2日 - マニラ発(タクロバン経由)カガヤ・デ・オロ行き / 387便 / DC-9-32 / RP-C1507
- マニラのニノイ・アキノ国際空港からフィリピン中部のタクロバンを経由してフィリピン南部のミンダナオ島北部の都市カガヤン・デ・オロに向かう387便DC-9-32(RP-C1507)が、午前11時頃に最終目的地であるカガヤン・デ・オロ空港への着陸進入中、空港より北北東約50kmの山中に激突。当日は曇天のため事故機は衝突まで雲中飛行していて、地表面の接近を知らせるGPWSは警告音を出していたことが事故機のコックピット・ボイス・レコーダーには記録されていたが、パイロットは警告に従わず、回避操作が行われた記録がなく墜落している。なお、途中のタクロバンは通常は経由予定はなく、当日に同社他機の予備タイヤを輸送するための臨時着陸だったが、作業終了後すぐ離陸し最終目的地へ向かっていることから事故との関連性は低いとされている。[14][15]
- 2013年6月2日 - マニラ発ダバオ行き / 971便 / A320-214 / RP-C3266
- ダバオ空港着陸時、滑走路逸脱、前輪が滑走路脇の草地突っ込み破損し機体停止、乗客165名、乗員6名は被害無かった。事故当時、雷雨によって視界が悪く、運航乗務員によると「高度を下げても滑走路からのライトをはっきりと視認できなかった」と当局へ報告されていて、当局調査で滑走路の右端灯を中心線灯と誤認し、悪天候による着陸強行が事故の原因と言われている[16]。
関連項目[編集]
脚注[編集]
- ^ 欧州連合:フィリピンとスーダンの全航空会社、域内への乗り入れ禁止 (ブルームバーグ)
- ^ Press Release – FAA Announces the Republic of the Philippines’ Aviation Safety Rating April 9, 2014 Contact: Alison Duquette or Les Dorr Phone: (202) 267-3883
- ^ Aviation: Commission updates the European safety list Brussels, 10 April 2014
- ^ タイガーエアとセブパシフィック、戦略的提携を発表 FlyTeam 2014年1月8日付
- ^ CEB Advisory - Manila Terminal Changes Cebu Pacific Air
- ^ Cebu Pacific Airlines fleet details - AirFleets.net
- ^ CEBU Pacific Air Fleet Details and History Planespptters.net
- ^ LiteFare Cebu Pacific Air
- ^ セブ・パシフィック航空(フィリピン)の口コミ・評判・感想 格安航空会社LCC研究所 [出典無効]
- ^ レディー・ガガで「安全ダンス」 比航空会社 - CNN
- ^ セブパシフィック航空、セブ/マスバテ線に就航
- ^ セブパシフィック航空、8月からマニラ/プーケット線に就航
- ^ セブパシフィック、マニラ/プーケット線に就航 FlyTeam 2013年8月21日付
- ^ 事故詳細 外山智士ホームページ [出典無効]
- ^ Cebu Pacific Air 387- Accident description Aviation Safety Network
- ^ Cebu Pacific Air 971- Accident description
外部リンク[編集]
- セブパシフィック航空 (英語) (日本語) (韓国語) (中国語)
- セブパシフィック航空 - Facebook
- セブパシフィック航空 (@cebupacificJPN) - Twitter
- Cebu Pacific Air - YouTube
- セブパシフィック航空 日本地区総代理店:株式会社エア・システム(日本語版)
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