選り抜き記事
『ヨハネの手紙三』は新約聖書の正典を構成する27文書の一つで、公同書簡に分類される3通のヨハネ書簡の最後のものである。便宜上は公同書簡に分類されるとはいえ、「長老」と名乗る著者がガイオという個人に宛てた本文からは、この手紙が完全に個人的な手紙であることが読み取れる。「長老」は、地域内の信徒の家で営まれた小規模な「家の教会」を巡回して福音を説いていた「兄弟たち」の歓待や支援をしているガイオを賞賛し、彼に対し、ある「家の教会」を取り仕切って「兄弟たち」を拒絶しているディオトレフェスには従わず、引き続き善を行うようにと激励している。
伝承上は使徒ヨハネの著作とされるが、現代では少なからぬ論者が疑問視している。とはいえ、この書簡の言葉遣いは他のヨハネ書簡や『ヨハネによる福音書』と共通するものを含んでおり、若干の異説はあるが、1世紀末頃から2世紀初頭に他の2書簡とともに同じ人物、あるいは少なくとも同じ共同体に属する構成員(たち)によって作成されたと考えられている。……
- 『黒い島のひみつ』は、ベルギーの漫画家エルジェによる漫画(バンド・デシネ)、タンタンの冒険シリーズの7作目である。ベルギー人の少年タンタンが愛犬スノーウィと共に、謎の飛行機事件に巻き込まれ、その真相の調査のため、イギリスへ向かう。最終的に犯人一味を追って、スコットランドにて、人食いの化け物が住まうという孤島「黒島」の謎を暴いて……
- 『影との戦い』は、アメリカの作家アーシュラ・K・ル=グウィンが1968年に発表したファンタジー小説。『ゲド戦記』シリーズの第1作であり、ファンタジー文学及び児童文学の古典として広く影響を及ぼしている。物語の舞台は「アースシー」と呼ばれる架空の多島海世界であり……
- ティベリオス3世は、ビザンツ帝国(東ローマ帝国)の皇帝である。カルタゴを奪還するためにビザンツ皇帝レオンティオスによって派遣された軍の一員であったが、失敗して撤退した将兵たちがレオンティオスの怒りを恐れて皇帝に推戴した。ティベリオスは艦隊を率いて首都のコンスタンティノープルに向かい、都市を占領してレオンティオスを退位させることに成功した……