魔界村
ジャンル | 横スクロールアクションゲーム |
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対応機種 | アーケード[AC] |
開発元 | カプコン |
発売元 | カプコン |
人数 | 1人(2人交互プレイ可能) |
メディア | [FC] ロムカセット |
発売日 | [AC] 1985年9月 |
『魔界村』(まかいむら、英名:Ghosts'n Goblins)は、1985年にカプコンから稼働されたアーケードゲーム。ジャンルは横スクロールアクションゲーム。キャッチフレーズは「ようこそ いらっしゃい…」。
概要
8方向レバーと2ボタン(ジャンプと攻撃)で主人公の騎士アーサーを操り、さらわれたプリンセスを助け出すのが目的。姫を助けるためには魔界の魔物を蹴散らし、魔将軍が守る6つの門を抜けて、大魔王ゴンディアス[1](『超魔界村』以降の作品ではアスタロトと名称変更)を倒さねばならない。
主人公アーサーは通常時鎧を着けているが、敵の攻撃を喰らうと下着姿になり、その状態で攻撃を喰らうとミス(骨と化す)。2周セットのループゲームで、1周目は大魔王の作り出した幻であり、真のエンディングは難易度が上がった2周目をクリアをしなければ見られない。シリーズを通して大変な高難易度で知られている作品である。
最初に発売されたバージョンには、永久パターンを可能にするバグが存在したため、急遽これを修正した新バージョンが発売された。またその際に、ステージ6の一角獣の数が一つ減らされ、サタンの耐久力が弱くなっているなど難易度が若干下げられている。
キャラクター
主人公側
- アーサー
- 主人公。王国に使える騎士。後の作品では28歳と設定されている[2]。
- プリンセス
- 本作のヒロイン。王国の姫君でアーサーの恋人。サタンに連れ去られる。本作では16歳[3]、3年後である『大魔界村』以降の作品では19歳と設定されている[2]。
雑魚キャラクター
- ゾンビ
- ステージ1、3に登場。生ける屍。土の中から3体ずつ現れる。
- グリーンモンスター
- ステージ1、2に登場。蛇に似た怪植物。移動はせず、定期的な間隔でアーサーめがけて弾を吐いてくる。
- レッドアリーマー
- 赤い色の中型悪魔。猛スピードで空を飛び、体当たりと火の玉で攻撃する。空中にいることが多いため攻撃を当てるのは至難の業。逃げてもどこまでも追ってくる上、倒さずに放置しておくと白く光りさらにスピードアップする。
- 雑魚にも関わらず圧倒的な強さで序盤からプレイヤーを翻弄させ続けたことでその印象も強く、後に彼を主人公にした外伝作品(後述)も出たほどである。
- フライングナイト
- ステージ1に登場する騎士の亡霊。不気味な音と共に上下ジグザグに空を飛んでくる。盾を装備しており、前からの攻撃は通用しない。
- ウッディピッグ
- ステージ1、3、5、6に登場。切り株を身にまとった豚の化身。突然現れ、左右に移動しながら上昇降下を繰り返し、時おりネギの形をした槍を、横や下方向に投げつける。
- ブルーキラー
- ステージ2、4、5に登場する青い色の小型悪魔。急に現れて不規則な動きで迫る。さらにステージ5では弾も発射してくる(1発のみ)。
- プチデビル
- ステージ2、3に登場する薄い紫色の小型悪魔。家の窓や地面の下などの地形から、けたたましい音とともに飛び出してきて体当たりしてくる。
- カラス
- ステージ1、2に登場。アーサーめがけて飛んでくる鳥。青と赤の2タイプおり、赤はアーサー目掛けて飛んでくる。
- コウモリ
- ステージ3、5に出る生物。しゃがんでいれば避けられる。
- タワーモンスター
- ステージ3のみ登場する二つの顔を持った岩形の怪物。白くなっているときはいっさい攻撃が通じない。顔を現すと弾を撃って来る。
- スケルトン
- ステージ5、6に登場。動く骸骨。普段は顔だけ地面に出ていて、アーサーが近づくと全身飛び出してピョンピョンはねてくる。
- 大男
- ステージ2、5、6に登場。普段は左右にうろうろしているが、アーサーを見つけると突進してくる。またアーサーの真上に来たり、壁や床の切れ目を挟んで真横に来ると鉄球を投げて攻撃してくる。耐久力が高く、10発攻撃しないと倒せない。鉄球は、アーサーがしゃがんだ状態で十字架を撃たないと防げない。
- マジシャン
- ステージ1、3に登場。鳥の仮面を被った魔術師。墓石や岩を武器で撃ちまくると出てくる。マントを広げると同時に魔法を放ち、姿を消す。魔法を食らうとアーサーは一定時間蛙にされてしまう。マントを開いた一瞬を攻撃すれば倒せる。彼は魔族とは違う、特別な存在であるという。旧バージョンの3面で、永久パターンに使われるキャラクターである。
ボスキャラクター
- 一角獣
- ステージ1、2のボス(ステージ2は2匹登場)。単眼一角の巨人。ステージ6では雑魚として登場する。歩きとジャンプを繰り返しながら、弾を撃ってくる。巨体の割りにスピードが速く、大ジャンプで回り込んでくることがある。10発の攻撃で倒せる。
- ドラゴン
- ステージ3、4のボス。ステージ6では雑魚として登場する。空を飛びつつ、体当りと炎で攻撃する。胴体を攻撃すると縮んでいくが、頭に8発叩き込まないと倒せない。
- サタン
- ステージ5、6のボス(ステージ6は2匹登場)。赤い色の大型悪魔。空を飛びつつ、体当りと弾で攻撃。翼を開いて羽ばたいている時にしか攻撃が通用しない。6発の攻撃で倒せる。
- 大魔王
- 最後のステージ7で一騎打ちする。左右に動きながら頭と腹の顔から火を吐く。腹に十字架を10発叩き込めば倒せる。普通に十字架を撃っても腹には当たらないので、多少のテクニックが必要となる。
武器
武器を投げた時には自動で足が一歩止まるが、レバー移動によってこれがキャンセルできるので、攻撃と同時にレバー入れを素早く繰り返すと武器を連射することが可能。なお、ジャンプ中はレバーでの軌道修正はできないが、向きを変えることが可能で、これを利用して飛び退いて攻撃できる。
- 槍
- アーサーの初期装備。形状はランス。前方にまっすぐ飛ぶスタンダードな武器である。
- 短剣
- 槍と同じく前方に飛んでいく武器。小さいので若干目標に当てにくいが、槍を上回る弾速を持ち、段差のついたショットが可能。
- たいまつ
- 緩やかな放物線を描いて飛び、着弾すると爆発し炎をあげる。
- 斧
- 放物線を描いて飛ぶ。敵を貫通する。
- 十字架
- 槍や短剣と同じくまっすぐ飛んでいく。射程が非常に短いが、敵の吐く弾(大魔王が吐く火の玉以外)を相殺できる唯一の武器。これを持っていないと大魔王と戦うことはできない(ステージ6終了時点で十字架を持っていない場合、ステージ5の始めに戻される)。
- 次回作以降と異なって入手に特定条件の絡まないドロップアイテム扱いであり、アイテムのツボから出現する。1週目の段階でも比較的早い段階で入手することが可能だが、入手には運が絡むため、入手するタイミングを調整するのが難しい。
- 日本国外版では宗教上の都合から盾に変更されている。
移植
1986年6月13日にファミリーコンピュータへ移植(定価5,500円)され、こちらもかなりの売り上げを記録した。その際ボス敵に武器の耐性が施されている(一角獣は十字架、ドラゴンには槍、サタンには槍と斧が通用しない)。1987年にPC-88版とFM-7版がアスキーより発売されている。2004年5月21日にファミコンミニシリーズ第2弾のひとつとしてゲームボーイアドバンス版が発売された。2007年11月20日からはWiiのバーチャルコンソール、2013年2月13日からはニンテンドー3DSのバーチャルコンソール、同年7月3日からはWii Uのバーチャルコンソールでも配信されている。
日本国外ではゲームボーイカラー対応版が発売されている。
1998年9月23日にPlayStation、セガサターンで発売された『カプコンジェネレーション第2集 〜魔界と騎士〜』に『魔界村』、『大魔界村』、『超魔界村』が収録された。さらにPlayStation版は2005年3月30日に『カプコン レトロゲーム コレクション Vol.2』(攻略本とのセット)で再発売された。
2006年3月2日発売のPlayStation 2用ソフト『カプコン クラシックス コレクション』および同年9月7日発売のPlayStation Portable用ソフト『カプコン クラシックス コレクション』にも『魔界村』、『大魔界村』、『超魔界村』が収録されている(後者には『極魔界村』のPVも収録されている)。
2010年11月16日にはWiiのバーチャルコンソールアーケードで配信開始。アーケード後期版(改訂版)を再現したものになっている[4]。
2011年1月6日には、iPhone向けアプリ『カプコンアーケード』がバージョンアップに伴い、アーケード版の移植版が追加収録されている。
2013年3月5日には、PlayStation 3、Xbox 360で配信されている『カプコンアーケードキャビネット』の追加コンテンツ『1985-Iパック』の一つとして、アーケード版の『魔界村』が有料配信された。
シリーズ作品
シリーズ全世界累計販売本数は2008年6月時点で430万本[1]。
続編
- 大魔界村(アーケード、メガドライブ、PCエンジンスーパーグラフィックス、X68000)
- 超魔界村(スーパーファミコン)
- 超魔界村R(ゲームボーイアドバンス)
- 極魔界村(PlayStation Portable)
- 極魔界村 改(PlayStation Portable)
- 魔界村騎士列伝(携帯アプリ、iPhone / iPod touch)
- 魔界村騎士列伝II(携帯アプリ、iPhone / iPod touch)
関連作品
- レッドアリーマーシリーズ
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- レッドアリーマー 魔界村外伝(ゲームボーイ)- 敵キャラクターである「レッドアリーマー」を主役にした作品。
- レッドアリーマーII(ファミリーコンピュータ)
- 魔界村外伝 THE DEMON DARKNESS(ゲームボーイ) - 『レッドアリーマーII』に追加要素を加えた移植版。
- デモンズブレイゾン 魔界村 紋章編(スーパーファミコン)
- 派生作品
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- アーサーとアスタロトの謎魔界村(セガサターン、PlayStation)
- 魔界村 for WonderSwan(ワンダースワン) - 1999年7月22日にバンダイから発売。『魔界村』をベースにしているがストーリーが一新され『大魔界村』、『超魔界村』の武器や敵キャラクターが登場するほか、新武器、水中、縦長ステージ、TIPSなど新しい要素が加わっている。
- EL-SPIRITS レトロシリーズ 魔界村(電子ゲーム) - 2005年11月27日にエポック社から発売。電子ゲームながらエンディングがあり、スコアを最上限にして魔王を倒すと真のエンディングとなる。
- マキシモ(PlayStation 2)
- 魔界英雄記マキシモ - シリーズ2作目。
- マキシモ3 - シリーズ3作目として開発されていたがキャンセルされた[5]。
- 撃魔界村(メダルゲーム)
- 小魔界村(携帯アプリ)- 読み方は「コマカイムラ」。アーサーが降ってくるドクロを避けながらドル袋を拾っていくミニゲーム。
- パズル魔界村、パズル魔界村リベンジ、パズル魔界村ファイナル(携帯アプリ)- ケータイカプコンよりダウンロードできるミニゲーム。
- 外部出演
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- 魔界島 七つの島大冒険(ファミリーコンピュータ)- アーサーや一部の敵キャラクターが登場。最終ボスがレッドアリーマー。
- ブラックドラゴン(アーケード) - レッドアリーマーが登場する。
- アドベンチャークイズ カプコンワールド(アーケード、PCエンジン) - レッドアリーマーがクイズ出題者として登場する。
- MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES(アーケード、ドリームキャスト、PlayStation)- スペシャルパートナーとしてアーサーが登場。アーサーの声優は高木渉。
- SNK VS. CAPCOM 激突カードファイターズシリーズ(ネオジオポケット)
- 頂上決戦 最強ファイターズ SNK VS. CAPCOM(ネオジオポケット)- 『魔界村』をモチーフとしたミニゲームがある。
- ガンスパイク(アーケード、ドリームキャスト)- プレイヤーキャラクターとして「キング・アーサー」が登場する。
- SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS(アーケード、ネオジオ、PlayStation 2)- 一定の条件を満たすと、レッドアリーマーが隠しボスとして出現。
- NAMCO x CAPCOM(PlayStation 2)- アーサーや一部の敵キャラクターが登場。アーサーの声優は立木文彦。
- WE LOVE GOLF!(Wii)- 一定の条件を満たすとカルロスのコスチュームとして登場する。
- タツノコ VS. CAPCOM(Wii)- 灰燼の蒼鬼のエンディングで蒼鬼一行が魔界村に来てしまい、アーサーとアスタロトが登場する。
- MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds(PS3、Xbox 360) - アーサーがプレイヤーキャラクターとして登場。日本語の声優は稲田徹。
- ULIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3(PS3、Xbox 360) - アーサーに加え、レッドアリーマーもプレイヤーキャラクターとして登場。
- PROJECT X ZONE(ニンテンドー3DS) - アーサーや一部の敵キャラクターが登場。
- ストリートファイター×オールカプコン(スマートフォンアプリ) - 参戦タイトルに本シリーズがあり、アーサーやプリンセス、敵キャラクターが登場。
- オトレンジャー(スマートフォンアプリ) - スペシャルステージ「音魔界村」にアーサーや一部の敵キャラクターが登場。
- 百年戦記 ユーロ・ヒストリア - アーサーが英雄として登場。
- ストリートファイター バトルコンビネーション(スマートフォンアプリ) - アーサー、レッドアリーマーが登場。
- オムニバス集
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- カプコンジェネレーション・第2集 〜魔界と騎士〜(セガサターン、PlayStation)
- ファミコンミニ 第2弾 魔界村(ゲームボーイアドバンス)
- カプコン レトロゲーム コレクション Vol.2(PlayStation)
- カプコン クラシックス コレクション(PlayStation 2)
- カプコン クラシックス コレクション(PlayStation Portable)
- カプコンアーケード(iPhone)
雑記
- 『マル勝ファミコン』(角川書店)創刊号に掲載された「魔界村完全攻略マップ」がアーケード版(ファミリーコンピュータ版ステージ2で削られた建造物などの違いがある)をそのまま流用したことを『ファミリーコンピュータMagazine』(徳間書店)が誌面上で指摘し、しばらく両誌のつばぜり合いが続いた。
- 『魔界村』の続編として『大魔界村』よりも前に『魔界島』というファミリーコンピュータオリジナルの続編が作られる予定だったが、諸般の事情で発売中止になった(当時の『ファミコン通信』の「森下万里子の謎のゲーム未確認情報」のコーナーに記載があった)。その後、『魔界島』のタイトルは同時期に開発されていた『ひげ丸』のアレンジ移植作(『魔界島 七つの島大冒険』)に転用されることになった。
- 「レッドアリーマー」のネーミングはスタッフ名から拝借されていて、常に顔面を紅潮させて怒っている『戦場の狼』のプログラマーの有馬から取られている[6]。
ゲームセンターCX
『ゲームセンターCX』(フジテレビONE)では、第2シーズンの「有野の挑戦」で、当ゲームが挑戦された。16時間の挑戦で1周目のエンディングを見ることができたが、2周目のクリアで真のエンディングを見ることができるという事実を知り、「これ以上やったらゲーム嫌いになるよ」とギブアップ。