暗黒星団帝国の戦闘艦
本項目で記述する護衛艦(ごえいかん)は、『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』に登場する架空の宇宙戦闘艦。
概要
量産型の艦艇で、比較的小型の戦闘艦である。劇中に登場する勢力では地球防衛軍および暗黒星団帝国がこの艦種を保有しているのが確認出来る。
地球防衛軍
地球防衛軍の護衛艦は『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』及び『宇宙戦艦ヤマト2』に登場。デザイン担当は宮武一貴。
対ガミラス戦役後の復興に伴い、拡大した物資輸送航路の護衛を目的として地球連邦政府が建造した量産型の護衛艦艇であり、現実世界のフリゲートに相当する[1]。
3600tの小型艦で、艦体基本構造は同時期の駆逐艦と同一。主機関に波動エンジンを採用。対ガミラス帝国戦役時の地球防衛軍艦艇とは、あらゆる面で比較にならぬ性能を有する。艦首に艦隊決戦兵器である波動砲を装備している。
艦型は、対ガミラス戦役時の地球防衛軍の艦艇と共通する紡錘-葉巻形の艦型で、同時期に建造された巡洋艦、パトロール艦、駆逐艦と同様の艦型が採用されている。艦のサイズは、同時期の駆逐艦と同寸であるが、高い艦橋構造物やフィンを持ち、主砲が1基多い。また、船団護衛艦として情報処理能力が高いとされる[2]。
武装は、艦隊決戦用の雷撃に特化した駆逐艦と異なり、輸送船の護衛用としてバランスのある武装を採用している。艦後部には駆逐艦同様に小型の連装砲塔が4基、X状に配置されている。
諸元
全長 | 112m [113.3m][3][4][5] |
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全幅 | 13.9 m [14m][3][4][5] |
全高 | |
基準排水量 | 3600t[4][5] |
主機 | 波動エンジン×1基 |
乗員 | |
武装 |
- [ ]内は、書籍、ゲームソフト、プラモデル、コミカライズなどの設定。詳細は、脚注・出典を参照の事。空欄は不明な項目である。
劇中での登場
- さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち
- 物語冒頭に古代進が座乗する第15輸送補給線護衛艦隊旗艦[7]として登場する。護衛任務を終え、地球に帰還する直前に、進宙式典後の処女航海に出航したアンドロメダと擦れ違う。
- 宇宙戦艦ヤマト2
- 劇中の出番としては、第2話のラスト、地球が全世界的な停電に見舞われた際、宇宙港に着陸しているシーンがあるだけである。
- ゲーム等
- PS版『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』では冒頭で古代の座乗する資源輸送船団第三護衛艦隊旗艦として登場し、輸送船団を襲ったデスバテ-ターに対し目視による攻撃を仕掛ける。余談だが、このシーンで登場する僚艦は何故か護衛艦よりも上位艦である筈の巡洋艦であった。
- ソースネクストのタイピング拡散波動砲ではヤマト率いる空母機動艦隊に随伴し、ワープ能力を有する事を見せただけでなく、ヤマトと共に敵空母艦隊に猛攻をしかけている。
その他の護衛艦
シリーズ作品ではこの他にも「護衛艦」と呼ばれる艦が登場するが、いずれも「護衛任務に就いた艦」としての呼称であり、艦種ではない。
『宇宙戦艦ヤマトIII』には、移住可能惑星探索を行う探査船団の護衛任務に就いている戦艦が登場する。詳細は護衛戦艦を参照。
『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』では、移民船団の護衛艦としてスーパーアンドロメダ級戦艦とドレッドノート級主力戦艦が登場する。詳細は宇宙戦艦ヤマト 復活篇#地球防衛軍・艦艇を参照。
暗黒星団帝国
暗黒星団帝国の護衛艦は、『宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち』及び『ヤマトよ永遠に』に登場する。デザイン担当は中村光毅、板橋克己。
名称通りフリゲート艦である地球防衛軍のものとは異なり、駆逐艦に近い艦である。
暗黒星団帝国の戦闘艦に共通する、円盤型本体の中央に艦橋が配置される形状で、3連装主砲と船体両脇のビーム砲2門を装備。3連装主砲は艦橋構造物基部に格納可能である。全長108mの小型艦で小回りが利くが、ショックカノン1発で2隻同時に貫通されるなど耐久力は低い部類に入る。
『新たなる旅立ち』と『永遠に』で若干カラーリングが異なっており、『新たなる旅立ち』では艦前部中央がオレンジだったが、『永遠に』では濃いグレーとなっている[8]。
諸元(暗黒星団帝国)
全長 | 108m |
---|---|
全幅 | 96m |
全高 | 75m |
基準排水量 | |
主機 | |
乗員 | |
武装 |
|
- 諸元データについては、すべて「ファイナルデラックス版 ヤマトよ永遠に」[要ページ番号]より。空欄は不明な項目である。
劇中での登場(暗黒星団帝国)
- 宇宙戦艦ヤマト 新たなる旅立ち
- デーダー指揮下の第1艦隊及び資源採掘船団の護衛部隊に配備。船団護衛部隊はガミラスにおいてデスラー残存艦隊の奇襲を受け撃滅される。第1艦隊所属艦は、逆にデスラー艦隊をイスカンダル付近にて奇襲、大損害を与えるが、デスラー機雷やヤマト艦載機のミサイル・レーザーによる攻撃によって徐々に数を減らし、ヤマトに対しては砲撃をまったく命中させられずショックカノンと煙突ミサイルによって全艦撃沈された。
- ヤマトよ永遠に
- 黒色艦隊と暗黒星雲内部の艦隊に配置。黒色艦隊所属艦は小回りの良さを生かし無人艦隊を翻弄、撃滅。暗黒星雲内部の艦隊所属艦は、距離1万宇宙キロの大距離から砲撃を命中させ、さらにヤマトから反撃を受けながらも高速を生かして肉薄突撃を仕掛けるなど善戦するも、結局はヤマト主砲および空対空ミサイルによって全艦撃沈され、旗艦(巨大戦艦)のみが逃げ帰る結果となった。
- PSゲーム版
- プレアデスと同様、グロデーズの意匠が取り入れられた有機的なデザインへのアレンジがされているが、ゲーム版の暗黒星団帝国の艦艇の中では最も元作品からの変化が少ない。リング状光線砲などはなく、従来の主砲に加えて副砲や迎撃ミサイル、対空機銃で武装している。艦種名は暗黒星団護衛駆逐級。
脚注・出典
- ^ 『デラックス版 さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』P250および『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 大百科』[要ページ番号]より。
- ^ 『デラックス版 さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』P250。
- ^ a b テレビランド増刊「宇宙戦艦ヤマト総集号」[要ページ番号]より。バンダイ宇宙戦艦ヤマトメカコレクションNo11パッケージにも同様の表記あり。
- ^ a b c 『デラックス版 さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』P251。
- ^ a b c 「宇宙戦艦ヤマト発信!情報班資料室 地球防衛軍艦隊(対白色彗星帝国戦時)」
- ^ a b 小学館「てれびくん」シリーズ(文献の詳細は下記)[要出典]より。
- ^ 『映画テレビマガジン さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』[要ページ番号]及び「宇宙戦艦ヤマト発信!情報班資料室 地球防衛軍艦隊(対白色彗星帝国戦時)」より。なお「補給線」は誤字では無い。
- ^ 一部オレンジとなっている艦もいる。
参考文献
- 「デラックス版 さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」(株式会社オフィス・アカデミー・1979)
- 「ファイナルデラックス版 ヤマトよ永遠に」(西崎音楽出版・1980)
- 「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 大百科」(ケイブンシャ・1979)
- 「ロマンアルバムエクセレント53・54 ‘宇宙戦艦ヤマトPERFECT MANUAL1・2’」(徳間書店・1983)
- 「てれびくんデラックス2‘宇宙戦艦ヤマト大全集’」(小学館・1979)
- 「別冊てれびくん3‘宇宙戦艦ヤマト2’」(小学館・1979)
- 「EB22‘宇宙戦艦ヤマト メカニック大図鑑1’」(株式会社バンダイ出版課・1990)
- 「宇宙戦艦ヤマト発信!情報班資料室 地球防衛軍艦隊(対白色彗星帝国戦時)」(バンダイナムコゲームスNE事業本部ウェブサイト)(インターネットアーカイブ2009年3月11日分キャッシュ)
- 「映画テレビマガジン さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」(秋田書店・1978)