牧師館の殺人

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牧師館の殺人』(ぼくしかんのさつじん、原題 The Murder at the Vicarage)は、イギリスの小説家アガサ・クリスティによって1930年に発表された長編推理小説である。ミス・マープルの初登場作品。[1]

あらすじ

ロンドン郊外のセント・メアリ・ミード村で殺人事件が発生した。しかも、その殺人は村の牧師館で起こったのだ。殺害されたのは裕福な村の名士プロズロー大佐。被害者は吝嗇と杓子定規な性格のために疎まれていたため、恨みを持つ者は少なくない。教区担当の牧師クレメントも容疑者の一人として数え上げられてしまう。そうこうするうち画家の青年ロレンスが犯人として自首し、この事件は解決かと思われたが、被害者の妻であるアンまでもが自首して、しかも両方とも無実だとわかったのである。せんさく好きの有閑婦人、マープルがこの謎に挑む。

登場人物

  • レナード・クレメント : 村の牧師。牧師館に居住している。
  • グリゼルダ : レナードの妻。水際立った美人で夫とは年が離れている。
  • デニス : レナードの甥。健康な16歳の少年。
  • プロズロー大佐 : 治安判事。熱心なキリスト教徒。独裁的で何かと敵を作りがちな人物。
  • アン・プロズロー : 大佐の妻。後妻であり義理の娘とは上手くいっていない。
  • レティス・プロズロー : 大佐の娘。奔放な性格の美しい娘。
  • ローレンス・レディング : 画家。ハンサムな好青年。
  • メアリ : 牧師館の女中。無愛想な上家事の腕はお粗末。
  • ホーズ : 牧師補。
  • ヘイドック : 医師、レナードの友人。
  • レストレンジ夫人 : 最近村に引っ越してきたばかりの謎めいた婦人。
  • ミス・ジェーン・マープル : 村に住む老嬢。一見ただの噂好きの老婦人だが人間観察に長けた名探偵。

備考

  1. ^ 雑誌掲載がなされた作品としては、短編集『火曜クラブ』の方が『牧師館の殺人』よりも先であるが、書籍として刊行されたのはこの作品が先である。