ヤマハ・XSR900

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XSR900は、ヤマハ発動機が製造販売するオートバイ大型自動二輪車)である。

概要[編集]

ヤマハヨーロッパの「Fasters son project」の一環としてXSR700MT-10と共に2015年EICMAで報道向けに公開された[1]

その後海外市場向けに先行発売されたのち、日本国内仕様として 2016年2月23日から9月末日まで60th Anniversaryの受注生産予約を開始し、4月15日よりXSR900XSR900 60th Anniversaryが発売された[2]

「グッドデザイン賞 2016:ベスト100」「オートカラーアウォード2016 特別賞」「JIDAデザインミュージアムセレクションVol.18」「iF Design Award 2017」「Red Dot Award 2017:best of the best」「International Design Excellence Awards 2017:finalist」「German Design Award」と、デザイン賞を7つ受賞している。

モデル一覧[編集]

RN46J (2016年-2017年)[編集]

XSR900 (RN46J)
2016-2017
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
メーカー 日本の旗ヤマハ発動機
車体型式 認定形式:RN46J
通称形式
2016年-2017年:B90
エンジン N703E型 845 cm3 4ストローク
水冷DOHC4バルブ直列3気筒
内径×行程 / 圧縮比 78.0 mm × 59.0 mm / 11.5:1
最高出力 81kW 110PS/ 9,000rpm
最大トルク 88N・m 9.0kgf・m/8,500rpm
車両重量 195 kg
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B90型(2016年-2017年)

日本や欧州で流行しているネオレトロカテゴリーにおいてコンセプトであるThe Performance Retroster(ザ・パフォーマンス・レトロスター)を基にMT-09のフレームやエンジン、前後サスペンションの基本構造を共有するも、レトロで普遍的なスタイリングを持ち、さらにはより新しい走行性能や機能を織り込んだ、新しい価値を持ったバイクである[3]

MT-09と基本構造を共有するものの、サスペンションセッティングやシート位置、ハンドル位置を変更することにより、全く異なるフィーリングになるように変更がなされている。

また、MT-09トレーサーにも採用された2モードトラクションコントロールを3モードに変更し搭載、アシスト&スリッパークラッチを姉妹車の中で初めて搭載した。

RN56J (2018年-2021年)[編集]

XSR900 (RN56J)
2018-2021
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
メーカー 日本の旗ヤマハ発動機
車体型式 認定形式:RN56J
通称形式
2018年:B90
2019年:BAE
2020年-2021年: BDV
エンジン N711E型 845 cm3 4ストローク
水冷DOHC4バルブ直列3気筒
内径×行程 / 圧縮比 78.0 mm × 59.0 mm / 11.5:1
最高出力 85kW 116PS/ 10,000rpm
最大トルク 87N・m 8.9kgf・m/8,500rpm
車両重量 195 kg
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B90型(2018年)

ヘリテイジスポーツモデルをイメージしたレッドを採用。ブラックとマットグレーは継続販売。メーカーリリースは、このようなカラーチェンジという内容ながら、車両とエンジンの型式が変更され(平成28年排出ガス規制対応)、出力や燃費も変わっている。

BAE型(2019年)

前年モデルで平成28年排出ガス規制をクリアしていたXSR900の2019年モデル(日本国内向け仕様)は、カラーチェンジのみ。新たに採用されたブルーメタリックは、タンクにスポーツイメージを強調するタテのラインが加えられていた。これは、2018年モデルにおける赤の「色違い」だった。マットグレーとブラックメタリックは継続設定。前年秋のケルンショーで発表された欧州向けとは異なるカラー設定になった。

BDV型(2020年)

ヘッドライト内に、ポジションランプが加えられるとともに、リフレクターのデザインも変更された。カラーリングには、新たに「ラジカルホワイト」が設定された。

発表時のプレスリリースには、「1980年代に人気を博したスポーツモデルのイメージを再現」とあったが、これは1983年発売のRZ250Rのカラーリングを踏襲したものだった。

マットグレーメタリック3と併せて2色設定となった。

RN80J (2022年-)[編集]

XSR900 (RN80J)
2022-
基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
メーカー 日本の旗ヤマハ発動機
車体型式 認定形式:RN80J
エンジン N718E型 888 cm3 4ストローク
水冷DOHC4バルブ直列3気筒
内径×行程 / 圧縮比 78 mm × 62 mm / 11.5:1
最高出力 88kW 120PS/ 10,000rpm
最大トルク 93N・m 9.5kgf・m/7,000rpm
車両重量 193 kg
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XSR900シリーズとしては初のフルモデルチェンジ。

2021年11月のEICMA(イタリア・ミラノ)で発表。日本市場では2022年6月30日発売[4]

「The Expert of Equestrian」をコンセプトに開発。エクエストリアンとは伝統的な馬術のことを指し、MT-09が暴れ馬を乗りこなすロデオなら、XSR900は愛馬と一体になって駆ける優雅な振る舞いをイメージ。

エンジンについては新型MT-09と同様に「N718E」を搭載。これにより3気筒エンジンの排気量は、これまでの845ccから888ccに拡大。シリンダーボアは78mmそのままに、ピストンストロークがを59mmから62mmに変更されている。性能面ではMT-09から変更はないものの、車体とのマッチングを考慮し両サイドのアルミカバーやクラッチの樹脂カバーに専用の塗装が施されている。またエンジン変更に伴い、平成32年(令和2年)排出ガス規制をクリア。クイックシフター(アップ/ダウン対応)

メインフレームとエンジン、そして各種制御系はMT-09と共通だが、トレーサー9 GT用のリアアームとリアフレームが新しくなり、サスペンションをリセッティング。ホイールベースはMT-09と比較すると65mm延長されている。またシート高も旧型XSR900と比較すると-20mmとなっている。

カラー液晶メーターもMT-09ゆずりのものが装備されているが、上位グレードの「MT-09SP」では採用されているクルーズコントロール機能が標準装備されている。タコメーターの色も専用色に変更。またMT-09と比較するとガソリン残量の目盛りがひとつ増えている。

脚注[編集]

  1. ^ 2015EICMAミラノショーヤマハブースから想像した未来のYAMAHA Web 55mph - バイク・スクーター ヤマハ発動機製品サイト
  2. ^ レトロな外観とパフォーマンスを調和させた“Neo Retro”ロードスポーツ 「XSR900」「XSR900」60th Anniversary 新発売
  3. ^ XSR900 開発ストーリー - バイク・スクーター ヤマハ発動機製品サイト
  4. ^ XSR900がフルモデルチェンジして登場しました。 - ヤマハ バイク ブログ|ヤマハ発動機株式会社”. 2022年10月3日閲覧。

注釈[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]