ブラウニー (ケーキ)

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ブラウニー

ブラウニー英語: Brownie)は、平たく正方形に焼いた濃厚なチョコレートケーキである。目の詰まったチョコレートケーキからバー状に切り出したりもする[1]。チョコレートの濃厚さによってファッジ(やわらかいキャンディ)状であったりクッキーに近いケーキ状であったり、また、ナッツクリームチーズチョコチップなどを混ぜたり、砂糖がけをするなど様々な形態がある。ブラウン・シュガーを材料とし、チョコレートを使用しないものは「ブロンディ」と呼ばれる。

携帯食として普及しており、通常は手づかみで食べる。ミルクコーヒーと共に食されることも多い。特にレストランでは、熱くしてアイスクリームと一緒に出したり(アラモード)、ホイップクリームをトッピングすることもある。

発祥

ブラウニーが初めて公に登場したのは、1893年に開催されたシカゴ万国博覧会においてであった。シカゴにあったホテルであるパーマーハウス[2]のあるシェフが、「万博に参加する女性のために、ケーキひと切れよりも小さくて、お弁当箱から気軽に出して食べられるようなデザートを作ってほしい」というホテル創業者の妻バーサ・パーマーの要求に応えて、このお菓子を考案したとされる。この時のブラウニーの表面にはクルミがトッピングされ、その上からアプリコットのグレイズが掛けられている。今でもパーマーハウスで当時のレシピそのままに作り続けられている[3]

ブラウニーの名が初めて文献に登場するのは、1896年ボストンの料理学校の教科書である。これは糖蜜のケーキを小さな金型で焼いたものであったという。今日のようなブラウニーのレシピの中で最初のものは、アメリカの女性料理家ファニー・メリット・ファーマーが著した1906年版『ボストン・クッキングスクール・クックブック』である。この初期のレシピによって、ブラウニーは比較的甘口な、よりケーキらしいものへとアレンジされた。「ブラウニー」という名称は、この料理本の1896年版にすでに登場していたが、一つ一つ細い型に入れて焼き上げた糖蜜のケーキを指していたので、今でいうブラウニーではなかった[4]

続くレシピは、1907年にマリア・ウィレット・ハワードによって書かれ、マサチューセッツ州ボストンにあるウォルター・M・ルーニー商会から出された『ルーニーズ・クックブック』に登場した。ふんだんにを使用し、ボストン・クッキングスクールのものよりチョコレートを多く加えていたため、より濃厚でファッジ状のブラウニーとなっていた。この作り方は「バンガー・ブラウニー」と呼ばれた。恐らく、メイン州バンガーに住む女性によって考案されたためであろう[4]

ブラウニーを調理する際の注意点

チョコレートの風味を保つためには、急いでオーブンから取り出す必要がある。チョコレートに独自の風味を与えている材料の多くは、揮発して消えてしまいやすいためである(調理中に漂う香りは、その風味や香味が空気中に逃げていることをよく示している)。数分間の余熱でも調理は進んでしまうので、出来るだけ早めにブラウニーをオーブンから出すのが良い。たいてい、竹串を刺して焼きあがりを確認する際に、少し湿った中身がまだ付いてくるくらいがちょうどよいとされる[5]

脚注

  1. ^ Webster's New World College Dictionary, 4th Edition, 2008.
  2. ^ Extra Info on 190 North's April 8, 2007 Show”. 190 North (2007年4月8日). 2008年4月18日閲覧。
  3. ^ Uncle Phaedrus Retrieved September 23, 2008.
  4. ^ a b The Origin of the Brownie Retrieved September 23, 2008.
  5. ^ The New Best Recipe(2004). America's Test Kitchen.

関連項目