デストロイヤー・ドロイド

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デストロイヤー・ドロイドdestroyer droid)もしくはドロイディカdroideka)は、SF映画『スター・ウォーズ・シリーズ』に登場する架空のロボット。

通商連合が保有していた戦闘用のドロイド。設計したのは、コリコイドという、高い技術力を持った、肉食性の昆虫型エイリアン種族である。デストロイヤー・ドロイドの設計に対する対価として、通商連合は貨物船50隻分もの貴重な肉をコリコイドに提供する。

仕様

ヒューマノイド型の構造を持つバトル・ドロイドとは異なり、目標を完全に破壊することに重点を置いたドロイドである。戦闘時には、バトル・ドロイドとは比較にならない程強力な威力を持つツイン・ブラスターを凄まじい勢いで発射し、敵を攻撃する。また、超小型の偏向シールドを内蔵しており、戦闘時にはこれで自分を球形に包囲し、身を守ることが可能である。シールドを張った状態でも射撃が可能なのは、ブラスターの銃口をシールドの外に出し、発射してからすぐに引っ込めるという動作を繰り返している(射撃の度に両腕を激しく前後させている)からである。非常に完成度の高い強力な機体であり、劇中では何度もジェダイや侵入者の撃退や捕縛に成功している(一部のスピンオフ作品を除き、ジェダイに撃破される場面はない)。映画版では、人間の言語ではない音しか発しておらず、字幕も出ない。よって人間との会話が出来るかどうかは疑わしいが、明らかにはされていない。コミック版のスター・ウォーズ エピソードIでは喋る。

スター・ウォーズ新三部作全てに登場し、一見全て同じに見えるが、実は登場エピソードごとに機種が異なっており、『エピソード1』はPシリーズ、『エピソード2』はWシリーズ、『エピソード3』はQシリーズと呼ばれている。

この3種の内、最新型が『エピソード3』に登場するQシリーズであり、逆に最も旧式なのが『エピソード2』のWシリーズである。ジオノーシスの戦いにおいてWシリーズ・ドロイディカがシールドを使用しなかったのは、ブラスターを使用する際のエネルギー消費が激しい為であり、この欠点を克服した発展型がPシリーズとQシリーズである。

1体の製作にバトル・ドロイド200体分の費用が掛かる。デストロイヤー・ドロイドを運用する通商連合は、バトル・ドロイドと同様に、ひとつのコンピュータによって中央制御している。だが、設計したコリコイド社は指令船での制御を嫌っているため、自立機能が搭載されたものもある。

特徴

このドロイドには三本の足が付属しているが、とても細く貧弱なものである。そのため、この足は方向転換程度にしか用を成さない。しかし、非戦闘時(移動時)には、全身を丸めリング状にすることにより高速な移動が可能となる。

長所

  • シールドを展開したまま一方的に防御や攻撃を行えるため、ビームなどの弱遠距離攻撃に対してはめっぽう強い。したがって、ビームを偏向して攻撃してくるジェダイのような敵に対しても有利。
  • また、小説板「スター・ウォーズエピソード3」によるとライトセーバーによる攻撃からの防御も可能と言われる。
  • リング状での移動速度はドロイド単体では最速であり、敵を奇襲・包囲して捕獲・殲滅できる。また、スピンオフ小説「生存者の探索」では、回転移動しながらもブラスターを撃てる個体が登場した。

短所

  • 上記のとおり非常に高価である。
  • リング状のときはシールドを張っていないため、攻撃されると弱い(ただし回転している状態でもブラスターを撃つ事はできたり、数発のブラスター程度の攻撃なら耐えられるようになっている個体も存在する)。
  • コンピュータによる中央制御のため、そのコンピュータが破壊されてしまった場合は、完全に無力化されてしまう。ただし、ジオノーシスの戦い以降はコンピュータからの信号が途絶えても、ある程度自立して行動するプログラムを搭載することでこの弱点が改善されている。
  • 脚部や機体形状が特殊なため、バトル・ドロイドなどと比較して汎用性に乏しく、運用できる場所が平地や基地内に限られる。また、形状やセンサーの配置の関係上複数の方向からの同時攻撃には対応しきれないとされている。
  • シールドは対人用ブラスターを防ぐのに充分な出力を持っているが、それ以上の攻撃を防ぐのにはさすがに限度がある。そのため、質量の大きい物質で押しつぶす、宇宙船同士の戦いで使用されるような規模の兵器を使用するといった攻撃の場合には耐えきれないことがある。
  • ドロイディカのシールドはブラスターのビームのように高速で移動する物体を弾くが、それに比べるときわめて低速で移動してくる物体(ドロイディカ自身のブラスターの銃身や人間など)の場合や停止している物体にドロイディカの方から接近している場合通過させる性質がある。それにシールドよりも内側からの攻撃にはほとんど無防備であるため、背後から組み付くなどしてブラスターの銃口を直接シールドの内側に突っ込む、手榴弾をシールドの中にゆっくりと投げ込む、シールドを展開する地点を予測して待ち伏せしたり罠を仕掛けるといった方法で破壊される場面もある。
  • 集団戦ではなぜかほとんどシールドを張っておらず、バトル・ドロイドのブラスター1発で転倒する。そのため、『エピソード2』ではジェダイやクローン・トルーパーによって多数破壊された。反射したビームやシールド自体に同機種以外の味方が巻き込まれるのを防ぐため(『エピソード3』の小説版ではインヴィジブル・ハンドの人工重力の向きが変わるときに、デストロイヤー・ドロイドがシールドを張ったまま吹き飛んだためにシールドが戦艦の床や壁などに当たってそれを壊すシーンがある)、あるいは激しい戦線ではエネルギー不足による戦闘不能に陥る危険があるからなどといった理由が考えられる。このためかドロイドはおろか陸戦兵器で同じシールド機構を備えているものは劇中であまりみられない。

名称について

いくつかの名称が存在するが、これは初登場となった『エピソード1』製作時に設定が二転三転したためである。デザインの段階ではホイール・ドロイドwheel droid)と呼ばれていたが、製作が本格的に始まるとデストロイヤー・ドロイドdestroyer droid)と設定。しかし後にドロイディカdroideka)に改変。『エピソード1』の通商連合母艦における戦闘でオビ=ワン・ケノービは"destroyer"と呼び、アフレコヌート・ガンレイルーン・ハーコは"droidek"と呼ぶのはその影響と思われる。『エピソード1』の吹き替え版ではヌート・ガンレイらが「ドロイディカス」と複数形を固有名詞のように使っている。