BMW・1シリーズ

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BMW 1シリーズ(F20)

BMW 1シリーズドイツの自動車メーカー・BMWが製造・販売している自動車である。

概要

1シリーズはCセグメントに属し、BMWのエントリーモデルとして3シリーズコンパクトの後継を担っている。基本プラットフォームをE90型3シリーズと共有している。 他のCセグメント車は駆動方式にFFを採用して実用面を重視しているのに対し、1シリーズはFRを採用し、フロントアクスルとリヤアクスルへの荷重をほぼ50:50の均等に配分することにこだわり、走行性能を追求しているところが特徴である。また、これは同社全シリーズ一貫した姿勢であり、「駆けぬける歓び」を世界共通のキャッチフレーズとしている。生産は、ドイツのレーゲンスブルク工場。

初代(2004年 -)E87型

BMW・1シリーズ(初代)
E81/82/87/88
BMW 120i (E87) (2004年 - 2007年)
BMW 118d (E87LCI) (2007年 - 2011年)
BMW 120i (E87LCI) (2007年 - 2011年) リア
概要
販売期間 2004年 - 2011年(E87)
2008年 - 2014年(E82/E88)
ボディ
乗車定員 5(E87)/4(E82/E88)
ボディタイプ 3 / 5ドア ハッチバック
2ドアクーペ、2ドアカブリオレ
駆動方式 後輪駆動
パワートレイン
変速機 6速AT、6速MT、7速DCT
車両寸法
ホイールベース 2,660mm
全長 4,240mm(E87)
4,370mm(E82/E88)
全幅 1,750mm
全高 1,430mm(E87)
1,410mm(E82/E88)
車両重量 1350-1530kg
系譜
先代 BMW・E46 ti
後継 BMW・F20/F21(E87/E81の後継)
BMW・F22/F23(E82/E88の後継)
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ハッチバック(E87/E81)

  • 2004年に本国で発表。5ドアモデルのみでモデルコードはE87。同年9月22日に日本向けに発表され、10月9日から「120i」の販売を開始、「118i」「116i」は予約受付が開始された。「118i」「116i」は2005年3月ごろの納車と案内された。
「116i」は1.6L直列4気筒エンジン、「118i」「120i」は2.0L直列4気筒エンジンを搭載し、6速ATが組み合わされている。右ハンドル仕様のみ。
  • 2005年10月4日、3.0L直6エンジンを搭載したフラッグシップモデル「130i」が追加された。右ハンドル、6速MTのみの設定。日本では「M Sport」が標準で装着される。あわせて、「116i」「118i」「120i」にも「M Sport」パッケージがオプション設定された。
  • 2006年4月20日、「130i」に6速ATモデルが追加された。ステアリングにはパドルシフトが装備され、ギアチェンジの時間を短縮した「スポーツAT」を採用。
  • 2007年1月、本国でフェイスリフトモデル(E87LCI)が発表され、同時に3ドアモデル(E81)が追加された。
キドニーグリルが大きくなり、フォクライト形状も丸型から四角形に変更。それに伴いフロントバンパー開口部も変更されている。「120i」「118i」には新開発の直列4気筒エンジンが搭載された。
  • 2007年5月24日、フェイスリフトモデルが日本で正式発表された[1]。日本仕様では「118i」は廃止され、「116i」「120i」は引き続き従来型のエンジンが搭載されている。
  • 2010年5月25日、日本仕様車のエンジンを新型のものに切り替えることが発表された[2]
E87(2004年 - 2007年) / E87LCI(2007年 - 2011年)
グレード 型式 排気量(cc) エンジン 最高出力(ps/rpm) 最大トルク(kgm/rpm) 変速機 駆動方式
116i (2004年 - 2010年) N45B16A 1,596 直列4気筒DOHC 115/6,000 15.3/4,300 6速AT 後輪駆動
116i (2010年 - 2011年) N43B16A 1,597 122/6,000 16.3/4,250
118i (2004年 - 2010年) N46B20B 1,995 129/5,750 18.4/3,250
120i (2004年 - 2010年) 156/6,400 20.4/3,600
120i( 2010年 - 2011年) N43B20A 170/6,700 21.4/4,250
130i (2006年 - 2010年) N52B30A 2,979 直列6気筒DOHC 265/6,600 32.1/2,750 6速AT/6速MT
130i (2010年 - 2011年) 258/6,600 31.6/2,600-3,000

クーペ(E82)/カブリオレ(E88)

BMW 120iカブリオレ (E88)
BMW 123dクーペ (E82)
  • 2007年7月、2008年春にクーペモデル(E82)をアメリカ、欧州市場に投入することを発表。
  • 2007年10月、カブリオレ(E88)が本国で発表された。4人乗りのオープンモデルで、ファブリック製の電動開閉式ソフトトップを採用している。
  • 2008年2月26日、クーペモデルが日本向けに発表された[3]。3.0L直列6気筒ターボエンジンを搭載する「135i」が設定された。トランスミッションは6速MTが標準、6速ATは予約受注という形が採られた。Mスポーツパッケージが標準装備であった。
  • 2008年3月26日、カブリオレが日本向けに発表された[4]。2.0L直列4気筒エンジンに6速ATが組み合わされる「120i」のみが用意された。
  • 2010年5月25日、クーペモデルに「120i」が追加投入された[5]。また、「135i」はエンジンが変更されるとともに6速ATが7速DCTに変更された[6]
  • 2011年6月20日、フェイスリフトモデル(F82LCIおよびF88LCI)が日本で発表された[7]
  • 2014年、クーペ及びカブリオレの後継モデルは「2シリーズ」として発売された。
E82/E88(2008年 - 2011年) / E82LCI/E88LCI(2011年 - 2014年)
グレード 型式 排気量(cc) エンジン 最高出力(ps/rpm) 最大トルク(kgm/rpm) 変速機 駆動方式
120iカブリオレ (2008年 - 2010年) N46B20B 1,995 直列4気筒DOHC 156/6,400 20.4/3,600 6速AT 後輪駆動
120iカブリオレ/クーペ (2010年 - 2014年) N43B20A 170/6,700 21.4/4,250
135iクーペ (2008年 - 2010年) N54B30A 2,979 直列6気筒DOHCターボ 306/5,800 40.8/1,300-5000 6速AT/6速MT
135iクーペ (2010年 - 2014年) N55B30A 306/5,800 40.8/1,200-5000 7速DCT/6速MT

2代目(2011年 -)F20型

BMW・1シリーズ(2代目)
F20
BMW 118i (F20) (2011年 - 2015年)
BMW 116i (F20LCI) (2015年- )
概要
販売期間 2011年9月 -(日本)
ボディ
乗車定員 5人
ボディタイプ 3ドア/5ドアハッチバック
駆動方式 FR
パワートレイン
エンジン N13B16A型:1,598cc直4DOHCターボ
N55B30A型:2,979cc直6DOHCターボ
変速機 8速AT、6速MT
前:ダブルジョイントスプリングストラット式コイル
後:5リンク式コイル
前:ダブルジョイントスプリングストラット式コイル
後:5リンク式コイル
車両寸法
ホイールベース 2,690mm
全長 4,335mm
全幅 1,765mm
全高 1,425 - 1,440mm
車両重量 1,400 - 1,420kg
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BMW 118i (F20) リヤ
BMW 118d (F20LCI) リヤ

2011年6月5日に発表[8]。欧州市場では同年秋から販売を開始した[9]

ボディは当初は5ドアのみで、ガソリン車は「116i」と「118i」、ディーゼル車は「116d」、「118d」、「120d」があり、それぞれに標準、Sport Line、Urban Lineの3タイプが用意される。2012年5月には3ドアバージョンと「114i」「M135i」を追加。3ドアのモデルコードはF21。

2011年9月22日から日本での販売が始まる[10]

ガソリン車の「116i」と「120i(欧州名:118i)」があり、それぞれ標準、Sport(欧州名:Sport Line)、Style(欧州名:Urban Line)の3タイプが用意される。これら3タイプは外観、内装、装備内容が異なる。

2012年8月1日から「M135i」の日本での販売が始まる[11]

「M135i」は、M Performance Automobiles(M3やM5などの「BMW Mモデル」と標準モデルとの間に位置するモデル)の日本における最初のモデルとなる。

尚、先代にあったクーペ及びカブリオレは2シリーズとして登場することから用意されない。

2015年にはフェイスリフトが施され、フロント及びリヤの意匠が改良された他、新開発の直列3気筒エンジンを搭載したモデルが追加された。日本向けには2015年5月14日にフェイスリフトモデルの発表が行われた。「118i」「120i」「M135i」の3モデルが用意された[12]。当初「118i」はフェイスリフト前の「116i」と同じ4気筒エンジンを搭載していたが、2015年8月24日に「118i」のエンジンを3気筒エンジンに切り替えることが発表された[13]

特徴・機構

  • 日本仕様は全て右ハンドル仕様である。
  • BMW車では初めてウインカーを内蔵したドアミラーを採用。この形式のドアミラーはメルセデス・ベンツが採用し世界中のメーカーが追従しているが、BMWはその追従の列には加わっていなかった。
  • 「120i」と「116i」は同じN13B16A型1.6L 直4ターボエンジンで出力のみ異なっている。また、トランスミッションは新開発の8速ATのみ。
  • 「M135i」に搭載されているエンジンは初代と同形式のN55B30A型だが、BMW Mによる更なるチューニングがなされ14psアップの320psを発生。トランスミッションは8速スポーツATのみ(日本仕様の場合)。
  • 全車アイドリングストップ機構を搭載。またブレーキ・エネルギー回生システムを採用し燃料消費量の低減をはかっている。
  • ディーゼルエンジン搭載したモデルは、2015年時点では日本未導入。
  • 先代よりホイールベースを30mm延長し2,690mmとした。
  • SportにMスポーツ・サスペンションをメーカーオプション設定。装着車は最低地上高が125mmとなる(非装着車は140mm)。
  • 先代同様全車にランフラットタイヤを標準装備しているが、乗り心地は改善されている。
F20(2011年 - 2015年 )
グレード 型式 排気量(cc) エンジン 最高出力(ps/rpm) 最大トルク(kgm/rpm) 変速機 駆動方式
116i N13B16A 1,598 直列4気筒DOHCターボ 136/4,400-6,450 22.4/1,350-4,300 8速AT FR
120i 170/4,800-6,450 25.5/1,500-4,500
M135i N55B30A 2,979 直列6気筒DOHCターボ 320/5,800 45.9/1,300-4,500
F20LCI(2015年 - )
グレード 型式 排気量(cc) エンジン 最高出力(ps/rpm) 最大トルク(kgm/rpm) 変速機 駆動方式
118i (- 2015年8月) N13B16A 1,598 直列4気筒DOHCターボ 136/4,400-6,450 22.4/1,350-4,300 8速AT FR
118i (2015年8月 - ) B38B15A 1,498 直列3気筒DOHCターボ 136/4,400 22.4/1,250-4,300
120i N13B16A 1,598 直列4気筒DOHCターボ 177/5,000 25.5/1,500-4,500
M135i N55B30A 2,979 直列6気筒DOHCターボ 326/5,800 45.9/1,300-4,500

関連項目

外部リンク

参考文献