日本語の音韻

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日本語の音韻(にほんごのおんいん)は、日本語において別々のと分析される抽象的な音の全体である。これらの音韻は一つの体系をなす。

本記事では、日本語の音韻体系、また、音声学的に見た実際の発音単音連音)を中心に説明する。

仮名・音韻・音声の関係[編集]

日本語において、ある音とある音が同じ音韻といえるかどうかは、その2音が別々の語を形作るかどうかで決まる。たとえば、[r] および [l] という2音は、音声学上は別々の音であるが、日本語の中で用いる場合、「からだ(体)」を [karada] と発音しても、[kalada] と発音しても、別語にはならない。したがって、日本語では音韻論[r] および [l] を区別しないことになる。言い換えれば、日本語には[r] および [l] を包括する概念があることになる。これを一般的には「ら行」の子音と称しており、音韻論上の表記(音素表記)では /r/ と記している。/r/ は、場合によって、また人によって、[r], [l], [ɾ], [ɽ] などさまざまに発音されるが、その違いは日本語の音韻としてはほとんど問題にならない。

日本語の音韻というものを上のように規定すると、これは結局、仮名で区別されるものとほぼ同じであることになる。仮名が日本語を表音的に表記する文字といわれるゆえんである。ただし、仮名は、日本語の音韻と完全に一致しているわけではない。たとえば、「お」と「を」は別々の仮名であるが、日本語の標準音としてはどちらも [o] で発音される。また、「とうし(投資)」と「とおし(通し)」の2文字目はそれぞれ「う」と「お」で表記されているが、どちらの語も [to:ɕi̥] と発音される。

音韻体系[編集]

日本語の音韻体系は、およそ次のようにまとめられる(現代共通語の場合)。

直音母音
(清音)
直音子音+母音) 拗音
きゃ きゅ きょ 清音
しゃ しゅ しょ (清音)
ちゃ ちゅ ちょ (清音)
にゃ にゅ にょ (清音)
ひゃ ひゅ ひょ (清音)
みゃ みゅ みょ (清音)
りゃ りゅ りょ (清音)
ぎゃ ぎゅ ぎょ 濁音
か゚ き゚ く゚ け゚ こ゚ き゚ゃ き゚ゅ き゚ょ 鼻濁音
じゃ じゅ じょ (濁音)
(濁音)
びゃ びゅ びょ (濁音)
ぴゃ ぴゅ ぴょ 半濁音
直音半子音+母音)
(清音)
(清音)
特殊モーラ
撥音
促音
長音
  • 以上が、一般的な数え方であるが、専門家によってその総数は若干異なる。たとえば、金田一春彦は、上の音韻に加えて、「(うぉ)」「てぃ」も日本語に存在すると認めている[1]
  • 「みゅ」の音が含まれる単語は、外来語擬音語を除くと「小豆生田(おまみゅうだ)」というの一例のみである[2]

単音の発音[編集]

音韻体系の各直音の記事を参照。

参考文献[編集]

  1. ^ 金田一春彦『日本語の特質』(NHKブックス、1991年)
  2. ^ 原典不明。金田一春彦『日本語の特質』(NHKブックス、1991年)にも記載されている。

関連項目[編集]