拡張現実

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「Wikitude」。スマートフォンを通して見た風景上に、その場所に関する情報がオーバーレイされる

拡張現実(かくちょうげんじつ)とは、現実環境コンピュータを用いて情報を付加提示する技術、および情報を付加提示された環境そのものを指す言葉。

英語Augmented Reality英語発音: /ɔːgˈmentid riˈæləti/ オーグンティドゥ・リラティ)の日本語であるため、それを日本語発音した「オーグメンテッド・リアリティ」や、省略形のARも用いられる。また、拡張現実感(かくちょうげんじつかん)とも言う。

目次

[編集] 概要

バーチャルリアリティと対を成す概念。強化現実とも呼ばれ、現実の環境(の一部)に付加情報としてバーチャルな物体を電子情報として合成提示することを特徴とする。

合成提示される電子情報はアノテーションと呼ばれる。アノテーションは現実環境中の特定の物体に関する説明や関連情報を含み、説明対象となる実物体近くに提示されることが多い。このため、拡張現実を実現するための技術として使用者が対象を観察する位置など現実環境の情報を取得する技術が基礎技術として重要視されている。

情報の提示や取得にはバーチャルリアリティで広く利用されているデバイス、もしくは技術を利用する。例えば、視覚情報提示には主にヘッドマウンテッドディスプレイが利用される。しかし、現実環境における作業を支援する意図から、携帯電話等の小型情報端末の画面を用いた提示も検討されている。

提示される環境の主体が現実環境であることから、現実環境における作業支援がその応用分野として期待されている。例えば、道案内情報の提供、航空機やコピー機のメンテナンスを行う技術者に対する技術情報提供、医療分野における手術支援[1]に向けた情報提示などの応用研究が行われている。

日本では2007年以降一般にも知られるようになった。同年にAR技術を応用した初めてのゲーム「THE EYE OF JUDGMENT」が発売された。AR技術周知のきっかけのひとつとして、"拡張現実に類似したツール"が登場するアニメ「電脳コイル」(2007)の存在を挙げる声もある[2]。ただし、電脳コイルに登場する拡張現実は、実際のAR技術と直接の関係はない。また、同作品以前にも"拡張現実に類似したツール"が登場するアニメ・漫画は数多く存在する。例えば「ドラゴンボール」に登場する、相手の戦闘力を見ることの出来る片眼鏡形の表示装置「スカウター」なども拡張現実の一種と言える[3]

近年よく行われている手法に、ARToolKitなどの画像認識ルーチンを利用して、2次元バーコードパターンをWebカメラで撮影すると、それをマーカーとして映像にマッチムーブした3DCGアニメーションがリアルタイムで合成表示される物がある。2010年8月27日に、日本の携帯電話のフィーチャーフォンで実装を実現したAR3DPlayerは、2次元バーコードQRコードをそのまま、QaRマーカーとして認識する物もある。またセカイカメラの様にGPSの位置情報を利用する物もある。テレビや映画や雑誌などといったエンターテイメント利用の事例も、AR三兄弟などを中心に進んでいる[4]

[編集] 拡張現実(AR)を使った主なゲーム

ゲーム名 運営会社 対応機種
セカイカフェAR 頓智ドット株式会社 Android・iPhone
セカイカメラ 頓智ドット株式会社 Android・iPhone
魔獣ウォーズ 頓智ドット株式会社 iPhone
セカイユウシャ 頓智ドット株式会社 Android・iPhone
AR Monster 株式会社ハドソン iPhone
ディシディアデュオデシム ファイナルファンタジー AR 株式会社スクウェア・エニックス iPhone
クリッターズ 株式会社 デジタルレイ Android
AlienSweeper 株式会社 ランド・ホー Android・iPhone
ララコレ レイ・フロンティア 株式会社 iPhone
AirRaid 株式会社アクシス iPhone
AR シューティングカメラ 株式会社 アイデンティティー Android
ARゲームズ 任天堂株式会社 ニンテンドー3DS(本体内蔵)
顔シューティング 任天堂株式会社 ニンテンドー3DS(本体内蔵)

[編集] 比喩としての拡張現実

評論家宇野常寛は、ディジタル技術としての「仮想現実(VR)から拡張現実(AR)へ」という時代の流れが、ゼロ年代の日本社会においては文化的面でも進行していると論じている[5][6]。例えば、実在の場所をモデルとして設定し、そこの風景写真をトレースした背景を利用するなどしてアニメが製作され、ファンがそのモデルの場所を神聖視して実際に訪れるという行為(いわゆる聖地巡礼)が目立つようになっているが、これはアニメというメディアを通じて虚構の世界へ接続するという仮想現実的な発想ではなく、アニメの想像力を用いて現実の世界を読み替える(聖地化する)という拡張現実的な発想であるといえる。ほかにも、コンピュータゲームの分野においても、ゲームシステムの支援を受けて虚構に没入するというより、現実のコミュニケーションを加速させる(現実の風景を一変させる)ように設計されたゲーム(ソーシャルゲームなど)がヒットするという現象がみられる[注 1]

[編集] 脚注

[編集] 注釈

[編集] 出典

  1. ^ “Augmented Reality: OsiriX surgery”. WIRED (雑誌). (2010年8月21日). http://www.wired.com/beyond_the_beyond/2010/08/augmented-reality-osirix-surgery/ 
  2. ^ 『ARのすべて-ケータイとネットを変える拡張現実』 日経BP、2009年、10頁。ISBN 978-4822210830
  3. ^ 川田十夢 AR三兄弟 (2009年10月5日). “これなら分かるAR(拡張現実)”. @IT (ITmedia). http://www.atmarkit.co.jp/fwcr/design/tool/ar01/01.html 2009年10月11日閲覧。 
  4. ^ 『AR三兄弟の企画書』 日経BP、2010年。
  5. ^ 宇野常寛 『リトル・ピープルの時代』 幻冬舎、2011年、391頁・403頁。ISBN 978-4344020245
  6. ^ 宇野常寛6章震災後の想像力 3 拡張現実的、ネットワーク的」『政治と文学の再設定』 集英社WEB文芸RENZABURO(2011年7月1日)

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

[編集] AR研究機関

[編集] 企業

  中国ではARToolkitの正販売代理店。「ARcamera」アプリなどが有名である。

[編集] ARに関する記事およびリンク

[編集] ダウンロード可能なARツールキット(AR toolkits)

[編集] AR開発ソフト

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