JHMCS

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JHMCSJoint Helmet Mounted Cueing System、ジェイヘミクス、統合ヘルメット装着式目標指定システム)は、VSI社がアメリカ向けに開発した、戦闘機用のヘッドマウントディスプレイアメリカ空軍海軍海兵隊航空自衛隊を含め、世界20ヶ国以上で使用されている。

概要[編集]

JHMCSを装着したヘルメット

JHMCSの最大の特長は、敵機を機体の正面のHUDに捉えなくてもミサイルロックオンをできることにある。照準用の画面をバイザーに映すことで、敵機が真横に位置していても、顔を横に向ける(つまり敵機を見る)だけでミサイルのロックオンができるようになっている。このような戦闘機用HMDの先駆者的存在である、イスラエル空軍DASHDisplay And Sight Helmet、ダッシュ、表示・照準ヘルメット)も基本的に同じ機能を有するが、ヘルメットに内装されているDASHに対して、JHMCSはアダプタを取り付けた既存のヘルメットに装着する点が異なる。このため、バイザーを暗視ゴーグルに換装すれば夜間戦闘任務にも対応可能。

本システムに対応するミサイルはAIM-9X サイドワインダー2000IRIS-Tなどオフボアサイト発射能力を持つミサイルで、対応する戦闘機はF-22ラプターF/A-18E/FスーパーホーネットF-15イーグル(米軍のMSIP-2改修機相当の物のみ)、F-15Eストライクイーグルなどである。F-35ライトニングIIにおいてはJHMCSをさらに発展させたHMDが標準装備されており、一枚パネル式の主表示装置の採用によってHUDの表示機能を全て備えているため、HUDを装備する必要を無くしている。

日本でもJHMCSをF-15J 近代化改修機に搭載することで、AAM-5のオフボアサイト能力を最大限に発揮できるようになっている。ただし、JHMCSに国産空対空誘導弾のAAM-5を適合化をするために、輸入品そのままの採用とはならずに、島津製作所が適合化改修に関与している[1]

派生型[編集]

JHMCS II[編集]

現用のJHMCSの改良型。小型化されてバランスが改善されたほか、ケーブル類も軽くなり取り回しが向上している。従来よりも部品数が少ないのが特徴でありメンテナンス性が大きく向上している。また、搭載電子機器の性能向上によりデータ処理がヘルメットの内部で可能となったことでより小規模改修で搭載できるようになりコストも低減している。機能面では、昼間と夜間飛行モードの容易な切り替えが可能となり操作の柔軟性が大幅に向上した。なお、JHMCS II自体にも2種類有りJHMCS II/Mが従来と同じ磁気感知式なのに対しJHMCS II/Hでジャイロと光学式を併用した感知方式となっている。そのため、従来のJHMCSと互換性を持たず、Aircraft Interface Unit (ACIU)に接続され使用される[2][3]

出典[編集]

  1. ^ 「ここまで見せた!自衛隊F-15"改"」 J-Wings 2013年10月号
  2. ^ フライトグローバル2012年7月31日
  3. ^ ボーイングコリア

関連項目[編集]

外部リンク[編集]