岩のドーム

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座標: 北緯31度46分40秒 東経35度14分08秒 / 北緯31.777878度 東経35.23544度 / 31.777878; 35.23544

エルサレムの「岩のドーム」

岩のドーム(いわのドーム、アラビア語: قبة الصخرة‎ Qubba al-Ṣakhra)は、東エルサレムにある、カアバ預言者のモスクに次ぐイスラム教の第3の聖地。7世紀末に完成した集中式平面をもつ神殿である。

ユダヤ教キリスト教イスラム教にとって重要な関わりを持つ聖なる岩英語版を祀っている。建設に際して刻まれた総延長240mに及ぶ碑文では、イエスの神性を否定はするものの、預言者であることを認めている。

目次

歴史 [編集]

岩のドームはかつてのエルサレム神殿内にあり、建設はウマイヤ朝カリフであるアブドゥルマリク685年から688年の間のいつの時点かに建設を思い立ったことに始まる。当時、イスラム最高の聖地メッカアリー・イブン=アビー=ターリブ(第4代正統カリフアリー)を支持するイブン・アッ・ズバイルによって制圧されており、それが岩のドーム建設の直接の動機であったと推察される。

建物は、預言者ムハンマド夜の旅(イスラー)に旅立ち、また、アブラハムが息子イサクを犠牲に捧げようとした(イサクの燔祭)場所と信じられている「聖なる岩」を取り囲むように建設され、692年に完成した。外部は大理石と美しい瑠璃色のトルコ製タイルによって装飾されているが、これは1554年オスマン帝国スレイマン1世の命によって建築家ミマール・スィナンが貼り直したもので、かつては樹木や草花、建物を画いたガラス・モザイクであった。ドーム部分は内部装飾も含めて11世紀に再建されたものだが、これはほぼ創建当時のままのデザインである。

信仰 [編集]

ドーム内部にある聖なる岩

ユダヤ教 [編集]

ユダヤ教において「聖なる岩」は、アブラハムが息子のイサクを神のために捧げようとした台であるとされる(イサクの燔祭)。またダビデ王はこの岩の上に契約の箱を納め、ソロモン王はエルサレム神殿を建設した。また初期キリスト教でも聖地として扱われていた。支持者は少ないが、岩のドームを現在の場所から取り除いた上でその場にエルサレム神殿を再建しようとする運動すら存在している。

イスラム教 [編集]

イスラム教にとってもイブラーヒーム(アブラハムのアラビア語読み)は重要な預言者の一人であるが、犠牲を捧げようとした場所であるとはみられていない。イスラム教においてこの岩が神聖とされるのは、預言者ムハンマドが一夜のうちに昇天する旅(ミウラージュ)を体験した場所とされることである。クルアーンでは、マディーナ(メディナ)の預言者のモスクに住していた時代のムハンマドが、神の意志により「聖なるモスク」すなわちマッカ(メッカ)のカアバ神殿から一夜のうちに「遠隔の礼拝堂」すなわちエルサレム神殿までの旅をしたと語っている(17章1節)。

伝承によると、このときムハンマドは大天使ジブリールガブリエル)に伴われエルサレムの神殿上の岩から天馬ブラークに乗って昇天し、神アッラーフの御前に至ったのだという。

この伝承は、ムハンマドの死後から早い時期にはすでにイスラム教徒の間では事実とみなされており、神殿の丘におけるムハンマドが昇天したとされる場所にはウマイヤ朝の時代に岩のドームが築かれた。また、丘の上には「遠隔の礼拝堂」を記念するアル=アクサー・モスク(銀のドーム)が建設され、聖地のひとつと見なされている。

形状 [編集]

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Dehio 10 Dome of the Rock Floor plan.jpg

平面は2つの正方形を45度ずらして形成された八角形で、中央円形の内陣を二重の歩廊が取り囲む形式となっており、メッカのカアバを意識したことが指摘されている。

入り口は東西南北の4方向にあり、創建当時から円柱が取り付けられ、ヴォールト天井のポーチを備えていた。入り口を入ってすぐの外側の歩廊は、エンタブラチュアイオニア式円柱によって支えられる24のアーチを備え、内側の歩廊はドームを支える4本のピアと16のアーチを支えるイオニア式円柱によって内陣部と分離している。

Arabischer Maler um 690 002.jpg

平面の洗練された幾何学性はシリアの初期キリスト教建築にも見られるもので、内装に見られるモザイクなどもやはりキリスト教建築からの影響をうかがうことができる。

ドーム内部のモザイク装飾は11世紀以降に何度か補修を受けているが、創建当時の意匠をほぼそのまま踏襲している。デザインはギリシア、ローマ起源のもので、後のイスラム美術特有のモティーフである幾何学的装飾はまったく見られない。

関連項目 [編集]