アッラーフ

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イスラム教

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アッラーフ( اللّه Allāh)は、アラビア語アブラハムの宗教ユダヤ教キリスト教イスラーム教)の唯一神に対する呼称のひとつ。日本ではアッラーまたはアラーとも表記される。

イスラーム以前のアラビア半島においては多くの神々が信仰されており、元来アッラーはその至高神の呼称に過ぎなかった。ムハンマド後のイスラームにおいては万物を創造し、かつ滅ぼすことのできる造物主こそが唯一の神とされ、その超越性が強調される。イスラームの聖典クルアーン(コーラン)にはアッラーフの絶対性と全知全能性が記されている。

[編集] イスラーム教に於けるアッラーフ

アッラーフがクルアーンを授けたとされるムハンマドは、アッラーフより派遣された使徒であり、最後の預言者とされる。これは飽くまでもアッラーフから被造物である人類のために人類のなかから選ばれて派遣された存在に過ぎないとされている。また、そもそもアッラーフ自体が「生みもせず、生まれもしない」絶対固有の存在であるため、キリスト教神学のイエス・キリスト像のようにムハンマドに対して「アッラーフの子」と見なすような信仰的・神学的位置付けもされていない。

イスラーム教ではアッラーフは、生みも生まれもしない存在とされ、親も子供もいない。また、全知全能で唯一絶対であり、すべての超越者である。そして、目無くして見、耳無くして聞き、口無くして語るとされ、姿形を持たない、意思のみの存在であるため、絵画や彫像に表す事はできない。イスラーム教が偶像崇拝を完全否定しているのも、このためである。

イスラームの教えは先行するユダヤ教キリスト教を確証するものであるため、アッラーフはユダヤ教・キリスト教の神(ヤハウェ)と同一である、とされる。したがってアッラーフは世界を六日間で創造した創造神であると同時に、最後の日には全人類を復活させ審判を行う、終末をつかさどる神でもある。

ただし、一切を超越した全能の神・アッラーフが休息などするはずが無い、という観点から、創造の六日間の後に神が休息に就いたことを否定するなど違いはある。これはイスラームがユダヤ教やキリスト教を同じ「啓典の宗教」として尊重しながらも、それらの教えに人為的改変あり、と見なしてきたことの顕著な例でもある。

[編集] アラビア語ならびに他宗教に於けるアッラーフ

アラビア語においては、アッラーフはアブラハムの一神教といわれるユダヤ教キリスト教、イスラーム教の共通の唯一絶対神を指す。ちなみにアラブ地域の聖書ではヤハウェをアッラーフと表記している。例えば、東方正教会アンティオキア総主教庁、東シリア教会(ネストリウス派)、西シリア教会(単性論)などでは、創造主を「アッラーフ」と訳している。

ジャーヒリーヤと呼ばれた古代アラブの多神教においては、「アッラーフ」は神々のうちの一柱として信仰されていた。イスラーム登場後のアブラハムの唯一神教においては「唯一の崇拝の対象」を意味する言葉とされている。

ただし、考古学的見地では、ヤハウェとイスラーム教の唯一神アッラーフは別の起源であり、イスラーム教の唯一神アッラーフは、630年以前は、カアバ神殿に祭祀されていた最高神である。イスラーム教でいう「ジャーヒリーヤ(無明)時代」(アニミズム時代)に、カアバ神殿に祭祀されていた360の神々の最高神がアッラーフとされていた。アッラーフの下には、アッラートマナートアル・ウッザーの3女神が付き従っていたという。これらの女神はアラブの部族神であり広く信仰されていた。月からの隕石とされていた。この黒曜石が、アッラーフの神体とされたのである。もちろん、偶像崇拝を禁じるイスラーム教では、信仰及び崇拝の対象になっていないが、唯一の例外として、ハッジ(メッカへの巡礼)においてこの石に触れることができれば大変な幸運がもたらされるとされている。因みに現在は、カアバ神殿の東南角に丁重に嵌め込まれている。

[編集] 語源

「アッラーフ」の語源については二つの説が有力である。両説とも、英語の The God(または God)、フランス語の Le Dieu(または Dieu)に相当する普通名詞が特殊化し固有名詞化した、という説である。

  • 「崇められるもの」を意味する普通名詞の「イラーフ( إله ilāh)」に定冠詞アル( ال al)」を付けた「アル・イラーフ( الإله )」が短縮されたものである、という説。19世紀末にドイツの聖書学ユリウス・ヴェルハウゼンJulius Wellhausen)が唱えた。この説はムスリム(イスラーム教徒)に受けがよく[要出典]、今日しばしば見聞きする解釈である。また、「イラーフ( إله ilāh)」の綴りは声門閉鎖音である「 ء (ハムザ)」を打たない場合、アラビア語の語法では定冠詞「アル( ال al)」が付くと語頭の「ア(a)」の音価を持つ「ا」は欠如することとなる(これをハムザトゥ・ル・ワスルと呼ぶ)。この結果が「アッラーフ( ألله Allâh)」であるとも考えられる。
  • シリア語アラム語の方言)で神を表す「アラーハー(alāhā)」が訛ったもの、という説。非ムスリム系学者に支持されている説である[要出典]。また、考古学的にもこの説が支持されている[要出典]。また、アラム語と同系とされるヘブライ語で神を示すエロアーハー(Eloah:אלוה)も同語源と考えられる。
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