宅地建物取引主任者

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宅地建物取引主任者(たくちたてものとりひきしゅにんしゃ)は、宅地建物取引業者(一般にいう不動産会社)の相手方に対して、宅地又は建物の売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、重要事項の説明等を行う国家資格者である。通称宅建(たっけん)。

宅地建物取引主任者は、1958年に、当時の建設省が、宅地建物の公正な取引が行われることを目的として創設した資格である。なお、当初は、宅地建物取引主任者ではなく、「宅地建物取引員」という名称であった。

主任者は、登録している都道府県知事から宅地建物主任者証の発行を受けなければ業務を行うことができない。

目次

[編集] 宅地建物取引主任者の独占業務

  • 契約締結前に、宅地建物取引業者の相手方に対して、重要事項の説明を行うこと。
  • 重要事項説明書(業界用語で「35条書面」ともいう)への記名・押印
  • 37条書面(一般にいう「契約書」のこと)への記名・押印

これらの業務は宅地建物取引主任者であれば専任の取引主任者でなくとも行える。

[編集] 宅地建物取引業者

宅地建物取引業を営もうとする者は、2つ以上の都道府県の区域内に事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあっては国土交通大臣の、1つの都道府県の区域内にのみ事務所を設置してその事業を営もうとする場合にあっては当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事の免許を受けなければならない。

[編集] 宅地建物取引業者が負う宅地建物取引主任者の設置義務

宅地建物取引業者は、その事務所その他国土交通省令で定める場所ごとに、事務所等の規模、業務内容等を考慮して国土交通省令で定める数の成年者である専任の取引主任者を置かなければならない(宅地建物取引業法第15条第1項)。

この場合、原則として、「事務所」等に関しては業務に従事する者5人に対して1人の割合で、マンションのモデルルームのような案内所等で契約行為を締結する専任の宅地建物取引主任者を置くべき場所に関しては、業務に従事する者の人数に関係なく1人以上でなければならない。

ここでいう「専任」とは、国土交通省の通達によれば、原則として宅地建物取引業を営む事務所に常勤(宅地建物取引業者の所定労働時間を勤務することをいう)して、専ら宅地建物取引業に従事する状態を言うと解説されている。また、本店(会社以外では主たる事務所)はそこで宅地建物取引業を営んでいなくても事務所とみなされる。

[編集] 宅地建物取引主任者資格試験

国家資格試験の中で最大規模の資格試験であり、受験者数は2006年で20万人弱を数える。不動産景気を反映するバロメーターともいわれ、受験者数が最も多かった1990年はバブル景気の絶頂期であり、その数は34万2111人を数えた。バブル崩壊後は年々受験者数が減少してきたが、2001年に16万5104人を底に下げ止まっており、2002年以降はやや増加傾向にある。不動産業だけでなく金融業などの他業種や、法律系国家資格の登竜門としても人気がある。
試験の実施は各都道府県知事が指定試験機関である財団法人不動産適正取引推進機構に委託する形で行っている。そのため、全都道府県に試験会場を置いている(2005年で197会場)。

  • 受験資格
    年齢・性別・学歴等の制限は一切ない(1994年までは、原則として、高等学校卒業以上という受験資格の制限があった)。
  • 実施時期
    年1回(通常10月第3日曜日、合格発表は試験の45日後=11月29日~12月5日までの水曜日)
  • 実施地域
    居住している都道府県の指定された試験会場
  • 試験内容
    • 土地の形質、地積地目および種別 建物の形質、構造および種別◎
    • 土地および建物の権利、権利の変動(法令)
    • 土地および建物の法令上の制限
    • 土地および建物のに関する法令
    • 土地及び建物の需給に関する法令・実務◎
    • 土地および建物の価格評定
    • 宅地建物取引業法及び同法の関係法令
    登録講習実施機関が行う登録講習を受講した場合、◎印の科目については免除される。
  • 問題形式
    四肢択一式50問で、解答はマークシート方式。試験時間は2時間(13~15時)。
    問題冊子の持ち帰りは自由。

[編集] 合格率・合格基準点の推移

合格率はここ数年毎年15%~17%台で推移しており、合格率に対応した得点が合格基準点に設定されていると推測される。 従って問題が難しい年は高得点者の割合が少なくなる為、合格基準点が低くなり、逆に問題が易しい年は基準点が高くなる。 合格基準点は例年ほぼ30~35点の間で変動しているが、合格には35点を目安に全体の7割程度の得点が要求される。 しかし昨今の資格ブームや景気の動向による受験者の増加により、難易度が上昇しても高得点者が多数存在する年もあり、 翌年の問題が更に難化するケースも少なくない。ゆえに早期に準備し合格するのが望ましい。 また社会保険労務士のように科目ごとの足切り点は存在せず、総合得点で採点される。 当然ながら、受験地によって合格基準点が違う事もない(全国一律)。 2002年から正解肢が公表され、2005年からは電話で合否確認ができるようになった。

(住宅新報2007年7月17日号より)

実施年度 受験者数 合格者数 合格率 合格点
1958年(昭和33年) 36,646人 34,065人 93.0% -
1959年(昭和34年) 12,876人 12,649人 98.2% -
1960年(昭和35年) 15,051人 12,502人 83.1% -
1961年(昭和36年) 17,935人 11,662人 65.0% -
1962年(昭和37年) 20,004人 12,339人 61.7% -
1963年(昭和38年) 33,189人 14,059人 42.4% -
1964年(昭和39年) 39,825人 9,040人 22.7% -
1965年(昭和40年) 23,678人 10,177人 43.0% -
1966年(昭和41年) 24,528人 8,995人 36.7% -
1967年(昭和42年) 32,936人 9,239人 28.1% -
1968年(昭和43年) 42,960人 10,392人 24.2% -
1969年(昭和44年) 60,965人 31,398人 51.5% -
1970年(昭和45年) 88,514人 23,063人 26.1% -
1971年(昭和46年) 109,732人 20,547人 18.7% -
1972年(昭和47年) 156,949人 33,867人 21.6% -
1973年(昭和48年) 173,152人 57,140人 33.0% -
1974年(昭和49年) 102,849人 17,821人 17.3% -
1975年(昭和50年) 76,128人 14,686人 19.3% -
1976年(昭和51年) 79,300人 21,566人 27.2% -
1977年(昭和52年) 83,014人 20,596人 24.8% -
1978年(昭和53年) 88,862人 20,114人 22.6% -
1979年(昭和54年) 116,927人 17,653人 15.1% -
1980年(昭和55年) 130,762人 26,001人 19.9% -
1981年(昭和56年) 119,089人 22,660人 19.0% (35)
1982年(昭和57年) 109,041人 22,355人 20.5% (35)
1983年(昭和58年) 103,952人 13,758人 13.2% (30)
1984年(昭和59年) 102,233人 16,324人 16.0% (31)
1985年(昭和60年) 104,566人 16,168人 15.5% (32)
1986年(昭和61年) 131,073人 21,781人 16.6% (33)
1987年(昭和62年) 192,785人 36,665人 19.0% (35)
1988年(昭和63年) 235,803人 39,537人 16.8% (35)
1989年(平成元年) 281,701人 41,978人 14.9% (33)
1990年(平成2年) 342,111人 44,149人 12.9% (26)
1991年(平成3年) 280,779人 39,181人 14.0% (34)
1992年(平成4年) 223,700人 35,733人 16.0% (32)
1993年(平成5年) 195,577人 28,138人 14.4% (33)
1994年(平成6年) 201,542人 30,500人 15.1% (33)
1995年(平成7年) 202,589人 28,124人 13.9% (28)
1996年(平成8年) 197,168人 29,065人 14.7% (32)
1997年(平成9年) 190,131人 26,835人 14.1% (34)
1998年(平成10年) 179,713人 24,930人 13.9% (30)
1999年(平成11年) 178,384人 28,277人 15.9% (30)
2000年(平成12年) 168,094人 25,928人 15.4% (30)
2001年(平成13年) 165,104人 25,203人 15.3% (34)
2002年(平成14年) 169,657人 29,423人 17.3% 36
2003年(平成15年) 169,625人 25,942人 15.3% 35
2004年(平成16年) 173,457人 27,639人 15.9% 32
2005年(平成17年) 181,880人 31,520人 17.3% 33
2006年(平成18年) 193,573人 33,191人 17.1% 34
2007年(平成19年) 209,684人 36,203人 17.3% 35
2008年(平成20年) 209,415人 33,946人 16.2% 33

[編集] 備考

  • 1958年(昭和33年)第一回宅地建物取引員試験としてスタート。当初は問題数30問。
  • 1965年(昭和40年)宅地建物取引主任者試験と名称変更し、問題数を40問に増加。
  • 1981年(昭和56年)問題数を現在の50問に増加。
  • 2002年(平成14年)より合格点(合格最低点)が公表される。
  • 1981年(昭和56年)から2001年(平成13年)までの合格点は専門学校などによる推定。
  • 1997年(平成9年)から、指定講習終了者は、その後3年以内に行われる試験について、5問免除する(残り45問による受験となる)制度が実施されている。

[編集] 登録講習実施機関

(2008年12月25日現在)

  1. 財団法人不動産流通近代化センター
  2. 株式会社東京リーガルマインド
  3. TAC株式会社
  4. 欠番
  5. 株式会社住宅新報社
  6. 欠番
  7. アットホーム株式会社
  8. 株式会社フォーサイト(休止中)
  9. 株式会社総合資格
  10. 株式会社水戸法律センター
  11. 株式会社九州不動産専門学院
  12. 株式会社辰已法律研究所
  13. 株式会社日建学院
  14. 株式会社週刊住宅新聞社
  15. 株式会社日本ビジネス法研究所
  16. 有限会社ユーノリカ(宅建ゼミナール)

[編集] 資格の有効期限・講習

  • 実際に「宅地建物取引主任者」を名乗り独占業務を行うには、宅建試験に合格し、試験を実施した都道府県知事の資格登録を受け、かつ取引主任者証の交付を受ける事が必要である。
  • 資格登録には実務経験が2年以上なければならない。但し、登録実務講習実施機関が行う登録実務講習を受ける事により「2年以上の実務経験を有する者と同等以上の能力を有する者」と認められる。
  • 取引主任者証の有効期限は5年間で、5年ごとに法定講習及び取引主任者証の書換えが必要である。
  • 宅地建物取引主任者資格登録を完了したが取引主任者証の交付を受けていない者は宅地建物取引主任者資格者と呼ばれる。登録は違法行為などで取り消されない限り一生有効である。
  • 宅地建物取引主任者資格試験の合格実績は試験時の不正行為などで取り消されない限り、たとえ登録が消除されても一生有効である。

[編集] 関連資格

専任の宅地建物取引主任者管理業務主任者は兼任することはできない為、有資格者は宅建のみの者よりも就職・昇進に有利といわれる。宅建の試験レベルの内容だけでは区分所有法又は建物の設備の知識が足りないため、社員に管理業務主任者試験の受験を勧める企業も多い。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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ウィキブックス宅地建物取引主任者関連の教科書や解説書があります。

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