ボルクヴァルトIV

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ボルクヴァルト B IV

ボルクヴァルトIV(Borgward IV)またはB IVは、第二次世界大戦ドイツ軍の使用した、遠隔操作する爆薬運搬車輌のシリーズの一つ。 ゴリアテ (兵器)の拡大版とも言える兵器で、爆薬を搭載し無線誘導もしくは有人走行で敵陣や地雷原に肉薄する。そこで傾斜した前面装甲上に搭載した爆薬を滑り落とし、安全距離まで後退したところで起爆、目標を破壊する。

B IVの開発に至るまで[編集]

ドイツでは第一次世界大戦当時から、無線や有線による誘導兵器の実験が行われていたが、敗戦によりその開発は停止を余儀なくされていた。一方、フランスのポンメレットは1937年に小型装軌式車輌に爆薬を搭載、無線誘導で敵陣に突入して自爆する「VP(陸上魚雷)」を開発、これは採用され2,000輌の生産が命じられた。しかし少数が完成したところで、1940年のドイツ軍のフランス侵攻を受け、セダン付近で実戦に用いられたに止まった。

B I地雷除去車輌 (Sd.Kfz.300)
ドイツでも1939年11月、ボルクヴァルト社が地雷の除去を行うための無人誘導車輌の開発を命じられた。これは地雷原でローラーを転がして処理する使い捨て車輌(地雷の爆発で、本体も壊れてしまう)で、安く作るために車体はコンクリート製、転綸は木製、重量は1.5tであった。50輌が作られ、実戦で用いられた。
B II地雷除去車輌 (Sd.Kfz.300)
B Iに続き、大型化されたB IIが開発された。やはりコンクリート製車体であったが、こちらは最大515kgの爆薬を搭載、自爆することで周囲の地雷も誘爆させる方式であった。100輌が生産されて実戦投入されたが、信頼性に乏しく不満足な結果となった。なおこれに続き鋼板製となったB IIIが試作されたが、詳細な記録が見つかっていない。

B IV重爆薬運搬車輌 (Sd.Kfz.301)のバリエーション[編集]

ボルクヴァルト社は、使い捨て・自爆専用であるB I、B IIと違い、目標付近に450kgの爆薬を投棄して後退、本体は再利用することもできるタイプの爆薬運搬車輌を開発した。また、完全無人型だった以前のタイプと異なり、ある程度までは人間が搭乗、目標手前で脱出し、以後は無線操縦に切り替える方式となった。また、これ以外にも軽偵察車輌や煙幕展開用車輌としての運用も考慮されていた。そしてフランスのルノー UEのような小型装甲弾薬運搬車として開発していた試作車輌VK302をもとに、新型のB IVが完成した。

B IV A型
前面装甲10mm、その他5mmの最初の型。しかし操縦手の頭が無防備に出ており死傷者が続出したため、後から操縦席周りの前・側面に8mm厚の装甲板が追加された。1942年4月に生産開始され、試作型12輌、量産型616輌が生産された。
B IV B型
側・後面に8mm厚の装甲板が追加された新型。燃料タンクやエアフィルター、無線誘導装置など車内のレイアウトが変更された。1943年7月に生産開始され、260輌が完成した。
B IV C型
装甲が20mm厚に強化され、右にあった操縦席が左に移り、車体形状も変化した最終生産型。エンジンも78馬力の6B3.8型6気筒に変更された。1943年12月から生産開始され、305輌が完成した。

スペック(A型)[編集]

  • 全長:3,65 m
  • 横幅:1,80 m
  • 高さ:1,185 m
  • 重量:3,6トン