カルミナ・ブラーナ

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カルミナ・ブラーナラテン語: Carmina Burana)は19世紀初めにドイツ南部、バイエルン選帝侯領にあるベネディクト会のボイレン修道院(ベネディクトボイエルン: Benediktbeuern)で発見された詩歌集。カール・オルフがこれに基づいて作曲した同名の世俗カンタータがある。

詩歌集[編集]

ブラヌス写本 (カルミナ・ブラーナ)

1803年、ボイレン修道院が国有化されることになり、調査が行われた。その結果、図書室から古い歌を集めた写本が発見された。その中の歌は約300編にのぼり、ラテン語古イタリア語中高ドイツ語古フランス語などで書かれていた。歌詞の内容は若者の怒りや恋愛の歌、酒や性、パロディなどの世俗的なものが多く、おそらくこの修道院を訪れた学生や修道僧たちによるものと考えられた。中にはネウマによって簡単な旋律が付けられているものも10曲(9つの歌及び『賭事士たちのミサ曲』という曲)ある。これらの写本は11世紀から13世紀の間に書かれたと推測され、『カルミナ・ブラーナ』(ボイレンの歌)という題名で編纂され、1847年に出版された。現在、写本はミュンヘンバイエルン州立図書館に所蔵されている。

なお、ネウマ譜が残っている歌については別の写本などからネウマを復元する試みがなされており、レネー・クレメンチッチ1974年2009年)、フィリップ・ピケット1996年)らがアルバムを発表している。

カール・オルフの「カルミナ・ブラーナ」[編集]

カール・オルフの「カルミナ・ブラーナ」は、舞台形式によるカンタータであり、『楽器群と魔術的な場面を伴って歌われる、独唱と合唱の為の世俗的歌曲 (Cantiones profanæ cantoribus et choris cantandæ comitantibus instrumentis atque imaginibus magicis[1],英訳例:Secular songs for singers and choruses to be sung together with instruments and magic images)』という副題が付いている。オルフは前記の詩歌集から24篇を選び(内1曲はオルフの自作)、曲を付けた。「初春に」「酒場で」「愛の誘い」の3部から成り、その前後に序とエピローグがつく。1936年に完成し、翌1937年7月8日フランクフルトフランクフルト歌劇場で初演され。全世界に名前を知られるようになった。

混声合唱、少年合唱、ソプラノテノールバリトンのソリスト、大規模なオーケストラという大きな編成である。酒や男女の睦み合いなどを歌った詞に、シンプルな和音及び強烈なリズムが特徴。20世紀を代表する楽曲である。歌詞は主にラテン語であるが、ドイツ式、イタリア式といった発音に関してはオルフは特にこだわっておらず、両方で演奏されている(一部の歌詞は中高ドイツ語や古フランス語が用いられている)。

なお、副題にあるように本来は独唱者、バレエが音楽を象徴的に表現する舞台作品であり[2]、バレエによる舞踊を伴わない演奏会形式は略式の演奏となる。しばしば歌劇場ではバレエを伴って舞台上演される。

オルフは後に『カトゥーリ・カルミナ英語版ドイツ語版イタリア語版』(1943年)、『アフロディーテの勝利英語版ドイツ語版』(1950年 - 1951年)を書き上げ、これらを3部作『トリオンフィ』(Trionfi、勝利)としてまとめることになる。

演奏時間[編集]

約1時間。ピアノ打楽器吹奏楽合唱、抜粋で演奏されることも多いし、合唱と供に弦楽器は調的な繰り返しが多く容易なので大学オケなどのアマチュア団体にも可能である。[独自研究?]

楽器編成[編集]

曲目[編集]

§ 全世界の支配者なる運命の女神(フォルトゥナFORTUNA IMPERATRIX MUNDI

  1. おお、運命の女神よ(合唱) O Fortuna (Chorus)
  2. 運命の女神の痛手を(合唱) Fortune plango vulnera (Chorus)

§ 第1部: 初春に 1. PRIMO VERE

  1. 春の愉しい面ざしが(小合唱) Veris leta facies (Small Chorus)
  2. 万物を太陽は整えおさめる(バリトン独唱) Omnia sol temperat (Baritone Solo)
  3. 見よ、今は楽しい(合唱) Ecce gratum (Chorus)

§ 芝生の上で UF DEM ANGER

  1. 踊り(オーケストラ) Dance (Orchestra)
  2. 森は花咲き繁る(合唱と小合唱) Flore silva (Chorus & Small Chorus)
  3. 小間物屋さん、色紅を下さい(2人のソプラノと合唱) Chramer, gip die varwe mir (Sopranos & Chorus)
  4. 円舞曲: ここで輪を描いて回るもの(合唱) - おいで、おいで、私の友だち(小合唱) Reie: Swaz Hie gat umbe (Chorus) - Chume, chum, geselle min (Small Chorus)
  5. たとえこの世界がみな(合唱) Were diu werlt alle min (Chorus)

§ 第2部: 酒場で 2. IN TABERNA

  1. 胸のうちは、抑えようもない(バリトン独唱) Estuans Interius (Baritone Solo)
  2. 昔は湖に住まっていた(テノール独唱と男声合唱) Olim lacus colueram (Tenor Solo & Male Chorus)
  3. わしは僧院長さまだぞ(バリトン独唱と男声合唱) Ego sum abbas (Baritone Solo & Male Chorus)
  4. 酒場に私がいるときにゃ(男声合唱) In taberna quando sumus (Male Chorus)

§ 第3部: 愛の誘い 3. COUR D'AMOURS

  1. 愛神はどこもかしこも飛び回る(ソプラノ独唱と少年合唱) Amor volat undique (Soprano Solo & Boy's Chorus)
  2. 昼間も夜も、何もかもが(バリトン独唱) Dies, nox et omnia (Baritone Solo)
  3. 少女が立っていた(ソプラノ独唱) Stetit puella (Soprano Solo)
  4. 私の胸をめぐっては(バリトン独唱と合唱) Circa mea pectora (Baritone Solo & Chorus)
  5. もし若者が乙女と一緒に(3人のテノール、バリトン、2人のバス) Si puer cum puellula (3 Tenors, Baritone, 2 Basses)
  6. おいで、おいで、さあきておくれ(二重合唱) Veni, veni, venias (Double Chorus)
  7. 天秤棒に心をかけて(ソプラノ独唱) In trutina (Soprano Solo)
  8. 今こそ愉悦の季節(ソプラノ独唱、バリトン独唱、合唱と少年合唱) Tempus est iocundum (Soprano, Baritone, Chorus & Boy's Chorus)
  9. とても、いとしいお方(ソプラノ独唱) Dilcissime (Soprano Solo)

§ 白い花とヘレナ BLANZIFLOR ET HELENA

  1. アヴェ、この上なく姿美しい女(合唱) Ave formosissima (Chorus)

§ 全世界の支配者なる運命の女神 FORTUNA IMPERATRIX MUNDI

  1. おお、運命の女神よ(合唱) O Fortuna (Chorus): 冒頭の曲を再び最後に持ってきている。


BGMとしての使用例[編集]

殆どが「おお、運命の女神よ(合唱)」O Fortuna (Chorus) 部分の抜粋である。

スポーツ[編集]

音楽[編集]

ドラマ[編集]

映画[編集]

その他、多くのCMやテレビ番組などでも使用されている。

脚註[編集]

  1. ^ Carmina Burana - オルフ研究所
  2. ^ ヴァーツラフ・スメターチェク指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団によるCD(COCO-75214~5,再発売COCO-70996~7)の岡俊雄による解説。

参考文献[編集]