アベル (ストリートファイター)
アベル プロフィール
アベル (Abel) は、カプコンの対戦型格闘ゲーム『ストリートファイターIV』シリーズなどに登場する架空の人物。担当声優は高橋研二。
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[編集] 概要
『ストリートファイターIV』(以下『ストIV』と表記)で初登場。『ストIV』からの新キャラクターの中ではクリムゾン・ヴァイパーとともに最も早い段階で発表されたキャラクターの内の一人である。
『ストIV』のストーリーにおける重要人物の一人で[1]、ボスキャラクターであるセスとも深い関係を持つ。
最も初期に発表された公式のキャラクターイラストでは従来作品の主人公であるリュウのイラストと左右対称のポーズで描かれており『ストIV』のキャラクターセレクト時における初期カーソルもリュウではなくアベルに固定されていたが、『ストリートファイターIII』のアレックスと違って、正式に主人公と認定されているわけではない[2]。
初期の構想では「フランス人の柔道家」と「柔よく、剛を制す」というコンセプトを基に製作される予定で、キャラデザインも「小柄で女の子に間違われそうな少年」という、現在とはまったく異なるデザインだった[3]。
[編集] キャラクター設定
シャドルー残党を追跡している記憶喪失の謎の白人男性。逆三角形体型のたくましい肉体を持つ偉丈夫で、軍隊仕込みと目される総合格闘技を使う。また顔や全身には無数の傷跡があり、戦闘中特定の状況になると自身の瞳の白目部分が黒く変色するという身体的特徴を持つ。
その正体は、シャドルーによるベガの代替ボディを遺伝子操作によって生み出す「リビング・インキュベータ計画」によって誕生した「素体」の内の1体である[4]。アベルは「不良品」として他の素体とともに廃棄される予定だったが『ストリートファイターZERO』シリーズの登場人物・ナッシュによってシャドルーの基地から助け出されたため、事なきを得る。その後は、ナッシュの友人である傭兵部隊の隊長のもとに預けられ、傭兵部隊の隊員として日々を過ごしていたが、あるとき部隊の隊長にして父親代わりでもあった男が事故死したことで天涯孤独の身になる[5]。隊長からは度々「シャドルーには近づくな」と忠告を受けていたが、自分の過去を知りたいという想いを抑えることはできず、傭兵を辞め[4]、一人旅立つことを決意する(ストIV)。
シャドルーを追う旅に出る少し前、アベルは雨の中捨てられていた子犬に自身の境遇を重ね、その子犬を引き取ることにする。その後、旅の中でシャドルーの下部組織・S.I.N社を巡る戦いを通じ、様々な出会いや発見をしたアベルだったが、自身の抱える謎をすべて解き明かすには至らなかった。アベルは落ち着いたらまた自身の過去を探す旅に出ると心に決め「家族」の待つ家へと帰るのだった(スパIV)。
[編集] 外見・人物
外見は金髪で碧眼。頭頂部から前髪部分を除いて短く刈り上げたソフトモヒカンヘアに、彫りの深い顔つきと高い鼻が特徴。青い柔道着に、白のスパッツとグローブを身につけており、スパッツと胴着の肩から袖にかけたサイド部分には、赤・白・青のフランス国旗と同色のラインが入っている。腰帯の結び方は自己流だが、これは戦いを繰り返すうちに自身が最も緩みにくいと思った独自の締め方をしているためである[6]。
強面な外見とは裏腹に丁寧で礼儀正しく、生真面目。また、他者への関心が強く、ザンギエフやフェイロンのファンという一面もあり、人間味溢れる性格をしている。軍隊生活が長かったため身の回りの世話は自分でやることが多く、裁縫が得意になったという一面を持ち、嫌いなものとして挙げているカキは以前食べたときにお腹を壊したからと語られている。家族を持つことに憧れており、今までは軍隊生活で飼うことができなかったが、後に白い子犬を家族として迎えている。
オリジナルアニメーション『~新たなる絆~』ではラストのワンシーンにおいて、革ジャンにジーンズ姿で一瞬だけ登場しており、その際にセスとの関連性を匂わせる演出がなされている。2009年3月に発売された「ストリートファイター アート・コミック・アンソロジー」では、ゲリラ部隊の司令官としてミリタリールックに身を包んだ姿や、学園内の購買部にて縫い物に勤しむ姿を見ることができる。
[編集] 他のキャラクターとの関係
アベル自身がシャドルーの追跡を目的としているため、シャドルーに関わる人物とは接点が多い。
- ナッシュ
- 物語が始まる5年前、アベルを助け出した人物。アメリカ空軍に所属しシャドルーの調査を行っていたが、現在では行方不明になっている。
- ゲーム内ではその存在を匂わせる程度に留まり、誰であるかの具体的な詳細は不明だったが、その後、アーケード版稼動から約1年後の2009年8月の公式ブログの記事において正式にナッシュであることが明かされている[7]。
- ガイル
- シャドルーを追うアメリカの軍人。アベルを助けた男・ナッシュの親友。
- アベルはガイルの使用する「ソニックブーム」に見覚えがあり、同じ技を使う男を知っていると語った。最初はガイルをスパイではないかと警戒していたアベルだったが後に和解し、共闘することとなる。
- また、『ストリートファイター X 鉄拳』ではアベルのタッグパートナーを務める(ソルジャータッグ)。
- ザンギエフ
- アベルが好きなプロレスラー。
- 世界格闘大会に参加し、試合を通じてアベルと交流を持つ。また、彼も結果的にシャドルー関係者で本作の黒幕でもあるセスに関わることになる。
- フェイロン
- アベルが好きなアクション映画俳優。
- 映画製作を妨害する犯人を捜索しているうちに、アベルと遭遇して勝負することになる。後に映画製作を妨害しているのがセスであることを知る。
- セス
- 作中の最終ボスにしてシャドルー関係者。
- アベルと同じ顔、同じ体格をした謎の人物。両者の身長や体重、スリーサイズなどのプロフィールデータは全て同じ数値であり、身体的な共通点が多い。また、セスはアベルの出生や過去を知る人物の一人で、アベルを「逃げた素体」「ナンバーも持たぬ不良品」と呼び敵視している。
- 2人の関係についてもナッシュと同様にゲーム内では具体的な設定は明かされなかったが、前述したブログの記事により、ベガの代替ボディとして人為的に生み出されたクローン人間の一人であり、同じ遺伝子を持つ兄弟であることが発表された[7]。対戦中、アベルの瞳の色やセスの体色が変化することがあるのも両者の関係を裏付ける共通点の一つである[6]。
[編集] 性能
打撃技とコマンド投げの両方を持ち接近戦を主体とするパワータイプのキャラクター。飛び道具は持たないが突進技と移動技も持ち併せているため機動力は高め。比較的ダッシュの性能もいいため自分に有利な間合いに持ち込むのも得意である。
さらに体力・気絶耐久力も高いという長所も持ち、目立った弱点がないバランスの取れたキャラクターであるといえる。特に『スーパーストリートファイターIV』(以下『スパIV』と表記)では他の上位キャラクターの耐久力が見直されたため、相対的に打たれ強さが増している。
必殺技は中段・下段判定のものを多く持ち、相手のガードを揺さぶりつつ、隙を見てコマンド投げを決める戦法を得意とする。また、強力なウルトラコンボ(UC)を所持しているのも強みの一つであり、ウルトラコンボI・IIともに高い性能を持つ。
[編集] 技の解説
[編集] 投げ技
[編集] 特殊技
- 前蹴り
- 脚を突き出すようにして蹴る。ヒット後はダッシュで自身の硬直をキャンセル可能。
- 発生が早い上にリーチも長いため様々な用途に使える。
[編集] 必殺技
- チェンジオブディレクション
- パンチのコンボから投げに移行するコンビネーション技。「チェンジオブディレクション」は単発の上段攻撃だが、発動後の追加入力で2段目の「セカンドミドル」「セカンドロー」、3段目の「フィニッシュミドル」「フィニッシュロー」へ派生することができる。
- 「ミドル」系はしゃがみガード不能の中段属性「ロー」系は立ちガード不能の下段属性と属性が変化するため、相手のガード方向を翻弄できる。3段目は見た目は投げ技に見えるが、打撃属性なのでガード可能。
- EX技として発動するとセービング属性が付き、相手の攻撃を受けても一回だけなら怯まずに技を繰り出すことが可能(ハイパーアーマー)。
- ホイールキック
- 浴びせ蹴りに似た技。体をひねりながら前方に飛び込み、振り下ろすようにしてカカト落としを放つ。
- 中段技でしゃがみ状態の相手はガードできないほか、アーマーブレイク属性も持つ。(弱)(中)(強)の順に移動距離が伸びる。
- 攻撃判定が大きく、飛び道具を避けながら攻撃したり空中の相手を引っ掛けるようにして打ち落としたりすることも可能。
- マルセイユローリング
- 前転して受身を取り、素早く起き上がる移動技。いわゆる緊急回避的な技で攻撃性能はない。
- 飛び道具などをくぐり抜けつつ接近したり、相手の後方へ回り込んだりすることが可能だが、動作中は完全に無敵というわけではない。
- スカイフォール
- 対空の投げ技。腕を前方上空に素早く突き出し、空中の相手が触れるとそのまま掴んで地面へ叩きつける。
- 空中にいる相手にのみ有効な対空専用技で、相手が地上にいるときに触れても発動しない。また、相手の攻撃と相打ちになった場合はダメージを与えることはできない(叩きつけずにその場に落としてしまう)。
- EX版は、相手を掴んだ後の動作が、背負い投げの体勢で自分も跳躍し、相手の身体の上にのしかかるようにして地面に叩きつける技に変化する。
- トルネードスルー
- 相手の襟元を掴んで持ち上げ、頭上で大きく振り回してから地面に叩きつける投げ技。(弱)(中)(強)の順に威力と相手を振り回す回数が増加する。
- 地上にいる密着状態の相手にのみ決まるコマンド投げ。一般的な投げ技と比べると発生が遅めだが、つかみ動作中は相手の投げ技を受けないという特徴がある。
- EX版は投げ無敵の代わりに打撃に対して無敵になる。また、ヒット時に相手を振り回す回数は増加するが、ダメージはトルネードスルー(強)と変わらない。
[編集] スーパーコンボ
- 無心(むしん)
- 両腕を大きく広げて構えを取った後、タックルを仕掛ける打撃投げ。ヒット時は相手を押さえ込んだ状態で画面端まで突進。相手を壁に叩きつけた後、パンチのラッシュを浴びせかけ、技の締めに相手を掴んで「EXスカイフォール」を放つ。
- 技の性質上、技後は画面端に近い位置でバトルが再開されるのが特徴。投げ技のように見えるが、ガードは可能である。技の発生が速いため、連続技に組み込むことが出来る。
- 開発当初は現在のものと技の性質が異なり「チェンジオブディレクション」と同モーションの大振りのパンチを打ち出し、これがヒットすると連続打撃に移行してから「トルネードスルー」を決めるという内容だった[8]。これらの動作は、現在の「無我」にその一部が組み込まれている。
[編集] ウルトラコンボ
- UC1 - 無我(むが/Soulless)
- 最初の一撃が決まると強力な連続攻撃へ移行する、打撃投げ。前方へ高速移動した後ボディブローを放ち、これがヒットすると雄叫びを上げながらパンチとキックのラッシュを叩き込む。更に相手を掴んで「トルネードスルー」で真上に放り投げた後、自身も跳躍。上空で相手をもう一度掴み、回転しながら「EXスカイフォール」の体勢で全体重をかけて地面に叩きつける。なお、技の動作中は眼球の色が白黒反転してセスのような瞳に変化するという特徴がある。
- リーチが長く、移動中は飛び道具をすり抜けることができるほか、威力の高さも全ウルトラコンボ中でも上位に属するという高性能な技である。コンボの組み方によっては「無心」同様、連続技に組み込むことが可能。
- UC2 - 無空(むくう/Breathless)
- 『スパIV』の新技で、ウルトラコンボ・IIとして実装。移動距離の長い突進タイプの投げ技。
- 技が発動すると姿勢を低くして構えを取った後、前方に向かって勢いよく突進し相手につかみかかる。つかむのに成功すると、竜巻とともに相手を上空に放り投げてから膝蹴りを叩き込んで再度捕獲。そのまま相手ごとゴロゴロと地面を転がった後、最後に勢いよく投げ飛ばして壁に叩きつける。
- 技の最中はセービング状態になり、一度だけなら相手の攻撃を受けてもひるまずに攻撃を仕掛けることが可能。また、ボタンを押し続けることで突進のタイミングをズラすこともできるほか、追加入力で技そのものを中断することも可能。
- 技の威力は「無我」よりわずかに劣り、投げ技の性質上コンボに組み込むこともできないが、技を潰されにくく応用も利くため汎用性に優れる。
[編集] その他
- 対戦相手に敗北したときに彼が発する「体がーっ!」という独特の悲鳴が稼動初期にプレイヤー間で話題を呼んだ[9][1]。
- 通常パンチ攻撃は骨法に似た掌打系統のものが多い(なお、実際の総合格闘技では掌打や手刀などの手を広げた状態での打撃は反則技である。オープンブローを参照)。
[編集] 登場作品
- ストリートファイターIVシリーズ
- ストリートファイターIV
- スーパーストリートファイターIV
[編集] 脚注
- ^ a b スーパーストリートファイターIV・オフィシャルブログ「ストーリーと演出について」より。
- ^ 公式ブログ・質問に答えちゃうシリーズ(1)より。
- ^ スパIV・公式ブログ『第二回』より。アベルの初期デザインのイラストも掲載されている。
- ^ a b ストリートファイター×鉄拳・キャラクター紹介より。
- ^ 家庭用版公式サイト・サイドストーリーズ(アベル)より。
- ^ a b スーパーストリートファイターIV・オフィシャルブログ『質問に答えちゃうシリーズ(11)』より。
- ^ a b 公式ブログ「本当の物語」より。
- ^ スーパーストリートファイターIV オールPVコレクション(2008~2010)『11.Characters PV1(AOU'08)』より。
- ^ 公式ブログ「ボイス収録編のコメントに答えちゃう!」より。
[編集] 参考文献
- 『STREET FIGHTER IV MASTER GUIDE 拳の書』エンターブレイン 2008年10月2日 ISBN 978-4-7577-4513-1
- 『ストリートファイター アート・コミック・アンソロジー』エンターブレイン 2009年3月14日 ISBN 978-4-7577-4719-7
[編集] 関連項目
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