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生頼範義

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
生賴 範義
生誕 1935年11月17日
兵庫県明石市
死没 2015年10月27日(満79歳没)
宮崎県東諸県郡国富町
国籍 日本の旗 日本
教育 東京芸術大学中退、鹿児島県立川内高等学校卒業
著名な実績 イラストレーション
受賞 星雲賞
1980年
活動期間 1962年 - 2015年

生頼 範義おおらい のりよし[1][2] / おうらい のりよし[3][4]1935年昭和10年〉[4][2]11月17日[5][6] - 2015年平成27年〉10月27日[出典 1])は、日本イラストレーター油絵風の画法[8]が特徴。イラスト集や作品展のタイトルでは生賴範義の表記が見られる[9][4]。「生 範義」は誤表記。息子のオーライタローも画家。

来歴・作風

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兵庫県[4]明石市生まれ。第二次世界大戦さなかの1945年鹿児島県川内市(現・薩摩川内市)に疎開[10]鹿児島県立川内高等学校卒業[11]。高校卒業後、東京芸術大学美術学部に入学したが、後に中退した[7]1962年、イラストレーターとして活動を開始[7]1973年、東京から妻の郷里宮崎県宮崎市に転居。

1980年、SF雑誌に発表した「スターウォーズ」のイメージ画が、制作者のジョージ・ルーカスの目に留まり[注釈 1]、その続編ポスター用イラストを正式に依頼される[12]。そして作成した『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』の国際版ポスターのイラストが[8]高い評価を得て、外国でも名を知られるようになる。同年、第11回星雲賞アート部門を受賞する[13][7]

1983年に書籍『東宝特撮映画全史』(東宝)の表紙を担当したことをきっかけに、翌年の映画『ゴジラ』のポスターを担当[12][7]。以後、平成ゴジラシリーズ(VSシリーズ)のポスターイラストを手掛けた[出典 2]。ポスター執筆の時点では、ストーリーやキャラクターデザインが決定していないことも多く、『ゴジラvsキングギドラ』のキングギドラや『ゴジラvsデストロイア』のデストロイア完全体は生頼ポスターのデザインがベースとなっている[出典 3]

日本や中国、欧州などを舞台にした時代物、アクション・戦争物、SF・伝奇、怪獣特撮といった分野の小説や映画、ゲームのイラスト依頼が多かった。リアルな写実画と、それに迫力を加えたデフォルメを得意としたことによる。アシスタントは使わず、ペンと筆、定規によりすべて独りで描いた[15]。書籍『ゴジラ大百科 新モスラ編』では、「基調色を全体に強く打ち出す彩色」と「描く対象同士の本来の大きさをあえてくずして配置する大胆な構図」を生頼の絵の特色としている[12]。独特の色彩感覚と大胆な構図は「生賴タッチ」とも称される[4]。目標とする画家として、オランダの画家フランス・ハルスを挙げている[4]

2013年、宮崎県文化賞芸術部門を受賞[16]

2014年みやざきアートセンターで「生頼範義展」を開催[17]。平成26年度文化庁映画賞で功労賞を受賞[出典 4]

2015年10月27日、肺炎のため死去[20]。79歳没。

2016年、第35回日本SF大賞で功績賞を、第47回星雲賞でアート部門を受賞。

2018年、東京・上野の森美術館で「生賴範義展」(1月6日-2月4日)が開催された[21]

活動

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映画

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小説

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雑誌

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ゲーム

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イラスト集

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  • 『生賴範義イラストレーション』(1980年、徳間書店) ISBN 4-19-402116-9
  • 『生頼範義198X年イラスト集』(1982年、講談社) ISBN 4-06-108067-9
  • 『生賴範義イラストレーション2 《幻魔世界》』(1983年、徳間書店) ISBN 4-19-402685-3
  • 『神話-THE BEAUTIES IN MYTHS』(1988年、徳間書店/2017年、復刊ドットコム) ISBN 4-19-413716-7ISBN 978-4-8354-5551-8
  • 『生賴範義 THE ILLUSTRATOR』(2014年、宮崎文化本舗) ISBN 978-4-9907484-0-1
  • 『生賴範義 緑色の宇宙』(2014年、玄光社) ISBN 978-4-7683-0583-6
  • 『生賴範義Ⅱ 記憶の回廊 1966-1984』(2015年、宮崎文化本舗) ISBN 978-4-9907484-3-2
  • 『生賴範義展 THE ILLUSTRATOR』(2016年、宮崎文化本舗) ISBN 978-4-9907484-2-5
  • 『生賴範義Ⅲ THE LAST ODYSSEY 1985-2015』(2016年、宮崎文化本舗) ISBN 978-4-9907484-4-9
  • 『生賴範義 拾遺集』(2016年、宮崎文化本舗) ISBN 978-4-9907484-5-6
  • 『生賴範義軍艦図録』(2017年、玄光社) ISBN 978-4-7683-0882-0
  • 『生賴範義戦記画集』(2018年、玄光社) ISBN 978-4-7683-1108-0
  • 『生賴範義画集〈幻魔〉』(2019年、復刊ドットコム) ISBN 978-4-8354-5709-3
  • 『生賴範義画集〈狼男達〉』(2020年、復刊ドットコム) ISBN 978-4-8354-5710-9
  • 『生賴範義画集〈SAKYO〉』(2020年、復刊ドットコム) ISBN 978-4-8354-5747-5

アルバムジャケット

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  • レイジー宇宙船地球号』(1980年)
  • 本城未沙子
    • 『魔女伝説〜Messiah's Blessing』(1982年10月21日)
    • 『13TH』(1983年3月21日)
    • 『THE CRUISER〜幻想の侵略者〜』(1983年7月21日)

その他

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脚注

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注釈

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  1. ^ 書籍『平成ゴジラ大全』のインタビューでは、プロデューサーのゲイリー・カーツと述べている[4]
  2. ^ 第1巻から第4巻のカバーは、アニメ映画の公開に伴って一時期大友克洋の筆によるものと差し替えられている。
  3. ^ ソノラマ文庫 1989年「壮絶!鉄底海峡」のカバーで使用されたもの。
  4. ^ 月刊少年マガジンに付録として付けられたポスター用イラストの転用。

出典

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  1. ^ 公式サイトプロフィール
  2. ^ a b c 「ゴジラVSビオランテ特殊コラム作戦室」『ゴジラVSビオランテ コンプリーション』ホビージャパン、2015年12月16日、163頁。ISBN 978-4-7986-1137-2 
  3. ^ 国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス
  4. ^ a b c d e f g h 平成ゴジラ大全 2003, pp. 6–8, 「生賴範義ポスター・ギャラリー&インタビュー」
  5. ^ METAL GEAR SOLID naked. 角川書店. (2004-3-1). ISBN 4047071455 
  6. ^ a b c d e f g h i j k ゴジラ365日 2016, p. 326, 「11月17日」
  7. ^ a b c d e f g 特撮秘宝3 2016.
  8. ^ a b c d 「日本沈没」列島縦断ポスターできた”. 日刊スポーツ (2006年4月12日). 2015年11月16日閲覧。
  9. ^ 生賴範義展II 記憶の回廊
  10. ^ スター・ウォーズ、ゴジラ、幻魔大戦…世界的イラストレーター、生頼範義氏の原画間近に 兵庫・明石で
  11. ^ 川内高校可愛山同窓会と銀杏の思い出”. 薩摩川内観光物産ガイド こころ. 薩摩川内市観光・シティセールス課&株式会社薩摩川内市観光物産協会 (2018年3月9日). 2022年3月28日閲覧。
  12. ^ a b c d e ゴジラ大百科 1992, p. 149, 構成 早川優「ゴジラ映画を100倍楽しむ100のカタログ 81 ポスター画に見るゴジラワールド」
  13. ^ 星雲賞リスト”. 星雲賞について. 日本SFファングループ連合会議. 2012年5月31日閲覧。
  14. ^ a b 平成ゴジラパーフェクション 2012, p. 149, 「平成ゴジラバーニング・コラム NO.012 生頼ポスターのひみつ」
  15. ^ 【アート】イラストレーター 生賴範義/描写力と表現の幅で圧倒『産経新聞』朝刊2018年1月11日(文化面)
  16. ^ http://www.pref.miyazaki.lg.jp/miyazaki-bunkashinko/kanko/bunka/documents/3967_20170425112022-1.pdf
  17. ^ ゴジラ365日 2016, p. 43, 「2月7日 / 2月8日」.
  18. ^ 平成26年度文化庁映画賞について”. 文化庁 (2014年9月12日). 2015年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月19日閲覧。
  19. ^ 文化庁映画賞にアニメ美術の半藤克美氏、ポスタービジュアルの生頼範義氏ら” (2014年10月1日). 2015年3月19日閲覧。
  20. ^ 「スター・ウォーズ」ポスターで注目 生頼範義氏死去” (2015年10月27日). 2016年5月8日閲覧。
  21. ^ 生賴範義展上野の森美術館ホームページ(2018年3月29日閲覧)。
  22. ^ 小黒祐一郎 (2009年4月9日). “第103回 『FUTURE WAR 198X年』”. アニメ様365日. スタジオ雄. 2012年5月31日閲覧。
  23. ^ 大橋博之『SF挿絵画家の時代』本の雑誌社、2012年、p.135

出典(リンク)

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参考文献

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外部リンク

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